18年度 法改正トピックス( 社会保険労務士法に関する主要改正点) |
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社会保険労務士法 |
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社会保険労務士の業務拡大に関して、かなりの量の法改正があった(H17.6.17制定)。 紛争解決手続代理業務試験に関するもの等は17年度中に施行されるので、明らかに試験対象範囲である。その他の部分は19年4月以降に施行される予定であるが、社労士にとっては非常に影響が大きい事項であるので、一般常識問題の範疇であり、出題される可能性は十分にある。 施行日が18年4月以降のものについては、19年度法改正のページを。 |
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改正後 | 改正ポイント | |||||||||||||||
業務の拡大 |
1.紛争解決代理業務の拡大(2条1項)(H17.6.17制定、19.4月頃施行か。ただし、3号の施行は18年3月1日)
「3項(新規)紛争解決手続代理業務には、次に掲げる事務が含まれる」
1' 紛争解決代理業務の拡大に伴う削除(施行は18年3月1日) 「旧23条 開業社会保険労務士は、法令の定めによる場合を除き、労働争議に介入してはならない」は解除。 社労士とADRの関係 |
紛争解決業務の拡大 司法制度改革の流れを受けて、このたび、社労士業務の拡大がなされた。その骨子は、 @社労士の「労働争議介入の禁止」が解除された。(2条1項の3号、ならびに23条) これにより、労働争議に関し、事業主あるいは労働者いずれかから依頼を受けて(両方からはだめ)、労使交渉への出席・交渉、妥結、調印などの手助け等を行うことができる。 ただし、労働争議時の団体交渉において、どちらかの代理人になることはできない。 A左記に示す紛争解決代理業務が拡大され、労働関係紛争に関わる活躍の場が広がった。 B ただし、1の6における民間紛争解決手続とは裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律に規定する手続であり、詳しくは下記を参照のこと。 「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の背景」 (法務省ホームページより抜粋、要約) 裁判外紛争解決手続とは,ADRとも呼ばれ,「訴訟手続によらず民事上の紛争を解決しようとする紛争の当事者のため,公正な第三者が関与して,その解決を図る手続」をいう。例えば,裁判所における調停、行政機関が行う仲裁,調停,あっせんや,弁護士会その他の民間団体が行う手続も含まれる。 これらは,厳格な手続にのっとって行われる裁判に比べて,紛争分野に関する第三者の専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決を図るなど,柔軟な対応が可能であるという特長がある。しかしながら、国民への定着が遅れ,必ずしも十分には機能していないので、裁判外紛争解決手続の機能の充実が求められている。 このような背景にあって、 @裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」が成立し、平成16年12月1日に公布された。 Aその目的は,裁判外紛争解決手続の機能を充実することにより,紛争の当事者が解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にし,国民の権利利益の適切な実現に資することにある。 B施行は平成19年5月31日までの政令で定める日である。 |
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特定社会保険労務士 |
2.1 特定社会保険労務士(施行は19年4月頃)
「2条2項 前項1号の4から1号の6までに掲げる業務(紛争解決手続代理業務)は、紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、14条の11の3の1項の規定による付記を受けた社会保険労務士(特定社会保険労務士)に限り、行うことができる」 2.2 紛争解決手続代理業務試験(13条の3)(施行は18年3月1日) 「紛争解決手続代理業務試験は、 @紛争解決手続代理業務を行うのに必要な学識及び実務能力に関する研修であって厚生労働省令で定めるものを修了した社会保険労務士に対し、 A当該学識及び実務能力を有するかどうかを判定するために、毎年1回以上、厚生労働大臣が行う」 「13条の4 厚生労働大臣は、連合会に紛争解決手続代理業務試験の実施に関する事務(合格の決定に関する事務を除く)を行わせることができる」 2.3 紛争解決手続代理業務の付記等(施行は18年3月1日) 「14条の11の2 社会保険労務士は、その登録に紛争解決手続代理業務試験に合格した旨の付記(紛争解決手続代理業務の付記)を受けようとするときは、氏名その他厚生労働省令で定める事項を記載した付記申請書を、紛争解決手続代理業務試験に合格したことを証する書類を添付の上、厚生労働省令で定める社会保険労務士会を経由して、連合会に提出しなければならない」 「14条の11の3 連合会は、前条の規定による申請を受けたときは、遅滞なく、当該社会保険労務士の登録に紛争解決手続代理業務の付記をしなければならない」 「同2項 連合会は、前項の規定により社会保険労務士名簿に付記をしたときは,当該申請者に、その者が特定社会保険労務士である旨の付記をした社会保険労務士証票を交付しなければならない} 「同3項 前項の規定により特定社会保険労務士証票の交付を受けた社会保険労務士は、遅滞なく、社会保険労務士証票を連合会に返還しなければならない」 2.4 紛争解決手続代理業務の付記の抹消(施行は18年3月1日) 「14条の11の4 連合会は、紛争解決手続代理業務の付記を受けた者が、偽りその他不正の手段により当該付記を受けたことが判明したときは、当該付記を抹消しなければならない」 「14条の11の6 特定社会保険労務士の紛争解決手続代理業務の付記が抹消されたときは、その者は、遅滞なく、特定社会保険労務士証票を連合会に返還しなければならない」 「同2項 連合会は、前項の規定により特定社会保険労務士証票が返還されたときは、遅滞なく、社会保険労務士証票を同項の者に再交付しなければならない」 |
紛争解決手続代理業務試験は、全国社会保険労務士連合会が実施する「紛争解決手続代理業務に係る研修(63.5時間、いわゆる能力担保研修)を受けた社労士に対して行われる。 研修科目は @中央発信講義(30.5時間) 憲法、民法、労使関係法、労働契約・労働条件、個別労働関係法制、個別労働関係紛争解決制度など Aグループ研修(18時間) Bゼミナール(15時間)
紛争解決手続代理業務試験 に合格し、合格した旨を社会保険労務士の登録名簿に付記をしてもらった者が、特定社会保険労務士と呼ばれる。 |
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社会保険労務士法人 |
3. 業務の範囲(25条の9) (改定 施行は19.4月頃か) 「社会保険労務士法人は、2条1項1号から1号の3まで、2号及び3号に掲げる業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる」
「25条の15 2項 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人における紛争解決手続代理業務については、特定社会保険労務士である社員のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う」 |
@社会保険労務士法人は、定款でその旨定めるとともに、その中に特定社会保険労務士がおれば、 紛争解決手続代理業務を行うことができる。 A実際に紛争解決手続代理業務を行うのは、その法人内にいる特定社員(特定社会保険労務士である社員)だけである」 |
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職業倫理 |
4.禁止業務 (改定 施行は19.4月頃か) 「22条 社会保険労務士は、国又は地方公共団体の公務員として職務上取り扱った事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件については、その業務を行ってはならない」 「同2項 特定社会保険労務士は、次に掲げる事件については、紛争解決手続代理業務を行ってはならない」
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@旧22条は、H14年に、個別労働紛争のあっせん代理業務ができるようになったことに伴い、全ての社労士を対象として制定された。 Aこのたびの改正で、紛争解決代理業務は特定社労士のみが行うことになった。 Bよって、新22条は、1項が全社労士、2項が特定社労士を対象とするものになる。 参考 「民法第108条 同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」 新22条に対応して、新25条の17により、 「紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、次に掲げる事件については、紛争解決手続代理業務を行ってはならない。
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石綿 関連 |
別表第1の変更、追加 「20の15号 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(時短法に替わる新しい法律)」 「20条の21 石綿による健康被害の救済に関する法律(新設)」 社労士が行なう1号業務は、「別表第1に掲げる労働及び社会保険に関する法令に基づく、申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類の作成」とされている。 |
石綿による健康被害関連が、社労士業務に追加された。 |
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その他 |
合格発表(施行規則8条)(施行は18年3月1日)
「厚生労働大臣は、試験に合格した者に試験に合格したことを証する書面を交付するとともに、試験に合格した者の受験番号を官報において公告するものとする」 |
18年度から、合格者の氏名は官報には載らない。番号だけである。(情報公開法の影響) |