令和2年度受験用 法改正トピックス (徴収法に関する主要改正点)    Tome塾Homeへ
  改正後 改正ポイント
高年齢労働者の保険料免除  高年齢労働者の保険料免除(11条の2削除) (R02.04.01施行)
 「政府は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業の事業主がその事業に高年齢労働者(厚生労働省令で定める年齢以上の労働者)を使用する場合には、政令で定めるところにより、その事業に係る一般保険料の額を、11条1項の規定による額から、事業主がその事業に使用する高年齢労働者に支払う賃金の総額(高年齢者賃金総額)に雇用保険率を乗じて得た額を超えない額を減じた額とすることができる」

 
 雇用保険被保険者の適用拡大に関する法改正(H29.01.01施行)により、65歳以上であっても「高年齢被保険者」と称する被保険者になることができることになった。
 よって、3年間の激変緩和期間を経て、令和2年4月1日から、高年齢労働者の保険料免除制度は廃止となった。
⇒平成31年度の確定保険料(令和2年7月10日までに申告・納付)では、H31.04.01に64歳以上であった者は免除となるが、同日までに申告・納付する令和2年度の概算保険料には、R02.04.01に64歳以上である者も免除とはならない。
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  高年齢労働者の労働保険料の負担(31条2項削除) (R02.04.01施行)
 「高年齢者免除額に係る事業に使用される高年齢労働者は、政令で定めるところにより、前項(31条1項)の規定にかかわらず、同項の規定による被保険者の負担すべき一般保険料の額を負担しない」
 上記により、64歳以上の高齢者に対する雇用保険は、事業者負担分だけでなく、本人負担分の免除も廃止となった。
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雇用保険率の弾力的運用  雇用保険率の弾力的変更(12条5項) 法改正(R02..04.01)
 「厚生労働大臣は、毎会計年度において、徴収保険料額並びに雇用保険法66条1項、2項及び5項の規定による国庫の負担額(育児休業給付に対する国庫負担額を除く)、同条6項の規定による国庫の負担額(雇用保険事業の事務の執行に要する経費に係る分を除く)並びに67条(広域延長給付)の規定による国庫の負担額の合計額と、同法の規定による失業等給付の額並びに64条(就職支援法事業)の規定による助成及び職業訓練受講給付金の支給の額との合計額(失業等給付額等)との差額を当該会計年度末における労働保険特別会計の雇用勘定の積立金に加減した額から、教育訓練給付の額及び雇用継続給付の額を減じた額が、当該会計年度における失業等給付額等から教育訓練給付の額及び雇用継続給付の額を減じた額の2倍に相当する額を超え、又は当該失業等給付額等から教育訓練給付の額及び雇用継続給付の額を減じた額に相当する額を下るに至つた場合において、必要があると認めるときは、労働政策審議会の意見を聴いて、1年以内の期間を定め、雇用保険率を・・・・の範囲内において変更することができる」
 「6項 法改正(28.04.01) 前項の「徴収保険料額」とは、労災保険及び雇用保険の保険関係が成立している事業に係る一般保険料の額のうち雇用保険率に応ずる部分の額の総額と、雇用保険に係る保険関係が成立している事業に係る一般保険料の額の総額とを合計した額(以下この項及び8項において一般保険料徴収額という)から当該一般保険料徴収額に育児休業給付率(1,000分の4の率を雇用保険率で除して得た率)を乗じて得た額及び当該一般保険料徴収額に二事業率(1,000分の3.5の率(建設の事業については、1,000分の4.5の率)を雇用保険率で除して得た率)を乗じて得た額を減じた額及び印紙保険料の額の総額の合計額をいう」
12条5項:弾力的変更の計算上において
・育児休業給付に対する国庫負担額を計算の対象から除く。
教育訓練給付の額及び雇用継続給付の額を、景気変動に左右されにくい給付と考えられるということで、計算の対象から除く。
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 12条6項:弾力的変更の計算上において、
・一般保険料において、高年齢労働者の保険料免除の部分を削除。
・育児休業給付率の部分を追加
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電子申請の義務化   概算保険料申告書の電子申請義務(施行規則24条3項) (02.04.01追加)
 「法15条1項の規定による申告書(労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託され ている事業に係るものを除く)の提出(保険年度の中途に保険関係が成立したものについての当該保険関係が成立した日から50日以内に行う申告書の提出を除く)は、特定法人にあつては、電子情報処理組織を使用して行うものとする。ただし、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子情報処理組織を使用することが困難であると認められる場合で、かつ、電子情報処理組織を使用しないで当該申告書の提出を行うことができると認められる場合は、この限りでない」

 資本金1億円以上の大会社等で、継続事業(一括有期事業を含む)を行う事業主は、
・年度更新による概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出金申告書と
・増加概算保険料申告書
 は電子申請で行うことが義務づけられた。
@「特定法人」とは、「事業年度開始の時における資本金の額、出資金の額若しくは銀行等保有株式取得機構がその会員から銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の規定により納付された当初拠出金の額及び売却時拠出金の額の合計額が1億円を超える法人、保険業法に規定する相互会社、投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人又は資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社をいう」
A「電子情報処理組織」とは、「政府の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む、以下同じ)と特定法人の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう」
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 増加概算保険料申告書の電子申請義務(施行規則25条3項) (R02.04.01追加)
 「法16条の規定による申告書(労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託されている事業に係るものを除く)の提出(法15条2項(有期事業)に規定する賃金総額の見込額が増加した場合に行う申告書の提出を除く)は、特定法人にあつては、電子情報処理組織を使用して行うものとする。ただし、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子情報処理組織を使用することが困難であると認められる場合で、かつ、電子情報処理組織を使用しないで当該申告書の提出を行うことができると認められる場合は、この限りでない」



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 確定保険料申告書の電子申請義務(施行規則33条2項)
 「法19条1項の規定による申告書(労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託され ている事業に係るものを除く)の提出は、特定法人にあつては、電子情報処理組織を使用して行うものとする。ただし、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子情報処理組織を使用することが困難であると認められる場合で、かつ、電子情報処理組織を使用しないで当該申告書の提出を行うことができると認められる場合は、この限りでない」  
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労働保険料の申告先  労働保険料の申告先(施行規則38条2項)(R02.04.01、1号追加)
 「前項の規定による申告書の提出は、次の区分に従い、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう)、年金事務所、所轄労働基準監督署又は所轄公共職業安定所長を経由して行うことができる」法改正(R02.01.01追加)
1号:概算保険料申告書であって 、一般保険料に係るもの(法4条の2による保険関係成立の届書(有期事業、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する事業及び2元適用事業に係るものを除く)に併せて、健康保険法施行規則19条1項による新規適用事業所の届書及び厚生年金保険法施行規則13条1項による新規適用事業所の届書又は雇用保険法施行規則141条1項による事業所の設置に係る届書を提出する場合に、これらの届書と同時に提出するものに限る):年金事務所、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長
 一般保険料に関する概算保険料申告書の提出にあたって、保険関係成立届、健康保険法と厚生年金保険法による新規適用届、雇用保険法による適用事業所設置届とを統一様式により併せて、同時に提出する場合は、年金事務所、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長を経由して行うことができる。
・対象事業は、一元適用の継続事業であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託していない事業 
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 新規適用事業所の届出の様式統一化(施行規則78条2項) (R02.01.01、大幅書替え) 
 「次の各号に掲げる規定により事業主が所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に対して行う届書であつて有期事業以外の事業に係るものの提出は、それぞれ当該各号に掲げる行政機関を経由して行うことができる」

@一元適用事業であって労働保険事務組合に事務を委託しない事業及び労災保険に係る保険関係が成立している事業の事業主が、法4条2項の保険関係成立の届書(有期事業、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する事業及び2元適用事業に係るものを除く)に併せて、健康保険法施行規則19条1項による新規適用事業所の届書及び厚生年金保険法施行規則13条1項による新規適用事業所の届書又は雇用保険法施行規則141条1項による事業所の設置に係る届書を提出する場合:年金事務所又は所轄公共職業安定所長
A雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業の事業主が、法4条2項の保険関係成立の届書(有期事業、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する事業及び2元適用事業に係るものを除く)に併せて、健康保険法施行規則19条1項による新規適用事業所の届書及び厚生年金保険法施行規則13条1項による新規適用事業所の届書又は雇用保険法施行規則141条1項による事業所の設置に係る届書を提出する場合:年金事務所又は所轄労働基準監督署長
B社会保険適用事業所の事業主が、法4条2項の保険関係成立の届書を提出する場合に限り(前二号に掲げる場合を除く)、5条2項(名称・所在地等変更の届)又は73条2項(代理人選任・解任の届):年金事務所
@、A
・徴収法による労働保険関係成立届は、協会健保事業主による健康保険法、厚生年金保険法による新規適用届、雇用保険法による「適用事業所設置届」をあわせて提出する場合は、統一様式を用いて、年金事務所経由で届出るほか。(本来の届出先が労働基準監督署の場合は)公共職業安定所あるいは(本来の届出先が公共職業安定所の場合は)労働基準監督署を経由して届けることもできる。
・対象事業は、一元適用の継続事業であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理が委託していない事業
B 内容は、旧施行規則78条2項に同じで、
 社会保険適用事業所の事業主が、保険関係成立の届書を提出する場合に限り、名称・所在地等変更の届又は代理人選任・解任の届を年金事務所経由で行うことができる。
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労働保険事務組合  地域制限 通達(H12.03.31発労徴31号) (R02.04.01廃止)
 「事務組合に委託することができる事業主は、原則として、事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業主とし、事務組合の事務処理体制その他の状況を考慮して、事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に隣接する都道府県に主たる事務所事業の事業主が全委託事業主の20%以内である場合には認可して差し支えない」)
 委託できる事業主の地域制限が廃止となったので、「組 合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を 持つ事業の事業主のほか、他の都道府県の事業の事業主に ついても、労働保険事務組合に労働保険事務を委託できる」ことに。
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