28年度 法改正トピックス(労働一般に関する主要改正点)

  改正後 改正ポイント




退




  
 「17条 (28.04.01) 8条2項2号(中小企業者でない事業主となったとき)の規定により退職金共済契約が解除された際に、当該解除された退職金共済契約の共済契約者が、当該解除された退職金共済契約の被共済者に係る確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型)その他の政令で定める制度であつて、厚生労働省令で定める要件を備えているもの(特定企業年金制度等)の実施の通知をした場合には、前条1項の規定にかかわらず、機構は、当該被共済者に解約手当金を支給しない。
 この場合において、当該共済契約者が、当該解除後厚生労働省令で定める期間内に、当該被共済者の同意を得て、厚生労働省令で定めるところにより、当該通知に係る特定企業年金制度等への解約手当金に相当する額の引渡しに関する申出をしたときは、機構は、当該申出に基づき、当該被共済者に係る解約手当金に相当する額の範囲内の金額で厚生労働省令で定める金額を、確定給付企業年金法に規定する資産管理運用機関等、確定拠出年金法に規定する資産管理機関その他の当該特定企業年金制度等を実施する団体として厚生労働省令で定めるものに引き渡すものとする」
 共済契約者が事業の拡大などにより中小企業等でなくなったことにより契約が解除された場合、解約手当金相当額を移換できる相手先として、確定拠出年金(企業型)が追加された。
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 退職金等の支給に係る情報の提供(17条の2)(H28.04.01新規)
 「機構は、退職金等の請求が円滑に行われるようにするため、退職金等の支給を受けるべき者に対し、退職金等の支給に係る情報の提供に努めなければならない」
 機構は、住基ネットを活用して、退職金未請求者にお知らせするなどの情報提供を行い、未請求者の発生防止に努めなければならない。
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 通算(18条) (H28.04.01)
 「被共済者が退職した後3年以内に、退職金を請求しないで再び中小企業者に雇用されて被共済者(その者に支給されることとなる退職金の全部又は一部が 特定退職金共済団体に引き渡された被共済者を除く)となり、かつ、その者の申出があつた場合において、掛金納付月数が12月以上であるとき、又は掛金納付月数が12月未満であり、かつ、その退職が当該被共済者の責めに帰すべき事由若しくはその都合(厚生労働省令で定めるやむを得ない事情に基づくものを除く)によるものでないと厚生労働大臣が認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、前後の退職金共済契約に係る掛金納付月数を通算することができる」
 被共済者が転職等により、中退共(中小企業退職金共済)、特定業種退共(定業種退退職金共済)、特退共(特別退職金共済)実施事業所に移った場合、退職金の掛金納付月数を通算するための申出期間が、退職後2年であったのを3年以内に。
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 退職金共済事業を廃止した団体からの受入金額の受入れ等(31条の2) (H28.04.01新規)
 「事業主(退職金共済事業を廃止した団体であつて厚生労働省令で定めるもの。「廃止団体」という)との間で退職金共済に関する契約(事業主が団体に掛金を納付することを約し、当該団体がその事業主の雇用する従業員の退職について退職金を支給することを約する契約を締結していたものに限る)、その雇用する従業員を被共済者として退職金共済契約を締結した場合において、当該廃止団体が、機構との間で、当該退職金共済契約の被共済者となつた者について当該退職金共済に関する契約に基づき当該廃止団体に納付された掛金の総額及び掛金に相当するものとして政令で定める金額並びにこれらの運用による利益の額の範囲内の金額を機構に引き渡すことその他厚生労働省令で定める事項を約する契約を締結しており、当該事業主が厚生労働省令で定めるところにより申出をしたときは、機構は、当該廃止団体との契約で定めるところによつて、当該退職金共済契約の被共済者となつた者に係る当該金額を受け入れるものとする」
 特退共事業の実施団体(商工会議所等)がその事業を廃止した場合、一定の要件をみたせば、特退共事業から一般の中退共へ資産の移換を申し出ることができるように。
 すなわち、廃止された特退共事業による退職金積立金が、中退共において継続して運用できるように。
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 資産運用委員会(69条の2)(H27.10.01新規)
 「機構に、退職金共済業務に係る業務上の余裕金の運用に関する業務の適正な運営を図るため、資産運用委員会を置く」
 「3項資産運用委員会は、退職金共済業務に係る業務上の余裕金の運用状況その他の運用に関する業務の実施状況を監視する」
  資産運用委員(69条の4) (H27.10.01新規)
 「資産運用委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する」
 勤労者退職金共済機構による資産運用業務に関し、資産運用委員会を新設して、資産運用の基本方針の検討や資産運用業務に対する評価などを行うことにより、ガバナンス体制を強化。
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高年齢者

雇用安定法
 地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業の機会の確保に関する計画(34条) (H28.04.01新規)
 「地方公共団体は、単独で又は共同して、次条1項の協議会における協議を経て、地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業の機会の確保に関する計画(地域高年齢者就業機会確保計画)を策定し、厚生労働大臣に協議し、その同意を求めることができる」
 「同2項 地域高年齢者就業機会確保計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする」
@地域高年齢者就業機会確保計画の対象となる計画区域
A地域の特性を生かして重点的に高年齢者の就業の機会の確保を図る業種に関する事項
B国が実施する高年齢者の雇用に資する事業に関する事項
C計画期間
 「同5項 政府は、1項の同意を得た地域高年齢者就業機会確保計画(変更の同意があつたときは、その変更後のもの)に係る2項B号に規定する事業について、雇用保険法62条の雇用安定事業又は同法63条の能力開発事業として行うものとする」
 協議会(35条 (H28.04.01新規)
 「地方公共団体、関係機関、シルバー人材センター、事業主団体、高年齢者の就業に関連する業務に従事する者その他の関係者は、高年齢者の多様な就業の機会の確保に関する地域の課題について情報を共有し、連携の緊密化を図るとともに、地域高年齢者就業機会確保計画に関し必要な事項その他地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業の機会の確保の方策について協議を行うための協議会を組織することができる」
 地方公共団体を中心とした地域ネットワーク(協議会の設置等による)の下で、地域の実情に応じた多様な形態による就業の機会を掘り起こして、高齢者に提供するための計画とそれによる事業実施の仕組みを設けた。
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職業
能力開発
促進法
 職務経歴等記録書の普及(15条の4)
 「国は、労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するため、労働者の職務の経歴、職業能力その他の労働者の職業能力の開発及び向上に関する事項を明らかにする書面(職務経歴等記録書)の様式を定め、その普及に努めなければならない」
 「2項 国は、職務経歴等記録書の様式を定めるに当たつては、青少年の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上が促進されるように、その特性にも配慮するものとする」
 職務経歴等記録書(通称ジョブカード)は、個人の職歴、取得した免許・資格、教育・訓練履歴などを記載したもので、就職・求職、採用さらにはキャリアアップなどの面での活用が期待されているが、普及度合いが低いことに鑑み、国としても新たな様式を定め、一層の普及に努めることに。
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