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調整期間、再評価率の改定、マクロ経済スライド 、年金・一時金の自動変更のまとめ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
関連過去問 13-7C、16-10C、17-1E、22-6D、17-選択、18-1選択、18-2,3選択、23-2,3選択、令元ー2選択 一般13-8C、一般13-8D |
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0.年金・一時金の自動変更のまとめ
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1.再評価率により計算する平均標準報酬額 報酬比例分の年金額は、基本的には平均標準報酬額×乗率×被保険者期間月数で計算される。 ここで、平均標準報酬額とは、被保険者期間中の各月の標準報酬額×別表で定める率(再評価率)の総額/被保険者期間月数である。 従来は、再評価率は5年に1回の財政再計算のときに見直す(平成6年、平成12年)こととしその代わりに毎年、年金額そのものを物価変動に応じて調節してきたが、平成16年の法改正により、今後は再評価率を一定のルールに基づいて 毎年自動的に改定することになった。 これにより、年金額は毎年自動的に見直しされる。 再評価率による老齢厚生年金額の実際の計算方法はこちらを 1.1 保険給付の再評価率の改定:新規裁定者(68歳到達年度前)(43条の2) 「再評価率については、毎年度、1号(物価変動率)に2号(実質賃金変動率)及び3号(可処分所得割合変化率)を乗じて得た率(名目手取り賃金変動率)を基準として改定し、当該年度の4月以降の保険給付について適用する」 ここで
⇒名目手取り賃金変動率=物価変動率×実質賃金変動率×可処分所得割合変化率
⇒最新(X)年度の再評価率表は、X年度行、(X-1)年度行、(X-2)年度行、(X-3)年度行を除き、原則として、旧再評価率×名目手取り賃金変動率で書き直す。 「2項 次の各号の再評価率の改定については、前項の規定にかかわらず、以下に定める率を基準とする」
「3項 名目手取り賃金変動率が1を下回り かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合における再評価率(2項に掲げる再評価率を除く)の改定については、1項の規定にかかわらず、物価変動率を基準とする。ただし、物価変動率が1を上回る場合は1を基準とする」 ⇒名目手取り賃金変動率<1 かつ、名目手取り賃金変動率<物価変動率のとき(賃金がダウンしたが、物価のダウンの方が小さい場合は、物価変動率を基準とする。ただし、賃金がダウンしたが、物価がアップした場合は、1にとどめる(変化なし) 「4項 当該年度に属する月の標準報酬に係る再評価率については、当該年度の前年度におけるその年度に属する月の標準報酬に係る再評価率に可処分所得割合変化率を乗じて得た率を基準として設定する」 ⇒その年度行(X年度行)の再評価率は、旧再評価率はないので、前年度(X-1年度)の(X-1)年度行の再評価率×可処分所得割合変化率の値を書き込む。 「受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の4月1日の属する年度(基準年度)以後において適用される再評価率(基準年度以後再評価率)の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率を基準とする」 「2項 前年度の標準報酬及び前前年度等の標準報酬に係る基準年度以後再評価率の改定については、前条2項の規定を適用する」 「3項 次の各号に掲げる場合における基準年度以後再評価率(前項に規定する基準年度以後再評価率を除く)の改定については1項の規定にかかわらず、以下に定める率を基準とする」
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2.調整期間(34条) 「政府は、財政の現況及び見通しを作成するに当たり、厚生年金保険事業の財政が、財政均衡期間の終了時に保険給付の支給に支障が生じないようにするために必要な積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の年金勘定の積立金および実施機関積立金をいう)を政府等が保有しつつ当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、 保険給付の額を調整するものとし、政令で、保険給付の額を調整する期間(調整期間)の開始年度を定めるものとする」 調整期間の開始年度(施行令2条) 「34条1項に規定する調整期間の開始年度は、平成17年度とする」 2.1 調整期間中における再評価率の改定:マクロ経済スライド(43条の4) 新規裁定者 法改正(H3004.01) 「調整期間における再評価率の改定については、前2条の規定にかかわらず、名目手取り賃金変動率に、調整率(1号に掲げる率に2号に掲げる率を乗じて得た率(当該率が1を上回るときは1)に、当該年度の前年度の特別調整率を乗じて得た率を乗じて得た率(当該率が1を下回るときは1。この条において「算出率」という)を基準とする」
⇒「当該率が1を下回るときは、1」とあるのは、算出率(名目手取り賃金変動率×調整率×特別調整率)が1以下すなわち、調整後の年金額が、前年度の年金額を下回る場合は、1(年金額は据え置き)とする。 そして、5項に基づき、年金額抑制の未達成部分を翌年以降に持ちこす。 「2項 調整期間における次の各号に掲げる再評価率の改定については、前項の規定にかかわらず、以下に定める率を基準とする」
「3項 調整期間中における 当該年度に属する月の標準報酬に係る再評価率の設定については、43条の2の4項の規定にかかわらず、当該年度の前年度におけるその年度に属する月の標準報酬に係る再評価率×可処分所得割合変化率×調整率×前年度の特別調整率(ただし、算出率が1となる場合は、可処分所得割合変化率/名目手取り賃金変動率)を基準とする」 ⇒算出率が1、すなわち調整が効きすぎのときは、名目手取り賃金変動率で調整する。 「4項 名目手取り賃金変動率が1を下回る場合の調整期間における再評価率の改定又は設定については、前3項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める規定を適用する」 @物価変動率が名目手取り賃金変動率以下となるとき 43条の2の1項、2項及び4項 A物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るとき 43条の2のの2項、3項、4項 ⇒基本は、名目手取り賃金変動率により改定を行うが、名目手取り賃金額がダウンした(年金額が下がる)場合は、調整は行わない。 ・物価も、賃金以上に下がったときは、名目手取り賃金変動率で改定 ・物価もダウンしたが、賃金よりもダウンが少ない場合は、物価変動率で改定。 ・物価はアップの場合、1にとどめる(変化なし) ⇒ただし、いずれの場合も、調整未達成部分は、特別調整率としてもちこす。 「5項 特別調整率とは、1号の規定により設定し、2号の規定により改定した率をいう」 @平成29年度における特別調整率は、1とする。 A特別調整率については、毎年度、名目手取り賃金変動率に調整率を乗じて得た率を算出率で除して得た率(名目手取り賃金変動率が1を下回るときは、調整率)を基準として改定する。 ⇒名目手取り賃金変動率が1以上のとき 「名目手取り賃金変動率に調整率を乗じて得た率を算出率で除して得た率」で改定とは、特別調整なしとした場合の改定率/特別調整有の場合の改定率を基準として改定のことで、 まず、調整率分を調整し未達成部分があるときは、その未達成部分を特別調整率に加えて、次年度に持ち越す。 調整率分全部を調整しても年金額が前年度の額を上回っているときは、続いて特別調整率分による調整を行い、未達成部分があるときは、その未達成部分を次年度の特別調整率とする。 ⇒名目手取り賃金変動率が1未満のとき 「調整率を基準として改定」とは、年金額が下がるため調整は行われないので、調整率全部を未達成として、特別調整率に加え次年度に持ち越す。 ![]() 財政がひっ迫している調整期間中においては、賃金や物価が上昇して再評価率をプラス方向に改定する場合であっても、調整率分だけ年金額の増加を抑える。 平成30年度からは、調整率分全部について年金額を抑制しようとすると、前年度の年金額を下回る(調整が効きすぎ)の場合は、抑制の未達成部分を翌年度以降に持ち越して、必ずいずれかの年度において、持ち越し分も含めて、年金額を抑制することとなった。 スライド調整の基本については、ミニ解説を 2.2 調整期間中における基準年度(68歳到達年度)以後の再評価率の改定:マクロ経済スライド(43条の5) 既裁定者 法改正(H3004.01) 「調整期間における基準年度以後再評価率の改定については、 前条の既定にかかわらず、1号に掲げる率に2号に掲げる率を乗じて得た率(当該率が1を下回るときは1。「基準年度以後算出率」という)を基準とする」 @物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率) A調整率に当該年度の前年度の基準年度以後特別調整率(当該年度が基準年度である場合にあつては、当該年度の前年度の前条5項に規定する特別調整率、次項@及び3項Aにおいて同じ))を乗じて得た率 ⇒基準年度以後算出率(物価変動率×調整率×前年度の基準年度以後特別調整率)で改定する。 ただし、物価変動率の上昇率が名目手取り賃金変動率により大きいときは、基準年度以後算出率は名目賃金変動率×調整率×前年度の基準年度以後特別調整率)で改定する。。 ・調整率と基準年度以後特別調整率による調整は、前年度年金額より下回らない範囲とする。 ・調整の未達成分は、基準年度以後特別調整率に繰り入れて、次年度以降に持ち越す。物価変動率に調整率を乗じて得た率を基準とする。 「2項 調整期間における次の各号に掲げる基準年度以後再評価率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
「3項 調整期間における当該年度に属する月の標準報酬に係る基準年度以後再評価率の設定については、前条3項の規定にかかわらず、当該年度の前年度におけるその年度に属する月の標準報酬に係る基準年度以後再評価率(当該年度が基準年度である場合にあつては、再評価率に可処分所得割合変化率×調整率×前年度の基準年度以後特別調整率を(基準年度以後算出率が1となる場合にあっては、可処分所得割合変化率/物価変動率(物価変動率が名目賃金変動率を上回るときは、可処分所得割合変化率/名目賃金変動率) を基準とする」 「5項 基準年度以後特別調整率とは、1号の規定により設定し、2号の規定により改定した率をいう」 @基準年度における基準年度以後特別調整率は、イに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率とする。 イ:基準年度の前年度の前条5項に規定する特別調整率 ロ:物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは名目手取り賃金変動率)×調整率/基準年度以後算出率で除して得た率(物価変動率又は名目手取り賃金変動率が1を下回るときは調整率) ⇒基準年度に達したときは、基準年度の前年度の特別調整率を引き継ぐ。 A基準年度以後特別調整率については、毎年度、前号ロに掲げる率を基準として改定する。 ⇒物価変動率(名目手取賃金変動率の方が小さいときは名目賃金変動率)が1以上のとき 物価変動率×調整率/(物価変動率×調整率×前年度の基準年度以降特別調整率)で改定とは、 まず、調整率分を調整し未達成部分があるときは、その未達成部分を基準年度以降特別調整率に加えて、次年度に持ち越す。 調整率分全部を調整しても年金額が前年度の額を上回っているときは、続いて基準年度以降特別調整率分による調整を行い、未達成部分があるときは、その未達成部分を次年度の基準年度以降特別調整率とする。 ⇒物価変動率率(名目手取賃金変動率の方が小さいときは名目賃金変動率)が1未満のとき 年金額が下がるため調整は行われないので、調整率全部を未達成として、基準年度以降特別調整率に加え、次年度に持ち越す。 調整機関中における再評価率の改定のまとめ 上記2でのべた再評価率の改定はあくまでも原則であり、実際には以下のように行う。
68歳未満の者(賃金変動がベース。大きめの方をとる)
68歳以降の者(物価変動がベース。小さめの方をとる)
2.3 再評価率等の改定等の特例(昭和16年改正法附則31条) 「1項要旨 本来水準による老齢厚生年金額が物価スライド特例水準による額を下回る生年月日区分の者の再評価率の改定に当たっては、マクロ経済スライドは適用しない」 ⇒できるだけ早く、本来水準による年金額が物価スライド特例水準以上となるようにするため。 「2項要旨 調整率を適用する前の本来水準による老齢厚生年金額が物価スライド特例水準による額を上回る生年月日区分の者であって、本来水準額/特例水準額の比率よりも調整率が大きい場合は、当該比率を調整率とみなす」 ⇒本来水準による年金額が物価スライド特例水準を上回る年代の者がでてきた場合、(マクロ経済スライド)調整率を適用することとなるが、調整しすぎにより逆転する(本来水準が物価スライド特例水準よりもよりも低くなる)ときは、とりあえず、本来水準と物価スライド特例水準とが同額になるみなし調整率を適用して、年代間の公平を図る。 再評価率表(24年度、25年度、26年度)はこちら。 また、再評価率表の作成方法はこちらを。再評価率作成の基礎データはこちらを。過去の再評価率の推移はこちらを。 24年度値 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(0.984) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率0.997)×実質賃金変動率(0.989)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、0.997(物価変動率) (3)賃金、物価ともダウンであるが、物価のダウン幅が小さいので、新規裁定者、既裁定者とも物価変動率に応じ、再評価率=0.997 25年度値 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(0.984) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.000)×実質賃金変動率(0.996)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、1.000(物価変動率) (3)物価は変化なし(ダウン幅が0)で、賃金のダウン幅よりも小さいので、新規裁定者、既裁定者とも物価変動率に応じて、再評価率=1.000 26年度値 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(1.003) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.004)×実質賃金変動率(1.001)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(1.004) (3)賃金の上がり幅が物価の上がり幅よりも小さいので、新規裁定者、既裁定者とも名目賃金変動率に応じた改定となり、 再評価率=名目手取り賃金変動率(1.003) ![]() すなわち、昭和13年4月2日以降生まれの者の再評価率は、1.003に0.998をかけた値1.001とする。 27年度値 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(1.023) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.27)×実質賃金変動率(0.998)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(1.27) (3)既裁定者が新規裁定者を上回ることは許さないというルールにより、新規裁定者、既裁定者とも名目賃金変動率に応じた改定となり、 再評価率=名目手取り賃金変動率(1.023) ただし、物価スライド特例水準の廃止に伴って、初めてマクロ経済スライドが発動されることになった。 平成27年度の調整率は、公的年金被保険者変動率(-0.6%、すなわち0.994)×0.997=0.991(-09%) よって、新規裁定者、既裁定者とも 27年度の再評価率=1.023×0.991=1.014 28年度値 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(0.998) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.008)×実質賃金変動率(0.992)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(1.008) (3)ただし、既裁定者はアップ、新規裁定者はダウンとなる場合は、いずれも1.0とするというルールにより、新規裁定者、既裁定者とも、再評価率=1.000 また、(マクロ経済スライド)調整率を適用すると年金額が減額となるから、この適用もなし。 よって、新規裁定者、既裁定者とも、 28年度の再評価率=1.000 29年度 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(0.989) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(0.999)×実質賃金変動率(0.992)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(0.999) (3)ただし、賃金も物価も下がったが、物価の下がり方の方が小さいので、新規裁定者、既裁定者とも物価変動率による改定となり、再評価率=0.999 また、年金額が減額となるから、(マクロ経済スライド)調整率の適用もなし。 よって、新規裁定者、既裁定者とも、29年度の再評価率=0.999 30年度 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(0.996) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.005)×実質賃金変動率(0.993)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(1.005) (3)ただし、物価は上がったが賃金は下がったので、新規裁定者、既裁定者とも再評価率=1.0(改定なし) また、年金額が前年度と同額である(上がっていない)ことから、調整率の適用もなし。 ◎ただし、平成30年度からは、マクロ経済スライドによる調整の未達成部分は、特別調整率として持ち越すことになった。 ・H30の調整率は、公的年金被保険者変動率(1.0)×0.997=0.997(-0.3%)で、この分まるまるが未達成 ・H30の特別調整率=0,997 ⇒もし、H31年度の年金額が上がる場合は、H31の調整率による調整に加えて、H30の特別調整率による調整が行われる。ただし、調整は、年金額がH30年度と同額となるまでが限度であり、未達成分が残るときは、さらに翌年度に持ちこされる。 31年度 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(1.006) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.010)×実質賃金変動率(0.998)×可処分所得割合変化率(0.998) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(1.010) (3)ただし、物価も賃金も上がったが、賃金の上がり方が物価の上がり方に比べて小さいので、既裁定者もこれに合わせることになり、調整前の再評価率=1.006 (4)以上により、年金額が前年度より上がることから、調整率が適用もされる。 ◎さらに、平成30年度からは、マクロ経済スライドによる調整の未達成部分は、特別調整率として持ち越すことになった。 ・H30の調整率は、公的年金被保険者変動率(1.0)×0.997=0.997(-0.3%)で、この分まるまるが未達成 ・H31の調整率は、公的年金被保険者変動率(1.001)×0.997=0.998(-0.2%) (5)よって、新規裁定者、既裁定者とも、31年度の調整後の再評価率=1.006×0.998×0.997=1.001(+0.1%) 令和2年度 (1)68歳まで(新規裁定者) 原則は、名目手取り賃金変動率(1.003) ここで、名目手取り賃金変動率=物価変動率(1.005)×実質賃金変動率(0.999)×可処分所得割合変化率(0.999) (2)68歳以降(既裁定者) 原則は、物価変動率(1.005) (3)ただし、物価も賃金も上がったが、賃金の上がり方が物価の上がり方に比べて小さいので、既裁定者もこれに合わせることになり、調整前の再評価率=1.003 (4)以上により、年金額が前年度より上がることから、調整率が適用もされる。 ◎さらに、平成30年度からは、マクロ経済スライドによる調整の未達成部分は、特別調整率として持ち越すことになったが、H31に持越し分は清算済み。 ・令和2年の調整率は、公的年金被保険者変動率(1.002)×0.997=0.999(-0.1%) (5)よって、新規裁定者、既裁定者とも、令和2年度の調整後の再評価率=1.003×0.999=1.002(+0.2%) |
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18 1 選択 |
平成16年の法改正により、年金額の改定は被保険者であった期間の標準報酬月額及び標準賞与額に係る| A |(生年度別)を改定することによって毎年自動的に行われる方式に改められた。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
18 2 3 選 択 |
新規裁定者(| B |歳到達年度前の受給権者)の年金額の改定には、原則として| C |を基準とした| A |を用い、既裁定者(| B |歳到達年度以後の受給権者)の年金額の改定には、原則として前年の| D |を基準とした| A |を用いる。 調整期間においては、これら| C |と| D |にそれぞれ調整率と前年度の特別調整率あるいは基準年度以後特別調整率を乗じた| A |が用いられる。この場合において、調整率は、「3年度前の| E |」に平均的な年金受給期間の変動率等を勘案した一定率である0.997を乗じて得た率であり、特別調整率あるいは基準年度以後特別調整率とは、過去のマクロ経済スライド調整の未達成分の前年度までの累積値である。(H30改) |
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23 2 3 選 |
| A |については、毎年度、厚生年金保険法第43条の2第1項第1号に掲げる率(以下、「| C |」という)に第2号及び第3号に掲げる率を乗じて得た率(以下、「| D |」という)を基準として改定し、当該年度の4月以降の保険給付について適用する。 受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の| E |の年の4月1日の属する年度以後において適用される| A |(「基準年度以後| A |」という)の改定については、上記の規定にかかわらず、| C |を基準とする。 |
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17 選択 |
平成16年の改正では、厚生年金保険の最終的な保険料水準を| A |%に固定し、その範囲内で給付費を賄うことを基本に、給付水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)を導入した。 この自動調整の仕組みは、年金制度を支える現役世代の人数の減少分と| B |を、毎年度の年金額の改定率から減じるものである。 しかしながら、新しく年金を受給し始める時点での標準的な年金額の、厚生年金保険の| C |から公租公課の額を控除して得た額に対する比率(所得代替率)については、50%を上回る水準を確保することとし、所得代替率が50%を下回ることが見込まれる場合には、調整の終了等の措置を講じるとともに、| D |の在り方についての検討を行い、所要の措置を講じることとした。 また、財政運営の方式としては、100年程度の間において給付と負担の均衡を図り、財政均衡期間の最終年度における積立金水準を支払準備金程度(給付費の約| E |年分程度)とする有限均衡方式を導入した。 |
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22 6D |
政府は、厚生年金保険事業の財政の長期にわたる均衡を保つため、保険給付の額を調整することとし、当該調整期間の開始年度を政令により平成18年度と定めた。(応用) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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令 元 2 選 択 |
政府は、財政の現況及び見通しを作成するに当たり、厚生年金保険事業の財政が、財政均衡期間の終了時に保険給付の支給に支障が生じないようにするために必要な積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の積立金及び厚生年金保険法第79条の2に規定する実施機関積立金をいう)を政府等が保有しつつ当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、| C |を調整するものとされている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
17 1E |
従前額保障等により、平均標準報酬月額及び平均標準報酬額に平成12年改正時の再評価率を使用する場合、平成17年4月以降の再評価率は、0.926を、前年度の物価変動率に3年度前の賃金変動率を乗じて得た率を基準にして、政令で定める。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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各種の加算額は、年金の自動改定の対象外である。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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物価スライド 等 改正前の方式 |
3.物価スライド等改正前の方式 物価スライド特例措置についてはこちらを |
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厚生年金保険における年金額の賃金スライドによる改訂は、過去の標準報酬をその後の賃金上昇率を乗じることによって現在の賃金水準に置き換える、いわゆる再評価の手法によって行われ、5年に一度行われる財政再計算の時に、法改正に伴って実施される。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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厚生年金保険法に規定する年金額の自動改定の規定による年金たる保険給付の額の改定の措置は、内閣が政令で定める。(一般13-8Cの類型) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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13 7C |
厚生年金保険法第34条の規定に基づく年金額の自動改定に関し、老齢厚生年金の加給年金額、障害厚生年金(1級、2級)の加給年金額、3級の障害厚生年金の最低保障額、及び遺族厚生年金の中高齢寡婦加算額には物価スライドが適用されるが、障害手当金及び老齢厚生年金の加給年金額に係る配偶者特別加算額には物価スライドは適用されない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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