20年度 法改正トピックス(国民健康保険法に関する主要改正点)

  改正後 改正ポイント
   適用除外(6条) H20.4.1施行
 太字分の追加
6  船員保険法、共済組合法、私立学校教職員共済制度による被扶養者、ただし、高齢者医療確保法の被保険者の被扶養者を除く。
8  高齢者医療確保法の被保険者
 高齢者医療確保法の被保険者は国民健康保険から排除される。
 その被扶養者(75歳未満)は国民健康保険に加入できる。

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   届出等(9条)H20.4.1施行
 「3項 市町村は、保険料(国民健康保険税を含む)を滞納している世帯主(その世帯に属するすべての被保険者が原子爆弾被爆者援護法による原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる世帯主を除く)が、当該保険料の納期限から厚生労働省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該世帯主に対し被保険者証の返還を求めるものとする」
 「6項 世帯主が被保険者証を返還したときは、市町村は、当該世帯主に対し、その世帯に属する被保険者(原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者を除く)に係る被保険者資格証明書(その世帯に属する原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者があるときは、当該被保険者資格証明書及びその者に係る被保険者証)を交付する」
 3項
 老人保健法の廃止に伴い、保険料滞納者からの被保険者証の返還請求除外者は原爆一般疾病医療費等の支給を受けている者のみになった。

 

 6項
 3項と同一趣旨。


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 「10項 新設 市町村は、被保険者証及び被保険者資格証明書の有効期間を定めることができる。
 この場合において、この法律の規定による保険料(国民健康保険税を含む)を滞納している世帯主(3項の規定により市町村が被保険者証の返還を求めるものとされる者を除く)、国民年金法の規定による保険料を滞納している世帯主(88条2項のにより保険料を納付する義務を負う者を含み、社会保険庁長官が厚生労働省令で定める要件に該当するものと認め、その旨を市町村に通知した者に限る)その他厚生労働省令で定める者の被保険者証については、特別の有効期間を定めることができる」
 「11項 新設 市町村は、前項の規定により被保険者証又は被保険者資格証明書の有効期間を定める場合(被保険者証につき特別の有効期間を定める場合を含む)には、同一の世帯に属するすべての被保険者(厚生労働省令で定める者を除く)について同一の有効期間を定めなければならない」

10項  

 国民健康保険の保険料滞納者等に、通常より有効期間が短い有効期間を定めた短期被保険者証を交付することができる。


 

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退職被保険者等の経過措置  退職被保険者等の経過措置(附則6条) H20.4.1新設
 「平成26年度までの間において、市町村が行う国民健康保険の被保険者(65歳に達する日の属する月の翌月(1日であるときはその月)以後のものを除く)のうち、
 @被用者年金各法に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付を受けることができる者であって、
 A被保険者、組合員若しくは加入者であった期間又はこれらを合算した期間が20年以上(期間短縮特例に該当する者も含む)であるか、又は
 B40歳に達した月以後の年金保険の被保険者期間が10年以上であるものは、退職被保険者とする 。ただし、年金の支給が年齢を事由として全額停止されている者は除く)」
 高齢者医療確保法の制定に伴って、退職被保険者制度を原則廃止し、これを規定していた旧8条の2は削除。
 ただし、高齢者医療確保法の適用がない65歳未満の退職被保険者についてだけは、平成26年度まで暫定的に退職被保険者制度を存続させることになった。
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 療養給付等交付金(附則7条) H20.4.1新設
 「退職被保険者及びその被扶養者の住所の存する市町村が負担する費用のうち、被用者保険等拠出対象額については、政令で定めるところにより、社会保険診療報酬支払基金が退職被保険者等所属市町村に対して交付する療養給付費等交付金をもつて充てる」
 「同2項 前項の療養給付費等交付金は、附則10条の規定により支払基金が徴収する療養給付費等拠出金をもつて充てる」
 療養給付費等拠出金の徴収(附則10条) H20.4.1新設
 「支払基金は、退職者医療関係業務業 務及び当該業務に関する事務の処理に要する費用に充てるため、年度(毎年4月1日から翌年3月31日まで)ごとに、被用者保険等保険者から、療養給付費等拠出金及び事務費拠出金を徴収する」
 退職被保険者制度の原則廃止に伴い、療養給付等交付金、療養給付等拠出金72の4、81条の2などは廃止され、経過措置として、左記のものが附則に規定された。
 
   一部負担金(42条) H20.4.1施行
 6歳到達日以後の最初の3月31日の翌日以後であって、70歳到達月以前である者  10分の3
 6歳到達日以後の最初の3月31日以前である者  10分の2
 70歳到達月の翌月以後である者(下記以外)  10分の2(21年3月までは1割負担で据置き)
 70歳到達月の翌月以後であって、その者が属する世帯の被保険者(70歳到達月の翌月以降に限る)の課税所得が145万円以上(ただし、収入が520万円 、単身の場合は383万円未満の者は除く)  10分の3
 健康保険の被保険者の一部負担金、被扶養者の自己負担額に準ずる。
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   高額介護合算療養費(57条の3) H20.4.1 新設
 「一部負担金等の額(高額療養費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)並びに介護保険法に規定する介護サービス利用者負担額(高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)及び介護予防サービス利用者負担額(高額介護予防サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額介護合算療養費を支給する」
 健康保険法に準じて、高額介護合算療養費を新設した。
 

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国庫負担  国庫負担(69条)H20.4.1 
 「国は、政令の定めるところにより、組合に対して国民健康保険の事務(前期高齢者納付金等後期高齢者支援金等及び介護保険法の規定による介護納付金の納付に関する事務を含む)の執行に要する費用を負担する」
 「70条 (H20.4.1) 国は、政令の定めるところにより、市町村に対し、療養の給付(一部負担金相当する額を控除)並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費及び高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用並びに高齢者医療確保法による前期高齢者納付金(前期高齢者交付金がある場合には控除)及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額の100分の34を負担する」
 「72条の5 (H20.4.1) 国及び都道府県は、政令の定めるところにより、市町村に対し、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導に要する費用のうち政令で定めるものの3分の1に相当する額をそれぞれ負担する」
 組合への補助(73条) (H20.4.1)
 「国は、政令の定めるところにより、組合に対し、次の各号に掲げる額の合算額を補助することができる」
 @療養の給付(一部負担金相当する額を控除)並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額
 + 前期高齢者納付金(前期高齢者交付金がある場合には控除)及び高齢者医療確保法による後期高齢者支援金並びに介護納付金
 −(組合特定被保険者に係る特定給付額+特定納付費用額)
 に対して、100分の32
 A 特定給付額及び特定納付費用額のそれぞれに特定割合を乗じた額」
@69条 
 組合に対し、あらたに、前期高齢者納付金等と、後期高齢者支援金等に関する事務費を負担。
A70条
 市町村に対し、あらたに、高額介護合算療養費前期高齢者納付金、後期高齢者支援金に要する費用 を合算額に加え、その100分の34を負担
 
B72条の5
 後期高齢者の特定健康診査、特定保健指導を市町村が行った場合は、その費用の3分の2を国と都道府県とで負担する。

C73条(70条対応)
 高額介護合算療養費、前期高齢者納付金、る後期高齢者支援金を追加
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1.保険料(76条)H20.4.1施行
 「保険者は、国民健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金の納付に要する費用を含み、健康保険法179条に規定する組合にあつては、同法の規定による日雇拠出金の納付に要する費用を含む)に充てるため、世帯主又は組合員から保険料を徴収しなければならない。
 ただし、地方税法の規定により国民健康保険税を課するときは、この限りでない」
2.賦課期日(76条の2) H20.4.1新設
「市町村による前条の保険料の賦課期日は、当該年度の初日とする」
3.保険料の徴収方法(76条の3) H20.4.1新設
 「市町村による76条の保険料の徴収については、特別徴収(市町村が老齢等年金給付を受ける被保険者である世帯主(政令で定めるものを除く)から老齢等年金給付の支払をする者に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させることをいう)の方法による場合を除くほか、普通徴収(市町村が世帯主に対し、地方自治法により納入の通知をすることによつて保険料を徴収することをいう)の方法によらなければならない」
 「同2項 前項の老齢等年金給付は、国民年金法による老齢基礎年金その他の同法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法に基づく老齢若しくは退職障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定めるもの及びこれらの年金たる給付に類する老齢若しくは退職、障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定めるものをいう」
4.介護保険法の準用(76条の4)H20.4.1新設
 「介護保険法134条から141条の2までの規定は、前条の規定により行う保険料の特別徴収について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める」
5.保険料の徴収の委託(80条の2) H20.4.1施行
 「市町村は、普通徴収の方法による保険料の徴収の事務については、収入の確保及び被保険者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令の定めるところにより、私人に委託することができる」
 国民健康保険料(市区町村によっては、国民健康保険税のところもある)の徴収は、次のいずれかによる(実際には、従来から実施されていた)
 介護保険料も同じ。

1.特別徴収(老齢・退職、障害、遺族年金から天引き)

2.普通徴収(個別に納入通知書を送付して、徴収)
 

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 コンビ二などの民間業者、民間人団体に徴収の委託ができるのは、当然のことながら、普通徴収の方法による保 険料についてである。

保健事業  保健事業(82条)H20.4.1施行
 「保険者は、特定健康診査等(特定健康診査と特定保健指導)を行うものとするほか、これらの事業以外の事業であつて、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない」
 特定健康診査等(特定健康診査と特定保健指導)を追加
 
罰則  秘密の保持義務(120条の2) H20.4.1新設
 「保険者の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者が、正当な理由なしに、国民健康保険事業に関して職務上知得した秘密を漏らしたときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」
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