基礎講座 雇用保険法

Y02

高年齢雇用継続 基本給付金

 
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1.高年齢雇用継続基本給付金(61条)
 「高年齢雇用継続基本給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)に対して、
支給対象月に支払われた賃金の額(支給対象月において非行、疾病その他の厚生労働省令で定める理由により支払を受けることができなかった賃金がある場合には、その支払を受けたものとみなして算定した賃金の額)が、
 60歳に達した日(その日における被保険者期間が5年未満であって、65歳までに5年に達したときはその達した日)を離職日とみなして算定される賃金日額相当額(みなし賃金日額)に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下るに至った場合に、当該支給対象月について支給する。
 ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない」
1  60歳に達した日又は(60歳に達した日以後の)支給対象月においてその日に応当する日を基準日とみなして22条3項、4項を適用した場合に算定されることとなる期間に相当する期間(算定基礎期間に相当する期間)が、5年に満たないとき。
2  支給対象月に支払われた賃金の額が、支給限度額以上であるとき。

 「同2項 支給対象月とは、60歳に達した日の属する月から65歳に達する日の属する月までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて被保険者であり、かつ、育児休業給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしなかった月に限る)をいう」
 

 非行、疾病その他の厚生労働省令で定める理由(施行規則101条の3)

@  非行: 無断欠勤やその他の懲戒による賃金の減額、冠婚葬祭など私事の欠勤による減額など
A  疾病又は負傷による減額又は不払い
B  事業所の休業による減額又は不払い、休業手当の支払いによる減額
C  前各号に掲げる理由に準ずる理由であつて、公共職業安定所長が定めるもの 。
 たとえば、
・妊娠・出産・育児((ただし、育児休業給付を受給できる月は、高年齢雇用継続給付そのものを受けることができない)
・介護
・ストライキなどの争議行為による減額又は不払い
 
 支払を受けたものとみなして算定した賃金の額(割戻し額)とは、 具体的には、以下のようにして求める、
@欠勤など減額がなければ支払われるべき金額が明確の場合、
 割戻し額=実際の支払金額+減額された額
A支払われるべき金額が不明確の場合は、
 割戻し額=(実際の支払い金額−減額対象日に支払われた減額後の賃金)/(1月当たりの所定労働日数−減額あるいは不払いの日数)×30
 割戻額を考慮しなければならない理由
 欠勤などによって賃金が低下したというのではなく、60歳になり再雇用や雇用延長の際に、単に年齢を理由として賃金が低下したことに対して、一定の所得補填をしようとするため。

1.趣旨
 年齢が60歳を超えたこと(多くの会社等では定年後の再雇用や雇用継続など)により、60歳到達直前に比べて、賃金が75%未満と大幅に低下することがよくある。こうなると、高齢者は働き続ける意欲をなくして離職し、基本手当てや年金の受給を安易に選択する可能性が増える。
 よって、このような賃金低下を「失業に準じた保険事故」としてとらえ、雇用の継続を促すために、平成6年に設けられた給付である。
2.対象者
 
60歳到達日に被保険者(短期雇用特例、日雇労働被保険者は除く)  被保険者期間が(短期雇用特例被保険者の期間も含む)が通算して5年以上 ある者
⇒ 通算とは、被保険者でなかった期間が1年以内であって、基本手当等あるいは特例一時金の支給を受けていない被保険者期間を合算できるということ。
 60歳到達後65歳到達までにおいて、被保険者期間が通算で5年以上に達した者
60歳到達日 以降に被保険者資格を取得した者  資格取得日において、最後に被保険者であった期間が1年以内にあり、かつ通算して5年以上 ある者
 資格取得日後5歳到達までにおいて、最後に被保険者であった期間が1年以内にあり、かつ通算して5年以上に達した者
3.高年齢雇用継続基本給付金の支給対象期間(業務取扱要領59012(2))
@60歳到達時において受給資格が確認される場合:
 60歳到達時の属する月から、65歳に達する日(65歳の誕生日の前日)の属する月まで
A60歳到達後において被保険者であった期間が5年に達することにより受給資格が確認される場合:
 通算した被保険者であった期間が5年に達する日の属する月から、65歳に達する日の属する月まで。
B60歳到達時で被保険者でなかった者であって、60歳到達後に被保険者資格を取得することにより受給資格が確認される場合:
 被保険者資格を取得した日の属する月(当該取得日がその日の属する暦月の初日でない場合は翌月)から65歳に達する日の属する月まで
C60歳到達時で被保険者でなかった者であって、60歳到達後に被保険者資格を取得し、その後に被保険者であった期間が通算して5年以上となることにより受給資格が確認される場合:
 当該受給資格が確認される日の属する月から65歳に達する日の属する月まで。
4.高年齢雇用継続基本給付金の支給対象月における支給要件(業務取扱要領59012(3))
@支給対象期間の暦月(支給対象月)において、初日から末日まで被保険者として継続して雇用されていること。
 この暦月を「雇用月」という。
A雇用月に支払われた賃金額(雇用月に実際に支払われた賃金額に、非行、疾病等の理由により賃金の減額の対象となった日がある場合については、当該減額された賃金が支払われたものとみなして算定した賃金額を加えた額(みなし賃金額)が、基本給付金に係る賃金月額の75%未満となること。
 「基本給付金に係る賃金月額」とは、原則として、60歳到達時(60歳到達時で被保険者でなかった場合についてはその直前の被保険者資格喪失日の前日、60歳到達時あるいは被保険者資格喪失日の前日に受給資格を満たしていない場合は60歳以降65 歳未満の間で受給資格を満たした日)を受給資格に係る離職日とみなして、同日から遡って6 か月の間に支払われた賃金の総額を180で除した賃金日額の30日分の額をいう。
B雇用月に支払われた賃金額(実際に支払われた賃金額に減額された賃金の額を加えたみなし賃金額)が、支給限度額未満であること。
C 雇用月において育児休業給付又は介護休業給付の支給を受けることができないこと。
 したがって、当該休業を取得したことにより、雇用月の初日から末日までの間に引き続いて育児休業給付又は介護休業給付の支給対象となる休業を取得していた場合は、当該雇用月に係る高年齢雇用継続給付の支給はなされない。