改正高年齢者雇用安定法
25年度 法改正トピックス( 高年齢者雇用安定法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
基本方針  高年齢者等職業安定対策基本方針(6条)
 「2項(H25.04.01)高年齢者等職業安定対策基本方針に定める事項は、次のとおりとする」
 A高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項  
 B事業主が行うべき職業能力の開発及び向上、作業施設の改善その他の諸条件の整備、再就職の援助等並びに高齢期における職業生活の設計の援助に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針となるべき事項
2号:高年齢者(65歳未満の者に限る)の雇用の機会の増大の目標に関する事項 とあったが、「(65歳未満の者に限る)」を削る。
3号:(事業主が講ずべき9条の)高年齢者雇用措置確保措置(に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針となるべき事項)を削る
⇒新設された9条3項に移動。  
高年齢雇用確保措置  高年齢雇用確保措置(9条)
 「2項 (H25.04.01全改) 継続雇用制度には、事業主が、特殊関係事業主 (当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主その他の当該事業主と特殊の関係のある事業主として厚生労働省令で定める事業主をいう) との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であつてその定年後に雇用されることを希望するものをその定年後に当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれるものとする」
 「3項 (H25.04.01追加) 厚生労働大臣は、1項の事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む)に関する指針を定めるものとする」 
 
2項:
 従来は、「継続雇用制度」とはいっても、
 労使協定によって、継続雇用制度の対象となる高年齢者の基準を定め、これを満足する者のみを継続雇用することが許されていたが、
 改正後は、「原則として、希望する者は全員継続雇用しなければならないことに。
 旧9条2項 「事業主は、当該事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、前項第2号に掲げる措置を講じたものとみなす」は廃止
・これに代わり、いわゆる子会社等の関係会社において継続雇用することは許されるとした。
 3項:これに基づき出された指針はこちらを

基礎知識と過去問学習はこちらを
 高年齢者雇用確保措置の特例(附則4条) (H25.04.01廃止)
 「9条1項において「65歳」とあるのは、以下の表に読替える」
 労使協定により基準の取り決めに関する経過措置(24年改正法附則3条)(H25.04.01追加)
 「この法律の施行の際、現にこの法律による改正前の9条2項(労使協定による基準の取り決め)の規定により同条1項2号に掲げる措置(継続雇用制度)を講じたものとみなされている事業主については、同条2項の規定は、平成37年3月31日までの間は、なおその効力を有する」
 高年齢者雇用確保措置の特例(附則4条):
 高年齢者雇用確保措置は、「65歳まで」ではなく、「男の60歳台前半老齢厚生年金の定額部分支給開始年齢まで 」に講じればよかったが、平成25年4月1日以降からは、65歳までと同じことになるので、この経過措置は廃止。 
 労使協定により基準の取り決めに関する経過措置(24年改正法附則3条):
 H25.03,31までに労使協定によって、継続雇用の基準を定めている場合は、令和7年3月31日までは有効である。
 すなわち、60歳台前半の報酬比例部分の老齢厚生年金の支給開始年齢を過ぎた者に対しては、その労使協定による基準に達したもののみに、継続雇用義務がある。
 基礎知識と過去問学習はこちらを
再就職
援助措置
 厚生労働省令で定める理由 (施行規則6条2項、現施行規則6条3項) 法改正(25.04.01)
 「法15条1項の厚生労働省令で定める理由は、高年齢者雇用安定法附則3条の規定によりなおその効力を有することとされる同法による改正前の法9条2項の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合における当該基準に該当しなかつたこと、その他事業主の都合とする」
 再就職援助に関する経過措置(附則6条)  H25.04.01廃止
 「15条から17条までの規定の適用については、平成25年3月31日までの間は、15条第1項中「解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く)その他これに類するものとして厚生労働省令で定める理由」とあるのは「定年、解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く)その他の厚生労働省令で定める理由」とする」
 
 H25.03.31までに労使協定によって継続雇用の基準を定めている場合は、60歳台前半の報酬比例部分の老齢厚生年金の支給開始年齢までは希望者全員の雇用、それを過ぎた者に対しては、その労使協定による基準を適用してもよいことになっている。 
 よって、この基準に達しない者に対しては、継続雇用義務はないが、この基準に達しないために離職した者も、再就職援助措置の対象とすることにした。
 基礎知識と過去問学習はこちらを
 平成25年4月1日以降においては、雇用確保措置が65歳までとなったことに伴い、従来あった「65歳前に定年になった者」に対する再就職援助措置の例外規定は廃止となった。
公表等  公表等(10条) (H25.04.01) 
 「3項 厚生労働大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる」
⇒高年齢雇用確保措置を取らない事業主に対しては、指導・助言し、勧告し、最後には公表することができる」 
@10条の見出しを「指導、助言及び勧告」から「公表等」に
A3項の追加
 ⇒高年齢雇用確保措置を取らない事業主に対しては、指導・助言し続いて勧告どまりであったが、最後には公表できることに。
 基礎知識と過去問学習はこちらを
   シルバー人材センターの業務(42条、現38条) (H24.10.01)
 「シルバー人材センターは、指定区域において、次に掲げる業務を行うものとする」
 A臨時的かつ短期的な雇用による就業又はその他の軽易な業務に係る就業(雇用によるものに限る)を希望する高年齢退職者のために、職業紹介事業を行うこと。  
 「2項 シルバー人材センターは、職業安定法30条1項(有料職業紹介事業の許可)の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出て、前項2号の 業務として、有料の職業紹介事業を行うことができる」  
・1項2号
 「無料の職業紹介事業」を単に、「職業紹介事業」に
・2項
 「無料の職業紹介事業」を、「有料職業紹介事業」に。
 これらにより、シルバー人材センターは、厚生労働大臣への届出を許可とみなして、無料ではなく、有料の職業紹介事業を行うことができるように。
 基礎知識と過去問学習はこちらを