基礎資料編 障害認定基準 (R04.04.01改定) |
第1 一 般 的 事 項 1 障害の状態 障害基礎年金、障害厚生年金及び障害手当金が支給される「障害の状態」とは、身体 又は精神に、国民年金法施行令別表(厚生年金保険法施行令3条の8において厚生年金保険の1級及び2級の障害の状態とされる場合を含む)、厚生年金保険法施行令別表第1及び厚生年金保険法施行令別表第2に定める程度の障害の状態があり、かつ、その状態が長期にわたって存在する場合をいう。 2 傷 病 (1) 「傷病」とは、疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病を総称したものをいう。 (2) 「起因する疾病」とは、前の疾病又は負傷がなかったならば後の疾病が起こらなかったであろうというように、前の疾病又は負傷との間に相当因果関係があると認められる場合をいい、負傷は含まれないものである。 3 初診日 「初診日」とは、障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう。 4 障害認定日 「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、請求する傷病の初診日から起算して1年6月を経過した日又は1年6月以内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った 日を含む)をいう。 5 傷病が治った場合 「傷病が治った場合」とは、器質的欠損若しくは変形又は機能障害を残している場合 は、医学的に傷病が治ったとき、又は、その症状が安定し、長期にわたってその疾病の 固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態に至った場合をいう。 6 事後重症による年金 「事後重症による年金」とは、傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において政令で定める障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合で、当該傷病による障害により 65 歳に達する日の前日までに、政令で定める障害等級に該当する程度の障害の状態に該当し、かつ、65 歳に達する日の前日までに裁定請求のあった場合に支給する年金をいう。 7 基準傷病、基準障害、はじめて2級による年金 (1) 「基準傷病」とは、既に発している傷病による障害と、新たに発した傷病(既に発している傷病の初診日以後に初診日のある傷病に限る)による障害を併合して、初めて、障害等級が1級又は2 級に該当する程度の障害の状態に至った場合における新たに発した当該傷病をいう。 (2) 「基準障害」とは、基準傷病による障害をいう。 (3) 「はじめて 2 級による年金」とは、既に基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準障害と他の障害とを併合して障害等級が 1級又は2 級に該当する程度の障害の状態に至った場合に支給される障害基礎年金及び障害厚生年金をいう。 |
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第2 障害認定に当たっての基本的事項 1 障害の程度 障害の程度を認定する場合の基準となるものは、国年令別表、厚年令別表第1及び厚 年令別表第2 に規定されているところであるが、その障害の状態の基本は、次のとおり である。 (1) 1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。 例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。 (2) 2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。 例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。 (3) 3級 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。 また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については、第3の1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する) (4) 障害手当金 「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えるこ とを必要とする程度のものとする。 |
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2 認定の時期 障害の程度の認定時期は、次のとおりとする。 (1) 障害認定日 (2) 「事後重症による年金」については、裁定請求書を受理した日(65 歳に達する日の 前日までに受付けたものに限る。) (3) 「はじめて 2 級による年金」については、障害の程度が 2 級以上に該当した日(65 歳に達する日の前日までに該当したものに限る。) (4) 「障害手当金」については、初診日から起算して 5 年を経過する日までの間におい て傷病の治った日 3 認定の方法 (1) 障害の程度の認定は、診断書及び X 線フィルム等添付資料により行う。ただし、提出された診断書等のみでは認定が困難な場合又は傷病名と現症あるいは日常生活状況等との間に医学的知識を超えた不一致の点があり整合性を欠く場合には、再診断を求め又は療養の経過、日常生活状況等の調査、検診、その他所要の調査等を実施するなどして、具体的かつ客観的な情報を収集した上で、認定を行う。 また、原則として、本人の申立等及び記憶に基づく受診証明のみでは判断せず、必ず、その裏付けの資料を収集する。 (2) 障害の程度の認定は、2の「障害の程度」に定めるところに加え、3の1章「障害等級認定基準」に定めるところにより行うものとする。 なお、同一人について、2以上の障害がある場合の障害の程度の認定は、3の1章「障害等級認定基準」に定めるところによるほか、3の2章「併合等認定基準」に定めるところにより行う。 ただし、 1章の10節から18節までの内科的疾患の併存している場合及び1章各節の認定要領において特に定めている場合は、総合的に認定する。 (3) 「傷病が治らないもの」の障害の程度の認定に当たっては、障害の程度の認定時期以後おおむね1年以内に、その状態の変動が明らかに予測されるときは、その予測される状態を勘案して認定を行う。 (4) 「障害等級認定基準」及び「併合等認定基準」に明示されていない障害及び障害の程度については、その障害によって生じる障害の程度を医学的検査結果等に基づき判断し、最も近似している認定基準の障害の程度に相当するものを準用して行う。 (5) 「傷病が治らないもの」であって、3級の14号と認定したものについては、経過観察を行い、症状が固定に達したものは、3級の14号に該当しないものとする。 |
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第3 障害認定に当たっての基準 1章 障害等級認定基準 1節 眼の障害 、 2節 聴覚の障害、 3節 鼻腔機能の障害 、 4節 平衡機能の障害 、 5節 そしゃく・嚥下機能の障害、6節 音声又は言語機能の障害 7 節 肢体の障害 1上肢の障害 、2 下肢の障害、3 体幹・脊柱の機能の障害、 4 肢体の機能の障害 8節 精神の障害、0節 神経系統の障害、10節 呼吸器疾患による障害 、 11節 心疾患による障害、12節 腎疾患による障害、13節 肝疾患による障害、14 節 血液・造血器疾患による障害、15節 代謝疾患による障害、16節 悪性新生物による障害、17節 高血圧症による障害、 18節 その他の疾患による障害、19節 重複障害 |
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2章 併合等認定基準 1節 基本的事項 2つ以上の障害がある場合の障害の程度の認定は、次による。 1 併合(加重)認定 併合(加重)認定は、次に掲げる場合に行う。 (1) 障害認定日において、認定の対象となる障害が 2 つ以上ある場合(併合認定) (2「はじめて2 級」による障害基礎年金又は障害厚生年金を支給すべき事由が生じた 場合(併合認定) (3) 障害基礎年金受給権者及び障害厚生年金受給権者(障害等級が1級若しくは 2級の場合に限る)に対し、さらに障害基礎年金または障害厚生年金(障害等級が 1級若しくは 2級の場合に限る)を支給すべき事由が生じた場合(加重認定) (4) 併合認定の制限 同一部位に複数の障害が併存する場合、併合認定の結果が国年令別表、厚年令別表第 1 又は厚年令別表第 2 に明示されているものとの均衡を失する場合には、明示されている等級を超えることはできない。 2 総合認定 内科的疾患の併存している場合及び前章の認定要領において特に定めている場合は、 総合的に認定する。 3 差引認定 (1)障害認定の対象とならない障害(前発障害)と同一部位に新たな障害(後発障害)が加わった場合は、現在の障害の程度(複数の障害が混在している状態)から前発障害の障害の程度を差し引いて、後発障害の障害の程度を認定する。 (2) 同一部位とは、障害のある箇所が同一であるもの(上肢又は下肢については、それ ぞれ 1側の上肢又は下肢)のほか、その箇所が同一でなくても眼又は耳のような相対性器官については、両側の器官をもって同一部位とする。 (3) 「はじめて 2 級による年金」に該当する場合には、適用しない。 |
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別表 1併合判定参考表、別表2 併合(加重)認定、別表3 現在の活動能力減退率及び前発障害の活動能力減退率、別表4 差引結果認定表 |