6C 社会保険に関する一般常識  Tome塾Homeへ
 老人保健法 (H20.3.31を持って廃止)その後は「高齢者医療確保法」に
関連過去問 14-6D18-6A18-6D





1.目的・理念
 「1条 この法律は、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、もって国民保健の向上及び老人福祉の増進を図ることを目的とする」
 「2条 国民は、自助と連帯の精神に基づき、自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、老人の医療に要する費用を公平に負担するものとする」
 「2項 国民は、年齢、心身の状況等に応じ、職域若しくは地域又は家庭において、老後における健康の保持を図るための適切な保健サービスを受ける機会を与えられるものとする」












2.保険者(6条2項)
 「保険者とは、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う政府、健康保険組合、市区町村、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう」
 ここで、医療保険各法とは、
 @健康保険法、A船員保険法、B国民健康保険法、
 C国家公務員共済組合法、D地方公務員等共済組合法、E私立学校教職員共済法をいう。
2' 加入者(6条3項)
 「加入者とは、医療保険各法の被保険者、組合員、加入者及びその被扶養者であり、健康保険法の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及びその者の被扶養者」
 ⇒ 老人保健法の加入者は年齢とは関係ない。
 届出(施行規則2条)
 「加入者は、75歳に達したときは、14日以内に、その旨を居住地の市町村長に届け出なければならない。ただし、当該市町村長による障害認定を受けている者にあつてはこの限りでない」
 ⇒届出により、「健康手帳」の交付を受ける。医療を受ける場合は、この医療受給者証(健康手帳)に、加入している医療保険の被保険者を添えて医療機関の窓口に提示する。















3.事業
3.1 医療等の保健事業
医  療 @診察 、A薬剤又は治療材料の支給、B処置、手術その他の治療 、C家庭(健康保険法で居宅)における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、D病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、Eその他政令で定める給付(健康保険法にはない)
入院時食事療養費、入院時生活療養費  健康保険法に準ずる。標準負担額も同じ。
保険外併用療養費  健康保険法に準ずる。
老人訪問看護療養費  「市町村長は、老人医療受給対象者が指定訪問看護事業者から訪問看護事業を行う事業所により行われる老人訪問看護すなわち、
@疾病又は負傷により、家庭において継続して療養を受ける状態にある老人で、
A主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたもので、
Bその者の家庭において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助 を受けたとき、
C市町村長が必要と認める場合に限って、指定老人訪問看護に要した費用について、老人訪問看護療養費を支給する」
 「指定老人訪問看護を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、自己の選定する指定訪問看護事業者について、健康手帳を提示して、受けるものとする」
 移送費  健康保険法に準ずる。
 高額医療費  高額医療費算定基準額(自己負担限度額)は健康保険法の70歳以上の区分と同じ。
 医療費  健康保険法における療養費に準ずる。

3.2 医療等以外の保健事業
 「20条 市区町村は、区域内に居住地を有する40歳以上の者に対し、医療、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、医療費、老人訪問看護療養費、移送費及び高額医療費の支給以外の保健事業を行う」
 「21条 都道府県は、市町村が行う医療等以外の保健事業の実施に関し、その設置する保健所による技術的事項についての協力その他必要な援助及び市町村相互間の連絡調整を行うほか、政令で定めるところにより、市町村と連携を図りつつ、市町村に代わって、医療等以外の保健事業の一部を行うことができる」 
 医療等以外の保健事業の具体例(12条)
 健康手帳の交付  健康診査の記録、老後における健康の保持のために必要な事項を記載するもの。自らの健康管理と適切な医療の確保に資するために交付
 健康教育  心身の健康についての自覚を高め、かつ、心身の健康に関する知識を普及啓発するために行われる指導及び教育
 健康相談  心身の健康に関し、相談に応じて行われる指導及び助言
 健康診査  心身の健康を保持するために行われる診査及び当該診査に基づく指導
 機能訓練  疾病、負傷等により心身の機能が低下している者に対し、その維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる訓練
 訪問指導  心身の状況、置かれている環境等に照らして療養上の保健指導が必要であると認められる者について、保健師その他の者を訪問させて行われる指導
 その他政令で定める事業

3.3 医療等の事業の対象者(25条)
 「市区町村長は、次のいずれかに該当する者(加入者に限る)であって、当該市町村の区域内に居住地を有する者に対し、該当するに至った日の属する月の翌月(月の初日であるときは、その日の属する月)から医療を行う」 
1  75歳以上の者
2  65歳以上75歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にある旨、市町村長の認定を受けた者
 ⇒政令で定める程度の障害の状態とは、いわゆる「寝たきり」の状態と考えてよい。

「医療」とは、健康保険法における「療養の給付」とほぼ同じ内容である。
「医療]以外の「入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、医療費、老人訪問看護療養費、移送費及び高額医療費の支給」の給付対象者も上記の年齢区分による。












4.高額医療費(46条の8)
 「市町村長は、医療につき支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く)に要した費用の額から、その療養に要した費用につき保険外併用療養費、医療費若しくは老人訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額が著しく高額であるときは、その医療又はその特定療養費、医療費若しくは老人訪問看護療養費の支給を受けた老人医療受給対象者に対し、高額医療費を支給する」
 「同2項 高額医療費の支給要件、支給額その他高額医療費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める」
 所得区分  各自の外来療養合算額について  入院を含む世帯全員合算額について
 一定所得者(一部負担金が3割の者)  44、400円  80,1000円+(医療費合算額‐267,000円)×0.01
 一般  12,000円  44、400円
 市町村民税非課税者等   8,000円  24,600円
 基準所得が0円の者   8,000円  15,000円
 一部負担金が3割の者:課税所得が145万円以上(収入が520万円未満、単独世帯の場合は383万円未満の者を除く)
 ⇒ 基本的には、健康保険法の70歳以上と同じ。
一部負担金 5.一部負担金(28条)
 「保険医療機関等について医療を受ける者は、医療を受ける際、次の区分に応じ、医療に要する費用の額の算定に関する基準により算定した額に、各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として支払わなければならない」 
1  次号に掲げる場合以外  100分の10
2  課税所得が145万円以上(収入が520万円未満、単独世帯の場合は383万円未満の者を除く)  100分の30















6.費用の負担
 「49条 国は、市町村が支弁する費用のうち、医療等以外の保健事業に要する費用については3分の1を、医療等に要する費用については12分の4を負担する」
 「50条 都道府県は、市町村が支弁する費用のうち、医療等以外の保健事業に要する費用については3分の1を、医療等に要する費用については12分の1を負担する」
 交付金(48条)
 「市町村が支弁する費用のうち、医療等に要する費用の12分の6に相当する額、特定費用並びに一定の事務の執行に要する費用については、社会保険診療報酬支払基金が市町村に交付する交付金をもって充てる」
 ここで、特定費用とは、一部負担金が3割に該当する者に対して行われる医療等に要する費用のこと。 
  結局、市町村は残り分として、医療等以外の保健事業に要する費用については3分の1を、医療等に要する費用について12分の1を負担する。
 医療費拠出金・事務費拠出金について
 「48条2項 社会保険診療報酬支払基金が市町村に交付する交付金は、基金が徴収する拠出金をもつて充てる」
 「53条 基金は、年度ごとに、保険者から医療費拠出金(医療等に要する費用の12分の6)及び事務費拠出金を徴収する」
 「60条 基金は、保険者が、納付すべき期限までに拠出金を納付しないときは、期限を指定してこれを督促しなければならない」
 「同2項 基金は、前項の規定により督促をするときは、当該保険者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない」
 ⇒ その後の延滞金国税滞納処分の例による処分については、健康保険法と同様の規定がある。
費用負担のまとめ: 


◎医療拠出金とは医療等に要する費用の1/2を、各医療保険者が高齢者の加入者数に応じて平等に負担するために各保険者に割り当てられた納付金
 費用負担の流れは、
@各医療保険の被保険者と事業主はそれぞれが保険料を保険者に支払う
A高齢者加入率の低い医療保険者はその低い程度に応じて、拠出金を社会保険診療報酬支払基金に拠出する
B社会保険診療報酬支払基金は高齢者加入率の国民健康保険保険者である市町村にその高い程度におうじて、交付金を交付する。
18
6A

 

 都道府県は、市町村が支弁する費用のうち、医療等以外の保健事業に要する費用についてはその3分の1を、医療等に要する費用についてはその12分の1を負担する。

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18
6D
 国は、市町村が支弁する費用のうち、医療等以外の保健事業に要する費用についてはその3分の1を、医療等に要する費用については12分の1を負担する 。

無効問題  解説を見る

 









8.市町村老人保健計画(46条の18)
 「市町村は、地方自治法の基本構想に即して、当該市町村における老人に対する医療等以外の保健事業の実施に関する計画(市町村老人保健計画)を定めるものとする」
 「2項 市町村老人保健計画においては、当該市町村における老人に対する医療等以外の保健事業の実施に関し、機能訓練及び訪問指導について確保すべき事業の量の目標その他必要な事項の目標を定めるものとする」
 「5項 市町村老人保健計画は、老人福祉法20条の8に規定する市町村老人福祉計画と1体のものとして作成されなければならない」
 「6項 市町村老人保健計画は、介護保険法第117条に規定する市町村介護保険事業計画と調和が保たれたものでなければならない」
8' 市町村老人福祉計画(老人福祉法20条の8)
 「市町村は、地方自治法の基本構想に即して、老人居宅生活支援事業及び老人福祉施設による事業の供給体制の確保に関する計画(市町村老人福祉計画)を定めるものとする」
 「2項 市町村老人福祉計画においては、当該市町村の区域において確保すべき老人福祉事業の量の目標、量の確保のための方策、その他老人福祉事業の供給体制の確保に関し、必要な事項を定める」 
14
6D
 市町村老人保健計画は、老人福祉法に規定する市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。

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10.罰則
 「85条 次の各号に該当する場合(定められた報告、文書等を提供しない、又は虚偽の報告等)には、その違反行為をした健康保険組合、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団の役員、清算人又は職員は、50万円以下の罰金に処する」
 「86条 医療、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費の支給又は老人訪問看護療養費の支給を受けた者が、定められた報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、30万円以下の罰金に処する」
 「87条 医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行った者又はこれを使用する者が、定められた報告若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は職員の質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、10万円以下の過料に処する」