3C 労務管理その他の労働に関する一般常識 基礎知識と関連過去問 Tome塾Homeへ
 育児・介護休業法(目的、定義、育児休業、介護休業、看護休暇、介護休暇)
 別ページ掲載:時間外労働・深夜労働の制限所定労働時間の短縮措置等職業家庭両立推進者苦情の自主的解決調停の委任勧告・公開 ・罰則)、育児休業給付(雇用保険法)、介護休業給付(雇用保険法)
 関連過去問 11-1C12-1E20-2A28-2B29-2エ令2-3A
 関連条文等 目的(1条)、定義(2条)、育児休業の申出(5条)、 厚生働労省令で定める場合(施行規則6条)、パパ・ママ育休プラス(9条の2)、育児休業申出の方法(施行規則5条)、育児休業申出があった場合における事業主の義務等(6条)、育児休業開始・終了予定日の変更の申出等(7条) 、育児休業申出の撤回等(8条)、育児休業期間(9条)
 介護休業の申出(11条)、介護休業申出があった場合における事業主の義務等(12条)、介護休業終了予定日の変更の申出(13条)、介護休業申出の撤回等(14条)、介護休業期間(15条)、子の看護休暇の申出(16条の2)、介護休暇の申出(16条の5)、介護休暇の申出があった場合における事業主の義務等(16条の6)
 

 


 

 

 正式名称 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
  1.目的(1条) 法改正(H22.06.30)法改正
 「この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、
 子の養育及び家族の介護を容易にするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、
 子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、
 子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、
 これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする」 
 定義(2条)法改正
育児休業  法改正(H29.01.01) 労働者(日々雇用される者を除く)が、その子(民法の規定により特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者(当該請求に係る家事審判事件が裁判所に係属している場合に限る)であつて、当該被保険者が現に監護するもの、児童福祉法に規定する養子縁組里親である労働者に委託されている児童及びその他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者に、厚生労働省令で定めるところにより委託されている者を含む)を養育するためにする休業をいう。

 すなわち、以下のような子を看護・養育している場合
 子(養子を含む)のほか、
@特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者であって、家事審判事件が裁判所に係属している(試験的な養育期間中にある)子
A養子縁組里親として委託された子
B児童の親等の反対のため養子縁組里親として委託されることができないので、養育里親として委託された子
介護休業  要介護状態にある対象家族を介護するための休業
要介護状態  負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態
対象家族 
 
 配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母及び子(これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者(施行規則3条法改正(H29.01.01)すなわち、労働者の祖父母、兄弟姉妹及び孫でいずれも同居・扶養の条件はない)並びに配偶者の父母をいう。
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 産前産後の休業期間中の賃金については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定により、賃金の3分の2に相当する額が保障されているが、所定労働時間の短縮、育児時間及び生理休暇における賃金保障に関しては、法律上明文の規定がない。(23年度改)

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正しい 誤り



2.1 育児休業の申出(5条) 
 「1項 法改正(R04,04.01) 労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
 ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる」

・1歳6か月になるまで雇用契約が続くかどうかまではわからなくても、それまでに雇用契約がなくなることが決まっていなければOK。
・労働契約が形式上、期間を定めて雇用されている労働者であっても、その契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態となっている場合は、上記の要件を満たすか否かにかかわらず、申出ることができる。
〇「当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者」は法定上の取得要件から削除されたが、この削除にともなって、無期雇用者と同等になったもいえるので、6条により、「過半数組織の労働組合(ないときは過半数代表者)との書面による協定が締結されれば、有期雇用者であっても排除できる。
 「5条2項 法改正(H22.06.30) 前項の規定にかかわらず、育児休業(当該育児休業に係る子の出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日まで(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては当該出生の日から当該出産予定日から起算して8週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては当該出産予定日から当該出生の日から起算して8週間を経過する日の翌日までとする)の期間内に、労働者(当該期間内に労働基準法65条2項(産後の休業)の規定により休業した者を除く)が当該子を養育するためにした前項の規定による最初の申出によりする育児休業を除く)をしたことがある労働者は、
 当該育児休業を開始した日に養育していた子については、厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、同項の申出をすることができない」

 原則として、同一の子については1回のみである。ただし、以下の場合は再度の取得が可能。
@妻の産後休業期間中に夫が育児休業を取得した場合、夫は、特別の事情がなくとも再取得できる。
A特別の事情(たとえば、代わって育児にあたるべき配偶者が死亡、負傷、疾病その他の障害の発生あるいは離婚などで子と同居 しなくなるなど)に該当した場合は、再取得できる。
 「5条3項 労働者は、その養育する1歳から1歳6か月に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
 ただし、期間を定めて雇用される者であって、その配偶者が当該子が1歳に達する日(1歳到達日)において育児休業をしているものにあっては、1項各号のいずれにも該当するものに限る」
1号:申出に係る子について、労働者又はその配偶者が、1歳到達日において育児休業をしている場合でかつ
2号:1歳到達日後の期間について休業することが、雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生働労省令で定める場合に該当する場合
 厚生働労省令で定める場合(施行規則6条)
@申出に係る子について、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当該子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合
A常態として申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者であって当該子が1歳に達する日後の期間について常態として当該子の養育を行う予定であったものが次のいずれかに該当した場合
・死亡したとき。
・負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により申出に係る子を養育することが困難な状態になったとき。
・婚姻の解消その他の事情により常態として申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者が申出に係る子と同居しないこととなったとき。
・6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定であるか又は産後8週間を経過しないとき。
⇒上記のような困難な状況が生じた場合は、1年6月まで育児休業を延長できる。
 「5条4項 法改正(H29.10.01追加) 労働者は、その養育する1歳6か月から2歳に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる」
@当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の1歳6か月に達する日(1歳6か月到達日)において育児休業をしている場合
A当該子の1歳6か月到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合(1歳に達する日を1歳6か月に達する日と読替えて施行規則6条を準用)に該当する場合」
⇒1歳6か月到達日以降において施行規則6条で定める困難な状況に該当する場合は、2歳まで育児休業を延長できる。

 「5条5項 法改正(H29.10.01追加) 1項ただし書の規定は、前項の申出について準用する。この場合において、1項ただし書き中「1歳6か月」とあるのは、「2歳」と読み替えるものとする」
⇒期間を定めて雇用される者にあっては、「その養育する子が2歳に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者に限って、4項(2歳に達するまでの育児休業の延長)の適用がある。
 「5条6項 法改正(H29.10.01) 1項、3項及び4項の規定による育児休業申出は、その期間中は育児休業をすることとする一の期間について、その初日(育児休業開始予定日)及び末日(育児休業終了予定日)とする日を明らかにして、行わなければならない。
 この場合において、3項による(1歳から1歳6か月までの)申出にあっては1歳到達日の翌日を、4項による(1歳6か月から2歳までの)申出にあっては1歳6か月到達日の翌日を、それぞれ育児休業開始予定日としなければならない」 
⇒1項による「1歳に満たない子のための育児休業」、3項による「1歳から1歳6か月に達するまでの子の育児休業」、4項による「1歳6か月から2歳に達するまでの子の育児休業」をとる場合は、その都度、休業開始予定日と休業終了予定日を指定して申し出なければならない。
 「5条7項 法改正(H29.10.01) 1項ただし書、2項、3項ただし書、5項及び6項後段の規定は、期間を定めて雇用される者であって、その締結する労働契約の期間の末日を育児休業終了予定日(7条3項の規定により当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日)とする育児休業をしているものが、当該育児休業に係る子について、当該労働契約の更新に伴い、当該更新後の労働契約の期間の初日を育児休業開始予定日とする育児休業申出をする場合には、これを適用しない」
2.2 同一の子について配偶者が育児休業をする場合の特例(パパ・ママ育休プラス)(9条の2概要のみ)法改正(H22.06.30新設)
 「労働者の養育する子について、当該労働者の配偶者が当該子の1歳到達日以前のいずれかの日において当該子を養育するために育児休業をしている場合、1歳2か月まで育児休業を事業主に申し出ることができる」
 「2項 前項の規定は、育児休業開始予定日とされた日が、当該育児休業に係る子の1歳到達日の翌日後である場合又は当該労働者の配偶者がしている育児休業に係る育児休業期間の初日前である場合には、これを適用しない」  
@労働者が父親の場合、
 まず配偶者(母親)が育児休業をとり、子の1歳誕生日前に父親が育児休業を申し込めば、父親は1歳2か月まで休業できる。
A労働者が母親の場合
 まず、配偶者(父親)が育児休業をとり、子の1歳誕生日前に母親が育児休業を申し込めば、母親は1歳2か月まで休業できる。
B父親と母親の休業期間が一部重複してもかまわない。
 ただし、父親、母親(母親の場合は産後の8週間を含めて)とも、それぞれは1年を超えてはいけない。 
 パパ・ママ育休プラスでも1歳6か月までの延長:
 5条3項に準じて、以下要件を満たすときは、1歳6ヵ月まで延長可能
@労働者又はその配偶者が、1歳到達日以後の育児休業終了予定日において育児休業をしており、かつ、
A保育所における保育の実施を希望し、申込みを行っているが、当該子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われないなど厚生労働省令で定める場合に該当。
 この場合の申出は、5条6項後段に対応して、
 「申出にあっては、1歳到達日後である育児休業終了予定日の翌日を育児休業開始予定日としなければならない」
⇒間隔が空いてはいけない。
 育児休業申出の方法(施行規則5条)法改正(22.06.30)
 「育児休業申出は、次に掲げる事項(申出の年月日、氏名、子の氏名・生年月日及び労働者との続柄、開始予定日、終了予定日、1歳6か月までの延長の申出にあってはそれに該当する事実、パパ・ママ育休プラスの申出にあっては、当該申出に係る育児休業開始予定日とされた日が当該労働者の配偶者がしている育児休業に係る育児休業期間の初日以後である事実など)を
 事業主に申し出ることによって行わなければならない」
 「2項 前項の申出は、次のいずれかの方法(2号及び3号に掲げる場合にあっては、事業主が適当と認める場合に限る)によって行わなければならない」
@書面を提出する方法
Aファクシミリを利用して送信する方法
B電気通信回線を通じて事業主の使用に係る通信端末機器に送信する方法(電子メール)
 「4項 事業主は、育児休業申出がされたときは、次に掲げる事項を労働者に速やかに通知しなければならない」
@育児休業申出を受けた旨
A育児休業開始予定日(法6条3項により指定をする場合にあっては、当該事業主の指定する日)及び育児休業終了予定日 
B育児休業申出を拒む場合には、その旨及びその理由
⇒これらも、書面のほか、労働者が希望すれば、ファックス、電子メールでもよい。
⇒2項、4項については、介護休業の申出もこれに準ずる。
法令に則った適正な申出であれば、事業主の承諾は不要である。
2.3 育児休業申出があった場合における事業主の義務等(6条) 法改正(H22.06.30)
 「事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない
 ただし、事業主と労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、ないときは過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない」
1号  当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
2号  育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの。 
 
 法6条1項号の厚生労働省令で定めるもの(施行規則8条)
 「次のとおりとする」
@育児休業申出があった日から起算して1年(法5条3項(1歳から1歳6か月に達するまで)及び4項(1歳6か月から2歳に達するまで)の申出にあっては6月)以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者。
A一週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数(2日)以下の労働者

 育児休業の申出ができない者
@有期雇用者にあっては、一定の者(5条1項ただし書きを満足しない者):法律上の適用除外
A有期雇用者、無期雇用者に関係なく、労使協定等で定める一定の者(6条1項ただし書きに該当する者):労使間での取り決めによる適用除外
 「6条2項 前項ただし書の場合において、事業主にその育児休業申出を拒まれた労働者は、前条1項、3項及び4項の規定にかかわらず、育児休業をすることができない」。
 「6条3項 事業主は、申出に係る育児休業開始予定日が申出があった日の翌日から起算して1月(5条3項又は5条4項による申出にあっては2週間)を経過する日前であるときは、開始予定日とされた日から1月(2週間)経過日までの間のいずれかの日を育児休業開始予定日として指定することができる。
 また、育児休業申出があった日までに、
@出産予定日前に子が出生したこと、
Aその他の厚生労働省令で定める事由(配偶者の死亡、負傷、疾病その他の障害の発生、離婚などで子と同居せず)が生じた場合にあっては、1週間経過日までのいずれかの日を指定することができる」
申出が遅くて開始予定日までに1月(1週間)もない場合は、申出した開始予定日と1月(1週間)経過日との間で、事業主が開始日を指定することができる。
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1C

 

 育児・介護休業法に基づき、事業主は、労働者からの育児休業の申し出があったときは、当該育児休業の申し出を拒むことはできないが、その例外として、労働者の配偶者で当該育児休業の申し出に係る子の親である者が、常態として当該子を養育することができるものと認められる労働者については、労使協定で、育児休業をすることができない者として定めることができる。

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正しい 誤り
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2B
 育児介護休業法第9条の2により、父親と母親がともに育児休業を取得する場合、子が1歳6か月になるまで育児休業を取得できるとされている。

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開始
・終了予定日の変更の申出等
3.1 育児休業開始・終了予定日の変更の申出等(7条)
 「5条1項による申出をした労働者は、その後育児休業開始予定日の前日までに、5条3項の厚生労働省令で定める事由が生じた場合には、その事業主に申し出ることにより、開始予定日を1回に限り当該育児休業開始予定日とされた日前の日に変更することができる」
 「2項 事業主は、変更後の育児休業開始予定日とされた日が申出があった日の翌日から起算して1月を超えない範囲内で、あるいは厚生労働省令で定める事由の場合は1週間を経過する日前であるときは、変更申出による開始予定日から1月(あるは1週間)経過日までの間のいずれかの日を、休業開始予定日として指定することができる」
 「3項 申出をした労働者は、厚生労働省令で定める日(1月前、5条3項の申出にあっては2週間前)までにその事業主に申し出ることにより、育児休業終了予定日を1回に限り、終了予定日とされた日後の日に変更することができる」
開始予定日の繰上げ  一定の事由が生じたとき、1回のみ
開始予定日の繰下げ  規定なし(原則はできない) (代替要員は確保済みであると考えると、納得できる)
終了予定日の繰上げ  規定なし(原則はできない)
終了予定日の繰下げ  理由は問わず、1回のみ

3.2 育児休業申出の撤回等(8条)
 「育児休業申出をした労働者は、育児休業開始予定日とされた日(事業主の指定があった場合は当指定日、変更された場合は変更後の開始予定日)の前日までは、当該育児休業申出を撤回することができる」
 「2項 申出を撤回した労働者は、当該育児休業申出に係る子については、厚生労働省令で定める特別の事情(配偶者の死亡、負傷、疾病その他の障害の発生、離婚などで子と同居せず)の場合を除き、育児休業申出をすることができない」  
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 育児・介護休業法によれば、労働者は育児休業の取得を希望する場合には、育児休業開始予定日及び育児休業終了予定日を示して、事業主に申し出る必要がある。育児休業開始予定日の変更は、一定の事由が生じた場合において、育児休業開始予定日とされた日前の日に変更する場合に限って、1回だけ認められる。

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正しい 誤り

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3A
  育児介護休業法に基づいて育児休業の申出をした労働者は、当該申出に係る育児休業開始予定日とされた日の前日までに厚生労働省令で定める事由が生じた場合には、その事業主に申し出ることにより、法律上、当該申出に係る育児休業開始予定日を何回でも当該育児休業開始予定日とされた日前の日に変更することができる。
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育児休業期間 4.育児休業期間(9条)
 「育児休業申出をした労働者が育児休業をすることができる期間は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(変更された場合は変更後の育児休業終了予定日)までの間とする」
 「2項 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、育児休業期間は、前項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(3号にあってはその前日)に終了する」  
1  終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。
2  終了予定日とされた日の前日までに、子が1歳(5条3項の申出による場合は1歳6か月、5条4項の申出による場合は2歳)に達したこと。
3  終了予定日とされた日までに、労働基準法による産前、産後の休業期間、本法による介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。
   
   





 

 

5.1 介護休業の申出(11条) 法改正
 「1項 法改正(R04,04.01) 労働者は、その事業主に申し出ることにより、介護休業をすることができる。
 ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、3項に規定する介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6月を経過する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる」

・労働契約が形式上、期間を定めて雇用されている労働者であっても、その契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態となっている場合は、上記の要件を満たすか否かにかかわらず、申出ることができる
〇「当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者」は法定上の取得要件から削除されたが、この削除にともなって、無期雇用者と同等になったもいえるので、12条2項により、「過半数組織の労働組合(ないときは過半数代表者)との書面による協定が締結されれば、有期雇用者であっても排除できる。
 「2項 法改正(H29.01.01) 前項の規定にかかわらず、介護休業をしたことがある労働者は、当該介護休業に係る対象家族が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該対象家族については、同項の規定による申出をすることができない」
@対象家族について3回の介護休業をした場合
A当該対象家族について介護休業をした日数(介護休業を開始した日から介護休業を終了した日までの日数とし、2回以上の介護休業をした場合にあっては、介護休業ごとに、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を合算して得た日数。「介護休業日数」という)が93日に達している場合
介護休業の分割取得
・介護休業は、対象家族1人につき、最大で93日(複数回に分割された場合は累計で93日)まで取得可能
・H29の法改正前までは、同じ介護状態である限り1回で(介護状態が異なる場合のみ分割して)取得となっていたところ、法改正後は、介護状態が同じであろうと異なろうと、最大3回までに分割して取得可能となった。

 「3項 1項による介護休業申出は、厚生労働省省令で定めるところにより、介護休業申出に係る対象家族が要介護状態にあることを明らかにし、かつ、その期間中は当該対象家族に係る介護休業をすることとする一の期間について、その初日(介護休業開始予定日)及び末日(介護休業終了予定日)とする日を明らかにして、しなければならない」
 「4項 1項ただし書及び2項(2号を除く)の規定は、期間を定めて雇用される者であって、その締結する労働契約の期間の末日を介護休業終了予定日(13条において準用する7条3項の規定により当該介護休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の介護休業終了予定日とされた日)とする介護休業をしているものが、当該介護休業に係る対象家族について、当該労働契約の更新に伴い、当該更新後の労働契約の期間の初日を介護休業開始予定日とする介護休業申出をする場合には、これを適用しない」
 介護休業申出の方法等(施行規則22条)
 「介護休業申出は、次に掲げる事項(申出の年月日、氏名、対象家族の氏名・労働者との続柄(必要な場合は同居・扶養の事実)・要介護状態にある事実、開始予定日、終了予定日など)を、
 事業主に申し出ることによって行わなければならない」
 申出の手段、事業主からの通知については、施行規則5条2項、4項に準ずる。
5.2 介護休業申出があった場合における事業主の義務等(12条)
 「事業主は、労働者からの介護休業申出があったときは、当該介護休業申出を拒むことができない」
 「12条2項 6条1項ただし書及び2項の規定は、労働者からの介護休業申出があった場合について準用する」
(1)6条1項ただし書きの読替え
 「ただし、事業主と労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、ないときは過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち介護休業をすることができないものとして定められた労働者からの介護休業申出があった場合は、この限りでない」
1号  当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
2号  介護休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの。 (施行規則14条によれば)
@介護休業申出があった日から起算して93日以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
A1週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数(2日)以下の労働者

(2)6条2項の読替え
 「前項ただし書の場合において、事業主にその介護休業申出を拒まれた労働者は、前条1項の規定にかかわらず、介護休業をすることができない」。

 「12条3項 事業主は、労働者からの介護休業申出があった場合において、当該介護休業申出に係る休業開始予定日とされた日が申出があった日の翌日から起算して2週間を経過する日(2週間経過日)前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該介護休業開始予定日とされた日から当該二週間経過日までの間のいずれかの日を当該介護休業開始予定日として指定することができる」
 「12条4項 前二項の規定は、労働者が前条4項に規定する介護休業申出をする場合には、これを適用しない」
⇒締結する労働契約期間の末日を介護休業終了予定とする介護休業をしているものが、労働契約の更新に伴い、更新後の労働契約期間の初日を介護休業開始予定日とする介護休業申出をする場合には、そのまめ介護休業は続く。
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2エ
 育児介護休業法は、労働者は、対象家族1人につき、1回に限り、連続したひとまとまりの期間で最長93日まで、介護休業を取得することができると定めている。
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正しい 誤り
  6.1 介護休業終了予定日の変更の申出(13条)
  「申出をした労働者は、厚生労働省令で定める日(2週間前)までにその事業主に申し出ることにより、介護休業終了予定日を1回に限り、終了予定日とされた日後の日に変更することができる」
繰上の規定はない。
6.2 介護休業申出の撤回等(14条)
 「介護休業申出をした労働者は、当該介護休業申出に係る介護休業開始予定日とされたの前日までは、当該介護休業申出を撤回することができる」
 「2項 法改正(H29.01.01) 前項の規定による介護休業申出の撤回がなされ、かつ、当該撤回に係る対象家族について当該撤回後になされる最初の介護休業申出が撤回された場合においては、その後になされる当該対象家族についての介護休業申出については、事業主は、12条1項の規定にかかわらず、これを拒むことができる」
介護休業申出の撤回がなされた場合において、当該撤回に係る対象家族についての介護休業申出については、撤回後になされる最初の介護休業申出を除き、事業主は、これを拒むことができる」
同じ対象家族について、2度続けて介護休業の申出と撤回を行った場合、事業主は3度目の休業の申出を拒むことができる。(1度申出と撤回を行ったが、2度目の申出は撤回せず介護休業を取得した場合は、後1回申出を行うことができる)
   
   

 

7.介護休業期間(15条)法改正
 「介護休業申出をした労働者が介護休業をすることができる期間は、休業申出に係る介護休業開始予定日とされた日から、介護休業終了予定日(その日が開始予定日とされた日から起算して93日から、対象家族について既に行った介護休業日数を差し引いた日数を経過する日より後の日であるときは、当該経過する日までの間とする」
⇒ 合計介護休業日数が93日になったときは、介護終了予定日をまたず終了となる。

 「3項 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、介護休業期間は、1項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(2号にあってはその前日)に終了する」
1  介護休業終了予定日の前日までに、対象家族の死亡その他の労働者が介護休業申出に係る対象家族を介護しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと
2  介護休業終了予定日までに、介護休業申出をした労働者について、労働基準法により産前、産後の休業期間、育児休業期間又は新たな介護休業期間が始まったこと
     
   


 


 

8-1 子の看護休暇の申出(16条の2) 法改正(H22.06.30)、法改正
 「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において5労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては10労働日)を限度として、
 負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(子の看護休暇)を取得することができる」
⇒1人の場合は5日、2人以上の場合は10日
 「同2項 法改正(H29.01.01追加) 子の看護休暇は、1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得することができる」 
⇒子の看護護休暇は介護休暇と同様に、1日単位だけでなく半日単位でも取得可能に
⇒ただし、1日の所定労働時間が4時間以下の者は除く。
 「同3項 1項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、子の看護休暇を取得する日(前項の厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得するときは子の看護休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない」
 厚生労働省令で定める当該子の世話(施行規則29条の3)法改正(H22.06.30新設)
 
「法16条の2の1項の厚生労働省令で定める当該子の世話は、当該子に予防接種又は健康診断を受けさせることとする」
 「16条の3 事業主は、労働者からの前条1項による申出があったときは、当該申出を拒むことができない」
 「同2項 法改正(H29.01.01) 6条1項ただし書き及び2項の規定は、労働者から子の看護休暇の申し出があった場合について準用する」
 すなわち、「事業主は、労働者からの子の看護休暇の申出があったときは、当該子の看護休暇の申出を拒むことができない
 ただし、事業主と労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、ないときは過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち子の看護休暇をすることができないものとして定められた労働者からの子の看護休暇の申出があった場合は、この限りでない」
@当該事業主に引き続き雇用された期間が6月に満たない労働者
A子の看護休暇をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの又は業務の性質若しくは業務の実施体制に照らして、16条の2の2項の厚生労働省令で定める1日未満の単位で子の看護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者(同項の規定による厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得しようとする者に限る)」

・事業主と過半数組織労働組合または過半数代表者との書面による協定で、子の看護休暇を申し出ることができないと定められた場合(引き続き雇用された期間が6か月に満たない労働者等)には、子の看護護休暇を適用しなくてもよい。
・また上記協定において、国際線の客室乗務員など長時間の移動勤務者、または流れ作業や交代制勤務であって半日単位の休暇の者を組み込むことが困難な者などは、半日単位の取得から除外することもできる。
8-2 介護休暇の申出(16条の5) 法改正(H22.06.30新設、ただし100人以下の企業にあってはH24.07.01から)
 「要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において5労働日(要介護状態にある対象家族が2人以上の場合にあっては、10労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇(介護休暇)を取得することができる」
⇒1人の場合は5日、2人以上の場合は10日
⇒「その他厚生労働省令で定める世話」とは、通院等の付添、介護サービスのための手続きの代行、その他の対象家族のための世話など
 「同2項 法改正(H29.01.01)介護休暇は、1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得することができる」
介護休暇の半日単位取得
@1日の所定労働時間が4時間以下の場合は1日単位での取得のみ
A半日とは、1日の所定労働時間の1/2のことであるが、労使協定により別の定めをすることも可能。
 「同3項 1項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、当該申出に係る対象家族が要介護状態にあること及び介護休暇を取得する日(前項の厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得するときは介護休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない」 

 介護休暇の申出があった場合における事業主の義務等(16条の6)法改正(H22.06.30新設)
 「事業主は、労働者からの前条1項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない」
 「同2項 6条1項ただし書及び2項の規定は、労働者からの介護休暇の申出があった場合について準用する。この場合において、・・・・・・」
 読替え後の規定は、こちらに準ずる(子の看護休暇を介護休暇と読み替える)