24年度 法改正トピックス( 厚生年金保険法に関する主要改正点) | ||
改正後 | 改正ポイント | |
住民基本 台帳ネットワ | クの利用 |
厚生労働大臣による老齢厚生年金の受給権者の確認等(施行規則35条)
法改正(H23.07.019) 「厚生労働大臣は、毎月、住民基本台帳法の規定による老齢厚生年金の受給権者に係る本人確認情報の提供を受け、必要な事項について確認を行うものとする」 「同3項 厚生労働大臣は、1項の規定により必要な事項について確認を行つた場合において、老齢厚生年金の受給権者の生存の事実若しくは死亡の事実が確認されなかつたとき(次条1項に規定する場合を除く)又は厚生労働大臣が必要と認めるときには、当該受給権者に対し、当該受給権者の生存の事実について確認できる書類の提出を求めることができる」 |
1項: @いわゆる現況確認(生存確認)を住民基本台帳ネットワ-クにより行う場合は、支払期月の前月毎ではなく、毎月、行うことに。 Aまた、ただし書きを削除し、全額支給停止の場合においても、毎月行うことに。 2項:「若しくは死亡の事実」を追加することによって、住民基本台帳ネットワ-クにより生存、死亡いずれも不明の場合は、現況届の提出を求める。(死亡の事実が確認できた場合は、現況届の提出は求めない) ⇒すなわち従来は、「老齢厚生年金(障害も遺族も同じ)を送金する際に、支払月の前月に生存確認を行う」としていたが、同改正後は、受給権そのものの有無も確認するため、支払の有無を問わず、毎月、必ず生存確認を行うことにした。 |
住所変更届(施行規則38条)法改正(H23.07.01) |
( )書きを追加することにより、住民基本 台帳ネットワ-クから住所情報の提供を受けることができる者は、住所変更届は不要になった。 ただし、以下の者は住所変更のたびに個別に住所変更届を提出する。 ・届出住所と住民票登録住所が異なる者、あるいは異なることを希望する者 ・年金事務所へ届出た住民票コードと住基ネットのコードとが異なる者 ・外国籍、外国居住者 過去問学習はこちらを |
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年金受給権者死亡届(施行規則41条4項、5項)
法改正(H23.07.01) 「同4項 法98条4項ただし書に規定する厚生労働省令で定める受給権者は、厚生労働大臣が住民基本台帳法の規定により当該受給権者に係る本人確認情報の提供を受けることができる受給権者とする」 「同5項 法98条4項ただし書に規定する厚生労働省令で定める場合は、受給権者の死亡の日から7日以内に当該受給権者に係る戸籍法の規定による死亡の届出をした場合とする」 |
戸籍法による死亡届が7日以内に提出され、住基ネットで死亡の事実が確認できる受給権者は、年金事務所に死亡届を提出しなくてもよい。 ただし、「遺族厚生年金の受給権が発生する者」、「未支給の年金給付を請求できる者」には「未支給年金等のお知らせ」がくるので、年金事務所で請求をする必要がある。 過去問学習はこちらを |
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厚生年金基金 |
業務の委託(130条5項)(H23.08.10) 「基金は、その業務(加入員又は加入員であつた者に年金たる給付又は一時金たる給付の支給を行うために必要となるその者に関する情報の収集、整理又は分析を含む)の一部を、政令で定めるところにより、信託会社(信託業法の免許を受けたものに限る)、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る)、企業年金連合会その他の法人に委託することができる」 |
委託できる業務の範囲として、「(加入員又は加入員であつた者に年金たる給付又は一時金たる給付の支給を行うために必要となるその者に関する情報の収集、整理又は分析を含む)」を追加。 過去問学習はこちらを |
解散時等の一括徴収(138条5項)(H23.08.10) 「基金の設立事業所が減少する場合(設立事業所の事業主が、分割又は事業の譲渡により他の設立事業所の事業主以外の事業主にその事業の全部又は一部を承継させる場合その他の設立事業所の減少に相当するものとして厚生労働省令で定める事由が生じた場合を含む)において、当該減少に伴い他の設立事業所に係る掛金が増加することとなるときは、当該基金は、当該増加する額に相当する額として厚生労働省令で定める計算方法のうち規約で定めるものにより算定した額を、当該減少に係る設立事業所の事業主から掛金として一括して徴収するものとする」 |
設立事業所が減少する場合として、「設立事業所の事業主が、 ・分割又は事業の譲渡により他の設立事業所の事業主以外の事業主にその事業の全部又は一部を承継させる場合 ・その他の設立事業所の減少に相当するものとして厚生労働省令で定める事由が生じた場合(規約により加入員数が減少)を含む」を追加。 過去問学習はこちらを |
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指定基金の要件(基金令55条の5)(H23.11.16) 「2項 法178条の2の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする」 @直近3年間に終了した各事業年度の末日において、年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の9を乗じて得た額を下回つていること。 A直近に終了した事業年度の末日における年金給付等積立金の額が、責任準備金相当額に10分の8を乗じて得た額を下回つていること。 |
指定基金の要件として、Aを追加し、 ・3年間の各年度末において、責任準備金相当額の90%未満である、だけでなく、 ・直近年度末において、責任準備金相当額の80%未満の場合、も指令基金に該当するとした。 過去問学習はこちらを |
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特定基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例(附則33条)(H23.08.10) 「145条1項1号又は2号に掲げる理由により解散をしようとする基金(平成23年8月10日より前に設立されたもの(同日以後にに当該基金が合併し、又は分割したことにより設立されたものを含む)に限る)であつて、当該解散をしようとする日において年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回つていると見込まれるもの(特定基金)は、厚生労働大臣に対して、責任準備金相当額の減額を申し出ることができる」 「2項 前項の申出は、平成23年8月10日から起算して5年を経過する日までの間に限り行うことができる」 特定基金が解散する場合における責任準備金相当額の納付の猶予等(附則34条)(H23.08.10) 「同2項 前項の承認の申請は、平成23年8月10日から起算して5年を経過する日までの間に限り行うことができる」 猶予期間の延長(附則35条)(H23.08.10) 「厚生労働大臣は、政府が前条5項の規定により納付の猶予をした場合において、その納付計画の期間内にその猶予がされた金額を納付することができないやむを得ない理由があると認めるときは、当該特定基金の申請に基づき、 その納付の猶予を受けようとする期間の延長その他の納付計画の変更を承認することができる。 ただし、その期間は、既に当該特定基金につき納付計画に基づいて猶予をした期間と併せて15年を超えることができない」 ⇒猶予期間の延長は最大で15年 |
平成17年度に設けられて暫定措置と同様の趣旨で、年金給付等積立金が責任準備金相当額を下回っている厚生年金基金が解散する場合、責任準備金相当額の減額、納付の猶予(原則5年間)等の特例について、 平成23年8月10日から5年間の時限措置を設けた。 猶予期間の延長は最長10年から15年に。 過去問学習はこちらを |