27年度 法改正トピックス(パートタイム労働法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
労働条件
の明示
 施行規則(2条)
 「厚生労働省令で定める短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項は、次に掲げるものとする」
 @昇給の有無、A退職手当の有無、B賞与の有無、
 C短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口
 文書により明示すべき労働条件として、Cの「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を追加。
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待遇の原則  短時間労働者の待遇の原則(8条)(H27.04.01新規)
 「事業主が、その雇用する短時間労働者の待遇を、当該事業所に雇用される通常の労働者の待遇と相違するものとする場合においては、当該待遇の相違は、当該短時間労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」
  通常労働者との間の待遇の相違は、業務の内容、業務に伴う責任の程度とそれらの変更の範囲、配置の変更の範囲などを考慮したとしても、不合理なものであってはならない。
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   通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止(9条) (H27.04.01)
 「事業主は、職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者(職務内容同一短時間労働者)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるもの(通常の労働者と同視すべき短時間労働者)については、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない
 「同2項 (H27.04.01廃止)前項の期間の定めのない労働契約には、反復して更新されることによって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる、期間の定めのある労働契約を含むものとする」
 厚生労働省令で定めるもの(施行規則3条)
 「法10条の厚生労働省令で定める賃金は、次に掲げるものとする」
 @(H27.04.01)通勤手当(職務の内に密接に関連して支払われるものを除く) 
 旧8条を新9条に
 旧8条の「当該事業主と期間の定めのない労働契約を締結しているもののうち」を削除、
 旧8条の2項を削除
 こららにより、「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」に該当する要件として、契約期間に関しては、
 @期間の定めのない契約、又はA実質的に期間の定めのない労働契約と同じ契約が必要とされていたが、H27.04.01以降は、この要件は問われないことになった。
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 施行規則3条
 (  )を追加。
⇒名称は「通勤手当」であっても、実際にかかった距離や費用に関係なく、職務の内容に応じて一律に支払われているものは、職務の内容を勘案した均等確保の努力義務に含まれる賃金とした。
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   事業主が講ずる措置の内容等の説明(14条) (H27.04.01)
 「事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、9条(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)から前条(通常の労働者への転換)までの規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法15条1項(労働条件の明示)に規定する厚生労働省令で定める事項及び特定事項を除く)に関し講ずることとしている措置の内容について、当該短時間労働者に説明しなければならない」
 「同2項 事業主は、その雇用する短時間労働者から求めがあったときは、6条、7条及び9条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間労働者に説明しなければならない」
 14条(旧13条)のみだしを、「待遇の決定に当たって考慮した事項の説明」から「事業主が講ずる措置の内容等の説明」へ
 1項:新たに設けた。
 ⇒短時間労働者を雇い入れしたときも、待遇に関わる一定の事項について説明する義務を事業主に課した。
 2項:旧1項の「短時間労働者から求めがあったときは、6条から・・・」の条文番号を一部改定した上で2項に。
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    相談のための体制の整備(16条)(H27.04.01新規)
 「事業主は、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関し、その雇用する短時間労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならない」
 「必要な体制」の整備とは、短時間労働者からの苦情を含めた相談に応じる窓口等の体制を整備することをいうこと。苦情を含めた相談に応じることができる窓口等であれば、その名称を問うものではない。過去問と解説はこちらを
   報告の徴収並びに助言、指導及び勧告等(18条)
 「2項 (H27.04.01新規) 厚生労働大臣は、6条1項(労働条件に関する文書の公布)、9条(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)、11条1項(教育訓練)、12条(福利厚生施設)から14条(事業主が講ずる措置の内容等の説明)まで及び16条(相談のための体制の整備)の規定に違反している事業主に対し、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる」
 一定の規定に違反している場合、勧告した後も従わない場合は、事業主名等を公表する。過去問と解説はこちらを
   過料
 「30条 法改正(H27.04.01新規) 18条1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、20万円以下の過料に処する」
 報告に応じない、虚偽の報告をした場合は過料20万円。過去問と解説はこちらを