6A 労働者災害補償保険法 基礎知識と過去問  Tome塾Homeへ
  使用者・労働者・受給者等の報告・出頭、受診命令、受給権者の報告・一時差止め、立入検査、診療担当者に対する命令等、罰則
 関連過去問 11-7A12-2B15-5C15-5E16-6A20-6C23-7A23-7B23-7C23-7D25-2B25-3D25-3E25-6A,B,C,D,E26-5E30-3B30-3C30-3D30-3E令元ー1C令元ー1D令元ー1E令元ー2ア令元ー2イ令元ー2ウ令元ー2エ令元ー2オ令元ー4D令元ー4E令2-4ア令2-4イ令2-4ウ令2-4エ令2ー4オ




















1.報告・命令など
1.1 使用者等の報告・出頭(46条) 法改正(H24.10.01)
 「行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者を使用する者、労働保険事務組合 、35条1項に規定する団体(一人親方等の特別加入にかかる団体)、労働者派遣法44条1項(労働基準法の適用に関する特例)に規定する派遣先の事業主叉は船員職業安定法に規定する船員派遣の役務の提供を受ける者に対して、この法律の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる」
⇒派遣先事業主については、通達(基労発0406第1号H24.04.06)も参照のこと。
 事業主の代理人(施行規則3条)
 「事業主(徴収法の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該元請負人)は、あらかじめ代理人を選任した場合には、この省令及び労働者災害補償保険特別支給金支給規則の規定によつて事業主が行わなければならない事項を、その代理人に行わせることができる」
 「2項 事業主は、前項の代理人を選任し、又は解任したときは、左に掲げる事項を記載した届書を、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出しなければならない」  
 @事業の名称及び事業場の所在地
 A代理人の氏名(団体であるときはその名称及び代表者の氏名)及び住所
 「3項 法改正(22.01.01)前項の規定により事業主(厚生年金保険又は健康保険の適用事業所の事業主に限る)が所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出する 代理人の選任・解任届であつて
 事業の期間が予定される事業以外の事業(労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託するものを除く)に係るものの提出は、年金事務所を経由して行うことができる」
1.2 労働者と受給者等の報告・出頭(47条) 法改正(H24.10.01)
 「行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立している事業に使用される労働者(34条1項(中小事業主等の特別加入)の1号、35条1項(一人親方等の特別加入)の3号又は36条1項(海外派遣者の特別加入)の1号の規定により当該事業に使用される労働者とみなされる者を含む)若しくは保険給付を受け、若しくは受けようとする者に対して、この法律の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出(以下、この条において「報告等」という)若しくは出頭を命じ、又は保険給付の原因である事故を発生させた第三者(派遣先の事業主及び船員派遣の役務の提供を受ける者を除く)に対して、報告等を命ずることができる」
⇒労災事故を発生させた者が派遣先事業主等である場合は、第三者としてではなく使用者等として46条により報告・出頭を求める。
⇒特別加入者については、3章の通則、業務災害に対する保険給付、通勤災害に対する保険給付(ただし、一定の一人親方等は除く)、3章の2の社会復帰促進等事業の規定においてのみ「労働者とみなされる」ため、47条は特別加入者にも適用があることを、あえて明文化したのである。
1.3 受診命令(47条の2)
 「行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる」
1.4 立入検査(48条) 法改正(H24.10.01)
 「行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、当該職員に、適用事業の事業場、労働保険事務組合、35条1項に規定する団体(一人親方等の属する団体)の事務所 、労働者派遣法44条1項(労働基準法の適用に関する特例)に規定する派遣先の事業の事業場叉は船員派遣の役務の提供を受ける者の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる」
 「2項 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない」
 「3項 1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」 
1.5 診療担当者に対する命令等(49条)
 「行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところによって、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族(補償)年金の額の算定の基礎となる者を含む)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができる」
1.6 その他
 書類の保存義務(施行規則51条)
 「労災保険に係る保険関係が成立し、若しくは成立していた事業の事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体は、労災保険に関する書類(徴収法又は労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則による書類を除く)を、その完結の日から3年間保存しなければならない」
⇒雇用保険法の場合はこちらを
 報告命令等に関する「厚生労働省令で定めるところ」(施行規則51条の2)
 「法46条(使用者等の報告・出頭)、47条(労働者と受給者等の報告・出頭)、47条の2(受診命令)及び49条1項(診療担当者に対する命令等)の規定による命令は、所轄都道府県労働局長又は所轄労働基準監督署長が文書によつて行うものとする」
 申請書・請求書・届出等の様式(施行規則54条)
 「法、この省令並びに労働者災害補償保険特別支給金支給規則の規定による申請書、請求書、証明書、報告書及び届書のうち厚生労働大臣が別に指定するもの並びにこの省令の規定による年金証書の様式は、厚生労働大臣が別に定めて告示するところによらなければならない」
⇒「労働者災害補償保険法の施行に関する事務に使用する文書の様式を定める告示」のこと。これによる様式は「告示様式」と呼ばれている。
26
5E
 所轄都道府県労働局長又は所轄労働基準監督署長は、派遣先事業主に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。(基礎)

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正しい 誤り
30
3C
 行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣法第44条第1項に規定する派遣先の事業主に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。(26-5Eの類型)

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正しい 誤り
30
3B
 行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立している事業に使用される労働者(労災保険法第34条第1項第1号、第35条第1項第3号又は第36条第1項第1号の規定により当該事業に使用される労働者とみなされる者を含む)又は保険給付を受け、若しくは受けようとする者に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出又は出頭を命ずることができる。(基礎)

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正しい 誤り
23
7B
 行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付の原因である事故を発生させた第三者に対して、労災保険法の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出を命ずることができる。(30-3Bの類型)

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正しい 誤り
令元
1C
  労災保険法、労働者災害補償保険法施行規則並びに労働者災害補償保険特別支給金支給規則の規定による申請書、請求書、証明書、報告書及び届書のうち厚生労働大臣が別に指定するもの並びに労働者災害補償保険法施行規則の規定による年金証書の様式は、厚生労働大臣が別に定めて告示するところによらなければならない。
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正しい 誤り


















16
6A
 行政官庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(死亡した労働者の遺族を除く)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。(基礎)

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正しい 誤り
23
7C
 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。(16-6Aの類型)

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正しい 誤り
令元
1D
 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。(16-6Aの類型)

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正しい 誤り
20
6C
 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところによって、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に、これらの物件を検査させることができる。(基礎)

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正しい 誤り
23
7D
 保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む)の診療に関することは守秘義務事項に該当するため、行政庁は、その診療を担当した医師に対して、診療録の提示を命じることはできない。(20-6Cの類型)

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正しい 誤り
30
3E
 行政庁は、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む)の診療を担当した医師その他の者に対して、その行った診療に関する事項について、報告を命ずることはできない。(20-6Cの類型)

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正しい 誤り





23
7A
 行政庁は、労災保険法の施行に必要な限度において、職員に、適用事業の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 この立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。(基礎)

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正しい 誤り
30
3D
 行政庁は、労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に、適用事業の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができ、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。(23-7Aの類型)

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正しい 誤り
書類保管 令元
1E
 労災保険に係る保険関係が成立し、若しくは成立していた事業の事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体は、労災保険に関する書類を、その完結の日から5年間保存しなければならない。(基礎)

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正しい 誤り






























2.保険給付に関する届出等(12条の7)
 「保険給付を受ける権利を有する者は、厚生労働省令で定めるところにより、政府に対して、保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める事項を届け出、又は保険給付に関し必要な厚生労働省令で定める書類その他の物件を提出しなければならない」
2.1 受給権者の主な報告書
(1)休業補償給付又は休業給付の受給者の傷病の状態等に関する報告(施行規則19条の2)
  「毎年1月1日から同月末日までの間に業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けなかつた日がある労働者が、その日について休業補償給付又は休業給付の支給を請求しようとする場合に、同月1日において当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年6カ月を経過しているときは、当該労働者は、当該賃金を受けなかつた日に係る休業補償給付又は休業給付の請求書に添えて次の事項を記載した報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない」
@労働者の氏名、生年月日及び住所
A傷病の名称、部位及び状態
 「同2項  前項の報告書には、傷病の名称、部位及び状態に関する医師又は歯科医師の診断書を添えなければならない」
(2) 年金たる保険給付の受給権者の定期報告(施行規則21条) 法改正(R03,04.01)、法改正(R02.04.01)
 「年金たる保険給付の受給権者は、毎年、厚生労働大臣が指定する日(指定日)までに、次に掲げる事項を記載した報告書を、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
 ただし、所轄労働基準監督署長があらかじめその必要がないと認めて通知したとき又は厚生労働大臣が番号利用法22条1項の規定により当該報告書と同一の内容を含む特定個人情報の提供を受けることができるときは、この限りでない。
@受給権者の氏名及び住所
A年金たる保険給付の種類
B同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等が支給される場合にあつては、その年金の種類及び支給額
⇒さらに、年金の支給額を証明する書類の添付が必要(ただし、同一内容の特定個人情報の提供を受けるときは不要) (施行規則21条3項)
C遺族(補償)年金又は複数事業労働者遺族年金の受給権者にあつては、その者と生計を同じくしている遺族(補償)年金又は複数事業労働者遺族年金を受けることができる遺族の氏名
D遺族(補償)年金又は複数事業労働者遺族年金の受給権者にあつては、受給権者及び前号の遺族のうち施行規則15条(同18条の9の1項において準用する場合を含む)に規定する障害の状態にあることにより遺族(補償)補償年金又は複数事業労働者遺族年金を受けることができる遺族である者のその障害の状態の有無
E遺族(補償)年金又は複数事業労働者遺族年金の受給権者である妻にあつては、施行規則15条(同18条の9の1項において準用する場合を含む)に規定する障害の状態の有無
 「同2項 前項の報告書には、指定日前一月以内に作成された次に掲げる書類を添えなければならない。ただし、所轄労働基準監督署長があらかじめその必要がないと認めて通知したときは、この限りでない。
@障害(補償)年金又は複数事業労働者障害年金の受給権者にあつては、その住民票の写し又は戸籍の抄本(厚生労働大臣が住民基本台帳法30条の9の規定により当該受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることができるとき又は番号利用法22条1項の規定により当該受給権者に係る特定個人情報の提供を受けることができるときは、この限りでない)
A遺族(補償)年金又は複数事業労働者遺族年金の受給権者にあつては、次に掲げる書類
イ 受給権者及び前項4号の遺族(生計を同じくし遺族(補償)年金、複数事業労働者遺族年金を受けることができる遺族)の戸籍の謄本又は抄本
ロ 前項4号の遺族については、その者が受給権者と生計を同じくしていることを証明することができる書類(厚生労働大臣が住民基本台帳法30条の9の規定により当該書類と同一の内容を含む機構保存本人確認情報の提供を受けることができるときは、この限りでない)
 「同3項 1項3号に規定する場合に該当するときは、同項の報告書には、前項の書類のほか、当該厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等の支給額を証明することができる書類を添えなければならない。ただし、厚生労働大臣が番号利用法22条1項の規定により当該書類と同一の内容を含む特定個人情報の提供を受けることができるときは、この限りでない」

@受給権者が個人番号を記入し、厚生労働大臣がこれを利用して特定個人情報の提供を受けることができる場合は、改正前の障害(補償)年金、傷病(補償)年金だけでなく改正後はすべての年金たる保険給付の定期報告が不要になった。
A遺族(補償)年金、複数事業労働者遺族年金、介護(補償)給付、複数事業労働者介護給付の定期報告において、一定の障害状態にある遺族の定期報告書への「医師又は歯科医師の診断書の添付も廃止になった。
B「指定日」は、誕生月が、1月から6月までは6月30日、7月から12月までは10月31日 
2.2 受給権者の主な届出
(1)年金たる保険給付の受給権者の届出(施行規則21条の2)
 「年金たる保険給付の受給権者は、次に掲げる場合には、遅滞なく、文書で、その旨を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない」
@受給権者の氏名、住所及び個人番号に変更があつた場合並びに新たに個人番号の通知を受けた場合
A同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等が支給されることとなつた場合
B、C同一の事由により支給されていた厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等の支給額に変更があつた場合、又は支給されなくなった場合。
D障害(補償)年金の受給権者にあつては、障害の程度に変更があつた場合
E遺族(補償)年金の受給権者にあつては、失権、受給権者と生計同一で受給できる者の増減があった場合
F傷病(補償)年金の受給権者にあつては、負傷又は疾病が治つた場合、障害の程度に変更があつた場合
 「同3項  年金たる保険給付の受給権者が死亡した場合には、その者の遺族は、遅滞なく、文書で、その旨を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない」
(2)第三者行為による災害についての届出(施行規則22条)
 「保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じたときは、保険給付を受けるべき者は、その事実、第三者の氏名及び住所(第三者の氏名及び住所がわからないときは、その旨)並びに被害の状況を、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない」
 3.保険給付の請求等  
 
保険給付の請求については、12条の8の2項を参照のこと。
保険給付の請求書
未支給の保険給付 施行規則10条3項
療養の給付の請求 施行規則12条施行規則18条の5(通勤災害)
療養の費用の請求 施行規則12条の2
傷病補償年金の受給権者の療養補償給付の請求 施行規則12条の3
休業補償給付の請求 施行規則13条
障害補償給付の請求 施行規則14条の2
遺族補償年金の請求 施行規則15条の2
遺族補償一時金の請求 施行規則16条
葬祭料の請求 施行規則17条の2
介護補償給付の請求 施行規則18条の3の5
二次健康診断等給付の請求 施行規則18条の19

 保険給付に関する処分の通知等(施行規則19条)
 「所轄都道府県労働局長又は所轄労働基準監督署長は、保険給付に関する処分(法の規定による療養の給付及び二次健康診断等給付にあつては、その全部又は一部を支給しないこととする処分に限る)を行つたときは、遅滞なく、文書で、その内容を請求人、申請人又は受給権者若しくは受給権者であつた者(請求人等)に通知しなければならない」
 「同2項 所轄都道府県労働局長又は所轄労働基準監督署長は、保険給付に関する処分を行つたときは、請求人等から提出された書類その他の資料のうち返還を要する書類その他の物件があるときは、遅滞なく、これを返還するものとする」
 年金証書(施行規則20条)
 「所轄労働基準監督署長は、年金たる保険給付の支給の決定の通知をするときは、次に掲げる事項を記載した年金証書を当該受給権者に交付しなければならない」
@年金証書の番号
A受給権者の氏名及び生年月日
B年金たる保険給付の種類
C支給事由が生じた年月日
 年金証書の再交付(20条の2)
 「年金証書を交付された受給権者は、当該年金証書を亡失し若しくは著しく損傷し、又は受給権者の氏名に変更があつたときは、年金証書の再交付を所轄労働基準監督署長に請求することができる」
 事業主の助力等(施行規則23条)
 「保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない」
 「同2項 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない」
 事業主の意見申出(施行規則23条の2)
 「事業主は、当該事業主の事業に係る業務災害又は通勤災害に関する保険給付の請求について、所轄労働基準監督署長に意見を申し出ることができる」
 「同2項 前項の意見の申出は、次に掲げる事項を記載した書面を所轄労働基準監督署長に提出することにより行うものとする。
@労働保険番号、A事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地
B業務災害又は通勤災害を被つた労働者の氏名及び生年月日
C労働者の負傷若しくは発病又は死亡の年月日
D事業主の意見 


2ア
 所轄労働基準監督署長は、年金たる保険給付の支給の決定の通知をするときは、(1)年金証書の番号、(2)受給権者の氏名及び生年月日、(3)年金たる保険給付の種類、(4)支給事由が生じた年月日を記載した年金証書を当該受給権者に交付しなければならない。

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正しい 誤り
25
6
A
B
C
D
E
 年金たる保険給付の受給権者が、労災保険法施行規則第21条の2の規定により、遅滞なく文書で所轄労働基準監督署長に届け出なければならないこととされていないものはどれか。(応用)
A:受給権者の氏名、住所及び個人番号に変更があった場合
B:同一の事由により厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等が支給されることとなった場合
C:同一の事由により支給されていた厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等の支給額に変更があった場合
D:同一の事由により支給されていた厚生年金保険の障害厚生年金等又は厚生年金保険の遺族厚生年金等が支給されなくなった場合
E:障害補償年金又は障害年金の受給権者にあっては、当該障害にかかる負傷又は疾病が治った場合(再発して治った場合は除く) (H30改)

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A B C D E
令元
2イ
 保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じたときは、保険給付を受けるべき者は、その事実、第三者の氏名及び住所(第三者の氏名及び住所がわからないときは、その旨)並びに被害の状況を、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。

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正しい 誤り
令元
2ウ
 保険給付を受けるべき者が、事故のため、自ら保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合でも、事業主は、その手続を行うことができるよう助力する義務はない。

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正しい 誤り
令元
2エ
 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。

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正しい 誤り
令元
2オ
 事業主は、当該事業主の事業に係る業務災害又は通勤災害に関する保険給付の請求について、所轄労働基準監督署長に意見を申し出ることはできない。 (発展)

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正しい 誤り








令元
4E
 派遣労働者の保険給付の請求に当たっては、保険給付請求書の事業主の証明は派遣先事業主が行うこととされている。

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正しい 誤り
令元
4D
 派遣労働者の保険給付の請求に当たっては、当該派遣労働者に係る労働者派遣契約の内容等を把握するため、当該派遣労働者に係る「派遣元管理台帳」の写しを保険給付請求書に添付することとされている。 (発展)

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正しい 誤り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 保険給付の一時差止め(47条の3)
 「政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、12条の7の規定による届出をせず、若しくは書類その他の物件の提出をしないとき、又は前2条の規定による命令(労働者及び受給者の報告・出頭受診命令)に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる」
⇒一時差し止めであるから、差し止めの原因が解消すれば、さかのぼって全額が支給される。
 解消する努力をしなければ、いつまでたっても支給されない
12
2B
 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由なく、所定の事項について届出をせず、又は所定の報告、出頭、受診等についての行政庁の命令に従わないときは、保険給付の決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。(基礎)

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正しい 誤り
15
5C
 保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、所定の届出をせず、若しくは書類その他の物件の提出をせず、又は行政庁の報告命令、受診命令等に従わないときは、政府は、保険給付の全部又は一部の支給を取り消し、その返還を命ずることができる。(12-2Bの類型)

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正しい 誤り
25
3D
 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、保険給付に関し必要な労災保険法施行規則で定める書類その他の物件を政府に提出しないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。(12-2Bの類型)

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正しい 誤り
25
2B
 政府は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができ、その者が命令に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。(12-2Bの類型)

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正しい 誤り
24
4D
 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由なく、行政の出頭命令に従わないときは、保険給付の支給決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。(12-2Bの類型)

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正しい 誤り
11
7A
 政府が、保険給付の支払いを一時差し止めることができるのは、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、労働者災害補償保険法の規定による届出をしない場合に限られている。(12-2Bの応用)

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正しい 誤り
15
5E
 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者の診療を担当した医師その他の者に対して、当該診療について報告又は診療録その他の物件の提示を命ずることができ、当該報告又は物件の提示を拒んだ場合には、政府は、保険給付の支払を一時差し止めることができる。 (発展)

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正しい 誤り








4.厚生労働大臣の権限の委任(49条の5)
 「この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる」
⇒都道府県労働局長に委任された権限については,事務の所轄(施行規則1条など)を参照のこと。
 経過措置の命令委任(49条の2) 法改正(H22.4.1)
 「厚生労働大臣は、船員法第1条に規定する船員について、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、船員法に基づき必要な措置をとるべきことを要請することができる」
 資料の提供等の協力要請(49条の3)
 「厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関又は公私の団体に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる」
⇒なお、この権限は施行規則1条にあるように、「都道府県労働局長に委任されているが、厚生労働大臣が自ら行うことを妨げない」とされている
 「同2項 前項の規定による協力を求められた関係行政機関又は公私の団体は、できるだけその求めに応じなければならない」
25
3E
 労災保険法では、厚生労働大臣は、同法の施行に関し、関係行政機関又は公私の団体に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができ、協力を求められた関係行政機関又は公私の団体は、できるだけその求めに応じなければならないと規定されている。 
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正しい 誤り







5.罰則 詳細はこちらを
 事業主等に関する罰則
 「51条 法改正(H24.10.01) 事業主派遣先の事業主叉は船員派遣の役務の提供を受ける者が次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
 労働保険事務組合又は35条1項に規定する団体がこれらの各号のいずれかに該当する場合におけるその違反行為をした当該労働保険事務組合又は当該団体の代表者又は代理人、使用人その他の従業者も、同様とする」
35条1項に規定する団体とは、一人親方等若しくは特定作業従事者の特別加入に関わる団体
1  46条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合
2  48条1項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、もしくは虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

 事業主以外の者に関する罰則
 「53条 法改正(H24.10.01)  事業主、労働保険事務組合、35条1項に規定する団体、派遣先の事業主及び船員派遣の役務の提供を受ける者以外の者(第三者を除く)が次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」
1  46条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書の提出をせず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合
2  48条1項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、もしくは虚偽の陳述をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
3  49条1項の規定による命令に違反して報告をせず、虚偽の報告をし、若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示をせず、又は同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

 54条(両罰規定)
 「法人(法人でない労働保険事務組合及び35条1項に規定する団体を含む)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、51条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する」
 「同2項 前項の規定により法人でない労働保険事務組合又は35条1項に規定する団体を処罰する場合においては、その代表者が訴訟行為につきその労働保険事務組合又は団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する」
⇒本来的には法人でない労働保険事務組合又は一人親方等の団体を処罰するための刑事訴訟法の取り扱いについては、刑事訴訟法上に規定がないため、準用規定を設けた。
チョッと補足 労災保険法も罰則
(1)事業主等に対する罰則(51条)
@ 個人事業主に適用、法人事業主に対しては54条の両罰規定による。
A労働保険事務組合、団体等の場合は、代表者にも適用するほか、代理人、使用人その他の従業者に対しても適用
(2)事業主以外の者に関する罰則(52条)
@事業に使用される労働者、保険給付を受けている者あるいは、受けようとする者、事業、労働保険事務組合、団体等には属さないが、それらの関係者、診療を担当した医師などに適用
(3)両罰規定(54条)
@法人事業主が罰則対象の行為者である場合は、54条1項を介して51条を適用(懲役または罰金)
 (個人事業主が罰則対象の行為者である場合は、51条が直接適用される、労働保険事務組合、団体等の代表者についても同様)
A法人若しくは個人事業主の代理人、使用人その他の従業者が、罰則対象の行為者である場合は、54条1項を介して51条を適用(懲役または罰金)するほか、その法人又は個人事業主に罰金のみを追加して課す。
B労働保険事務組合、団体等の代理人、使用人その他の従業者が、罰則対象の行為者である場合は、51条を適用(懲役または罰金)するほか、その労働保険事務組合、団体等に、罰金のみを追加して課す。

2
4ア
 事業主が、行政庁から厚生労働省令で定めるところにより労災保険法の施行に関し必要な報告を命じられたにもかかわらず、報告をしなかった場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。
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正しい 誤り

2
4イ
 事業主が、行政庁から厚生労働省令で定めるところにより労災保険法の施行に関し必要な文書の提出を命じられたにもかかわらず、提出をしなかった場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。(令2-4アの類型)
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正しい 誤り

2
4ウ
 事業主が、行政庁から厚生労働省令で定めるところにより労災保険法の施行に関し必要な文書の提出を命じられた際に、虚偽の記載をした文書を提出した場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。(令2-4アの類型)
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正しい 誤り

2
4エ
 行政庁が労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に身分を示す証明書を提示しつつ事業場に立ち入り質問をさせたにもかかわらず、事業主が当該職員の質問に対し虚偽の陳述をした場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。
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正しい 誤り

2
4オ
 行政庁が労災保険法の施行に必要な限度において、当該職員に身分を示す証明書を提示しつつ事業場に立ち入り帳簿書類の検査をさせようとしたにもかかわらず、事業主が検査を拒んだ場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。(令2-4エの類型)
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正しい 誤り