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 医療介護総合確保推進法子ども子育て支援法










 医療介護総合確保推進法 (H26.06.25)
 
経緯:「地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律」は平成26年6月25日からは「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保推進法)」と名称変更され、内容も大幅に一新された。
 趣旨:持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、
 効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、医療法、介護保険法等の関係法律について所要の整備等を行う。
 主な施策
(1) 新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(地域介護施設整備促進法等関係)
@都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等)のため、消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置
A医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定
(2) 地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係)
@医療機関が都道府県知事に病床の医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)等を報告し、都道府県は、それをもとに地域医療構想(ビジョン)(地域の医療提供体制の将来のあるべき姿)を医療計画において策定
A医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け
(3) 地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係)
@在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を地域支援事業に移行し、多様化※地域支援事業:介護保険財源で市町村が取り組む事業
A特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化
B低所得者の保険料軽減を拡充
C一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ(ただし、月額上限あり)
D低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加
(4) その他
@診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設
A医療事故に係る調査の仕組みを位置づけ
B医療法人社団と医療法人財団の合併、持分なし医療法人への移行促進策を措置
C介護人材確保対策の検討(介護福祉士の資格取得方法見直しの施行時期を27年度から28年度に延期)
 施行:医療法関係は平成26年10月以降、介護保険法関係は平成27年4月以降段階的に。








 子ども子育て支援法(平成24年8月成立、平成27年4月施行)
 幼児期の教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するために制定された子ども・子育て関連3法の中の一つ。(他は、認定こども園法の一部改正法、子ども・子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)
(1)  主なポイント:これら3法による「子ども子育て支援制度」の主なポイントは、
@ 認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(施設型給付)及び小規模保育等への給付(地域型保育給付)の創設
・地域型保育給付は、都市部における待機児童解消とともに、子どもの数が減少傾向にある地域における保育機能の確保に対応
A 認定こども園制度の改善(幼保連携型認定こども園の改善等)
・幼保連携型認定こども園について、認可・指導監督の一本化、学校及び児童福祉施設としての法的位置づけ
・認定こども園の財政措置を「施設型給付」に一本化
B 地域の実情に応じた子ども・子育ての支援
(2)具体的な子ども・子育て支援給付の種類
@子どものための現金給付(別段の定めがあるものを除き、児童手当法の定めるところによる)
A子どものための教育・保育給付(=こども園給付費、特例こども園給付費、地域型保育給付費及び特例地域型保育給付費)
(3)実施主体:市町村が主体となり、
@子ども及びその保護者に必要な子ども・子育て支援給付及び地域子ども・子育て支援事業を総合的かつ計画的に行う。
A子ども及び保護者が子ども・子育て支援を円滑に利用するために必要な援助を行うとともに、関係機関との連絡調整その他便宜の提供を行う。
B多様な施設又は事業者から、良質かつ適切な教育及び保育その他の子ども・子育て支援が総合的かつ効率的に提供されるよう、その提供体制を確保する。
 主な条文
 目的(1条)
 「この法律は、我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に鑑み、児童福祉法その他の子どもに関する法律による施策と相まって、子ども・子育て支援給付その他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援を行い、もって一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする」 
 基本理念(2条)
 「子ども・子育て支援は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われなければならない」 
 「同2項 子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、全ての子どもが健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものであり、かつ、子どもの保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮されたものでなければならない」
 「同3項 子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援は、地域の実情に応じて、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない」
 子ども・子育て拠出金の徴収及び納付義務(69条)
 「政府は、児童手当の支給に要する費用(児童手当法に規定するものに限る拠出金対象児童手当費用)、市町村が支弁する拠出金対象施設型給付費等費用、拠出金対象地域子ども・子育て支援事業費用、及び仕事・子育て両立支援事業に要する費用に充てるため、一般事業主から、拠出金を徴収する」