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労働者派遣法(目的、派遣業の届出・許可、個人情報、事業主の講ずべき措置、労働基準法適用特例)
関連過去問 12-2B14-3D16-2B16-2C16-2D20-4C20-4D20-4E18-1選択18-2選択18-3選択
別ページ掲載:派遣契約派遣期間派遣労働者の雇用
 労働者派遣事業と請負事業の区分に関する基準日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針
 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針派遣先が講ずべき措置に関する指針
 目















 

0.経緯等
@労働基準法旧6条において、「何人も、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」とし、労働契約に介入した中間搾取的なすべての行為は、長い間、厳しく禁止されてきた。
Aその後、多様な就労形態を容認すべきという世論の強い要請もあって、ついに政府は昭和61年に、前記方針を180度転換し、一定の法規制のもとでの労働者派遣を認めるにいたった。
Bその後毎年のごとく法規制が緩和され、労働者派遣業は労働市場の中で大きなウエイトを占めるにいたった。反面、トラブルもまた増えてきており、派遣労働者の一層の権利擁護と待遇改善が必要と叫ばれて きた。
Cそこで、法改正(H24.10.01に より法律の名称を
 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から
 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に変更し、
 雇用の安定、待遇の改善など派遣労働者保護のための規定が強化された。
 派遣法の学習においては、、
@まず、労働基準法にいう一般の労働者か、派遣労働者か、請負事業などによる労働者あるい非労働者かについて、雇用関係・指揮命令関係の実態に着目して峻別できるようにすること。
 労働者派遣事業と請負事業との区分に関する基準についてはこちらを参照のこと 
A派遣法に固有の規制についてマスターすること、が必要である。
(1)派遣事業:
 自己の雇用する労働者を、その雇用関係の下に、他人の指揮命令を受けて他人のために労働に従事させる事業。
(2)請負事業:
 他人から請負った事業について、他人からの指揮命令を受けずにその業務を完成させ、成果に基づく対価として、報酬を受ける事業。
 よって、自ら雇用する労働者であっても、請負先の指揮命令の元に業務をさせる場合は、労働者派遣業の規制を受けることになる。
 また、他人の雇用した労働者を請負先の指揮命令の元に業務をさせることは、2重派遣で違法となる。
(3)労働者供給事業:
 自己の管理下にあるが雇用関係にない労働者を他人の指揮・命令のもとで他人に使用させる事業。
 労働組合に限って認められる。
1.目的(1条) 法改正(H24.10.01施行)
 「この法律は、職業安定法と相まって労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする」
2.定義(2条)
 労働者派遣  自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、他人の指揮命令を受けて、他人のために労働に従事させること。当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするもの(紹介予定派遣)を含まない。
 派遣労働者  事業主が雇用する労働者であって、労働者派遣の対象となるものをいう
 労働者派遣事業   労働者派遣を業として行うことをいう。
 一般労働者派遣事業(法改正H27.09.30削除)  特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業(いわゆる登録型)
 特定労働者派遣事業(法改正H27.09.30削除)  その事業の派遣労働者(業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る)が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業(いわゆる常用型)
 紹介予定派遣  労働者派遣のうち、派遣元事業主が、労働者派遣の役務の提供の開始前又は開始後に、派遣労働者及び派遣先について、職業安定法その他の規定による許可あるいは届出をして職業紹介を行い、又は行うことを予定してするもの。(職業紹介により、派遣労働者が派遣先に雇用される旨が、派遣の役務の提供の終了前に派遣労働者と派遣先との間で約されるものを含む)
⇒予め契約した期間を派遣労働者として働き、派遣終了前に派遣労働者と派遣先の双方が合意すれば、派遣先の社員として採用されるシステム(社員として雇用される旨が、派遣期間終了前に契約されている場合も含む)。
 派遣期間中に、仕事の適性や派遣先の社風との相性などを見極めることができるメリットがある。
 人材派遣業が紹介予定派遣を行うためには、有料職業紹介事業の許可も得ておかなければならない。

 

 

 

 

 

 

3.業務の範囲(4条) 
 「何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行ってはならない」
 @港湾運送業務、
 A建設業務、
 B警備業務その他その業務の実施の適正を確保するためには、業として行う派遣労働者により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務
 「3項 労働者派遣事業を行う事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その指揮命令の下に当該労働者派遣に係る派遣労働者を1項各号のいずれかに該当する業務に従事させてはならない」
  施行令2条 法改正(H27.09.30施行)、法改正(H19.12.14施行)
 「4条1項3号の政令で定める業務は、次に掲げる業務において、
 @当該業務について紹介予定派遣をする場合
 A当該業務が産前産後の休業、育児休業・介護休業中の労働者の業務に該当する場合及び、
 B医業に係る派遣労働者の就業の場所がへき地ににあり、又は地域における医療の確保のためには医業に業として行う労働者派遣により派遣労働者を従事させる必要があると認められるものとして厚生労働省令で定める場所(へき地にあるものを除く)
 である場合を除く業務とする」
 該当業務
 @医師法による医業
 A歯科医師法による歯科医業
 B薬剤師法による調剤の業務(病院等で行われるものに限る)
 C保健師助産師看護師法による業務
 D栄養士法による業務
 E診療放射線技師法による業務 その他
4.労働者派遣事業
4.1 労働者派遣事業の許可(5条) 法改正(H27.09.30)
 「労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない」
 「2項 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない」
 「3項 前項の申請書には、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書(様式3号)その他厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない」
 「5項 厚生労働大臣は、1項の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない」
 許可の欠格事由(6条) 法改正(H24.10.01施行)
 「 次の各号のいずれかに該当する者は、前条1項の許可を受けることができない」
@禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定その他労働に関する法律の規定であつて政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により、若しくは刑法の傷害、暴行、脅迫、背任等の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪若しくは出入国管理及び難民認定法の不法就労助長の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
A健康保険法、船員保険法、労働者災害補償保険法、厚生年金保険法、労働保険徴収法又は雇用保険法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して5年を経過しない者
B成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
C労働者派遣事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
D労働者派遣事業の許可を取り消された者が法人である場合において、当該取消しの処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現に当該法人の役員であつた者で、当該取消しの日から起算して5年を経過しないもの
E労働者派遣事業の許可の取消しの処分に係る行政手続法の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に労働者派遣事業の廃止の届出をした者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの
F前号に規定する期間内に労働者派遣事業の廃止の届出をした者が法人である場合において、同号の通知の日前60日以内に当該法人の役員であつた者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの
G暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から5年を経過しない者
H営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの
I法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
J暴力団員等がその事業活動を支配する者
K暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者

 許可の基準等(7条)
 「厚生労働大臣は、5条1項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない」
@当該事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるもの(雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合として厚生労働省令で定める場合において行われるものを除く)でないこと。
A法改正(H27.09.30) 申請者が、当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして厚生労働省令で定め基準に適合するものであること。
B個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
C前2号に掲げるもののほか、申請者が、当該事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること。
 厚生労働省令で定める基準(施行規則1条の4)法改正(H27.09.30新規) 詳細はこちらを
 「法7条1項2号の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする」
@派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度(厚生労働大臣が定める基準を満たすものに限る)を有すること。
A前号に掲げるもののほか、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制が整備されていること。
 更新(10条)
 「許可の有効期間は、許可の日から起算して3年とする」
 「同2項 前項に規定する許可の有効期間(更新を受けたときにあつては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、許可の有効期間の更新を受けなければならない」 
 「同4項 更新を受けた場合の許可の有効期間は、更新前の許可の有効期間が満了する日の翌日から起算して5年とする」
 更新申請手続(施行規則5条) 法改正(H22.03.01)
 「法10条2項の規定による許可の有効期間の更新を受けようとする者は、当該許可の有効期間が満了する日の3月前までに、労働者派遣事業許可有効期間更新申請書(様式第1号)を、厚生労働大臣に提出しなければならない」
4-2 事業の廃止(13条)
 「派遣元事業主は、当該労働者派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない」
  許可の取消し等(14条)
 「厚生労働大臣は、派遣元事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、5条1項の許可を取り消すことができる。
@6条各号(4号から7号までを除く)のいずれかに該当しているとき。
Aこの法律((23条3項(派遣割合の報告)、23条の2(関係派遣先への派遣の制限)及び30条2項(同一組織単位に継続して3年派遣する派遣労働者に対する雇用安定措置)の規定により読み替えて適用する同条1項の規定及び労働基準法の特例等の規定を除く)若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
B9条1項(許可の条件)の規定により付された許可の条件に違反したとき。
C法改正(H24.10.01追加) 48条 (指導・助言) 3項の規定 による指示を受けたにもかかわらず、なお23条3項 (派遣割合の報告) 、23条の2  (関係派遣先に対する労働者派遣の制限) 及び30条2項(同一組織単位に継続して3年派遣する派遣労働者に対する雇用安定措置)の規定により読み替えて適用する同条1項の規定の規定に違反したとき。
 名義貸しの禁止(15条)
 「派遣元事業主は、自己の名義をもつて、他人に労働者派遣事業を行わせてはならない」

























5.特定労働者派遣事業の届出(16条) 法改正(H27.09.30削除)
 「特定労働者派遣事業を行おうとする者は届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない」
 事業開始の欠格事由(17条) 法改正(H27.09.30削除)
 「6条(許可の欠格事由)各号のいずれかに該当する者は、新たに特定労働者派遣事業の事業所を設けて当該特定労働者派遣事業を行つてはならない」  
 事業の廃止(20条)法改正(H27.09.30削除)
 「特定派遣元事業主は、当該特定労働者派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない」  
 事業廃止命令等(21条)法改正(24.010.01)法改正(H27.09.30削除)
 「 厚生労働大臣は、特定派遣元事業主が6条各号 (4号から7号までを除く) のいずれかに該当しているとき又は、48条 (指導・助言) 3項の規定による指示を受けたにもかかわらず、なお23条3項 (派遣割合の報告) 叉は23条の2 (関係派遣先に対する労働者派遣の制限) の規定に違反したときは当該特定労働者派遣事業の廃止を、
 当該特定労働者派遣事業の開始の当時6条4号から7号までのいずれかに該当するときは当該特定労働者派遣事業の廃止を、命ずることができる」
 名義貸しの禁止(22条)法改正(H27.09.30削除)
 「特定派遣元事業主は、自己の名義をもつて、他人に特定労働者派遣事業を行わせてはならない」
6.事業報告等(23条)
 「派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない」
 「同2項 前項の事業報告書には、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額その他労働者派遣に関する事項を記載しなければならない」
 派遣割合の報告 詳細はこちらを
 
「同3項 派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、次条に規定する関係派遣先への派遣割合を厚生労働大臣に報告しなければならない」 
 「同4項 派遣元事業主は、派遣労働者をこの法律の施行地外の地域に所在する事業所その他の施設において就業させるための労働者派遣(海外派遣)をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない」  
 労働者派遣事業の業務内容に係る情報提供 詳細はこちらを
 「同5項 厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合、教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない」
 事業報告書及び収支決算書の提出(施行規則17条)
 「法23条1項に規定する派遣元事業主は、毎事業年度に係る労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
 ただし、派遣元事業主が当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書を提出したときは、収支決算書を提出することを要しない」
 様式変更(H22年度から)法改正
 事業報告書(様式11号):登録者数、料金、賃金、契約期間別派遣件数、教育訓練実績など。
 事業報告書(様式11号の2):6月1日現在の特定製造業務派遣数、派遣可能期間制限なし業務派遣数、雇用保険・健康保険・厚生年金保険適用者数など
 「施行規則17条3項 事業報告書及び収支決算書の提出期限は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期限とする。
 @労働者派遣事業報告書(年度報告、様式第11号): 毎事業年度経過後一月が経過する日
 A労働者派遣事業報告書(6月1日現在の状況報告、様式第11号の2):毎年6月30日  
 B労働者派遣事業収支決算書(様式12号):毎事業年度経過後三月が経過する日
 事業報告等(23条)規定における重要事項:労働者派遣事業の業務内容に係る情報提供(23条5項) 法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、
 @労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、
 A労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、
 B労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合、
 C教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない」  
 情報提供の方法等(施行規則18条の2)法改正(H24.10.01新設)
 「法23条5項の規定による情報の提供は、事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法により行わなければならない」
 「同2項 法23条5項の厚生労働省令で定めるところにより算定した割合(いわゆるマージン率)は、
 前事業年度に係る労働者派遣事業を行う事業所(一の事業所)ごとの当該事業に係る労働者派遣に関する料金の額の平均額 (当該事業年度における派遣労働者1人1日当たりの労働者派遣に関する料金の額の平均額) から派遣労働者の賃金の額の平均額 (当該事業年度における派遣労働者1人1日当たりの賃金の 額の平均額) を控除した額を労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合 (小数点以下1位未満の端数があるときは四捨五入) とする。
  ただし、一の事業所が当該派遣元事業主の労働者派遣事業を行う他の事業所と一体的な経営を行つている場合には、その範囲内において同様の方法により当該割合を算定することを妨げない」
 「同3項 法23条5項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
 ・労働者派遣に関する料金の額の平均額
 ・派遣労働者の賃金の額の平均額
 ・その他労働者派遣事業の業務に関し参考となると認められる事項
派遣元事業主による情報提供の義務
派遣労働者および派遣先事業主が良質な派遣元事業主を選択できるようにするため、派遣元事業主に、事業に関わる重要情報の公開を義務化した。   
(1)提供義務がある情報
@事業所ごとの派遣労働者数
A労働者派遣の役務の提供を受けた者(派遣先)の数
B事業所毎のマージン率=(1人1日当たりの派遣料金の平均値 − 1人1日当たりの派遣労働者の賃金の平均値) / (1人1日当たりの派遣料金の平均値)
 (ただし、複数事業所で一体的に経営を行っているときは、一体経営事業所グループ毎)
C教育訓練に関する事項
D(施行規則18条の2の3項による)労働者派遣料金の平均額、派遣労働者の賃金の平均額、
 その他労働者派遣事業の業務に関し参考となると認められる事項
(2)情報提供の方法
・事業所への書類の備付け、インターネットの利用、その他の適切な方法
7.派遣元事業主の関係派遣先に対する労働者派遣の制限(23条の2) 法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、当該派遣元事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある者その他の当該派遣元事業主と特殊の関係のある者として厚生労働省令で定める者(関係派遣先)に労働者派遣をするときは、関係派遣先への派遣割合100分の80以下となるようにしなければならない」 
 ここで、派遣割合とは、「一の事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者の関係派遣先に係る派遣就業(労働者派遣に係る派遣労働者の就業)に係る総労働時間を、その事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者のすべての派遣就業に係る総労働時間で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合」のことで、
 (関係派遣先への派遣労働者の派遣就業による総労働時間)/(雇用している全派遣労働者の派遣就業による総労働時間)
 ただし、60歳以上の定年により退職後雇用した者は除いて計算。

@許可の基準7条の@から、「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的とする事業」は原則として許可されない。
Aよって、グループ企業内への派遣について規制を強化し、
 関係派遣先への派遣割合
(=関係派遣先への派遣労働者の派遣就業による総労働時間/雇用している全派遣労働者の派遣就業による総労働時間) は80%以下に制限。 (ただし、60歳以上の定年により退職後雇用した者は除いて計算)
Bこの関係派遣先への派遣割合は、毎事業年度経過後3月が経過する日までに、厚生労働大臣に報告しなければならない。
C派遣割合の報告、関係派遣先に対する労働者派遣の制限の規定に違反したときは、事業許可の取消しの可能性もある。
 関係派遣先(法23条の2の厚生労働省令で定める者等) (施行規則18条の3)法改正(H24.10.01新設)
 「法23条の2の厚生労働省令で定める者等は次に掲げる者とする」
@派遣元事業主を連結子会社とする者及び当該者の連結子会社
 ⇒派遣元事業が連結子会社であるときは、連結元の親会社と、その親会社の連結子会社
A派遣元事業主の親会社等又は派遣元事業主の親会社等の子会社等(@を除く)
 ⇒派遣元事業が連結子会社でないときは、派遣元の親会社(派遣元が株式会社の場合は議決権の過半数をもつもの、持分会社の場合は資本金の過半数をもつもの等を含む)と、その親会社の子会社
 関係派遣先への派遣割合(法23条の2の厚生労働省令で定めるところにより算定した割合)(施行規則18条の3の4項)
 「法23条の2の厚生労働省令で定めるところにより算定した割合は、
 一の事業年度における派遣元事業主が雇用する派遣労働者(60歳以上の定年に達したことにより退職した者であつて当該派遣元事業主に雇用されているものを除く)の関係派遣先に係る同条に規定する派遣就業に係る総労働時間を、その事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者の全ての派遣就業に係る総労働時間で除して得た割合(小数点以下1位未満の端数があるときは切り捨て)とする」
 事業報告等(23条)規定における重要事項:派遣割合の報告(23条3項) 法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、次条に規定する関係派遣先への派遣割合を厚生労働大臣に報告しなければならない」 
 関係派遣先への派遣割合の報告(施行規則17条の2) 法改正(H24.10.01新設)
 「法23条3項の規定による報告は、毎事業年度経過後3月が経過する日までに、当該事業年度に係る関係派遣先派遣割合報告書を厚生労働大臣に提出することにより行わなければならない」
8.個人情報の取扱い等
  「24条の3 派遣元事業主は、労働者派遣に関し、労働者の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、その業務(紹介予定派遣をする場合における職業紹介を含む)の目的の達成に必要な範囲内で労働者の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない」
 「24条の4 遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とする」
14
3D
 規制緩和が図られた結果、派遣法においてもすべての業務について、公共職業安定所への届出だけで足りるとされ、派遣労働が自由化された。

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正しい 誤り

18
3
選択

 次の図は労働者派遣の概念を表わそうとしているものであるから、|  |の中を埋めて図を完成させなさい。




 

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18
1
選択

 これまでの労働者派遣事業は、その事業の派遣労働者が常用労働者だけを対象として行なう| A |派遣事業 とそれ以外の| B |派遣事業に区別され、前者を行なおうとする者は 厚生労働大臣への届出が、後者を行なおうとする者は厚生労働大臣から許可を受けることが必要であったが、平成27年9月30日に施行された改正後の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」においては、この区別が撤廃され、すべての労働者派遣事業は新たな許可基準に基づく許可制に変わった。(H28改)

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18
2
選択

 労働者派遣事業と請負により行なわれる事業との区分を明らかにすることを目的として、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準が定められている。
 また、職業安定法第45条において|  |等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料で労働者供給事業を行なうことができる、とされている。

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16
2D
 紹介予定派遣は、労働者派遣のうち、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可を受け又は届出をした者が、派遣労働者と派遣先との間で、雇用関係の成立のために職業紹介を行い、又は行うことを予定してするものである。この場合、同一の派遣労働者についての派遣受入期間は3か月を超えてはならない、と派遣法で定められている。

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正しい 誤り




































9.労働者派遣契約
  次ページ参照のこと。
10.派遣元事業主の講ずべき措置  「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」についてはこちら
 特定有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等(30条) 法改正(H27.09.30全面改定)、法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、その雇用する有期雇用派遣労働者(期間を定めて雇用される派遣労働者をいう)であつて派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(特定有期雇用派遣労働者)その他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるもの又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であつて雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるもの(以上総称して特定有期雇用派遣労働者等)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号の措置を講ずるように努めなければならない」 
 雇用安定措置(努力義務)
@派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをするように求めること。(派遣先への直接雇用の依頼)
A派遣労働者として就業させることができるように就業(その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る)の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
 (新たな派遣先の提供(合理的なものに限る))
B派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
 (派遣元事業主による無期雇用)
C前三号に掲げるもののほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であつて雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること。
 (新たな就業の機会を提供するまでの間に行われる有給の教育訓練、紹介予定派遣、その他雇用の安定を図るために必要な措置)
特定有期雇用派遣労働者とは
 「派遣先の同一の組織単位で1年以上3年以内継続して労働に従事する見込みがあるもので、契約終了後も継続して就業することを希望する者」
 「2項 法改正(H27.09.30新規) 派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して3年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者に係る前項の規定の適用については、同項中「講ずるように努めなければ」とあるのは、「講じなければ」とする」

 特定有期雇用派遣労働者であって、継続して3年間派遣労働に従事する見込みがある場合は、上記の雇用安定措置は「努力義務」ではなく「強制義務
 厚生労働省令で定める者(施行規則25条) 法改正(H27.09.30全面改定)、法改正(H24.10.01新設)
 「法30条1項の派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して一年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある者として厚生労働省令で定めるものは、派遣先の事業所その他派遣就業の場所(事業所等)における同一の組織単位の業務について継続して一年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある者であつて、当該労働者派遣の終了後も継続して就業することを希望しているもの(法40条の2の1項各号に掲げる労働者派遣(派遣可能期間の制約のない派遣)に係る派遣労働者を除く)とする」
30条1項にいう「特定有期雇用派遣労働者」とは、同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間、派遣労働に従事する見込みがある者であって、かつ期間終了後も継続することを希望している者」のこと。
 「3項 法改正(H27.09.30全面改定) 法30条1項のその他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるものは、当該派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である有期雇用派遣労働者(1項に規定する者を除く)とする」
 「4項 法改正(H27.09.30全面改定) 法30条1項の派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であつて雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるものは、当該派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者とする」
まとめ
 
 雇用安定対象者(特定有期雇用派遣労働者とこれに準ずる者、あわせて特定有期雇用派遣労働者等)と派遣元事業主が講ずべき雇用安定措置
  対象者 雇用安定措置  
30条2項  同一の組織単位の業務に継続して3年間派遣される見込み(かつ継続希望) @(派遣先直接雇用の依頼)、A(新しい派遣先の提供)、B(派遣元無期雇用)、C(紹介予定派遣その他)のいずれかを講じる義務
 
ただし、派遣先に直接雇用の依頼をしたが雇用されなかった場合は、AからCのいずれかを追加して実施する義務)
特定有期雇用派遣労働
施行規則25条1項  同一の組織単位の業務に継続して1年以上3年未満派遣される見込み(かつ継続希望) @からCのいずれかを講じる努力義務
施行規則25条3項、4項  (上記以外で)派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上 AからCのいずれかを講じる努力義務 上記に準ずる者
 
 キャリアアップ措置
 段階的かつ体系的な教育訓練等(30条の2)法改正(H27.09.30新規)
 「派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならない。この場合において、当該派遣労働者が無期雇用派遣労働者(期間を定めないで雇用される派遣労働者)であるときは、当該無期雇用派遣労働者がその職業生活の全期間を通じてその有する能力を有効に発揮できるように配慮しなければならない」

@労働者派遣事業の許可を得るには、「派遣労働者のキャリア形成支援制度」を有していないといけない。
A「段階的かつ体系的な教育訓練」は「キャリア形成支援制度」として策定された教育訓練計画に基づいて行なわれるもの(強制義務)
 「2項 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の求めに応じ、当該派遣労働者の職業生活の設計に関し、相談の機会の確保その他の援助を行わなければならない」
⇒希望者には、「キャリアコンサルティング」を実施しなければならない(強制義務)
 均衡を考慮した待遇の確保(30条の3) 法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力若しくは経験等を勘案し、当該派遣労働者の賃金を決定するように配慮しなければならない」
 「同2項 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者について、教育訓練及び福利厚生の実施その他当該派遣労働者の円滑な派遣就業の確保のために必要な措置を講ずるように配慮しなければならない」
 派遣労働者等の福祉の増進(30条の4) 法改正(H27.09.30)、法改正(H24.10.01施行)
 「前3条(特定有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等、段階的かつ体系的な教育訓練等、均衡を考慮した待遇の確保)に規定するもののほか、派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者叉は派遣労働者として雇用しようとする労働者について、各人の希望、能力及び経験に応じた就業の機会(派遣労働者以外の労働者としての就業の機会を含む)及び教育訓練の機会の確保、労働条件の向上その他雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることにより、これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならない」
 待遇に関する事項等の説明(31条の2) 法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない」
 「2項法改正(H27.09.30追加) 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあつたときは、30条の3(均衡を考慮した待遇の確保)の規定により配慮すべきこととされている事項に関する決定をするに当たつて考慮した事項について、当該派遣労働者に説明しなければならない」
⇒求めがあったときは、1項に加えて、均衡を考慮した待遇の確保に関して考慮した事項について説明しなければならない。
 待遇に関する事項等の説明(施行規則25条の6) 法改正(H24.10.01新設)
 「法31条の2の1項の規定による説明は、書面の交付等その他の適切な方法により行わなければならない。ただし、次項1号に規定する労働者の賃金の額の見込みに関する事項の説明は、書面の交付等の方法により行わなければならない」
⇒賃金の額の見込みに関する事項の説明は、書面の交付等(書面、FAX,、電子メールいずれか)によらなければならない。
 「同2項 法31条の2の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
@法改正(H27.09.30)労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込み、健康保険法に規定する被保険者の資格の取得、厚生年金保険法に規定する被保険者の資格の取得及び雇用保険法に規定する被保険者となることに関する事項その他の当該労働者の待遇に関する事項
⇒健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法の被保険者となるのか否かについて、説明しなければならない。
A事業運営に関する事項
B労働者派遣に関する制度の概要
 派遣労働者であることの明示等(32条)
 「派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、その旨(紹介予定派遣労働者として雇い入れようとする場合はその旨を)を明示しなければならない」
 「同2項 派遣元事業主は、その雇用する労働者であって、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨(新たに紹介予定派遣の対象としようとする場合にあってはその旨を含む)を明示し、その同意を得なければならない
 派遣労働者に係る雇用制限の禁止(33条) 
 「派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者又は派遣労働者として雇用しようとする労働者との間で、正当な理由がなく、派遣終了後に派遣先である者に雇用されることを禁ずる旨の契約を締結してはならない」
 「同2項 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に係る派遣先である者又は派遣先となろうとする者との間で、正当な理由がなく、その者が当該派遣労働者を当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用することを禁ずる旨の契約を締結してはならない」 
 就業条件の明示(34条)
 「派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項(当該労働者派遣が40条の2の1項各号のいずれかに該当する場合(派遣可能期間の制限がない派遣)にあっては、3号及び4号に掲げる事項を除く)を明示しなければならない」
@当該労働者派遣をしようとする旨
A26条1項各号に掲げる事項(従事する業務の内容、派遣先事業所名称・組織単位、派遣先で指揮命令する者、派遣期間、派遣先就業の開始・終了時間、休憩時間など)その他厚生労働省令で定める事項であつて当該派遣労働者に係るもの
B法改正(H27.09.30追加) 当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所における組織単位の業務について派遣元事業主が35条の3の規定(派遣労働者個人単位の期間制限)に抵触することとなる最初の日
⇒同一組織単位における派遣業務に引き続き3年を超えて派遣してはならないので、これに抵触することとなる最初の日を明示しなければならない。(派遣可能期間の制限がない派遣の場合は当然不要) 
C当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所の業務について派遣先が40条の2の1項の規定(派遣役務の提供を受ける期間)に抵触することとなる最初の日。
⇒派遣先同一事業所に対する派遣可能期間は原則3年を超えてはならないので、これに抵触することとなる最初の日を、その派遣労働者に明示しなければならない(派遣可能期間の制限がない派遣の場合は当然不要) 
例:派遣先X社A事業所に派遣を開始
・aさんを3年派遣:aさんに3年経過後の初日を明示
・aさんを2年派遣後直ちにbさんを1年派遣:bさんに1年経過後の初日を明示
 「同2項 派遣元事業主は、派遣先から40条の2の7項(派遣可能期間の延長後の通知)の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る事業所その他派遣就業の場所の業務に従事する派遣労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業所その他派遣就業の場所の業務について派遣先が同条1項の規定(派遣先事業所単位の期間制限)に抵触することとなる最初の日を明示しなければならない」
⇒派遣先同一事業所に対する派遣可能期間は原則3年を超えてはならないが、派遣先が過半数労働組合等から意見聴取して受入れ期間を延長することができるが、延長した場合は、その後3年を経過する最初の日を明示しなければならない。(ただし、延長した場合でも派遣労働者個人単位の期間制限を超えることはできない)
 「3項法改正(H27.10.01追加)派遣元事業主は、前二項の規定による明示をするに当たつては、派遣先が40条の6の1項3号又は4号に該当する行為を行つた場合には同項の規定により労働契約の申込みをしたものとみなされることとなる旨を併せて明示しなければならない」
⇒事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受ける(3号)、個人単位の期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受ける(4号)ことになった場合は、「労働契約の申込みをしたものとみなされる」ことを、派遣労働者に明示しなければならない。

 労働者派遣に関する料金の額の明示(34条の2)法改正(H24.10.01新設)
 「派遣元事業主は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に係る労働者派遣に関する料金の額として厚生労働省令で定める額を明示しなければならない」
 @労働者を派遣労働者として雇い入れようとする場合:当該労働者
 A労働者派遣をしようとする場合及び労働者派遣に関する料金の額を変更する場合:当該労働者派遣に係る派遣労働者 
 労働者派遣に関する料金の額の明示の方法等(施行規則26条の2) 法改正(H24.10.01新設)
 「法34条の2の規定による明示は、3項の規定による額を書面の交付等の方法により行わなければならない」  
 「同2項 派遣元事業主が労働者派遣をしようとする場合における次項の規定による額が労働者を派遣労働者として雇い入れようとする場合における法34条の2の規定により明示した額と同一である場合には、同条の規定による明示を要しない」 
 「同3項 法34条の2の厚生労働省令で定める額は、次のいずれかに掲げる額とする」
 @当該労働者に係る労働者派遣に関する料金の額
 A当該労働者に係る労働者派遣を行う事業所における労働者派遣に関する料金の額の平均額 (すなわち、当該事業年度における派遣労働者1人1日当たりの労働者派遣に関する料金の額の平均額)  
⇒「賃金の見込み額(31条の2)」と「派遣料金の額(34条の2)」が明示されることから、その差額/派遣料金額(すなわちマージン率)が明らかになる。
 派遣先への通知(35条) 法改正(H24.10.01Aの 追加、2項の新設)
 「派遣元事業主は、労働者派遣をするときは、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を派遣先に通知しなければならない」
@当該労働者派遣に係る派遣労働者の氏名、
A当該労働者派遣に係る派遣労働者が無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別
B法改正(H27.09.30追加) 当該労働者派遣に係る派遣労働者が40条の2の1項2号の厚生労働省令で定める者(雇用の機会の確保が特に困難な一定の者)であるか否かの別
C当該労働者派遣に係る派遣労働者に関する健康保険被保険者の資格の取得の確認、厚生年金保険被保険者の資格の取得の確認、及び雇用保険被保険者となつたことの確認の有無に関する事項であつて厚生労働省令で定めるもの
Dその他厚生労働省令で定める事
⇒「通知」は緊急の場合を除き、書面で行うこと。
 「同2項 派遣元事業主は、前項の規定による通知をした後に同項2号から4号までに掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を当該派遣先に通知しなければならない」
 確認の有無に関する事項であつて厚生労働省令で定めるもの(施行規則27条の2)
 「健康保険被保険者資格取得届、厚生年金保険被保険者資格取得届、雇用保険被保険者資格取得届が届けるべき行政機関に提出されていることの有無。
これらが提出されていないことを通知するときは、提出されていない具体的な理由を付さなければならない」
 その他厚生労働省令で定める事項(施行規則28条)
 「厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。 @派遣労働者の性別(派遣労働者が45歳以上である場合にあつてはその旨及び当該派遣労働者の性別、
 派遣労働者が18歳未満である場合にあつては当該派遣労働者の年齢及び性別) A派遣労働者に係る26条(契約の内容)1項の4号、5号又は10号に掲げる事項の内容が、同項の規定により労働者派遣契約に定めた当該派遣労働者に係る組合せにおけるそれぞれの事項の内容と異なる場合における当該内容」
16
2B
 派遣元事業主は、その雇用する労働者であって、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨を明示することで足りる。

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正しい 誤り
16
2C
 派遣元事業主が、その雇用する派遣労働者に係る派遣先である者との間で、その者が当該派遣労働者を当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用することを禁ずる旨の契約を締結することは、何ら問題がない。

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正しい 誤り
20
4D
 「日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針」によれば、派遣元事業主は、モデル就業条件明示書(日雇派遣・携帯メール用)の活用等により、日雇派遣労働者に対し労働者派遣法34条に規定する就業条件等の明示を確実に行うこととされている。

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正しい 誤り
20
4E
 「日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針」によれば、派遣元事業主は、その雇用する日雇派遣労働者の就業の状況等を踏まえ、労働保険及び社会保険に係る手続を適切に進め、被保険者である旨の行政機関への届出(労働者派遣法施行規則27条の2の1項各号に掲げる書類の届出をいう)が必要とされる場合には、当該届出を行ってから労働者派遣を行うこととされているが、当該届出が必要となる日雇派遣労働者について労働者派遣を行う場合であって、当該労働者派遣の開始後速やかに当該届出を行うときは、この限りではないとされている。

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正しい 誤り
12
2B
 派遣先が派遣労働者の能力を十分に活用することが可能となるようにするため、派遣元事業主が派遣労働者の婚姻状況、家族の状況、学歴及び職歴を派遣先に通知することは、当該派遣労働者の同意の有無に関係なく、認められている。

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11.責任者、管理台帳等
11.1 派遣元事業主
 派遣元責任者の選任(36条) 法改正(27.09.30)
 「派遣元事業主は、派遣就業に関し次に掲げる事項を行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、6条(派遣事業許可の欠格事由)1号から8号までに該当しない者(未成年者を除き、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有する者として、厚生労働省令で定める基準に適合するものに限る)のうちから派遣元責任者を選任しなければならない」
@32条(派遣労働者であることの明示)、34条(就業条件の明示)、35条(派遣先への通知)及び次条(派遣元管理台帳)に定める事項に関すること。
A当該派遣労働者に対し、必要な助言及び指導を行うこと。
B当該派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たること。
C当該派遣労働者等の個人情報の管理に関すること。
D法改正(27.09.30) 当該派遣労働者についての教育訓練の実施及び職業生活の設計に関する相談の機会の確保に関すること。
E当該派遣労働者の安全及び衛生に関し、当該事業所の労働者の安全及び衛生に関する業務を統括管理する者及び当該派遣先との連絡調整を行うこと。
F前号に掲げるもののほか、当該派遣先との連絡調整に関すること。 
   派遣元責任者の選任(施行規則29条)
 「法36条の規定による派遣元責任者の選任は、次に定めるところにより行わなければならない」
@派遣元事業主の事業所ごとに当該事業所に専属の派遣元責任者として自己の雇用する労働者の中から選任すること。ただし、派遣元事業主(法人である場合はその役員)を派遣元責任者とすることを妨げない。
A当該事業所の派遣労働者の数が100人以下のときは1人以上の者を、100人を超え200人以下のときは2人以上の者を、200人を超えるときは、当該派遣労働者の数が100人を超える100人ごとに1人を2人に加えた数以上の者を選任すること。
B製造業務に労働者派遣をする事業所にあつては、当該事業所の派遣元責任者のうち、製造業務に従事する派遣労働者の数が100人以下のときは1人以上の者を、100人を超え200人以下のときは2人以上の者を、200人を超えるときは、当該派遣労働者の数が100人を超える100人ごとに1人を2人に加えた数以上の者を当該派遣労働者を専門に担当する者(製造業務専門派遣元責任者)とすること。ただし、製造業務専門派遣元責任者のうち1人は、製造業務に従事しない派遣労働者を併せて担当することができる。
 省令で定める基準(施行規則29条の2) 法改正(27.09.30新規)
 「法36条の厚生労働省令で定める基準は、過去3年以内に、派遣労働者に係る雇用管理の適正な実施のために必要な知識を習得させるための講習として厚生労働大臣が定めるものを修了していることとする」
⇒事業主が選定する派遣元責任者は、厚生労働大臣が指定する所定の講習「派遣元責任者講習」を3年以内に受けたものでなければならない。
 派遣元管理台帳(37条)法改正(H27.09.30)
 「派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない」
@無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別(有期雇用派遣労働者である場合にあつては、労働契約の期間)
A40条の2の1項2号)の厚生労働省令で定める者(雇用の機会の確保が特に困難な一定の者)であるか否かの別
B派遣先の氏名又は名称
C事業所の所在地その他派遣就業の場所及び組織単位
D労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
E始業及び終業の時刻
F従事する業務の種類
G30条1項(雇用安定措置)の規定により講じた措置
H教育訓練(厚生労働省令で定めるものに限る)を行つた日時及び内容
段階的かつ体系的な教育訓練の規定による教育訓練
I派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
J紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
Kその他厚生労働省令で定める事項
 「同条2項 派遣元事業主は、前項の派遣元管理台帳を3年間保存しなければならない」
11.2 派遣先事業主
 派遣元事業主以外の労働者派遣事業を行う事業主からの労働者派遣の受入れの禁止(24条の2)
 「労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣元事業主以外の労働者派遣事業を行う事業主から、労働者派遣の役務の提供を受けてはならない」
⇒労働者派遣業について許可を得ていない事業主から労働者派遣による役務の提供を受けてはならない。
 派遣先責任者の選任(41条)
 「派遣先は、派遣就業に関し次に掲げる事項(労働者派遣契約の定め、通知、苦情の処理、連絡調整など)行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、派遣先責任者を選任しなければならない」
 派遣先責任者(施行規則34条) 法改正(H20.4.1)
 「法第41条の規定による派遣先責任者の選任は、次に定めるところにより行わなければならない」
1  事業所その他の派遣就業の場所ごとに当該事業所等に専属の派遣先責任者として自己の雇用する労働者の中から選任すること。
 ただし、派遣先(法人である場合は、その役員)を派遣先責任者とすることを妨げない
2  事業所等において派遣先がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者の数が100人以下のときは1人以上の者を、
 100人を超え200人以下のときは2人以上の者を、
 200人を超えるときは当該派遣労働者の数が100人を超える100人ごとに1人を2人に加えた数以上の者を選任すること。
 ただし、当該派遣労働者の数に当該派遣先が当該事業所等において雇用する労働者の数を加えた数が5人を超えないとき、派遣先責任者を選任することを要しない。
3  製造業務に50人以上の派遣労働者を従事させる事業所等にあつては、当該事業所等の派遣先責任者のうち、製造業務に従事させる派遣労働者の数が50人を超え100人以下のときは1人以上の者を、100人を超え200人以下のときは2人以上の者を、200人を超えるときは、当該派遣労働者の数が100人を超える100人ごとに1人を2人に加えた数以上の者を、当該派遣労働者を専門に担当する者(製造業務専門派遣先責任者)とすること。
 ただし、製造業務専門派遣先責任者のうち1人は、製造業務に従事させない派遣労働者を併せて担当することができ、
 また、製造業務に従事させる派遣労働者と製造業務に付随する製造業務以外の業務に従事させる派遣労働者を、同一の派遣先責任者が担当することが、当該製造付随業務に従事させる派遣労働者の安全衛生の確保のために必要な場合においては、1人の製造業務専門派遣先責任者が担当する製造業務に従事させる派遣労働者と製造付随業務に従事させる派遣労働者の合計数が100人を超えない範囲内で、製造業務専門派遣先責任者に製造付随業務に従事させる派遣労働者を併せて担当させることができる」

 派遣先管理台帳(42条) 法改正(H27.09.30)
 「派遣先は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに 次に掲げる事項を記載しなければならない」
@無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別
A40条の2の1項2号の厚生労働省令で定める者(雇用の機会の確保が特に困難な一定の者)であるか否かの別
B派遣元事業主の氏名又は名称
C派遣就業をした日
D派遣就業をした日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間
E従事した業務の種類
F派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
G紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
H教育訓練(厚生労働省令で定めるものに限る)を行つた日時及び内容
Iその他厚生労働省令で定める事項(派遣先の事業所の名称、所在地、その他派遣就業をした場所並びに組織単位等)(施行規則36条)
 「同2項 派遣先は、前項の派遣先管理台帳を3年間保存しなければならない」
 「同3項 派遣先は、厚生労働省令で定めるところにより、1項各号(3号を除く)に掲げる事項を派遣元事業主に通知しなければならない」
 派遣先管理台帳(施行規則35条)法改正(H20.2.28)
 「法第42条第1項の規定による派遣先管理台帳の作成は、事業所等ごとに行わなければならない」
 「同3項 1項の規定にかかわらず、当該派遣先が当該事業所等においてその指揮命令の下に労働させる派遣労働者の数に当該事業所等において雇用する労働者の数を加えた数が5人を超えないときは、派遣先管理台帳の作成及び記載を行うことを要しない」
 派遣元事業主に対する通知(施行規則38条)法改正(H20.4.1)
 「法第42条の3項の規定による派遣元事業主に対する通知は、派遣労働者ごとの同条第1項第2号から第4号まで並びに36条の1号及び4号に掲げる事項を、1箇月ごとに1回以上、 一定の期日を定めて、書面
の交付等により通知することにより行わなければならない」
 「同2項 前項の規定にかかわらず、派遣元事業主から請求があつたときは、前項に定める事項を、遅滞なく、書面の交付等により通知しなければならない」
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4C
 労働者派遣法施行規則が平成20年2月に改正されたことにより、派遣先管理台帳の記載事項に、派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事した事業所の名称及び所在地その他派遣就業をした場所が追加されるとともに、派遣就業をした場所、従事した業務の種類が、派遣先から派遣元事業主に対する通知事項に追加されることとなった。
 ただし、労働者派遣の期間が1日を超えない場合には、派遣先管理台帳の作成は不要とされている。

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