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休憩、休日、休憩の特例、労働時間・休憩・休日規定の適用除外、休日振替・代休、高度プロフェッショナル制度 | ||||||||||||||||||||||||
関連過去問 11-3C、11-7A、11-7B、12-5A、13-5E、13-7A、13-7B、13-7C、14-4D、15-6A、16-5E、17-2A、17-3E、17-7C、18-3D、18-3E、18-5C、18-6A、20-4C、20-4E、21-6A、21-6B、21-6C、21-6D、21-6E、22-4C、23-4A、23-4B、23-4C、24-5A、24-5B、24-5C、25-3C、26-5E、27-6エ、27-6オ、28-4E、29-1C、29-1D、30-1ウ、23-1選択、24-2選択、25-1選択、26-2選択 | ||||||||||||||||||||||||
休
憩
の
原
則
と
特
例 |
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1.休憩(34条)基礎講座 「使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」 「2項 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。 ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない」 「施行規則15条 使用者は、34条2項ただし書の協定をする場合には、一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する休憩の与え方について、協定しなければならない」 「34条3項 使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない」 休憩時間の意義(S22.9.13発基17) 「休憩時間とは単に作業に従事しない手待時間を含まず、労働者が権利として労働から離れることを保証されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱うこと」 |
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2. 労働時間及び休憩の特例(40条) 基礎講座 「別表第1第1号から第3号まで(製造業、鉱業、建設業)、第6号(農林業)及び第7号(水産、畜産業)に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、32条から32条の5(法定労働時間、各種変形労働時間制)までの労働時間及び休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる」 「2項 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであって、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない」 ![]() |
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3. 40条に基づく休憩の特例 3.1 休憩を与えなくてもよい者(施行規則32条) 「使用者は、 @運輸・運送業、郵便・信書便の事業に使用される労働者のうち、列車、気動車、電車、自動車、船舶、航空機に乗務する機関手、運転手、操縦士、車掌、列車掛、荷扱手、列車手、給仕、暖冷房乗務員、電源乗務員で、長距離にわたり継続して乗務する者、 A屋内勤務者30人未満の郵便局において郵便の業務に従事するものについては、 休憩時間を与えないことができる」 「2項 使用者は、乗務員で前項の規定に該当しないものについては、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる場合において、その勤務中における停車時間、折返しによる待合せ時間その他の時間の合計が休憩時間に相当するときは、休憩時間を与えないことができる」 3.2 一斉休憩の例外(施行規則31条) 「労働基準法別表第1の4号、8号、9号、10号、11号、13号及び14号に掲げる事業並びに官公署の事業(同表に掲げる事業を除く)については、34条2項(一斉休憩)の規定は、適用しない」
3.3 自由利用の例外(施行規則33条) 「34条3項(休憩時間の自由利用)の規定は、次の各号の一つに該当する労働者については適用しない」
「前項第2号に掲げる労働者を使用する使用者は、その員数、収容する児童数及び勤務の態様について、予め所轄労働基準監督署長の許可を受けなければならない」 准救急隊員(消防法施行令44条などより) ・救急隊は、原則として、救急自動車一台及び救急隊員三人以上をもつて編成しなければならない」 ・消防署管轄区域の全部が次の各号のいずれかに該当する場合において、市町村が実施計画を定めたときは、実施計画に基づき救急業務を実施する救急隊は、救急自動車一台並びに救急隊員二人以上及び准救急隊員一人以上をもつて編成することができる。 離島振興対策実施地域、奄美群島の区域、小笠原諸島の区域、過疎地域自立促進特別措置法に規定する過疎地域、沖縄振興特別措置法に規定する離島の区域 ・准救急隊員は、消防職員(消防吏員を除く常勤又は短時間勤務職員)で、救急業務に関する基礎的な講習を修了した者、又は講習修了者と同等以上の学識経験を有する者。 |
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休 憩 時 間 |
26 5E |
労働基準法第34条に定める「休憩時間」とは、単に作業に従事しないいわゆる手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいう。(基礎) | ||||||||||||||||||||||
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23 4C |
労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定を締結し、行政官庁に届け出た場合においても、使用者は、1日の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。(基礎) | |||||||||||||||||||||||
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24 5A |
使用者は、1日の労働時間が8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならず、1日の労働時間が16時間を超える場合には少なくとも2時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。(23-4Cの類型) | |||||||||||||||||||||||
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21 6B |
使用者は、所定労働時間が5時間である労働者に1時間の所定時間外労働を行わせたときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。(23-4Cの類型) | |||||||||||||||||||||||
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休憩時間における 行動 の制限 |
20 4C |
使用者は、労働基準法第34条第3項に基づき、休憩時間を自由に利用させなければならないこととされており、使用者がその労働者に対し休憩時間内に職場内で政治活動を行うことを禁止することは許されないとするのが最高裁判所の判例である。(発展) | ||||||||||||||||||||||
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28 4E | 労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働者が自由に利用することが認められているが、休憩時間中に企業施設内でビラ配布を行うことについて、就業規則で施設の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定めることは、使用者の企業施設管理権の行使として認められる範囲内の合理的な制約であるとするのが、最高裁判所の判例である。(20-4Cの類型) | |||||||||||||||||||||||
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21 6A |
使用者は、労働者が事業場内において自由に休息し得る場合であっても、休憩時間中に外出することについて所属長の許可を受けさせてはならない。(20-4Cの応用) | |||||||||||||||||||||||
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24 5B |
労働基準法第34条に定める休憩時間の利用について、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し仕えない。(21-6Aの類型) | |||||||||||||||||||||||
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休憩時間の特例 | 11 3C |
民間航空会社の航空機の操縦士のうち長距離にわたり継続して乗務する者や一定規模未満の病院に勤務する医者、看護師については、1日の継続勤務時間が6時間を超える場合であっても、休憩時間を労働時間中に与えないことができる。(応用) | ||||||||||||||||||||||
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14 4D |
労働基準法では、休憩時間や労働時間について、例えば、航空機による旅客運送の事業における航空機の操縦士で長距離にわたり継続して乗務する者については休憩時間を与えないことができることとされ、また、坑内労働については労働者が坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までの時間を休憩時間を含めて労働時間とみなしている。(11-3Cの応用) | |||||||||||||||||||||||
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休 憩 の 一 斉 付 与 |
23 4A |
当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、使用者は、その定めに基づき、労働基準法第34条第1項に定める休憩時間を一斉に与えなくてもよい。(基礎) | ||||||||||||||||||||||
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29 1C |
労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働基準監督署長の許可を受けた場合に限り、一斉に与えなくともよい。(23-4Aの類型) | |||||||||||||||||||||||
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12 5A |
製造業に属する事業場においては、法定の休憩時間は原則として事業場の労働者全員に一斉に与えなければならず、これを交替で与えるためには、事業場の過半数で組織する労働組合(これがない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者)と書面による協定が必要である。(23-4Aの応用) | |||||||||||||||||||||||
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21 6C |
建設の事業の事業場においては、所轄労働基準監督署長の許可を受けなければ、労働者に一斉に休憩を与えなければならない。(23-4Aの応用) | |||||||||||||||||||||||
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15 6A |
保健衛生の事業については、労働者に休憩を一斉に与える必要はないので、満18才に満たない労働者についても、特段の手続をしなくとも、休憩時間を一斉に与える必要はない。(12-5Aの応用) | |||||||||||||||||||||||
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労働時間の特例 | 4. 40条に基づく労働時間の特例(施行規則25条の2) 「使用者は、商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、 保健衛生業、接客娯楽業の事業のうち、常時10人未満の労働者を使用するものについては、 32条の規定にかかわらず、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができる」 「4項 法改正(H31.04.01) 1項に規定する事業(特例事業)について、フレックスタイム制(清算期間が1か月を超えるものである場合に限る)、1年単位の変形労働時間制又は1週間単位の非定型的変形労働時間制により労働者に労働させる場合には、労働時間の特例(1週当たり44時間)適用しない」 ⇒「フレックスタイム制(清算期間が1か月を超える場合)、「1年単位の変形労働時間制」、「1週間単位の非定型的変形労働時間制」については、特例事業であっても、週44時間は認められない。(週40時間として総枠を計算する)こと) ⇒1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制(清算期間が1か月以下の場合)には適用がある。 | |||||||||||||||||||||||
18 3E |
使用者は、物品の販売の事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについては、労働基準法第32条の規定にかかわらず、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができる。 |
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30 1ウ |
常時10人未満の労働者を使用する小売業では、1週間の労働時間を44時間とする労働時間の特例が認められているが、事業場規模を決める場合の労働者数を算定するに当たっては、例えば週に2日勤務する労働者であっても、継続的に当該事業場で労働している者はその数に入るとされている。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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17 7C |
使用者は、労働基準法別表第1第13号の保健衛生の事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについては、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができる。また、この特例の下に、1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制及び1年単位の変形労働時間制を採用することができる。 | |||||||||||||||||||||||
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休
日 |
5.休日(35条) 基礎講座 「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない」 「2項 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない」 暦日休日の原則(S23.4.5基発535) 「休日とは暦日を指し、午前零時から午後12時までである」 起算日(施行規則12条の2の2項) 「使用者は、法35条2項の規定により労働者に休日を与える場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、4日以上の休日を与えることとする4週間の起算日を明らかにするものとする」 ⇒「就業規則その他これに準ずるもの」とは、常時10人以上の労働者を使用する事業は必ず就業規則で、常時10人未満の労働者を使用する事業は、就業規則を作成するかこれに準ずる文書を作成して、指定された事項を定める必要がある。 |
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24 5C |
労働基準法第35条に定める休日は、原則として暦日を意味するものと解されており、例えば、午前8時から翌日の午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日の午前8時までの非番とを繰り返す1昼夜交代勤務の場合に、非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、同条の休日を与えたものとは認められない。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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13 7B |
労働基準法上使用者が労働者に与えるべき休日は、午前零時から午後12時までの暦日でなければならず、どのような場合であっても、2暦日にまたがる連続24時間を休日とすることは認められていない。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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29 1D |
労働基準法第35条に定める「一回の休日」は、24時間継続して労働義務から解放するものであれば、起算時点は問わないのが原則である。 (13-7Bの類型) | |||||||||||||||||||||||
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21 6D |
@番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること、及び A各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないことの要件を満たす8時間3交替制勤務の事業場において、使用者が暦日でない、継続24時間の休息を与えても、労働基準法第35条の休日を与えたことにはならない。(13-7Bの類型) |
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18 3D |
出張中の休日は、その日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合のほかは、その日が労働基準法35条の休日に該当するときであっても、休日労働として取り扱わなくても差し支えないこととされている。(発展) |
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23 4B |
使用者が、労働者に対して、4週間を通じ4日以上の休日を与え、その4週間の起算日を就業規則その他これに準じるものにおいて明らかにしているときには、当該労働者に、毎週少なくとも1回の休日を与えなくても、労働基準法第35条違反とはならない。(基礎) | |||||||||||||||||||||||
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13 7A |
4週間を通じ4日の休日を与える変形休日制を採用している事業場においては、年間のどの4週間を区切っても、その中に4日の休日がなければならない。(23-4Bの類型) | |||||||||||||||||||||||
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休 日 振 替 代 休 |
13 7C |
週休1日制の事業場において、就業規則に休日を振り替えることができる旨の規定を設け、その規定に基づいて、あらかじめ、当初予定されていた休日の8日後の所定労働日を振り替えるべき休日として特定して休日の振替えを行ったときは、当初予定されていた休日は労働日となり、その日に労働させても、休日に労働させることにはならない。この場合、4週4日の休日は確保されているものとする。(基礎) |
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21 6E |
就業規則に休日の振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる旨の規定を設けている事業場においては、当該規定に基づき休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定することによって、4週4日の休日が確保される範囲内において、所定の休日と所定の労働日とを振り替えることができる。(13-7Cの類型) (参考問題27-5C) | |||||||||||||||||||||||
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18 5C |
週休1日制の事業場において、就業規則に休日を振り替えることができる旨の規定を設け、この規定に基づいて、あらかじめ、ある週の休日を翌週の労働日に振り替えた場合には、当該休日は労働日となりその日に労働させても、休日労働とはならないが、休日を振り替えたことにより、その週の労働時間が1週間の法定労働時間を超えるときは、その超えた時間については時間外労働となり、時間外労働に関する割増賃金を支払わなければならない。(基礎) |
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労 働 時 間 等 の 規 定 の 適 用 除 外 |
6.労働時間等規定の適用除外(41条) 基礎講座 「4章(労働時間、休憩、休日等)6章(年少者)及び6章の2(妊産婦等)で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない」
![]() 労働時間等規定の適用除外(高度プロフェッショナル制度:特定高度専門業務・成果型労働制)(41条の2) 法改正(H31.04.01新規) 「賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、2号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(「対象労働者」)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における1号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。 ただし、3号から5号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない」 ⇒ ・導入には、労使の委員会による決議、届出、労働者本人の同意が必要 ・管理監督者等とは異なり、深夜割増も発生しない。 ・新しい変形労働時間制(特定高度専門業務・成果型労働制)と考えた方がよいかも。 @高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(「対象業務」) Aこの項の規定により労働する期間において次のいずれにも該当する労働者であつて、対象業務に就かせようとするものの範囲 イ:使用者との間の書面その他の厚生労働省令で定める方法による合意に基づき職務が明確に定められていること。 ロ:労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を1年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額(毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者1人当たりの給与の平均額)の3倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。 B対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(Dロ及びニ並びにE号において「健康管理時間」という)を把握する措置(厚生労働省令で定める方法に限る)を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。 C対象業務に従事する対象労働者に対し、1年間を通じ104日以上、かつ、4週間を通じ4日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が与えること。 D対象業務に従事する対象労働者に対し、次のいずれかに該当する措置を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること イ:労働者ごとに始業から24時間を経過するまでに厚生労働省令で定める時間(11時間)以上の継続した休息時間を確保し、かつ、37条4項(深夜業の割増賃金)に規定する時刻の間において労働させる回数を1か月について厚生労働省令で定める回数(4回)以内とすること。 ロ:健康管理時間を1か月又は3か月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内とすること。 ハ:1年に1回以上の継続した2週間(労働者が請求した場合においては、1年に2回以上の継続した1週間)(使用者が当該期間において、年次有給休暇を与えたときは、当該有給休暇を与えた日を除く)について、休日を与えること。 ニ:健康管理時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に(臨時の)健康診断(厚生労働省令で定める項目を含むものに限る)を実施すること。 ⇒上記のイ、ロ、ハ、ニのうち、いずれかを実施しなければならない(実施しない場合、適用除外は認められない) E対象業務に従事する対象労働者の健康管理時間の状況に応じた当該対象労働者の健康及び福祉を確保するための措置であつて、当該対象労働者に対する有給休暇(年次有給休暇を除く)の付与、健康診断の実施その他の厚生労働省令で定める措置のうち当該決議で定めるものを使用者が講ずること。 F対象労働者のこの項の規定による同意の撤回に関する手続 G対象業務に従事する対象労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。 H使用者は、この項の規定による同意をしなかつた対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。 I前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項 「2項 前項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、同項CからEまでに規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない」 「3項 38条の4の2項(労使委員会の議事録の作成と3年間の保存)、同3項(指針)及び5項(労使委員会による決議の効力)との規定は、1項の委員会について準用する」 「4項 1項の決議をする委員は、当該決議の内容が前項において準用する38条の4の3項の指針に適合したものとなるようにしなければならない」 「5項 行政官庁は、3項において準用する38条の4の3項の指針に関し、1項の決議をする委員に対し、必要な助言及び指導を行うことができる」 実施状況の報告(施行規則34条の2の2) 法改正(H31.04.01新規) 「法41条の2の2項の規定による報告は、同条1項の決議が行われた日から起算して6か月以内ごとに、所轄労働基準監督署長にしなければならない」 「同2項 法41条の2の2項の規定による報告は、健康管理時間の状況並びに同条1項4号に規定する措置、5号に規定する措置及び6号に規定する措置の実施状況について行うものとする」 補足 a 対象業務:具体的には、 ・金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務 ・投資判断に基づく資産運用(指図を含む)の業務、 投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他の取引の業務(金融商品のディーリング業務) ・有価証券市場における相場等の動向又は有価 証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(金融アナリスト) ・顧客の事業運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務(コンサルタント業務) ・新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務 b 合意:使用者が、業務の内容、責任の程度、職務において求められる成果その他の職務を遂行するに当たって求められる水準を明らかにした書面に、労働者が署名し、交付を受ける方法(希望した場合は。電磁的記録の提供を受ける方法でもよい) ⇒同意の撤回もできる。 c 年収要件:1,075万円以上 d 健康管理期間の把握 健康管理時間(事業場内にいた時間(ただし、委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間(休憩時間その他対象労働者が労働していない時間)を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)+事業場外における労働時間)を把握しなければならない。 (割増賃金等を払う基礎としての労働時間の把握は不要であるが、対象労働者の健康管理を行うために必要) ⇒具体的には、・タイムカードによる記録、・パソコン等の使用時間の記録等による客観的な方法によること。ただし、事業場外で労働した場合であってやむを得ない理由があるときは、自己申告によることも可。 e 「始業から24時間までの間に11時間以上の継続した休息時間の確保」とはいわゆる(終業から始業までの間の)勤務インターバル時間の確保。こちらも参照のこと f 臨時の健康診断の要件:1週当たり40時間を超える健康管理時間が1か月80時間を超えた場合又は本人の申出があった場合) g 「厚生労働省令で定める措置のうち当該決議で定めるものを講じる」とは、以下のものの中から、決議で定めたのものがあれば、その通に実施しなければならない。 上記DのうちDでは選ばれなかった措置、医師による面接指導、健康状態に応じた代償休日・特別休日の付与や配置転換、産業医による保健指導、相談窓口の設置 ![]() @高度プロフェッショナル制度の対象労働者には、労働時間(休憩時間、休日、深夜時間)も)という概念がないが、健康管理上の問題から、健康管理時間というものが規定されている。 A健康管理時間が一定時間を超えた労働者に対しては、医師による面接指導の実施が、罰則つきで事業主に義務づけられている。(労働安全衛生法66条の8の4) |
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11 7A |
農業や畜産の事業に従事する労働者については、労働基準法第4章の労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されないので、これらの労働者に対して年次有給休暇を付与する必要はない。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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16 5E |
農林漁業に従事する労働者については、労働基準法に定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用除外となっているところから、これらの者が行う深夜業についても同法第37条の規定による割増賃金を支払う必要はない。(11-7Aの応用) | |||||||||||||||||||||||
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労働基準法第4章に定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、農業又は畜産、養蚕、水産の事業に従事する労働者には適用されないが、これらの事業においても、| A |及び年次有給休暇に関する規定は適用される。(16-5Eの類型) | ||||||||||||||||||||||||
22 4C |
労働基準法第41条の規定により、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用が除外されている同条2号に定めるいわゆる管理監督者に該当するか否かは、経験、能力等に基づく格付及び職務の内容と権限等に応じた地位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態に即して判断される。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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26 2 選択 |
小売業、飲食業等において、いわゆるチェーン店の形態により相当数の店舗を展開して事業活動を行う企業における比較的小規模の店舗においては、店長等の少数の正社員と多数のアルバイト・パート等により運営されている実態がみられるが、この店舗の店長等については、十分な権限、相応の待遇等が与えられていないにもかかわらず労働基準法第41条第2号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という)として取り扱われるなど不適切な事案も見られることから、平成20年9月9日付け基発第0909001号通達「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」が出されており、同通達によれば、これらの店舗の店長等が管理監督者に該当するか否かについて、職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇を踏まえ、総合的に判断することとなるとされており、このうち「賃金等の待遇」についての判断要素の一つとして、「実態として長時間労働を余儀なくされた結果、| B |において、店舗に所属するアルバイト・パート等の賃金額に満たない場合には、管理監督者性を否定する| C |となる」ことがあげられている。 | |||||||||||||||||||||||
労働基準法第41条第2号に定める「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という)とは、一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について| B |の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである。 具体的な判断に当たっては、下記の考え方による。 (1) 原則 労働基準法に規定する労働時間、休憩、休日等の労働条件は、最低基準を定めたものであるから、この規制の枠を超えて労働させる場合には、法所定の割増賃金を支払うべきことは、すべての労働者に共通する基本原則であり、企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱いが認められるものではないこと。 (2) 適用除外の趣旨 [略] (3) 実態に基づく判断 [略] (4) 待遇に対する留意 管理監督者であるかの判定に当たっては、上記(1)から(3)のほか、賃金等の待遇面についても無視し得ないものであること。 この場合、定期給与である基本給、役付手当等において、| C | 待遇がなされているか否か、ボーナス等の一時金の支給率、その算定基礎賃金等についても役付者以外の一般労働者に比し優遇措置が講じられているか否か等について留意する必要があること。 なお、一般労働者に比べ優遇措置が講じられているからといって、実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではないこと。 (5)スタッフ職の取扱い [略] |
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20 4E |
労働基準法第41条第2号により、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用が除外されているいわゆる管理監督者については、適用除外の要件として行政官庁の許可を得なければならない。(応用) | |||||||||||||||||||||||
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13 5E |
労働基準法第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者については、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用除外となっていることから、使用者は、これらの者の時間外労働、休日労働又は深夜業に対して、同法第37条の規定による割増賃金を支払う必要はない。(基礎) | |||||||||||||||||||||||
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17 3E
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所定労働時間が始業時刻午前8時、終業時刻午後5時(休憩が12時から午後1時までの1時間)である事業場において、労働基準法第41条第2号の監督又は管理の地位にある者が、所定労働時間を超えて深夜に及ぶ労働に従事した場合、午後10時から午前5時までの時間の労働については、同法第37条の規定に従い、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。(13-5Eの応用) | |||||||||||||||||||||||
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25 1 選 択 |
最高裁判所は、労働基準法第41条第2号に定めるいわゆる管理監督者に該当する労働者が、使用者に、同法第37条第3項(現行同条第4項)に基づく深夜割増賃金を請求することができるかという点をめぐって。次のように判示した。 「労基法[労働基準法]における労働時間に関する規定の多くは,その| A |に関する規制について定めており,同法37条1項は,使用者が労働時間を延長した場合においては,延長された時間の労働について所定の割増賃金を支払わなければならないことなどを規定している。 他方,同条3項(注:現4項)は,使用者が原則として| B |の間において労働させた場合においては,その時間の労働について所定の割増賃金を支払わなければならない旨を規定するが, 同項は,労働が1日のうちのどのような時間帯に行われるかに着目して深夜労働に関し一定の規制をする点で,労働時間に関する労基法中の他の規定とはその趣旨目的を異にすると解される。 また,労基法41条は,同法第4章,第6章及び第6章の2で定める労働時間,休憩及び休日に関する規定は,同条各号の一に該当する労働者については適用しないとし,これに該当する労働者として,同条2号は管理監督者等を,同条1号は同法別表第1第6号(林業を除く)又は第7号に掲げる事業に従事する者を定めている。 一方,同法第6章中の規定であって年少者に係る深夜業の規制について定める61条をみると,同条4項は,上記各事業については同条1項ないし3項の深夜業の規制に関する規定を| C |旨別途規定している。 こうした定めは,同法41条にいう「労働時間,休憩及び休日に関する規定」には,深夜業の規制に関する規定は含まれていないことを前提とするものと解される。 以上によれば,労基法41条2号の規定によって同法37条3項の適用が除外されることはなく,管理監督者に該当する労働者は同項に基づく深夜割増賃金を請求することができるものと解するのが相当である」(基礎) |
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27 6エ |
労働基準法第41条第2号により、労働時間等に関する規定が適用除外される「機密の事務を取り扱う者」とは、必ずしも秘密書類を取り扱う者を意味するものでなく、秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者をいう。 (応用) | |||||||||||||||||||||||
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11 7B
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通常、機密の事務を取扱う者や監督又は管理の地位にある者は、労働基準法第4章の労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されないが、そのような者が満60歳以上の者である場合、1日8時間、1週間40時間の原則が適用される。(応用) | |||||||||||||||||||||||
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18 6A |
労働基準法第41条第2号に該当するいわゆる管理監督者については、同法第4章で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されず、また、年次有給休暇に関する規定も適用されない。(基礎) |
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25 3C |
労働基準法施行規則第23条の規定に基づく断続的な宿直又は日直勤務としての許可は、常態としてほとんど労働する必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可することとされている。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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17 2A |
労働基準法施行規則第23条の規定に基づき宿直の勤務で断続的な業務について許可を受けようとする場合には、宿直勤務1回についての宿直手当の最低額は、当該事業場において宿直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金(労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金に限る)の1人平均額の2分の1を下回らないものでなければ所轄労働基準監督署長の許可を受けることはできない。(25-3Cの発展) | |||||||||||||||||||||||
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27 6オ |
医師、看護師の病院での宿直業務は、医療法によって義務づけられるものであるから、労働基準法第41条第3号に定める「監視又は断続的労働に従事する者」として、労働時間等に関する規定の適用はないものとされている。(発展) | |||||||||||||||||||||||
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