20年度 法改正トピックス( 地域雇用開発促進法に関する主要改正点)

  改正後 改正ポイント
  1.目的(1条)  (H19.08.04施行)
 「この法律は、雇用機会が不足している地域内に居住する労働者に関し、当該地域の関係者の自主性及び自立性を尊重しつつ、就職の促進その他の地域雇用開発のための措置を講じ、もつて当該労働者の職業の安定に資することを目的とする」
 旧1条
 「この法律は、雇用機会増大促進地域、能力開発就職促進地域、求職活動援助地域及び高度技能活用雇用安定地域内に居住する労働者に関し、就職の促進その他の地域雇用開発のための措置を講じ、もってこれらの者の職業の安定に資することを目的とする」
 ⇒従来の4区分から、@雇用情勢が特に厳しい地域と、A雇用創出に向けた市町村等の意欲が高い地域の2区分に改め、支援を重点化した。
  2.定義(2条) (H19.08.04施行)
 「この法律において「地域雇用開発」とは、求職者の総数に比し雇用機会が不足している地域について3章(雇用開発促進地域に係る地域雇用開発のための措置)及び4章(自然雇用創造地域に係る地域雇用開発のための措置)に定める措置を講ずることにより、地域的な雇用構造の改善を図ることをいう」
 「2項 この法律において「雇用開発促進地域」とは、次に掲げる要件に該当する地域をいう」
1  自然的経済的社会的条件からみて一体である地域であること
2  その地域内に居住する15歳以上の労働者その他の就業の意思及び能力を有する者として厚生労働省令で定める者の総数に対する 、地域内に居住する求職者の数の割合が相当程度に高く、かつ、求職者の総数に比し著しく雇用機会が不足しているため、求職者がその地域内において就職することが著しく困難な状況にあること。
3  前号に該当する状態が相当期間にわたり継続することが見込まれるものとして厚生労働省令で定める状態にあること
4  その地域内に居住する求職者に関し3章に定める地域雇用開発のための措置を講ずる必要があると認められること。  

 「3項この法律において「自発雇用創造地域」とは、次に掲げる要件に該当する地域をいう」
1  一又は二以上の市町村(特別区を含む)の区域であること。
2  その地域内に居住する求職者の総数に比し相当程度に雇用機会が不足しているため、求職者が地域内において就職することが困難な状況にあること。
3  前号に該当する状態が相当期間にわたり継続することが見込まれるものとして厚生労働省令で定める状態にあること。
4  その地域内の市町村、都道府県、事業主団体その他の地域の関係者が、地域の特性を生かして重点的に雇用機会の創出を図る事業の分野及び当該分野における創意工夫を生かした雇用機会の創出(雇用の創造)の方策について検討するための協議会を設置しており、かつ、当該市町村が雇用の創造に資する措置を自ら講じ、又は講ずることとしていること。
5  その地域内に居住する求職者に関し4章に定める地域雇用開発のための措置を講ずる必要があると認められること
 旧4区分(下記の通り)を2区分化 
雇用機会増大促進地域  求職者の総数に比し相当程度に雇用機会が不足している地域
 能力開発就職促進地域  就職促進対象職業に適合する能力を有するものが相当程度に少ない地域
 求職活動援助地域  求職者に対し地域内に所在する事業所に係る求人に関する情報が適切に提供されていない等の地域
 高度技能活用雇用安定地域  産業構造又は国際経済環境の変化その他の経済上の理由)により製品又は役務の供給の減少を余儀なくされ、これに伴い雇用に関する状況が悪化、又は悪化するおそれがあると認められる等の地域

      ↓

雇用開発促進地域(雇用情勢が特に厳しい地域) ・有効求人倍率が全国平均を一定程度下回る地域、または労働力人口に対する求職者の割合が全国平均以上で、
・都道府県が市町村の意見を聞いて、地域雇用開発計画を策定し、国が同意した地域
 自発雇用創造地域
(雇用創出に向けた市町村等の意欲が高い地域)
・有効求人倍率が全国平均以下で
・地域重点分野の設定、雇用創造協議会の設置を行い、
・市町村が都道府県の意見を聞いて、地域雇用創造計画を策定し、国が同意した地域

 

  3.1 地域雇用開発指針(4条) (H19.08.04施行)
 「厚生労働大臣は、雇用開発促進地域及び自発雇用創造地域における地域雇用開発の促進に関する指針(地域雇用開発指針)を策定するものとする」
3.2 地域雇用開発計画(5条) (H19.08.04施行)
 「都道府県は、地域雇用開発指針に基づき、当該都道府県内の地域であつて雇用開発促進地域に該当すると認められるものについて、当該地域に係る地域雇用開発の促進に関する計画(地域雇用開発計画)を策定し、厚生労働大臣に協議し、その同意を求めることができる」
 「3項 都道府県知事は、地域雇用開発計画の案を作成するに当たつては、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴くものとする」

3.3 地域雇用創造計画(6条) (H19.08.04施行)
 「市町村は単独で又は共同して、都道府県は当該都道府県の区域内の市町村と共同して、地域雇用開発指針に基づき、当該市町村の区域又は当該都道府県の区域内の市町村の区域であつて、自発雇用創造地域に該当すると認められるものについて、当該区域に係る地域雇用開発の促進に関する計画(地域雇用創造計画)を策定し、厚生労働大臣に協議し、その同意を求めることができる」
 「3項 市町村長(特別区の区長を含む)又は都道府県知事は、地域雇用創造計画の案を作成するに当たつては、あらかじめ、地域雇用創造協議会の議を経なければならない」
 「4項 市町村長は、地域雇用創造計画の案を作成するに当たつては、あらかじめ、関係都道府県知事の意見を聴くものとする。ただし、都道府県が市町村と共同して当該地域雇用創造計画を策定するときは、この限りでない」
 
  4.雇用開発促進地域に係る地域雇用開発のための措置
4.1 地域雇用開発のための助成及び援助(7条)  (H19.08.04新設)
 「政府は、5条による同意を得た地域雇用開発計画に係る雇用開発促進地域における地域雇用開発を促進するため、地域雇用開発計画で定められた地域内において行うべき助成及び援助に関する事項の内容に応じ、事業所を設置し、又は整備して地域内に居住する求職者を雇い入れる事業主、当該雇い入れた者について職業に必要な技能及びこれに関する知識を習得させるための教育訓練を実施する事業主その他の厚生労働省令で定める事業主に対して、雇用保険法の雇用安定事業又は能力開発事業として、必要な助成及び援助を行うものとする」
4.2 職業訓練の実施(8条) (H19.08.04施行)
 「国及び独立行政法人雇用・能力開発機構は、同意雇用開発促進地域内に居住する求職者に対して迅速かつ効果的な職業訓練を実施するため、訓練時期、訓練期間、職業訓練に係る職種、委託訓練等について特別の措置を講ずるものとする」
4.3 職業紹介等の実施(9条) (H19.08.04施行)
 「公共職業安定所は、同意雇用開発促進地域内に居住する求職者の速やかな就職を容易にするため、雇用情報の提供、求人の開拓、職業指導及び就職のあつせんを行う等必要な措置を講ずるものとする」
 
  5.自発雇用創造地域に係る地域雇用開発のための措置
5.1 地域雇用開発のための事業(10条) (H19.08.04新設)
 「政府は、6条による同意を得た地域雇用創造計画に係る自発雇用創造地域における地域雇用開発を促進するため、地域雇用創造計画に係る地域雇用創造協議会からの提案に係る事業が地域内に居住する求職者に対する地域内に所在する事業所に係る求人に関する情報の提供又は就職に必要な知識及び技能を習得させるための講習の実施その他の厚生労働省令で定める事業に該当する場合であつて、厚生労働大臣が当該同意自発雇用創造地域における雇用の創造に資するために適当であると認めるものであるときは、当該事業を雇用保険法の雇用安定事業又は能力開発事業として行うものとする」
5.2 職業訓練・職業紹介等の実施(11条) (H19.08.04施行)
 「8条(職業訓練の実施)及び9条(職業紹介等の実施)の規定は、同意自発雇用創造地域内に居住する求職者について準用する」