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5G 求職者支援法(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律) H23.10.01施行 | |||
関連過去問 | |||
0.趣旨 求職者支援制度とは、雇用保険の受給資格がない失業者注に対し、 @無料の職業訓練の実施 A本人収入、世帯収入及び資産要件等、一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練の受講を容易にするための給付金の支給 Bハローワークにおいて強力な就職支援の実施、 により、安定した「就職」を実現するための制度。 注:雇用保険の適用そのものがない者、加入期間不足により受給資格がない者、受給が終了した者、学卒未就職者や自営廃業者など |
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1. 目的等 目的(1条) 「この法律は、特定求職者に対し、職業訓練の実施、当該職業訓練を受けることを容易にするための給付金の支給その他の就職に関する支援措置を講ずることにより、特定求職者の就職を促進し、もって特定求職者の職業及び生活の安定に資することを目的とする」 特定求職者(2条) 「この法律において「特定求職者」とは、公共職業安定所に求職の申込みをしている者(雇用保険法の被保険者である者及び受給資格者である者を除く)のうち、労働の意思及び能力を有しているものであって、職業訓練その他の支援措置を行う必要があるものと公共職業安定所長が認めたものをいう」 |
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2.職業訓練の実施 職業訓練実施計画(3条) 「厚生労働大臣は、特定求職者について、その知識、職業経験その他の事情に応じた職業訓練を受ける機会を十分に確保するため、認定職業訓練その他の特定求職者に対する職業訓練の実施に関し重要な事項を定めた計画(職業訓練実施計画)を策定するものとする」 ⇒「職業訓練実施計画」では、 特定求職者の数の動向、 職業訓練の実施目標 職業訓練の効果的な実施のための施策の基本を定める。 厚生労働大臣による職業訓練の認定(4条) 「厚生労働大臣は、職業訓練を行う者の申請に基づき、当該者の行う職業訓練について、次の各号のいずれにも適合するものであることの認定をすることができる」 @職業訓練実施計画に照らして適切なものであること。 A就職に必要な技能及びこれに関する知識を十分に有していない者の職業能力の開発及び向上を図るために効果的なものであること。 Bその他厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。 ⇒1項各号を満足するものを認定職業訓練という。 「同2項 厚生労働大臣は、前項の認定に係る職業訓練(認定職業訓練という)が同項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、当該認定を取り消すことができる」 「同3項 厚生労働大臣は、1項の規定による認定に関する事務を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に行わせるものとする」 認定職業訓練を行う者に対する助成(5条) 「国は、認定職業訓練が円滑かつ効果的に行われることを奨励するため、認定職業訓練を行う者に対して、予算の範囲内において、必要な助成及び援助を行うことができる」 認定職業訓練実施奨励金 「施行規則7条 法5条に規定する認定職業訓練を行う者に対する助成として、認定職業訓練実施奨励金を支給するものとする」 「施行規則8条 認定職業訓練実施奨励金は、認定職業訓練実施基本奨励金及び認定職業訓練実施付加奨励金とする」 ・認定職業訓練実施基本奨励金は、基礎訓練を行った者に対して、出席率80%以上の受講者数に応じて助成 ・認定職業訓練実施付加奨励金は、実践訓練を行った者に対して、(修了者数+中途就職者数)と就職実績に応じて助成 指導及び助言(6条) 「機構(高齢・障害・求職者雇用支援機構)は、認定職業訓練を行う者に対し、当該認定職業訓練の実施に必要な指導及び助言を行うことができる」 |
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3.職業訓練受講給付金 職業訓練受講給付金の支給(7条) 「国は、公共職業安定所長が指示した認定職業訓練又は公共職業訓練等(雇用保険法に規定する公共職業訓練等)を特定求職者が受けることを容易にするため、当該特定求職者に対して、職業訓練受講給付金を支給することができる」 職業訓練受講給付金の種類(施行規則10条) 「法7条1項に定める職業訓練受講給付金は、職業訓練受講手当、通所手当及び寄宿手当とする」 ⇒職業訓練受講手当、通所手当、寄宿手当を受給するためには、1月に1回、ハローワークに出頭しなければならない。 受給できる額は、訓練等の出席状況等に応じて認められた額である。 返還命令等(8条) 「偽りその他不正の行為により職業訓練受講給付金の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した職業訓練受講給付金の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた職業訓練受講給付金の額の二倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる」 職業訓練受講給付金の概要 (1)職業訓練受講手当と通所手当からなる。 (2)支給要件(以下の全てを満たす者) @本人の収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下、現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない。 A全ての訓練実施日に出席(やむを得ない理由がある場合は8割以上の出席) B同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者はいない、 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない。 (3)支給額 @職業訓練受講手当は月額10万円 A通所手当は職業訓練実施施設までの通所経路に応じた所定の額(上限額あり) |
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4.就職支援計画の作成等 就職支援計画の作成(11条) 「公共職業安定所長は、特定求職者の就職を容易にするため、当該特定求職者に関し、次の各号に掲げる措置が効果的に関連して実施されるための計画(就職支援計画)を作成するものとする」 @職業指導及び職業紹介 A認定職業訓練又は公共職業訓練等 Bその他厚生労働省令で定めるもの 公共職業安定所長の指示(12条) 「公共職業安定所長は、特定求職者に対して、就職支援計画に基づき前条各号に掲げる措置(就職支援措置)を受けることを指示するものとする」 |
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5.その他 譲渡等の禁止(9条) 「職業訓練受講給付金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない」 公課の禁止(10条) 「10条 租税その他の公課は、職業訓練受講給付金として支給を受けた金銭を標準として課することができない」 時効(14条) 「職業訓練受講給付金の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び返還命令等により納付をすべきことを命ぜられた金額を徴収する権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する」 権限の委任(18条) 「この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる」 「同2項 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる」 罰則 「20条 認定職業訓練を行う者等が次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」 @厚生労働大臣の求めによる所定の報告をせず、又は虚偽の報告をした場合 A厚生労働大臣の命による立入検査時に所定の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合。 「21条 特定求職者等が次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」 @厚生労働大臣の求めによる所定の報告をせず、又は虚偽の報告をした場合 A厚生労働大臣の命による立入検査時に所定の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合。 「22条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、20条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する」 |
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