改正雇用保険法
 23年度 法改正トピックス( 雇用保険法に関する主要改正点)
  改正後 改正ポイント
遡及適用  被保険者期間(14条2項) (H22.10.01)
 「前項の規定により被保険者期間を計算する場合において、次に掲げる期間は、同項に規定する被保険者であった期間に含めない」
 2号:「9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日(22条5項に規定する者にあつては、同項2号に規定する被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日)前における被保険者であった期間」
 太字部分を追加
 従来は、2年以上さかのぼって被保険者と認定することはできない」とされていた。
 今後は、「資格取得届が提出されていないが、雇用保険料が賃金から控除されていたことを明らかにできる書類がある場合は、その最も古い時期までさかのぼることができる」ようになった。
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 算定基礎期間(22条5項) (H22.10.01新設) 
 「次に掲げる要件のいずれにも該当する者(第1号に規定する事実を知っていた者を除く)に対する前項の規定の適用については、同項中「確認のあつた日の2年前の日」とあるのは、
 2号に規定する被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日」とする」
 @その者に係る7条の規定による届出(資格取得届)がされていなかつたこと。
 A厚生労働省令で定める書類に基づき、9条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の2年前の日より前に徴収法32条1項の規定により被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期があること」 
 算定基礎期間についても、上記と同様に、2年を超えて遡及できるようになった。

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 厚生労働省令で定める日(施行規則33条)(H22.10.01新設)
 「厚生労働省令で定める日は、次条各号に定める書類に基づき確認される被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかとなる最も古い日とする」
 「2項 次条各号に定める書類に基づき前項の最も古い日を確認することができないときは、当該書類に基づき確認される被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかとなる最も古い月の初日を、前項に規定する最も古い日とみなす」
 「3項 前項の規定により、当該最も古い月の初日を1項の最も古い日とみなした場合に、当該最も古い月の初日が直前の被保険者でなくなつた日よりも前にあるときは、前項の規定にかかわらず、当該直前の被保険者でなくなつた日を1項の最も古い日とみなす」
 「4項 法22条5項に規定する者は、次条各号に定める書類に基づき確認される被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期の直近の日の翌日に被保険者でなくなつたこととみなす」
 「5項 次条各号に定める書類に基づく確認において、前項の直近の日を確認することができないときは、当該書類に基づき確認される被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期の直近の月の末日の翌日に被保険者でなくなつたこととみなす」
 「6項 前項の規定により、当該直近の月の末日の翌日をその者が被保険者でなくなつた日とみなした場合に、当該直近の月のうちに被保険者となつた日があるときは、前項の規定にかかわらず、当該被保険者となつた日に被保険者でなくなつたこととみなす」
 「7項 4項から6項までの規定は、法9条1項の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の2年前までの時期については、適用しない」
 厚生労働省令で定める書類(施行規則33条の2)法改正(H22.10.01新設)
 「厚生労働省令で定める書類は、次のとおりとする」
  @労働基準法108条に規定する賃金台帳その他の賃金の一部が労働保険料として控除されていることが証明される書類
  A所得税法に規定する源泉徴収票又は、法人税法施行規則に定める書類のうち賃金の一部が労働保険料として控除されていることが証明されるもの。
 2年を超えて遡ることができる「最も古い日」とは、定められた書類によって、被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかとなる最も古い日(その日が明らかでない場合は、最も古い月の初日)とし、その日から被保険者であったとみなす。
 
 また、
 定められた書類によって、被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期の直近の日(その日が明らかでない場合は、直近の月の末日)の翌日に被保険者でなくなつたこととみなす。 過去問学習はこちらを
 資格取得届(施行規則6条6項)(H22.10.1新設)
 「事業主は、法22条5項に規定する者であつて、被保険者となつた日が法9条1項の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の2年前の日より前にあるものに係る被保険者となつたことの届出については、1項の規定にかかわらず、資格取得届に33条の2各号に定めるいずれかの書類を添えてその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」
 資格喪失届(施行規則7条4項)(H22.10.1新設)
 「事業主は、法22条5項に規定する者であつて、被保険者でなくなつた日が法9条1項の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の2年前の日より前にあるものに係る被保険者でなくなつたことの届出については、前3項の規定にかかわらず、資格喪失届に33条の2各号に定めるいずれかの書類を添えてその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」
  雇用保険料が賃金から控除されていたという証明ができる最も古い日が2年よりも前である場合、その日に資格取得したととして、事業主は資格取得届を提出しないといけない。
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 また、雇用保険料が賃金から控除されていたという証明ができる直近の日が2年よりも前である場合は、その日の翌日に資格喪失したとして、資格喪失届も出さないといけない。
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 確認の請求(施行規則8条)
 「5項 (H22.10.01新設) 法22条5項に規定する者であつて、被保険者となつた日が法9条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の2年前の日より前にあるものが被保険者となつたことの確認の請求を文書で行う場合は、
 その者は、2項に規定する請求書に33条の2の各号に定めるいずれかの書類を添えて、その者を雇用し又は雇用していた事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」  
 「6項 (H22.10.01新設) 法22条5項に規定する者であつて、被保険者でなくなつた日が法9条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の2年前の日より前にあるものが被保険者でなくなつたことの確認の請求を文書で行う場合は、
 その者は、2項に規定する請求書に33条の2の各号に定めるいずれかの書類を添えて、その者を雇用し又は雇用していた事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」 
 2年を超えての遡及確認の請求が、所定の証明書類を提出することによりできるようになった。

 口頭で請求する場合も、33条の2の各号に定めるいずれかの書類を提出する。

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育児休業給付金  育児休業給付金(61条の4)
 「6項(H22.06.30新設) 被保険者の養育する子について、当該被保険者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)が当該子の1歳に達する日以前のいずれかの日において当該子を養育するための休業をしている場合における1項の規定の適用については、同項中「その1歳」とあるのは、「その1歳2か月」する」  
 
 パパ・ママ育児休業プラス 制度により、育児休業期間が1歳2か月まで延長された場合は、その延長期間についても育児休業給付金が支給されるようになった。過去問学習はこちらを
 育児休業給付の申請手続(施行規則101条の13)
 「被保険者は、初めて育児休業給付金の支給を受けようとするときは、
 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書に、休業開始時賃金証明票、母子健康手帳、労働者名簿、賃金台帳その他の休業に係る子があることの事実、被保険者が雇用されていることの事実、休業終了後の雇用の継続の予定(期間を定めて雇用される者に限る)賃金の支払状況及び賃金の額並び、
 1歳6箇月まで育児休業給付金が支給される場合に該当するときは、該当することを証明できる書類を、
 61条の4の6項(パパ・ママ育児休業プラス)の規定により、子の1歳に達する日の翌日以後の日に休業する場合にあっては、当該育児休業の申出に係る休業開始予定日とされた日が当該被保険者の配偶者がしている休業に係る休業期間の初日以後である事実を証明することができる書類
 を添えて、事業所を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」
 育児休業給付の申請手続の後段部を追加。
 ⇒パパ・ママ育児休業プラス の規定により、子が1歳を超える期間までの育児休業を申し出る場合は、その申出による休業開始予定日が、配偶者の休業期間の初日以後であるという証明をしなければならない。過去問学習はこちらを
届出  光ディスク等による手続(施行規則146条)H23.01.01
 「次の各号に掲げる届書については、それぞれ当該各号に掲げる届書に記載すべきこととされている事項を記録した光ディスク等及び当該各号に掲げる届書の区分に応じ当該各号に定める書類をもつて、当該各号に掲げる届書に代えることができる。  @資格取得届
 A資格喪失届
 B転勤届
 資格取得届のみフレキシブルディスク(フロッピディスク)でも可能であったものを、
 資格取得届、資格喪失届、転勤届について。光ディスク等(フロッピディスクのほか、CD-ROM、DVD-ROMなど)でも可能とした。
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雇用安定事業  定年引上げ等奨励金(施行規則104条) H23.04.01
 「定年引上げ等奨励金は、中小企業定年引上げ等奨励金、高年齢者職域拡大等助成金及び高年齢者雇用確保充実奨励金とする」 
 高年者雇用モデル企業助成金を廃止し、高年齢者職域拡大等助成金を新設
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 特定求職者雇用開発助成金(施行規則110条)H23.04.01
 「特定求職者雇用開発助成金は、特定就職困難者雇用開発助成金及び高年齢者雇用開発特別奨励金とする」
 緊急就職支援者雇用開発助成金を廃止
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 地域雇用開発助成金(施行規則112条) H23.04.01
 「地域雇用開発助成金は、地域求職者雇用奨励金、沖縄若年者雇用促進奨励金及び地域再生中小企業創業助成金とする」
 雇用創造先導的創業等奨励金、地域貢献活動雇用拡大助成金を廃止
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 育児・介護雇用安定等助成金(施行規則117条)H23.04.01
 「育児・介護雇用安定等助成金として、前条に規定するもののほか、事業所内保育施設設置・運営等助成金を支給するものとする」
 育児休業取得促進等助成金を廃止
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 人材確保等支援助成金(施行規則118条) H23.04.01
 「人材確保等支援助成金は、中小企業基盤人材確保助成金、介護労働者設備等導入奨励金、中小企業人材確保推進事業助成金及び建設雇用改善助成金とする」
 介護基盤人材確保等助成金、介護雇用管理制度等導入奨励金、介護未経験者確保等助成金、中小企業雇用安定化奨励金を廃止。
 介護労働者設備等整備モデル奨励金を介護労働者設備等導入奨励金に変更 過去問学習はこちらを
 均衡待遇・正社員化推進奨励金(118条の2)
「均衡待遇・正社員化推進奨励金は、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律2条に規定する短時間労働者又は期間の定めのある労働契約を締結する労働者について、その能力又は職務の内容等に応じた待遇についての通常の労働者と同一の制度の整備、通常の労働者への転換に関する制度の整備その他の通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図るための措置を実施する事業主に対して支給するものとする 」  
 「短時間労働者均衡待遇推進等助成金」から「均衡待遇・正社員化推進奨励金」に。
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 障害者雇用促進助成金(施行規則118条の3)
 「障害者雇用促進助成金は、発達障害者雇用開発助成金、難治性疾患患者雇用開発助成金、精神障害者雇用安定奨励金、職場支援従事者配置助成金及び重度障害者等多数雇用施設設置等助成金とする」
 事業協同組合等雇用促進事業助成金を廃止
 職場支援従事者配置助成金、重度障害者等多数雇用施設設置等助成金を新設。
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能力開発事業  キャリア形成促進助成金(施行規則125条)
 「キャリア形成促進助成金は、訓練等支援給付金及び中小企業雇用創出等能力開発助成金とする」
 職業能力評価推進給付金、地域雇用開発能力開発助成金を廃止。過去問学習はこちらを