23年度 法改正トピックス( 児童扶養手当法に関する主要改正点)

  改正後 改正ポイント
目的等  目的(1条) (H22.08.01)
 「この法律は、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について児童扶養手当を支給し、もって児童の福祉の増進を図ることを目的とする」
 「父と生計を同じくしていない」を
 「父又は母と生計を同じくしていない」に改め、
 新たに、いわゆる父子家庭も支給対象とした。
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 趣旨(2条) (H22.08.01)
 「2項 児童扶養手当の支給を受けた父又は母は、自ら進んでその自立を図り、家庭の生活の安定と向上に努めなければならない」
 「3項 児童扶養手当の支給は、婚姻を解消した父母等が児童に対して履行すべき扶養義務の程度又は内容を変更するものではない」
 上記1条による支給対象の拡大に伴い、
 2項:「支給を受けた母」から「支給を受けた父又は母」に
 3項:「婚姻を解消した父母等」から「婚姻を解消した父母等」に。
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支給要件  支給要件(4条) (H22.08.01)
 「都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長(以下都道府県知事等)は、次の各号にのいずれかに該当する場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に対し、児童扶養手当を支給する」
1

・母に対して
 次のイからホまでのいずれかに該当する児童の母が当該児童を看護する場合 ⇒ 当該母に
 父母が婚姻を解消した児童
 父が死亡した児童
 父が政令で定める程度の障害の状態にある児童
 父の生死が明らかでない児童
 その他イからニまでに準ずる状態にある児童で政令で定めるもの
2号
・父に対して
 次のイからホまでのいずれかに該当する児童の父が当該児童を看護し、かつ、これと生計を同じくする場合 ⇒ 当該父に
 父母が婚姻を解消した児童
 母が死亡した児童
 母が前号ハの政令で定める程度の障害の状態にある児童
 母の生死が明らかでない児童
 その他イからニまでに準ずる状態にある児童で政令で定めるもの
3


養育者に対して
・ 1号イからホまでのいずれかに該当する児童を母が監護しない場合若しくは同号イからホまでのいずれかに該当する児童(同号ロに該当するものを除く)の母がない場合であつて、当該母以外の者が当該児童を養育する
 とき、
・ 2号イからホまでのいずれかに該当する児童を父が監護しないか、若しくはこれと生計を同じくしない場合(父がない場合を除く)若しくは同号イからホまでのいずれかに該当する児童(同号ロに該当するものを除く)の父がない場合であつて、当該父以外の者が当該児童を養育するとき、
・ 父母がない場合であつて、当該父母以外の者が当該児童を養育するとき 
⇒当該養育者に
 3号において「養育する」とは、「児童と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう」
 「2項 前項の規定にかかわらず、手当は、母に対する手当にあっては、児童が次のいずれかに該当するとき
1  日本国内に住所を有しないとき。
2  父又は母の死亡について支給される公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につき支給が停止されているときを除く。
3  父又は母の死亡について労働基準法の規定による遺族補償その他政令で定める法令によるこれに相当する給付を受けることができる場合であって、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
4  児童福祉法に規定する里親に委託されているとき。
5  父に支給される公的年金給付の額の加算の対象となつているとき。
⇒父に支給される障害基礎年金に子の加算があるとき。(子の加算か児童扶養手当かいずれか高額な方を選択)
6  父と生計を同じくしているとき。ただし、その者が1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にあるときを除く)
7  母の配偶者(1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にある父を除く)に養育されているとき。
8  父の死亡について支給される遺族補償等を受けることができる母の監護を受けている場合であつて、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
 父に対する手当にあっては、児童が1号から4号まで又は次のいずれかに該当するとき、
10  母に支給される公的年金給付の額の加算の対象となつているとき。
⇒母に支給される障害基礎年金に子の加算があるとき。(子の加算か児童扶養手当かいずれか高額な方を選択)
11  母と生計を同じくしているとき。ただし、その者が1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にあるときを除く。
12  父の配偶者(1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にある母を除く)に養育されているとき。
13  母の死亡について支給される遺族補償等を受けることができる父の監護を受け、かつ、これと生計を同じくしている場合であつて、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
 養育者に対する手当にあっては、児童が1号から7号まで又は9号のいずれかに該当するときは、
 当該児童については支給しない」

 「3項 1項の規定にかかわらず、手当は、母に対する手当にあっては当該母が、父に対する手当にあっては当該父が、養育者に対する手当にあっては当該養育者が、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない」
1  日本国内に住所を有しないとき。
2  国民年金法に基づく老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につき支給が停止されているときを除く。
 支給対象の拡大に伴い、

 1項:2号を追加
 2項:「父に対する手当で支給しない場合」を追加
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支給の調整  支給の調整(4条の2) (H22.08.01新規)
 「 同一の児童について、父及び母のいずれもが手当の支給要件に該当するとき、又は父及び養育者のいずれもが手当の支給要件に該当するときは、当該父に対する手当は、当該児童については、支給しない」
 「2項 同一の児童について、母及び養育者のいずれもが手当の支給要件に該当するときは、当該養育者に対する手当は、当該児童については、支給しない」
 同一の児童について、複数の者が重複して手当を受け取ることはできない。
 優先順位は母、養育者、父の順。
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手当額  手当額(5条)(H22.08.01)
 「2項 4条に定める要件に該当する児童であって、父が監護し、かつ、これと生計を同じくするもの、母が監護するもの又は養育者が養育するもの(以下「監護等児童」という)が2人以上である父、母又は養育者に支給する手当の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額にその児童のうち1人を除いた児童につきそれぞれ3,000円(そのうち1人については、5,000円)を加算した額とする」
 「その監護し又は養育する前条に定める要件に該当する児童が2人以上」を」
 「4条に定める要件に該当する児童であって、父が監護し、かつ、これと生計を同じくするもの、母が監護するもの又は養育者が養育するもの(以下「監護等児童」という)が2人以上」に
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子の加算との関係  「児童扶養手当の支給対象となる場合における障害基礎年金の子の加算の支給事務の取扱いについて(要旨)」 年管管発0126第3号(H23.01.26)
 「児童扶養手当は、両親の一方が児童扶養手当法施行令別表第2で定める障害(国民年金または厚生年金保険法1級相当)であっても、その児童が障害基礎年金の子の加算の対象である場合は支給されないが、平成23年4月1日以降は、児童扶養手当額が障害基礎年金の子の加算額を上回る場合においては、年金受給権者と児童との間に生計維持関係がないものとして取り扱い、子の加算の対象としないことにより児童扶養手当を受給することが可能とする」
 すなわち、
・ 児童扶養手当と障害基礎年金の子の加算との間で受給変更できる場合:
 両親の一方が児童扶養手当法施行令別表第2で定める障害(国民年金または厚生年金保険法1級相当)の状態にあれば、その配偶者に支給される児童扶養手当と障害年金の子の加算で受給変更が可能(個々の子について、どちらか高額な方を選択可能)
・ 児童扶養手当と障害基礎年金の子の加算との間で受給変更ができない場合:
 母子世帯や父子世帯の場合は、児童扶養手当と子の加算との間で受給変更はできない。  
 平成23年4月1日以前
 父(又は母)が障害1級程度であり、児童を有する場合であっても、その児童の生計維持し障害基礎年金に子の加算の対象となっている場合は、児童扶養手当が支給されなかった。
 平成23年4月1日以降
 父又は母が障害基礎年金の受給権発生以後に子を有するに至った場合でも、子の加算の対象となりうることになり、
・従来から児童扶養手当を受給していた世帯であっても、子の加給の方が金額が多い場合は、子の加算への受給に変更可
・児童扶養手当の方が金額が多い場合は、児童扶養手当の継続受給、又は児童扶養手当への切換えが可能。
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