合格したよ
 たまの伝説 : 東京都、47歳女性、大学事務員、受験歴3回 
1. これまでの学習スタイル、学習時間など 
 前職で、IT技術者から社内異動で人事労務を担当し6年になったが、 2012年春に会社都合で離職。
 3月から再就職活動をしていたが雇用状況の厳しさを実感。そんな中、新宿のハロワの入っているビルの館内案内図を見ていたときに 資格学校が入っているのに気づき、「そういえば今なら教育訓練給付が使える」と思い、受験を決心。
  4月からでも始められるクラス(!)があったLECに入学。
  入って間もない時期にもう直前期のパンフレットが来て、遅いスタートを 実感する。 大型連休には、この時点でまだ年金の講義が終了していなかったが、 過去問道場にも行った。
 何が論点なんだかわからない状態で、先生の解説を必死で書きとめた。 これが後の学習で役に立った。
 連休明けからは就職活動と両立をあきらめ、勉強だけにする。 
 それでも、1日のかなりの時間を勉強にあてられたので、決まっている講義スケジュール以外に、昼にウェブで講義を聴き、夜に他のエリアの講義を聴きに行くなどして、模擬試験までにできるだけ早く全科目を一回流し、さらには同じ内容を違う先生で2回聞くようにした。これによって要点が印象に残ったと思う。
 直前期は、過去問を繰り返し、LECの模試と井出の最終模試を3回解きなおす。井出の難しさと解説の深さにショックを受ける。
 結果は択一・選択とも合計点には届いたが、選択で未達科目があり、 3点足りず不合格。
  択一は46点ぎりぎりだったので、選択がなんとかなっていれば、ということで これに気を良くして2013年目標でLECの担任制クラスに入り、勉強を続ける。
 2013年の春、4月までに就職が決まらなかったらまた中断するか悩み、正社員一本だった活動を派遣まで広げたところ、紹介予定派遣の職が見つかり、 5月から働く(3か月後に嘱託事務になり、今に至る)。
 定時で帰れるのをこれ幸いと勉強を続けたが、2013年は選択の科目未達な上、択一の合計点が届かなかった。
 基本問題を重視する作戦に変える。
 LECは良い先生が多かったが、会社としての対応に不満が出てきたので、模試だけ参加したことがあったTAC新宿校に転校。大原と迷ったが、変な話だが、それまでと違うビルに行きたかった。
  今回からは平日夜の総合本科に入り、初学の人と一緒に勉強を続ける。 懇親会で、同じテーブルの人たちに3年目であることをカミングアウトしたため、けっこうなプレッシャー(汗)
 2013年の不合格をきっかけに、選択式問題集による対策って効果あるのか疑問に思い始め、3年目は予備校発行の選択式問題集を買わなかった(詳しくは後述)。
  答練や模試の問題で選択式対策をする。さすがに3年目なので答練までは余裕だったが、7月後半、模試で崩壊し、危機を感じたころに、とめさんのサイトを見つけ、メルマガを取り始める。
 2014年、択一52点選択36点、救済不要で合格。
 超簡単な模試でもない限り、50点台になったことがなかったので、とても驚いた。
 2012年LECスピード合格クラス、横断、似ていてちょっと違う講座、過去問演習、直前800本、模試はLEC、井出最終2013年 LEC担任制クラス 模試はLEC、TAC、井出中間 
 2014年TAC総合本科クラス、一般常識セミナー、模試はTAC、大原、井出中間 大原の模試が、一番「ありそう…」な内容、レベルに思えた。 井出は、中間ぐらいなら「当たっておこう」と思えた。
 最終は、時期と難易度を考えると解きなおしまで手が回らないので、その前に受けたものを優先した。(1年目は、LECしか模試を受けていなかったので、井出最終を受けた)

2.合格の勝因、合格のため特に苦労したこと、受験生へのアドバイスなど 
 基本問題を落とさないようにすること。
 なんでそうなっているのかを理解すること。 (健保で)65歳以上で病状の重篤な人は宿代は0円でいいから食事代だけ払ってねみたいに、自分なりの解釈をテキストに書いたり 労働局長の仕事がいくつか出てきたら、四角い付箋に「局長シリーズ」と書いて、 仕事を書き出してみるなど 自分でわかる形に工夫する。付箋に書いたらルーズリーフに張りつけて、 ちょくちょく眺める。
 省庁のウェブサイトを検索して読む(特に1年目はたくさん読んだ)最近はパンフレットもかなりの数がウェブサイトにあがっている。素人にもわかるように書いてあるので、初学者には特によいと思う。
 予備校の先生にも「パンフレットは意外と便利ですよ」と言われた。 年金機構はマンガを載せている。ちょっと眉つばな内容だが、「教育および広報」に励んでいる(笑)。ていうか、こうやって素人さんにもわかりやすくなっていると、私たちも知らないって言えません(汗)
 五択はできるだけ全部正誤判断できるようにと思って取り組む。
 一方で、全部読まなくても「これだ」と思ったら、ほかの選択肢に惑わされず自信を持って選べるようにすること。 (2年目までここが弱くて、よく引っかかっていた)
 この「自信を持って選ぶ」が重要だと思ったのが、今年の「合っているのはいくつあるか」問題だった。
 初めて見る文章に弱いのも自分の特徴だった。良く分からない問題でも、なんとか踏みとどまって点数をとると思って取り組んだ。気力や集中力も意外と大切かも。
  直前期のテキスト読みは、私は効果あったと思う。重要なのにスルーしていたところに気がついたり、模試や答練でできなかったところが、ちゃんと書いてあることに気がついたりした。
 上級テキストだと時間がかかるかもしれないが、私は基本テキストだったためか、思ったより早く読めた。
 2013年の試験当日、席についてからおなかの調子がわるくなり、かなりの時間集中できなかったので、今年は体調管理には気を配りました。乳酸菌製剤を飲んだり、安眠を促すサプリを飲むなど。
 また、ちょっとしたことですが、ペットボトルにストローつきキャップをつけてみたり。気分的なところも大切(笑) 。
 1年目は教育訓練給付を受けるため、途中で降りるわけにはいかず、集中して勉強したことで、勉強が習慣化しました。 その後は降りたい願望は出てきませんでしたが、3年目に合格しなかったら 4年目に挑戦するのは断念したもしれません。そういう意味では運がよかった と思います。
 勉強の計画も、今年は、さすがに8月は決めていましたが、それでも週単位ですし、7月まではきっちり立てませんでした。通学と模試がペースメーカーになったと思います。次の模試あるいは総合答練までに前の模試あるいは科目別答練を解きなおししよう、という感じです。
 ここからは、万人向けの内容ではないかもですが、、、家庭と両立とか、あまり考えなくてよかったのと、仕事が定時で帰れて、大学の夏休み中は週休3日くらいのペースだったので、勉強には良い環境でした。
 一方で、大学の書店や図書館で専門書をすぐ探せるのと、家からは区立図書館が近いので、読みたいけどハマりすぎないように気をつけました。 研究は合格してからにしようと(笑)。それでも、3月までなら読んでいていいと自分で決めていました。 
 しかし…、試験対策を前面には謳っていないが、ためになったと思う本を(学習帳以外は図書館で借りて)読みました。
・最重要判例200 ←初めて受けた後の年末年始に「何が悲しくてこんなときにこんな本借りるわけ…」と思いながら読んだのが始まり。難しい文章に慣れられる。ストーリーがわかると面白くなってきた。最高裁判例だけ読んだ。
・労働法学習帳 ←赤シート対応。特に社労士対策という本ではないようだが、3回目の受験では選択式の問題集はこれと、TACでついてきた暗記カード(選択式対策なのか微妙だけど)しか使ってない。
・法と経済で読みとく雇用の世界(以上、大内伸哉) ←労働法なのに群像ドラマ。経営寄りの人は「労基法守ってたら会社が成り立たない」と思っているかもしれないが、そういう人にも読んでほしい(汗)
・プレップ労働法(森戸英幸)←森戸先生の本は労働法なのにお笑いが入っている。でも判例もちゃんと引いていて、ためになる。
・労働法第五版(水町勇一郎)←2年目くらいから存在は知っていた。今年の4月に教科書売り場に並んでいて、「このタイミングで新版なの…」と思ったが、学生はこういうので勉強するんだ、と思うと私もなんだか読みたくなり、新判例のところと、労働契約法のあたりを中心に流し読みした。
・連合会の実務相談シリーズ ←図書館にあれば借り、なくても普通に書店で売っているのを知って、ざーっと読む。
・ジュリストの連載「労働法なう」→ドラマ仕立てで、考え方がわかりやすい。文学部出身なので、こんな勉強をしない限り一生読むことがなかったであろう雑誌。
・イラスト六法 わかりやすい年金 →特に初学の時に読みました。初めて予備校に行くまで、年金の勉強をするということを意識しておらず(本当です)、ほとんど知識がなかったので、入口は簡単でいいから正しい知識を理解することと、身の回りの人や知人にくっつけて(○○さんは何年生まれだから逃げ切り世代だ、みたいに)理解するようにしました。
・目で見る社会保障法 ←この勉強は、考えてみればあたりまえだけど、社会科の勉強の要素があるなと思っていて、資料集みたいな本を読むことで、復習になった気がします。高校で歴史を勉強した時みたいに「用語集」があるといいのになあと思います。
・大内先生のブログ ←私の考えが足りないのか「えー本当にそうなんだろうか」と思うときもありますが、自分なりに考えてみることは、あとあと力になると思います。

 3.Tome塾の利用方法、感想など  
 7月後半に遅ればせながらメルマガを取り始め、バックナンバーも1年分くらいは 読みました。
 解説がしっかりしていて、理解が深まりました。
 1年目の予備校の先生(現在育休中)が、スピード講座で時間が限られる中で、「(こういう制度になっているのは)なんでかわかりますか」と言って、理由を説明してくれる先生だったのですが、そうやって考え方がわかっていると、応用問題も考えやすくなりますよね。
 Tome塾にもそういう執筆方針を感じました。ありがとうございます。

5. 今後の予定、その他。
 前職の会社が倒産し、実務経験の証明ができないので、来年事務指定講習を受けます。学内では、キャリアセンターや就職課、学生課などで貢献できればと思いますが、今、一般事務の契約社員ですし、年齢もあるので、正社員と比べると、異動できるかどうかは未知数です。転職も難しければ開業なんだろうか。。。
家から徒歩圏に年金事務所があるので、今の契約がなくなったら、バイトの口があったら行きたいです。
 たまの伝説さん 合格おめでとうございます。
 大変な勉強家ですね。何よりも驚いたのは、最初の受験、4月から始めたのに、択一・選択とも総合点では合格レベルに達したことです。
 その後、必勝を期した2年目は合格できなかったが、やや肩から力が抜けたように見える3年目はぶっちぎりの合格ですね。
 試験には運不運も伴いますが、単純に学習時間を増やしただけでは、必ずしも合格できないという難しさもあります。
 基本問題を落とさないようにすること、なんでそうなっているのかを理解すること、直前期のテキストをしっかり読みなおすこと、これらが合格への道を開いたのでしょう。
 ほかの受験生もこれを見習わない手はないはずです。
 たまの伝説さんでさらに特筆すべきは、周辺の本をたくさん読んだこと。
 受験勉強とのかかわり合いや時間の確保などにおいて葛藤があったかと思いますが、時間の許す限りあるいは時間を無理やり作ってでも、このことを他の人にもお勧めしたいです。
 つまり、研究(深く掘り下げること)は合格後と割り切り、浅く幅広い周辺知識の習得に努めること、これも合格力を高めるのに非常に重要なことです。
 そうすれば、知らず知らずのうちに、問題の捉え方そして正解に至る論理の展開に幅が出てきます。
 「自信を持って(正解肢を)選ぶのが重要」とありますが、自信をもつように努めても正解には到達しません。自分なりにつかんだ、分厚い周辺も含めた知識の広がりがあったからこそ、ひとりでに正解が見えてくるようになったのです。
 今後も、継続して学習に読書に研さんを積んで、大いなる飛躍ができるよう祈っております。

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