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 労働組合法
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 11-1選択14-1選択14-2選択14-3選択21-1選択
























1.1  目的(1条)
 「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする」

 「同2項 刑法35条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。
 但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない」
 正当行為(刑法35条)
 「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」
1.2 労働組合(2条)
 「この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。
 ただし、次の各号の一に該当するものは、この限りでない」
1  役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接に抵触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
2  団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、
・労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、
・且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与
 を除くものとする。
3  共済事業その他福利事業のみを目的とするもの
4  主として政治運動又は社会運動を目的とするもの

1.3 労働者(3条)
  「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう」 
「賃金・その他によって生活する者(会社や店を経営したり、家・土地その他の財産で生活する者などではなく、人に雇われて生活する者)」とあるから、 労組法においては、現に失業していても労働者といえる。
 た、プロ野球の選手や一定の請負契約で働く者も労働者として認められる場合もある。
 なお、労基法では、「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とあり、失業中の者や請負契約の者は労働者ではない。
1.4 労働組合として設立されたものの取扱(5条)
 「労働組合は、労働委員会に証拠を提出して、2条及び本条2項(労働組合規約)の規定に適合することを立証しなければ、この法律に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、この法律に規定する救済を与えられない。
 但し、7条1号(不当労働行為)の規定に基く個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない」
 「2項 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない」
1  名称
2  主たる事務所の所在地
3  連合団体である労働組合以外の労働組合(単位労働組合)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。
4  何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと。
5  単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。
6  総会は、少くとも毎年1回開催すること。
⇒「代議員制度を採っている場合はその代議員制度による大会でもよい」(通達(労発126号S29.04.2)
7  すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名並びに現在の経理状況を示す会計報告は、組合員によつて委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少くとも毎年1回組合員に公表されること。
8  同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。
9  単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。


@労組法に規定する手続きに参与する:具体的には
・法人登記の手続(11条
・労働協約の地域的拡張の申立ての手続(18条)
・労働委員会の委員の推薦手続(19条の3の2項等)
・不当労働行為救済申立ての手続(27条
A労組法に規定する救済を受ける
・不当労働行為に対する労働委員会による救済(27条以降))
B上記@とAを可能とするためには、2条及び5条2項(労働組合規約)の規定に適合することを、労働委員会の資格審査で立証しなければならない(20条以下)
C「個々の労働者に対する保護を否定する趣旨に解釈されるべきではない」とは、通達(S24.08.08労発317)によると、
 「2条の要件に関しては、不当労働行為があつた時においてその労働者の団体が第2条に該当しないときは不当労働行為の成立がないから、救済を受けることはできない。
 5条2項の要件に関しては、不当労働行為が行われた時に適合している必要はなく、申立の時までに適合しており、且つ救済を受ける時に適合していればよい。
 なお、個々の労働者については、不当労働行為が行われたときに、所属組合が2条に適合していれば他の要件は必要でない」 
1.5 交渉権限(6条)
 「労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する」
1.6 法人である労働組合(11条)
 「この法律の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受けた労働組合は、その主たる事務所の所在地において登記することによつて法人となる」

14
1

 労働組合法第1条において、「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために| A |に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する| B |を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする」としている。 (基礎)

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21
1

 日本国憲法第28条において、「勤労者の団結する権利及び| A |その他の| B |をする権利は、これを保障する」と定められている。
 また、労働組合法第1条2項には、「刑法(明治40年法律第45号)第35条の規定は、| C || A |その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。
 但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、| C |の正当な行為と解釈されてはならない」と定められている。(基礎)

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14
3
選択
 労働組合法第2条第1号に該当する者の参加する労働組合であっても、日本国憲法第28条において「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを| E |する」とされており、憲法上の権利は否定されるものではない。 (21-1選択の類型)

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14
2選択
 労働組合法第2条において、「この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となって| A |に労働条件の維持改善その他| C |の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう」としているが、同条第1号に規定する「役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ| D |、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する| D |その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの」はこの限りでないとされている。 (基礎)

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2
4A
 労働組合が、使用者から最小限の広さの事務所の供与を受けていても、労働組合法上の労働組合の要件に該当するとともに、使用者の支配介入として禁止される行為には該当しない。

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正しい 誤り
26
2E
 労働組合法に定める労働組合とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを目的として組織する団体又はその連合団体をいうとされており、政治運動又は社会運動を目的とする団体又は連合団体はおよそ労働組合法上の労働組合とは認められない。

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正しい 誤り




2
4C
 労働組合の規約には、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ、同盟罷業を開始しないこととする規定を含まなければならない。

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正しい 誤り
















24
2C
 労働組合は,組合員に対する統制権の保持を法律上認められ,組合員はこれに服し,組合の決定した活動に加わり,組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが,それは,組合からの脱退の自由を前提として初めて容認されることであるとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)

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正しい 誤り

2
4D
 「ユニオン・ショップ協定によって、労働者に対し、解雇の威嚇の下に特定の労働組合への加入を強制することは、それが労働者の組合選択の自由及び他の労働組合の団結権を侵害する場合には許されないものというべきである」から、「ユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが、他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、右の観点からして、民法90条の規定により、これを無効と解すべきである(憲法28条参照)」とするのが、最高裁判所の判例である。

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正しい 誤り

2
4E
 いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)は、個々の具体的な労働争議における労使間の交渉態度、経過、組合側の争議行為の態様、それによって使用者側の受ける打撃の程度等に関する具体的諸事情に照らし、衡平の見地からみて労働者側の争議行為に対する対抗防衛手段として相当と認められる場合には、使用者の正当な争議行為として是認され、使用者は、いわゆるロックアウト(作業所閉鎖)が正当な争議行為として是認される場合には、その期間中における対象労働者に対する個別的労働契約上の賃金支払義務を免れるとするのが、最高裁判所の判例である。

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正しい 誤り
25
2D
 労働組合が、総選挙に際し特定の立候補者支援のためにその所属政党に寄付する資金を集める目的で組合員にその費用を負担することを強制することは、労働組合の連帯の昂揚や存立基盤の確立のために必要不可欠なものであり、組合自治の原則に基づいて許されるとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)

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正しい 誤り

2
4B
「労働組合の規約により組合員の納付すべき組合費が月を単位として月額で定められている場合には、組合員が月の途中で組合から脱退したときは、特別の規定又は慣行等のない限り、その月の組合費の納付につき、脱退した日までの分を日割計算によつて納付すれば足りると解すべきである」とするのが、最高裁判所の判例である。(発展)

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正しい 誤り




23
5A
 労働組合法における「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう。(基礎)

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正しい 誤り
25
2B
プロ野球選手、プロサッカー選手等のスポーツ選手は、労働組合法上の労働者に当たらないため、これらのプロスポーツ選手が労働組合を作っても、団体交渉を行う権利は認められない。(応用)

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正しい 誤り



29
2ウ
 労働組合法により、労働組合は少なくとも毎年1回総会が開催されることを要求されているが、「総会」とは、代議員制度を採っている場合には、その代議員制度による大会を指し、全組合員により構成されるものでなくてもよい。

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正しい 誤り
























2.不当労働行為(7条)
 「使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない」
1 ・労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること
・又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。
・ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。(ユニオンショップ制)
2  使用者が労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと
3 ・労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、
・又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。
 ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする(2条の2号に同じ)
4 ・労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し27条の12の1項の規定(救済命令等)による命令に対する再審査の申立てをしたこと
・又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、
 その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。
 損害賠償(8条)
 「使用者は、同盟罷業その他の争議行為であって正当なものによって損害を受けたことの故をもって、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない」
25
2E
 労働組合の目的は、賃金等の労働条件を維持改善し労働者の経済的地位の向上を図ることにあるから、いわゆるセクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントなどを予防するための職場環境の整備は、いわゆる義務的団体交渉事項に含まれない。(応用)
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正しい 誤り
24
2A
 ユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが、他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法第90条の規定により、これを無効と解すべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)

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正しい 誤り
12
5C
 労働者が企業別労働組合ではなく、企業にかかわりなく合同して組織された合同労組に加入している場合においても、合同労組の代表者から団体交渉の要求を受けた時には、使用者は正当な理由のない限り団体交渉に応じなければならず、正当な理由なく拒んだ場合には不当労働行為となる。(応用)

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正しい 誤り
23
5C
 使用者は、その雇用する労働者が加入している労働組合であっても、当該企業の外部を拠点に組織されている労働組合(いわゆる地域合同労組など)とは、団体交渉を行う義務を負うことはない。(12-5Cの類型)

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正しい 誤り
23
5B
 一つの工場事業場に複数の労働組合がある場合においては、使用者は、当該工場事業場の労働者の過半数で組織する労働組合とのみ誠実に団体交渉を行う義務を負う。

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正しい 誤り
28
2C
 同一企業内に複数の労働組合が併存する場合には、使用者は団体交渉の場面に限らず、すべての場面で各組合に対し中立的態度を保持しなければならないとするのが、最高裁判所の判例である。 (23-5Bの応用)

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正しい 誤り
25
2A
 日本の労働組合の最大の特徴は、労働組合が企業別に組織されているいわゆる企業別組合である点にあり、使用者は、労働者の労働条件の変更を行う場合には、まず企業内の多数労働組合と団体交渉を行う義務を負う。(23-5Bの応用)

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正しい 誤り
24
2E
 労働組合に対する使用者の言論が不当労働行為に該当するかどうかは、言論の内容、発表の手段、方法、発表の時期、発表者の地位、身分、言論発表の与える影響などを総合して判断し、当該言論が組合員に対し威嚇的効果を与え、組合の組識、運営に影響を及ぼすような場合は支配介入となるとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)

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正しい 誤り
24
2D
 労働組合による企業施設の利用は、とりわけ我が国の企業別労働組合にとっては必要性が大きいものであり、使用者は、労使関係における互譲の精神に基づき、労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を、特段の事情がない限り、受忍する義務を負うとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)

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正しい 誤り
































3.労働協約
 「14条 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによってその効力を生ずる」
 「15条 労働協約には、3年をこえる有効期間の定をすることができない」
 ⇒有効期間を特に定めないとすることはできる。
 「2項 3年をこえる有効期間の定をした労働協約は、3年の有効期間の定をした労働協約とみなす」
 「3項 有効期間の定がない労働協約は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によって相手方に予告して、解約することができる。
 一定の期間を定める労働協約であって、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする」
 「4項 前項の予告は、解約しようとする日の少くとも90日前にしなければならない」
3.1 基準の効力(16条)
 「労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。
 この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。
 労働契約に定めがない部分についても同様とする」
3.2 一般的拘束力(17条)
 「一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする」
3.3 地域的一般的拘束(18条)
 「一の地域において従事する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従事する他 の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をすることができる」
(厚生労働省ホームページ)
@労働協約が一定の要件を満たし、拡張適用を申し立てた上で厚生労働大臣又は都道府県知事が拡張適用の決定したときは、労働協約の適用範囲を一の地域内で従業する他の同種の労働者及び使用者にも拡張することができる。
Aこの制度は、所定の要件が満たされた場合に、申立てのあった労働協約に定める労働条件を地域における公正労働条件とみなして、協約当事者である労使以外の労使にも適用することで、労働条件の切下げ競争を防止し労働条件の維持改善を図るとともに、労働者間、使用者間の公正競争を確保しようとすることを目的としている。
   労働協約の拡張適用の手続(施行令15条)
  「法18条の決議及び決定は、当該地域が一の都道府県の区域内のみにあるときは、当該都道府県労働委員会及び当該都道府県知事が行い、当該地域が二以上の都道府県にわたるとき、又は中央労働委員会において当該事案が全国的に重要な問題に係るものであると認めたときは、中央労働委員会及び厚生労働大臣が行うものとする」
18
3D
 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによってその効力を生ずる、と労働組合法に規定されている。(基礎)

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正しい 誤り
23
5D
 労働協約は、書面に作成されていない場合であっても、その内容について締結当事者間に争いがない場合には、労働組合法第16条に定めるいわゆる規範的効力が生ずる。(18-3Dの類型)

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正しい 誤り
11
1
選択
 労働協約中の「労働条件その他の労働者の待遇に関する基準」については、個々の労働契約を直接規律する| A |効力が与えられており、これに違反する労働契約の部分は無効となり、無効になった部分は労働協約上の基準に定めるところによる。
 また、労働契約に定めがない部分についても労働協約で定める基準によることとなる。(基礎)

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記述式につき、語群はなし

28
2E
 労働条件を不利益に変更する内容の労働協約を締結したとき、当該協約の規範的効力が労働者に及ぶのかについて、「同協約が締結されるに至った以上の経緯、当時の被上告会社の経営状態、同協約に定められた基準の全体としての合理性に照らせば、同協約が特定の又は一部の組合員を殊更不利益に取り扱うことを目的として締結されたなど労働組合の目的を逸脱して締結されたもの」とはいえない場合は、その規範的効力を否定すべき理由はないとするのが、最高裁判所の判例である。

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正しい 誤り
12
5B
 我が国でも、長期間の賃金協力に関心を示す労使もみられる。産別組合の中には、複数年協定を提唱し、傘下の大手組合を中心に既に実践しているところもある。3年間の長期賃金協定を結んだ例も存在する。次第に長期賃金協定が広がる可能性はあるが、労働協約としての賃金協定は労働組合法により3年を超える有効期間を定めることはできないとされている。(基礎)

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正しい 誤り










13
1E
 ある工場において、常時使用される同種の労働者の3分の2以上の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときには、同じ工場で使用される非組合員である同種の労働者にも、当該労働協約が適用されることとなる。(基礎)

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正しい 誤り
23
5E
 労働協約は、それを締結した労働組合の組合員の労働契約を規律するものであり、当該組合に加入していない労働者の労働契約を規律する効力をもつことはあり得ない。(13-1Eの類型)

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正しい 誤り
30
4A
 ある企業の全工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の者が一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場において、その労働協約の適用を受ける者の数が当該工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合、当該工場事業場においては、当該労働協約は一般的拘束力をもたない。(13-1Eの類型)

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正しい 誤り
地域的拘束力
4
4A
  一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、都道府県労働局長又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をしなければならない。

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正しい 誤り
 労























4.労働員会
4.1 労働委員会(19条)
 「労働委員会は、使用者を代表する者、労働者を代表する者及び公益を代表する者各同数をもって組織する」
 「2項 法改正(H20.10.1) 労働委員会は、中央労働委員会及び都道府県労働委員会とする」
地方労働委員会が都道府県労働委員会と名称変更になった。(H17.1.1)
船員中央労働委員会と船員地方労働委員会は廃止(H20.10.1)
 中央労働委員会(19条の2)
 「国家行政組織法の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く」
 中央労働委員会の委員(19条の3)
 「中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各15人をもつて組織する」
 「2項 法改正(H27.04.01)、法改正(H25.04.01)、法改正(H20.10.1)  使用者委員は使用者団体の推薦(使用者委員のうち4人については、行政執行法人の推薦)に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦(労働者委員のうち6人については、行政執行法人職員が結成し、又は加入する労働組合の推薦)に基づいて、公益委員は厚生労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する」
 都道府県労働委員会(19条の12)
 「都道府県知事の所轄の下に、都道府県労働委員会を置く」
  「2項 都道府県労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各13人、各11人、各9人、各7人又は各5人のうち政令で定める数のものをもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、当該政令で定める数に使用者委員、労働者委員及び公益委員各2人を加えた数のものをもつて組織することができる」
  「3項 使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する」
 労働委員会の権限(20条)
 「労働委員会は、労働組合の資格審査、地域的の一般的拘束力、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあつせん、調停及び仲裁をする権限を有する」 
⇒「労働組合の資格審査」とは、5条にあるように、2条並びに5条2項に適合するか否かを審査すること。
 強制権限(22条)
 「労働委員会は、その事務を行うために必要があると認めたときは、使用者又はその団体、労働組合その他の関係者に対して、出頭、報告の提出若しくは必要な帳簿書類の提出を求め、又は委員若しくは労働委員会の職員に関係工場事業場に臨検し、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる」
 「2項 労働委員会は、前項の臨検又は検査をさせる場合においては、委員又は職員にその身分を証明する証票を携帯させ、関係人にこれを呈示させなければならない」
 合議体等(24条の2) 法改正(H16.12.01)
 「中央労働委員会は、会長が指名する公益委員5人をもって構成する合議体で、審査等を行う」
 「同2項 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合においては、公益委員の全員をもって構成する合議体で、審査等を行う」
⇒たとえば、合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に中央労働委員会のした5条1項若しくは11条1項又は27条の12の1項 の規定による処分に反すると認めた場合など)
 「同3項 都道府県労働委員会は、公益委員の全員をもって構成する合議体で、審査等を行う。ただし、条例で定めるところにより、会長が指名する公益委員5人又は7人をもって構成する合議体で、審査等を行うことができる」 
 不当労働行為事件の審査
 診査の開始(27条)
 「労働委員会は、使用者が不当労働行為の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。
 この場合において、審問の手続においては、当該使用者及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない」
 「2項 労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない」
 審査の計画(27条の6)法改正(H16.12.01)
 「労働委員会は、審問開始前に、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を定めなければならない」
 「2項 前項の審査の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
1  調査を行う手続において整理された争点及び証拠
2  審問を行う期間及び回数並びに尋問する証人の数
3  救済命令等の交付の予定時期
 
 「同4項 労働委員会及び当事者は、適正かつ迅速な審査の実現のため、審査の計画に基づいて審査が行われるよう努めなければならない」
 証拠調べ(27条の7)法改正(H16.12.01)
 「労働委員会は、当事者の申立てにより又は職権で、調査を行う手続においては第2号に掲げる方法により、審問を行う手続においては次の各号に掲げる方法により証拠調べをすることができる。
1  事実の認定に必要な限度において、当事者又は証人に出頭を命じて陳述させること
2  事件に関係のある帳簿書類その他の物件であって、当該物件によらなければ当該物件により認定すべき事実を認定することが困難となるおそれがあると認めるもの所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出された物件を留め置くこと

 「同2項  労働委員会は、物件提出命令をするかどうかを決定するに当たっては、個人の秘密及び事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない」
 不服の申立(27条の10)法改正(H16.12.01)
 「都道府県労働委員会の証人等出頭命令又は物件提出命令を受けた者は、不服があるときは、命令を受けた日から1週間以内(天災その他この期間内に審査の申立てをしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に審査を申し立てることができる」 

 救済命令等(27条の12) 法改正(H16.12.01)
 「労働委員会は、不当労働行為事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(救済命令等)を発しなければならない」

 「同3項 1項の事実の認定及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを使用者及び申立人に交付しなければならない」
 「同4項 救済命令等は、交付の日から効力を生ずる」 
  救済命令の確定 (27条の13) 法改正(H16.12.01)
 「使用者が救済命令等について、27条の19の1項の期間内(30日以内)に取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は、確定する」
 和解(27条の14)法改正(H16.12.01)
 「労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる」
 「2項 救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあつた場合において、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ、又は確立させるため適当と認めるときは、審査の手続は終了する」「4項労働委員会は、和解に金銭の一定額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を内容とする合意が含まれる場合は、当事者双方の申立てにより、当該合意について和解調書を作成することができる」
 「5項 和解調書は、強制執行に関しては、民事執行法に掲げる債務名義とみなす
 救済命令の再審査請求 (27条の15)
 
「使用者は、都道府県労働委員会の救済命令等の交付を受けたときは、15日以内(天災その他この期間内に再審査の申立てをしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる。
 ただし、この申立ては、救済命令等の効力を停止せず、救済命令等は、中央労働委員会が再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときは、その効力を失う」
 「2項 前項の規定は、労働組合又は労働者が中央労働委員会に対して行う再審査の申立てについて準用する」
 審査の期間(27条の18)
 「労働委員会は、迅速な審査を行うため、審査の期間の目標を定めるとともに、目標の達成状況その他の審査の実施状況を公表するものとする」
 取消しの訴訟 (27条の19)
 「27条の19 使用者が都道府県労働委員会の救済命令等について、
 中央労働委員会に再審査の申立てをしないとき、又は中央労働委員会が救済命令等を発したときは、
 使用者は、救済命令等の交付の日から30日以内に、救済命令等の取消しの訴えを提起することができる。この期間は、不変期間とする」
 「2項 使用者は、中央労働委員会に再審査の申立てをしたときは、その申立てに対する中央労働委員会の救済命令等に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる」
 「3項 前項の規定は、労働組合又は労働者が行政事件訴訟法の定めるところにより提起する取消しの訴えについて準用する」
  証拠の申出の制限(27条の21)法改正(H16.12.01
 「労働委員会が物件提出命令をしたにもかかわらず物件を提出しなかった者(審査の手続において当事者でなかった者を除く)は、裁判所に対し、当該物件提出命令に係る物件により認定すべき事実を証明するためには、当該物件に係る証拠の申出をすることができない。ただし、物件を提出しなかったことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない」
 救済命令に不服があるときのまとめ
@再審査の申立て  労使とも、15日以内に(27条の15)  
A直ちに訴訟 使用者  30日以内(27条の19の1項)
労働者  命令があったことを知った日から6か月以内、または、命令があった日から1年以内(行政事件訴訟法14条)
B再審査後に訴訟  労使とも、再審査による救済命令の部分のみ訴訟ができる。(27条の19の2項)
 期間は、再審査による命令があったことを知った日から6か月以内、または、命令があった日から1年以内(行政事件訴訟法14条) 
行政事件の訴訟については、その一般法である、「行政事件訴訟法」が適用されるのですが、労働委員会の命令がでてから使用者側の都合で6か月間もふらふらされると困るので、特別法である「労働組合法」において、使用者側には特に厳しい「しばり」を課しているのです。
30
4D
 労働委員会は、その事務を行うために必要があると認めたときは、使用者又はその団体、労働組合その他の関係者に対して、出頭、報告の提出若しくは必要な帳簿書類の提出を求め、又は委員若しくは労働委員会の職員に関係工場事業場に臨検し、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
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5.雑則
 中央労働委員会の勧告(27条の22) 法改正(H16.12.01)
 「中央労働委員会は、都道府県労働委員会に対し、この法律の規定により都道府県労働委員会が処理する事務について、報告を求め、又は法令の適用その他当該事務の処理に関して必要な勧告、助言若しくはその委員若しくは事務局職員の研修その他の援助を行うことができる」
 抗告訴訟の取扱い等(27条の23) 法改正(H16.12.01)
 「都道府県労働委員会は、その処分に係る行政事件訴訟法の規定による都道府県を被告とする訴訟について、当該都道府県を代表する」
 「2項 都道府県労働委員会は、公益委員、事務局長又は事務局の職員でその指定するものに都道府県労働委員会の処分に係る行政事件訴訟法 の規定による都道府県を被告とする訴訟又は都道府県労働委員会を当事者とする訴訟を行わせることができる」
 罰則(28条) 法改正(H16.12.01)
 「救済命令等の全部又は一部が確定判決によって支持された場合において、その違反があったときは、その行為をした者は、1年以下の禁錮若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれに併科する」
15
5C
 使用者は、労働組合法第7条の規定により不当労働行為を行うことが禁止されており、これに違反した使用者は、当該不当労働行為を行ったことを構成要件とする労働組合法第28条の罰則規定に基づき、1年以下の禁こ若しくは100万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科される。

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