4B 労務管理その他の労働に関する一般常識  基礎知識と関連過去問 Tome塾Homeへ
 パートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
 関連過去問 11-1D12-1A12-1B13-3A17-4C17-5A20-3C20-3D20-3E令2-3B令3-4エ令4-4E











0 動向
 法律名が、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」から、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム・有期雇用労働法)」に改正(R02.04.01)
 ただし、中小事業主については1年間の適用猶予措置も講ぜられた。
・上記の法律改正に伴い、労働契約法旧20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)は削除となった。
1.目的・定義等
 目的等
 目的(1条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日施行)
  「この法律は、我が国における少子高齢化の進展、就業構造の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、短時間・有期雇用労働者の果たす役割の重要性が増大していることに鑑み、短時間・有期雇用労働者について、その適正な労働条件の確保雇用管理の改善通常の労働者への転換の推進職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図ることを通じて短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に寄与することを目的とする」
⇒「短時間労働者」から「短時間・有期雇用労働者」に
 基本的理念(2条の2)法改正(R02.04.01新規)
 「短時間・有期雇用労働者及び短時間・有期雇用労働者になろうとする者は、生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる機会が確保され、職業生活の充実が図られるように配慮されるものとする」
 定義(2条)法改正(R02.04.01、1項(同一事業所から同一事業主へ)、2項、3項は新規)
 「この法律において「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者(当該事業主に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業主に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう」
⇒「同一の事業所に雇用される通常の労働者」から、「同一の事業主に雇用される通常の労働者」に

 「通常の労働者」とは、「期間の定めのない労働契約を締結している社会通念上の正規型労働者あるいは無期雇用フルタイム労働者」をいうとされている。
 「同2項 この法律において「有期雇用労働者」とは、事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者をいう」
 「同3項 この法律において「短時間・有期雇用労働者」とは、短時間労働者及び有期雇用労働者をいう」
2.責務
 事業主等の責務(3条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日施行)
 「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、その就業の実態等を考慮して、適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換(短時間・有期雇用労働者が雇用される事業所において通常の労働者として雇い入れられること)の推進(以下「雇用管理の改善等」という)に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図り、当該短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする」
 国及び地方公共団体の責務(4条)法改正(R02.04.01)
 「国は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等について事業主その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつその実情に応じてこれらの者に対し必要な指導、援助等を行うとともに、短時間・有期雇用労働者の能力の有効な発揮を妨げている諸要因の解消を図るために必要な広報その他の啓発活動を行うほか、その職業能力の開発及び向上等を図る等、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等の促進その他その福祉の増進を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めるものとする」
 「同2項 地方公共団体は、前項の国の施策と相まって、短時間・有期雇用労働者の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するように努めるものとする」
 短時間・有期雇用労働者対策基本方針(5条) 法改正(R02.04.01)
 「厚生労働大臣は、短時間・有期雇用労働者の福祉の増進を図るため、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等の促進、職業能力の開発及び向上等に関する施策の基本となるべき方針(以下この条において「短時間・有期雇用労働者対策基本方針」という)を定めるものとする」
 参考
 
中小事業主についての適用猶予措置 働き方改革関連法(H30年改正法)附則11条 (R03.04.01解除)
 「
中小事業主については、令和3年3月31日までの間、改正後の短時間・有期雇用労働法2条1項(短時間労働者の定義)、3条(事業主等の責務)、3章1節(短時間・有期雇用労働者の雇用管理の完全等に関する措置等、ただし15条(指針)等を除く)及び4章(紛争の解決、ただし26条(調停))等を除く)の規定は、適用しない」
   
 






















2 雇用管理の改善等に関する措置
2.1 文書・就業規則
 労働条件に関する文書の交付(6条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日施行)
 「事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間・有期雇用労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法15条1項(労働条件の明示)に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの (特定事項)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(文書の交付等)により明示しなければならない
 労基法15条1項による絶対的明示事項以外に、特定事項として、
 @昇給の有無、A退職手当の有無、B賞与の有無、C短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口を明示しなければならない。 (施行規則2条 法改正H27.04.01)
 明示の方法は、1項各号に掲げる事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを当該短時間・有期雇用労働者が希望した場合における当該方法とする。
@ファクシミリを利用してする送信の方法
A電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法(当該短時間・有期雇用労働者が当該電子メール等の記録を出力することによる書面を作成することができるものに限る)(施行規則2条3項)
 違反の場合は、10万円以下の過料(31条)

 「同2項 事業主は、前項の規定に基づき特定事項を明示するときは、労働条件に関する事項のうち特定事項及び労働基準法15条1項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものについても、文書の交付等により明示するように努めるものとする」
⇒「昇給・退職手当・賞与の有無」以外の事項にについても、文書の交付等により明示することに努める。
 就業規則の作成の手続(7条)
 「事業主は、短時間雇用労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする」
⇒短時間労働者に係る就業規則についても、労基法により、全労働者の過半数労働組合(過半数代表者)の意見を聞く必要がある。また、短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聞くことが努力義務とされている。
 「同2項 法改正(R02.04.01追加) 前項の規定は、事業主が有期雇用労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとする場合について準用する。この場合において、「短時間労働者」とあるのは、「有期雇用労働者」と読み替えるものとする。
11
1D
 短時間労働者に係る事項について、就業規則を作成し、又は変更しようとする事業主は、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴取し、就業規則にその意見書を添付して所轄労働基準監督署長に届け出ることが、パートタイム・有期雇用労働法上義務付けられている。(R02改)

解説を見る

正しい 誤り


 

3.短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善
 不合理な待遇の禁止(8条) 法改正(R02.04.01)、法改正(H27.04.01新規)
 「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない」

@「不合理な待遇の禁止」とは、均衡(バランス)の取れた待遇(均衡待遇)が要求されるということ。
A「待遇」とは、基本給、賞与のほか、諸手当、教育訓練、福利厚生、休憩、休日、休暇、安全衛生、災害補償、服務規律、付随業務、解雇等、労働者に対するすべての待遇をいう。
B均衡待遇に当たって考慮すべき事項:職務の内容(業務内容、責任の程度)、職務内容と配置の変更範囲、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるその他の事情(職務の成果、能力、経験など)
C「待遇の差が不合理と認められるか否かの判断」は、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質、目的に対応する考慮要素で判断される。
⇒具体的にはこちらを参照のこと。
D適用対象者:すべての短時間・有期雇用労働者
 なお、有期雇用労働者については、令和2年3月31日までは、労働契約法20条が適用されていたが、4月1日以降本条の適用に。
 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止(9条) 法改正(R02.04.01)、法改正(H27.04.01)、法改正(20年4月1日新設)
 「事業主は、職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者(11条1項において、職務内容同一短時間・有期雇用労働者という)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるもの(次条及び11条1項において、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者という)については、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない

@「差別的取扱いの禁止」とは、同一に取り扱われる待遇(均等待遇)が要求されるということ。
A「待遇」とは、基本給、賞与のほか、諸手当、教育訓練、福利厚生、休憩、休日、休暇、安全衛生、災害補償、服務規律、付随業務、解雇等、労働者に対するすべての待遇をいう。
B「通常の労働者」とは、「期間の定めのない労働契約を締結している社会通念上の正規型労働者あるいは無期雇用フルタイム労働者」をいうとされている。
C通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者とは
 (ア)職務の内容(業務の内容及び責任の程度)が同一であること(業務の種類が同じ、特に中核的な業務が実質的に同じで責任の程度が著しくは異ならない)
 (イ)業務の内容及び配置の変更の範囲が、事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において同一であること(全雇用期間を通して、転勤の有無、転勤の範囲が同一、人事異動、配置転換、昇進などによる職務内容の変更の有無、変更の範囲が同一)
 (ウ)雇用期間については、H27.04.01以降は問わない(差異があってもよい)ことに。
D「差別的取扱いか否かの判断」は、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、一律に待遇の差異を設けているか否かによる。 
3.3 通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者以外の短時間・有期雇用労働者の待遇
 賃金(10条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日新設)
 「事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他厚生労働省令で定めるものを除く)を決定するように努めるものとする」 

@通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者以外の短時間・有期雇用労働者の待遇に関しては、「賃金(10条)」、「教育訓練(11条2項)」、「福利厚生(12条)」の3点について個別の規定(努力義務)を設けている。
A10条の賃金に関しては、
・「職務の内容に密接に関連して支払われるもの(職務関連賃金)」が対象である。(なお、退職手当については、R02.04.01以降は、( )書きから削除されているが、退職手当を積極的に職務関連賃金として位置づける趣旨ではないといわれている)
 厚生労働省令で定めるもの(施行規則3条)法改正(R02.04.01)
 「法10条の厚生労働省令で定める賃金は、通勤手当、家族手当 、住宅手当 、別居手当、子女教育手当そのほか名称の如何を問わず支払われる賃金(ただし、法8条に規定する職務の内容に密接に関連して支払われるものを除く)
 教育訓練(11条) 法改正(R02.04.01、1項、2項)、法改正(20年4月1日新設)
 「事業主は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、当該通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務内容同一短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く)が既に当該職務に必要な能力を有している場合その他の厚生労働省令で定める場合を除き、職務内容同一短時間・有期雇用労働者に対しても、これを実施しなければならない」
⇒「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」にあっては、9条が適用されて、通常の労働者と差別的取り扱いをしてはならない
⇒「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」とまではいえないが、職務内容同一短時間・有期雇用労働者に対しては、遂行に必要な能力を付与するためのものは、努力義務ではなく強制義務である。
 「同2項 事業主は、前項に定めるもののほか、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じ、当該短時間・有期雇用労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする」
⇒「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者以外で、あって、職務内容同一でもない短時間・有期雇用労働者」にあっては、努力義務が課されている。。
 福利厚生(12条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日新設)
 「事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるもの(給食施設、休憩室、更衣室)については、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く)に対しても、利用の機会を与えなければならない
⇒「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」にあっては、9条が適用されて、通常の労働者と差別的取り扱いをしてはならない
⇒それ以外の短時間・有期雇用労働者に対しては、R02.04.01以降、利用の機会を与えることが、努力義務から強制義務に。
 まとめ

賃金 

教育訓練

福利厚生

その他
すべての短時間・有期雇用労働者  職務の内容(業務内容、責任の程度)、職務内容と配置の変更範囲、待遇の性質・目的に照らして適切と認められるその他の事情(職務の成果、能力、経験など)を考慮して、不合理と認められる差別の禁止(8条)
通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者  短時間・有期雇用労働者であることを理由とする差別的取扱いの禁止(9条)
通常の労働者と同視すべき以外の短時間・有期雇用労働者  職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験、就業実態等を勘案し、職務関連賃金を決定する努力義務(10条)  職務の内容が同じ通常の労働者に実施しているものは、実施義務(11条1項)
 それ以外の短時間・有期雇用労働者を対象とするものは努力義務(11条2項)
給食施設、休憩室、更衣室の利用機会の付与義務(12条)  特になし


2
3B
 

  パートタイム・有期雇用労働法が適用される企業において、同一の能力又は経験を有する通常の労働者であるXと短時間労働者であるYがいる場合、XとYに共通して適用される基本給の支給基準を設定し、就業の時間帯や就業日が日曜日、土曜日又は国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日か否か等の違いにより、時間当たりの基本給に差を設けることは許されない。

解説を見る

正しい 誤り

3
4エ
 Xは、管理職となるためのキャリアコースの一環として、新卒採用後の数年間、店舗等において、職務の内容及び配置に変更のない短時間労働者であるYの助言を受けながら、Yと同様の定型的な業務に従事している場合に、A社がXに対し、キャリアコースの一環として従事させている定型的な業務における能力又は経験に応じることなく、Yに比べ基本給を高く支給していることは、パートタイム・有期雇用労働法に照らして許されない。

解説を見る

正しい 誤り

4
4E
 賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならず、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

解説を見る

正しい 誤り











20
3C
 パートタイム・有期雇用労働法第9条によれば、職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない、(R02改)

解説を見る

正しい 誤り












13
3A
 パートタイム・有期雇用労働法によれば、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者以外の短時間・有期雇用労働者の待遇に関して、事業主は短時間・有期雇用労働者の賃金、年次有給休暇及び福利厚生などについては、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとする、としている。(R02改)

解説を見る

正しい 誤り
20
3D
 パートタイム・有期雇用労働法第10条によれば、賃金について、事業主は、雇用する短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等が、通常の労働者と同視すべき場合には、賃金(通勤手当を除く)を通常の労働者と同一の方法により決定しなければならないと定められている。(R02改)

解説を見る

正しい 誤り





















4.短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善 その2
 通常の労働者への転換(13条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日新設)
 「事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない」
1  通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に周知すること。
2  通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に対して与えること。
3  一定の資格を有する短時間・有期雇用労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること。

 「同2項 国は、通常の労働者への転換を推進するため、前項各号に掲げる措置を講ずる事業主に対する援助等必要な措置を講ずるように努めるものとする」
 事業主が講ずる措置の内容等の説明(14条) 法改正(R02.04.01)、法改正(H27.04.01)、法改正(20年4月1日新設)
 「事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、8条、9条(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)から前条(通常の労働者への転換)までの規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法15条1項(労働条件の明示)に規定する厚生労働省令で定める事項及び特定事項を除く)に関し講ずることとしている措置の内容について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない」
⇒8条(不合理な待遇の禁止)も説明義務の対象に追加((R02.04.01)

 「同2項 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに6条(労働条件に関する文書の交付)から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない」
⇒「当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由」を追加((R02.04.01)
 「同3項 法改正(R02.04.01追加) 事業主は、短時間・有期雇用労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該短時間・有期雇用労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
⇒「前項の求め」とは、待遇の相違の内容及び理由、その待遇を決定するに当たって考慮した事項についての説明の求め

 説明義務のある事項
雇い入れ時  以下の規定に基づき実施する雇用管理の改善などに関する措置の内容(ただし、労働基準法15条(労働条件の明示)による事項及び特定事項は除く)
・不合理な待遇の禁止(8条)
・通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止(9条)、
・賃金の決定方法(10条)、
・教育訓練の実施(11条)、
・福利厚生施設の利用(12条)、
・通常労働者への転換を推進するための措置(13条)
求めがあった時  当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由、並びに以下の規定に基づく措置の内容を決定するに当たって考慮した事項
・労働条件の文書の交付(6条)、就業規則の作成手続(7条)、不合理な待遇の禁止(8条)、差別的取扱いの禁止(9条)、賃金の決定方法(10条)、教育訓練の実施(11条)、福利厚生施設の利用(12条)、通常労働者への転換を推進するための措置(13条)
20
3E
 パートタイム・有期雇用労働法第13条第1項によれば、事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、同項第1号から第3号までに定められた措置のうちいずれかの措置を講じなければならないこととなったが、第1号においては、「通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間。有期雇用労働者に周知すること」と定められている。(R02改)

解説を見る

正しい 誤り
5.短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善 その3
 指針(15条)法改正(R02.04.01)
 「厚生労働大臣は、6条から前条までに定める措置その他の3条1項の事業主が講ずべき雇用管理の改善等のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする」
@短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(いわゆる同一労働同一賃金ガイドライン)(平成30年厚生労働省告示第430号)
A事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針(H30.12.28厚生労働省告示429)、(H26.07.24改正厚生労働省告示293)、(H19年厚生労働省告示326)  

  相談のための体制の整備(16条) 法改正(R02.04.01)、法改正(H27.04.01新規)
 「事業主は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関し、その雇用する短時間・有期雇用労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならない」
⇒「必要な体制」の整備とは、短時間・有期雇用労働者からの苦情を含めた相談に応じる窓口等の体制を整備することをいうこと。苦情を含めた相談に応じることができる窓口等であれば、その名称を問うものではない。
17
4C
 事業主が講ずべき短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等のための措置等に関する指針は、平成15年に続いて、19年、26年、30年にも改正され、事業主が講ずべき 適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換の推進に関する措置等に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。(R02改)

解説を見る

正しい 誤り
12
1A
 事業主が講ずべき短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等のための措置等に関する指針によれば、 労働契約を1回以上更新し、かつ1年を超えて継続勤務している短時間・有期雇用労働者について契約をを更新する場合は、その労働者の年齢にかかわらず、契約の実態及び短時間・有期雇用労働者の希望に応じてその契約期間を3年を超えない範囲内でできる限り長く するように努めることとされている。(R02改)  

解説を見る

正しい 誤り
短時間雇用管理者 6.短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善 その4
 短時間・有期雇用管理者(17条) 法改正(R02.04.01)
 「事業主は、常時厚生労働省令で定める数(常時10人)以上の短時間・有期雇用労働者を雇用する事業所ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、指針に定める事項その他の短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理させるため、短時間・有期雇用管理者を選任するように努めるものとする」
 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告等(18条) 法改正(R02.04.01)
 「厚生労働大臣は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等を図るため必要があると認めるときは、短時間・有期雇用労働者を雇用する事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる」
⇒報告に応じない、虚偽の報告をした場合は過料
 「2項 法改正(H27.04.01新規) 厚生労働大臣は、6条1項(労働条件に関する文書の公布)、9条(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)、11条1項(教育訓練)、12条(福利厚生施設)から14条(事業主が講ずる措置の内容等の説明)まで及び16条(相談のための体制の整備)の規定に違反している事業主に対し、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる」
 「3項 前2項に定める厚生労働大臣の権限は、その一部を都道府県労働局長に委任することができる」
17
5A
 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律及び同法施行規則により、短時間労働者を、常時10人以上雇い入れた事業主は、短時間・有期雇用管理者を選任するよう努めるものとされている。(R02改)  

解説を見る

正しい 誤り
12
1B
 パートタイム・有期雇用労働法及び短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針によれば、短時間・有期雇用労働者を雇用する場合には、すべての事業主は短時間・有期雇用管理者を選任するように努めることとされている。
 特に、雇用する短時間・有期雇用労働者の人数が10人以上である場合には、短時間・有期雇用管理者を必ず選任しなければならない。(R02改)  

解説を見る

正しい 誤り

 

 

 

 

 

 

7.紛争の解決
 苦情の自主的解決(22条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日施行)
 「事業主は、6条1項(文書の交付)、8条(不合理な待遇の禁止)、9条(通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止)、11条1項(教育訓練)及び12条(福利厚生施設)から14条(事業主が講ずる措置の内容等の説明)までに定める事項に関し、短時間・有期雇用労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関(事業主を代表する者及び当該事業所の労働者を代表する者を構成員とする当該事業所の労働者の苦情を処理するための機関)に対し当該苦情の処理を委ねる等その自主的な解決を図るように努めるものとする」
 紛争の解決の促進に関する特例(23条) 法改正(R02.04.01)、法改正(20年4月1日新設)
 「前条の事項についての短時間・有期雇用労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争解決促進4条、5条及び12条から19条までの規定は適用せず、次条から27条までに定めるところによる」  
 紛争の解決の援助(24条) 法改正(20年4月1日新設)
 「都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる」
 「同2項 法改正(R02.04.01) 事業主は、短時間・有期雇用労働者が前項の援助を求めたことを理由として、当該短時間・有期雇用労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」
 調停の委任(25条) 法改正(20年4月1日新設)
 「都道府県労働局長は、23条に規定する紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争解決促進 法による紛争調整委員会(均衡待遇調停会議)に調停を行わせるものとする」  
⇒調停委任の手続きは「男女雇用機会均等法」による。7.6 
   
   



8.罰則
 「30条 法改正(H27.04.01新規) 18条1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、20万円以下の過料に処する」
 「31条 6条1項の規定に違反した者は、10万円以下の過料に処する」