22年度 法改正トピックス( 介護保険法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
不正利得  不正利得の徴収(22条3項)(H21.05.01)
 「市町村は、指定居宅サービス事業者、指定地域密着型サービス事業者、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設、指定介護予防サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者又は指定介護予防支援事業者が、偽りその他不正の行為により41条6項など代理受領の規定による支払を受けたときは、当該指定居宅サービス事業者等から、その支払った額につき返還させるべき額を徴収するほか、その返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を徴収することができる 」
 「その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる」 から、
 「その支払った額につき返還させるべき額を徴収するほか、その返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額を徴収することができる」に変更 。
 すなわち、「返還金と加算金(返還金の40%)は徴収金である」と明記したことにより、
 滞納処分が可能となり、先取特権も保障された。
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欠格事由  指定に関する欠格事由(70条2項)
 「同2項 都道府県知事は、申請があった場合において、以下の各号ののいずれかに該当するときは、指定をしてはならない」
 E法改正(21.05.01)申請者が、指定(特定施設入居者生活介護に係る指定を除く)を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過しない者であるとき。
 ただし、当該指定の取消しが、取消し処分の理由となった事実及び当該事実の発生を防止するための業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関する責任の程度を考慮して、指定の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして厚生労働省令で定めるものに該当する場合を除く。
 Eの2法改正(21.05.01新設)申請者が、指定(特定施設入居者生活介護に係る指定に限る)を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過しない者であるとき。
 ただし、当該指定の取消しが、取消し処分の理由となった事実及び当該事実の発生を防止するための業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関する責任の程度を考慮して、指定の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして厚生労働省令で定めるものに該当する場合を除く。
 Eの3 法改正(21.05.01新設)申請者と密接な関係を有する者が、指定を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過していないとき。
 ただし、当該指定の取消しが、取消し処分の理由となった事実及び当該事実の発生を防止するための業務管理体制の整備についての取組の状況その他の当該事実に関する責任の程度を考慮して、指定の取消しに該当しないこととすることが相当であると認められるものとして厚生労働省令で定めるものに該当する場合を除く。
 Fの2 法改正(21.05.01新設).申請者が、立入検査が行われた日から聴聞決定予定日までの間に事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く)で、当該届出の日から起算して5年を経過しないものであるとき。
Eは、ただし書きを追加
Eの2は、特定施設入居者生活介護に係る指定と、それ以外の指定に分けて取り扱うために新設
Eの3は、取消し事由となった不正行為について、法人による組織的関与が確認された場合は、連座制を適用するために新設
Fの2は立入検査後、10日以内に聴聞決定予定日を事業者に通知したところ、聴聞をいやがって聴聞決定予定日までに廃止届を届出でた場合、以後5年間館は指定しない、

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調
 変更の届出等(75条) (H21.05.01 1項改正、2項新設) 
 「指定居宅サービス事業者は、当該指定に係る事業所の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項に変更があったとき、又は休止した当該指定居宅サービスの事業を再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、10日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない」
 「2項 指定居宅サービス事業者は、当該指定居宅サービスの事業を廃止し、又は休止しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、その廃止又は休止の日の1月前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない」
 「74条4項(H21.05.01新設)
 「指定居宅サービス事業者は、75条2項の規定による事業の廃止又は休止の届出をしたときは、当該届出の日前1月以内に当該指定居宅サービスを受けていた者であって、当該事業の廃止又は休止の日以後においても引き続き当該指定居宅サービスに相当するサービスの提供を希望する者に対し、必要な居宅サービス等が継続的に提供されるよう、指定居宅介護支援事業者、他の指定居宅サービス事業者その他関係者との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならない」
 都道府県知事等による連絡調整又は援助(75条の2)(H21.05.01新設)
 「都道府県知事又は市町村長は、指定居宅サービス事業者による74条4項に規定する便宜の提供が円滑に行われるため必要があると認めるときは、当該指定居宅サービス事業者及び指定居宅介護支援事業者、他の指定居宅サービス事業者その他の関係者相互間の連絡調整又は当該指定居宅サービス事業者及び当該関係者に対する助言その他の援助を行うことができる」
 「2項 厚生労働大臣は、同一の指定居宅サービス事業者について二以上の都道府県知事が前項の規定による連絡調整又は援助を行う場合において、当該指定居宅サービス事業者による74条4項に規定する便宜の提供が円滑に行われるため必要があると認めるときは、当該都道府県知事相互間の連絡調整又は当該指定居宅サービス事業者に対する都道府県の区域を超えた広域的な見地からの助言その他の援助を行うことができる」
 不正事業者の処分逃れ対策として、
・休廃止届は事後ではなく、休廃止する1月前までに届けなければならないこととした。
・休廃止が届けられてから実際に廃止するまでの間もサービスが継続できるように、便宜を図らなければならないこととした。

 

 その他の各事業者についても、
・休廃止届あるい辞退の届出 、
・サービスの継続性確保、
・厚生労働大臣、都道府県知事、市町村長による連絡調整援助
について、同様の規定が設けられた。

 
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 業務管理体制の整備等(115条の32)(H21.05.01新設)
 「指定居宅サービス事業者、指定地域密着型サービス事業者、指定居宅介護支援事業者、指定介護予防サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者及び指定介護予防支援事業者並びに指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び指定介護療養型医療施設の開設者(以下「介護サービス事業者」)は、各サービス事業について定められている人員・設備・運営に関する基準その他法令で定められている 義務の履行が確保されるよう、厚生労働省令で定める基準に従い、業務管理体制を整備しなければならない」
 「同2項 介護サービス事業者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、業務管理体制の整備に関する事項を届け出なければならない」
 @次号及び3号に掲げる介護サービス事業者以外の介護サービス事業者:都道府県知事  
 A地域密着型サービス事業又は地域密着型介護予防サービス事業のみを行う介護サービス事業者であって、当該指定に係るすべての事業所が一の市町村の区域に所在するもの:市町村長
 B当該指定に係る事業所又は当該指定若しくは許可に係る施設が二以上の都道府県の区域に所在する介護サービス事業者:厚生労働大臣
厚生労働省令で定める基準(施行規則140条の39)(H21.05.01新設)
「次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定めるところによる」
 @指定又は許可を受けている事業所又は施設の数が1以上20未満の事業者 :法令を遵守するための体制の確保に係る責任者(法令遵守責任者)の選任をすること。
 A指定又は許可を受けている事業所又は施設の数が20以上100未満の事業者: 法令遵守責任者の選任をすること及び業務が法令に適合することを確保するための規程(法令遵守規程)を整備すること。
 B指定又は許可を受けている事業所又は施設の数が100以上の事業者:法令遵守責任者の選任をすること、業務が法令に適合することを確保するための規程を整備すること及び業務執行の状況の監査を定期的に行うこと。
 報告等(115条の33)(H21.05.01新設)
 「115条の32の2項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等は、当該届出を行った介護サービス事業者における業務管理体制の整備に関して必要があると認めるときは、当該介護サービス事業者に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、当該介護サービス事業者若しくは当該介護サービス事業者の従業者に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対し質問させ、若しくは当該介護サービス事業者の当該指定に係る事業所若しくは当該指定若しくは許可に係る施設、事務所その他の居宅サービス等の提供に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる」
 勧告、命令等(115条の34)(H21.05.01新設)
 「115条の32の2項の規定による届出を受けた厚生労働大臣等は、当該届出を行った介護サービス事業者が、厚生労働省令で定める基準に従って適正な業務管理体制の整備をしていないと認めるときは、当該介護サービス事業者に対し、期限を定めて、当該厚生労働省令で定める基準に従って適正な業務管理体制を整備すべきことを勧告することができる」
 「2項 厚生労働大臣等は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた介護サービス事業者が同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる」
 「3項 厚生労働大臣等は、1項の規定による勧告を受けた介護サービス事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該介護サービス事業者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる」
 介護サービス事業者により不正の防止を図るため、
 ・法令遵守のための業務管理体制の整備の義務付け
 ・立入検査権の創設
 ・不正事業者の処分逃れ対策(休廃止の事前届制など)

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