27年度 法改正トピックス(児童手当法・児童福祉手当法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
















 目的(1条) (H27.04.01) 
 「この法律は、子ども・子育て支援法7条1項に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする」
 子ども・子育て支援法の施行に伴い、目的条文1項に、「子ども・子育て支援法7条1項に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため」を追加
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 定義(3条) (H27.04.01) 
 「この法律において児童とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう」
  児童手当法が内閣府の所管になったことに伴い、「厚生労働省令」とあるのは「内閣府令」に。
 不正利得の徴収(14条) (H27.04.01施行)
 「偽りその他不正の手段により児童手当の支給を受けた者があるときは、市町村長は、地方税の滞納処分の例により受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる」
 「同2項 (H27.04.01新規)前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする」」
 1項:「地方税の滞納処分の例により」を追加
 2項 先取特権の順位を明確にした。
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 費用の負担(18条) (H27.04.01施行)
 「被用者(子ども・子育て支援法69条1項各号に掲げる者が保険料又は掛金を負担し、又は納付する義務を負う被保険者、加入者、組合員又は団体組合員)に対する児童手当の支給に要する費用(3歳に満たない児童(月の初日に生まれた児童については、出生の日から3年を経過しない児童)に係る児童手当に係る部分に限る)は、その15の7に相当する額を事業主等からの拠出金を持って充て、その45分の16に相当する額を国庫が負担し、その45分の4に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担する」
 拠出金(旧20条)は (H27.04.01削除)
 拠出金の徴収方法(旧22条) (H27.04.01削除)
 18条:被用者の定義において「旧20条1項各号(一般事業主)」が「子ども・子育て支援法69条1項に
 すなわち、被用者の3歳未満児童に対して行う児童手当に必要な費用の一部は、子ども・子育て拠出金として被用者から徴収する。
 そのための根拠条文は児童手当法旧20条から、子ども・子育て支援法69条に。(中身ほほとんど変わっていない)過去問と解説はこちらを
 旧20条:削除。
 旧22条:削除。
 同様の規定が子ども・子育て支援法71条に。
児童扶養手当法  支給要件(4条2項)(H26.12.01) 
 「前項の規定にかかわらず、手当は、母又は養育者に対する手当にあっては、児童が@からCのまでのいずれかに該当するとき、 父に対する手当にあっては、児童が@、A、D又はEのいずれかに該当するときは、当該児童については支給しない。
@  日本国内に住所を有しないとき。
A  児童福祉法に規定する里親に委託されているとき。
B  父と生計を同じくしているとき。ただし、その者が1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にあるときを除く。
C  母の配偶者(1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にある父を除く)に養育されているとき。
D  母と生計を同じくしているとき。ただし、その者が1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にあるときを除く
E  父の配偶者(1項1号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にある母を除く)に養育されているとき。
  支給要件(4条2項)
旧A:父又は母の死亡について支給される公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につき支給が停止されているときを除く。⇒削除
旧B:父又は母の死亡について労働基準法の規定による遺族補償その他政令で定める法令によるこれに相当する給付を受けることができる場合であって、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。⇒削除
旧Cは新Aに
旧D:父に支給される公的年金給付の額の加算の対象となつているとき。⇒削除
⇒ただし、父に支給される障害基礎年金に子の加算があるときは、選択可能である。
旧Eは新Bに、旧Fは新Cに。
旧G:父の死亡について支給される遺族補償等を受けることができる母の監護を受けている場合であつて、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。⇒削除
旧I:旧Dにおける父を母に。⇒削除
⇒ただし、母に支給される障害基礎年金に子の加算があるときは、選択可能である。
旧Jは新Dに、旧Kは新Eに
旧L:旧Gにおける父を母に。⇒削除
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 支給要件(4条3項)(H26.12.01) 
 「1項の規定にかかわらず、手当は、母に対する手当にあっては当該母が、父に対する手当にあっては当該父が、養育者に対する手当にあっては当該養育者が、日本国内に住所を有しないときは、支給しない」
 旧4条3項2号
 「国民年金法に基づく老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につき支給が停止されているときを除く」は支給しないを削除。過去問と解説はこちらを
 支給停止(13条の2) (H26.12.01新規)
 「手当は、母又は養育者に対する手当にあつては児童が@、A又はCのいずれかに該当するとき、父に対する手当にあつては児童が@、B又はC号のいずれかに該当するときは、当該児童については、政令で定めるところにより、その全部又は一部を支給しない」
@父又は母の死亡について支給される公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
A父に支給される公的年金給付の額の加算の対象となつているとき。
B母に支給される公的年金給付の額の加算の対象となつているとき。
C父又は母の死亡について労働基準法の規定による遺族補償その他政令で定める法令によるこれに相当する給付(遺族補償等)を受けることができる場合であつて、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
 「2項 手当は、受給資格者が次に掲げる場合のいずれかに該当するときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を支給しない」
@改正前の国民年金法に基づく老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
A遺族補償等(父又は母の死亡について支給されるものに限る)を受けることができる場合であつて、当該遺族補償等の給付事由が発生した日から6年を経過していないとき。
 一定の対象家庭に該当し、公的年金と児童扶養手当の併給が可能(児童扶養手当の方が年金額よりも高い)な場合は、児童扶養手当の額はその差額分のみとし、残り部分は支給停止となる。