19年度 法改正トピックス( 雇用保険法に関する主要改正点)

  改正後 改正ポイント
官民人事交流  基本手当の受給資格を定める算定対象期間の延長
 「離職の日以前1年間に、疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった場合は、その期間に原則の1年を合わせた期間を算定対象期間とすることげできる。(最大で合計4年)」 (この部分の改正はない)
 省令で定める理由(施行規則18条)法改正(H18.9.20)
0  疾病、負傷(業務上、業務外を問わない)
1  事業所の休業
2  出産
3  事業主の命による外国における勤務
4  国と民間企業との間の人事交流に関する法律(官民人事交流法)に該当する交流採用
 ⇒ 4号が新設
5  前各号に掲げる理由に準ずる理由であって、管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの
 すなわち、交流採用により国に勤務している期間は、算定対象期間を延長できる。
 背景 
交流採用とは、選考により、次に定める者を任期を定めて常時勤務を要する官職を占める職員として採用することをいう(官民人事交流法2条)」
@民間企業に雇用されていた者であって、引き続いて官民人事交流法により採用された職員となるため退職したもの
A民間企業に現に雇用されている者であって、官民人事交流法により、当該雇用関係を継続することができるもの(雇用継続交流採用職員)
 ここで、Aがあらたに追加になり、会社等をやめずに、一定期間、公務員として勤務できるようになった。
 この期間中は、国から給料がでる(よって、雇用保険の保険料も納付不要)であるが、企業に帰ったときの失業等のリスクを考慮して、左記のような雇用保険法の改正がなされた。
 算定基礎期間の特例
 「22条3項により、算定基礎期間は同一事業主における、雇用期間及び、その資格取得日より1年以内に喪失日がある、以前に勤めて事業所の雇用期間を通算したものである」
 「ただし、それらに中に交流採用期間があるときは、その期間は除いて算定する」(これは雇用保険法の改正ではなく、官民人事交流法の方で規定されている」
⇒ これは当事者にとっては必ずしも有利ではないが、その期間は、保険料を納付していないのでやむをえないか。
 それに、その期間は国家公務員としての退職手当が出る。
 雇用継続交流採用職員に関する届出(施行規則12条の3)(H18.9.20新設)
 「事業主は、その雇用する被保険者が官民人事交流法に規定する雇用継続交流採用職員でなくなつたときは、当該事実のあつた日の翌日から起算して10日以内に雇用継続交流採用終了届に雇用継続交流採用職員でなくなつたことの事実及び雇用継続交流採用職員であつた期間を証明することができる書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」
 雇用継続交流採用職員になったときに届出するのではなく、交流採用職員でなくなったときに届け出る。