31年度受験用 法改正トピックス(労働施策総合推進法(旧雇用対策法に関する主要改正点) | ||
改正後 | 改正ポイント | |
法律名 | 法のタイトルを「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(略して、労働施策総合推進法」に (H30.07.06) |
働き方改革関連法の一環として「雇用対策法」から「労働施策総合推進法」に。 |
目的 |
目的(1条) (H30.07.06) 「この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、労働に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業生活の充実並びに労働生産性の向上を促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする」 |
「雇用に」から「労働に」へ 「労働力の需給が質量両面にわたり均衡すること」から「労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業生活の充実並びに労働生産性の向上」に。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
基本的理念 |
基本的理念(3条) 「2項 (H30.07.06新規) 労働者は、職務の内容及び職務に必要な能力、経験その他の職務遂行上必要な事項(以下この項において「能力等」という)の内容が明らかにされ、並びにこれらに即した評価方法により能力等を公正に評価され、当該評価に基づく処遇を受けることその他の適切な処遇を確保するための措置が効果的に実施されることにより、その職業の安定が図られるように配慮されるものとする」 |
労働者は、職務能力等が公正に評価され適正に処遇が行われること(いわゆる同一労働同一賃金)によって、職業の安定化に配慮されるべき。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
国の施策(4条) 1号:(H30.07.06追加) 各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することを促進するため、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及及び雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保に関する施策を充実すること。 6号:(H30.07.06改定) 女性の職業の安定及び子の養育又は家族の介護を行う者の職業の安定を図るため、雇用の継続、円滑な再就職の促進、母子家庭の母及び父子家庭の父並びに寡婦の雇用の促進その他のこれらの者の就業を促進するために必要な施策を充実すること。 9号:(H30.07.06追加) 疾病、負傷その他の理由により治療を受ける者の職業の安定を図るため、雇用の継続、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職の促進その他の治療の状況に応じた就業を促進するために必要な施策を充実すること |
・1号、9号 新規追加 ・6号(旧5号)は「女性の職業の安定を図るため、妊娠、出産又は育児を理由として休業又は退職した女性の雇用の継続又は円滑な再就職の促進、母子家庭の母及び寡婦の雇用の促進その他の女性の就業を促進するために必要な施策を充実すること」から、左記に改定。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
|
事業主の義務 |
職業生活の就業環境の整備(6条) 法改正(H30.07.06追加) 「事業主は、その雇用する労働者の労働時間の短縮その他の労働条件の改善その他の労働者が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる環境の整備に努めなければならない」 |
旧6条1項にあった「事業規模の縮小等に伴う再就職の援助」を6条2項に繰り下げて、新たな6条1項において、 「労働者の多様な事情に応じた職業生活の充実のための環境整備」を事業主の努力義務に。 これに伴い、旧6条1項は同2項に繰下げ。基礎知識と過去問学習はこちらを |
基本方針等 |
基本方針(10条) (H30.07.06新規) 「 国は、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(基本方針)を定めなければならない」 「同2項 基本方針に定める事項は、次のとおりとする。 @労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにすることの意義に関する事項 A4条1項各号に掲げる事項について講ずる施策に関する基本的事項 B前二号に掲げるもののほか、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにすることに関する重要事項 ⇒基本方針は、都道府県知事の意見を求め、労働政策審議会の意見を聴いて、案を作成し、閣議の決定を経なければならない。 「同5項 厚生労働大臣は、閣議の決定があつたときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない」 「同7項 国は、労働に関する施策をめぐる経済社会情勢の変化を勘案し、基本方針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならない」 関係機関への要請(10条の2) (H30.07.06新規) 「厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、基本方針において定められた施策で、関係行政機関の所管に係るものの実施について、必要な要請をすることができる」 中小企業における取組の推進のための関係者間の連携体制の整備(10条の3)(H30.07.06新規) 「国は、労働時間の短縮その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及、雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保その他の基本方針において定められた施策の実施に関し、中小企業における取組が円滑に進むよう、地方公共団体、中小企業者を構成員とする団体その他の事業主団体、労働者団体その他の関係者により構成される協議会の設置その他のこれらの者の間の連携体制の整備に必要な施策を講ずるように努めるものとする」 |
10条 「労働施策基本方針」と呼ばれるもので、労働者がその能力を有効に発揮することができるようにするため、働き方改革の意義やその趣旨を踏まえた国の労働施策に関する基本的な事項等についてまとめたものである。 10条の2 労働施策基本方針に定められた施策を実施するにあたり、各省庁に関係するものは、その省庁に実施を依頼することもできる。 10条の3 働き方改革関連法案の審議の中で、追加された規定である。 以上、基礎知識と過去問学習はこちらを |
外国人雇用状況の届出事項 等 |
外国人雇用状況の届出事項(施行規則10条)
法改正(H31.04.01)
「法28条1項の厚生労働省令で定める事項は、新たに外国人を雇入れた場合における届出にあっては、@からEまで、G及びHに掲げる事項と、その雇用する外国人が離職した場合における届出にあっては、@からBまで及びDからGまでに掲げる事項とする」 D出入国管理及び難民認定法別表の特定技能の在留資格をもつて在留する者にあつては、法務大臣が当該外国人について指定する特定産業分野 E出入国管理及び難民認定法別表の特定活動の在留資格をもつて在留する者にあつては、法務大臣が当該外国人について特に指定する活動 F住所、G雇入れ又は離職に係る事業所の名称及び所在地、H賃金その他の雇用状況に関する事項 外国人雇用状況の届出事項の確認(施行規則11条) 「同3項 外国人雇用状況届出に係る外国人が特定技能の在留資格をもつ て在留する者である場合にあつては、事業主は、前条1項Dに掲げる事項を、出入国管理及び難民認定法施行規則による指定書により、確認しなければならない」 「同4項 外国人雇用状況届出に係る外国人が特定活動の在留資格をもつて在留する者である場合にあつては、事業主は、前前条1項Eに掲げる事項を、出入国管理及び難民認定法施行規則による指定書により、確認しなければならない」 |
施行規則10条 在留資格として、「特定技能」が設けられたことにより、新たに、DとEを追加し、旧Dの住所以下をF以降に。 併せて、同条2項、3項も手直しをした。 基礎知識と過去問学習はこちらを 施行規則11条 施行規則10条1項のDとEの追加に対応して、届出事項の確認を行う施行規則11条に3項と4項を追加。 基礎知識と過去問学習はこちらを |