22年度 法改正トピックス( 健康保険法に関する主要改正点) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
改正後 | 改正ポイント | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全国健康保険協会 |
設立と業務(7条の2)H22.01.01 「3項 協会は、前項各号に掲げる業務のほか、 船員保険法の規定による船員保険事業に関する業務(厚生労働大臣が行うものを除く) 高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金等及び同法の規定による後期高齢者支援金等並びに 介護保険法の規定による介護納付金の納付に関する業務を行う」 |
「船員保険法の規定による船員保険事業に関する業務(厚生労働大臣が行うものを除く)」を追加 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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役員「7条の9) H22.01.01 「協会に、役員として、理事長1人、理事6人以内及び監事2人を置く」 |
理事5人を6人に 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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協会による保険料の徴収 | 協会による保険料の徴収(181条の3) 「厚生労働大臣は、協会と協議を行い、効果的な保険料の徴収を行うために必要があると認めるときは、協会に保険料の滞納者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該滞納者に係る保険料の徴収を行わせることができる」 |
改正前は、 「社会保険庁長官は、協会と協議を行い、効果的な保険料の徴収を行うために必要があると認めるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、協会に保険料の滞納者に関する情報 」となっていたが、 社会保険庁長官を厚生労働大臣に変更し、当然ながら「厚生労働大臣の認可」を不要とした。基礎知識と関連過去問はこちらを |
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滞納処分 | 督促及び滞納処分(180条)H22.01.01 「保険料その他この法律の規定による徴収金(204条の2(財務大臣への権限委任)、及び204条の6(機構が行う収納)を除き、以下「保険料等」という)を滞納する者(滞納者)があるときは、 保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の任意継続被保険者である場合又は協会が管掌する健康保険の被保険者若しくは日雇特例被保険者であって58条(不正利得の徴収)、74条2項及び109条2項の規定による徴収金を納付しなければならない場合は協会、 被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合は当該健康保険組合、これら以外の場合は 厚生労働大臣)は、 期限を指定して、これを督促しなければならない。 ただし、172条(繰上げ徴収)の規定により保険料を徴収するときは、この限りでない」 |
太字部分を追加して、 180条で督促・滞納処分を行う保険料・徴収金から、財務大臣への権限委任及び機構が行う収納を除くこととした。 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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延 滞 金 |
延滞金(181条) H22.01.01
「督促をしたときは、保険者等は、徴収金額に、納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までの
期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。
延滞金の割合の特例(附則9条)H22.01.01新設ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない」 「181条1項に規定する延滞金の年7.3パーセントの割合は、当分の間、同項の規定にかかわらず、各年の特例基準割合(各年の前年の11月30日を経過する時における日本銀行法の規定により定められる商業手形の基準割引率に年4パーセントの割合を加算した割合をいう)が年7.3パーセントの割合に満たない場合には、その年中においては、当該特例基準割合(0.1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる)とする」 |
延滞料の利息 年14.5%から 保険料に限り最初の3月は7.3%、それ以降14.5%に 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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事 務 の 委 任 |
機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任(204条)H22.01.01 「次に掲げる厚生労働大臣の権限に係る事務(181条の3の1項の規定により協会が行うこととされたもの及び前条1項の規定により市町村長が行うこととされたものを除く)は、日本年金機構に行わせるものとする。 ただし、18号から20号までに掲げる権限は、厚生労働大臣が自ら行うことを妨げない」
「2項 機構は、前項15号に掲げる国税滞納処分の例による処分及び同項17号に掲げる権限(以下「滞納処分等「という))その他同項各号に掲げる権限のうち厚生労働省令で定める権限に係る事務を効果的に行うため必要があると認めるときは、 厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に当該権限の行使に必要な情報を提供するとともに、厚生労働大臣自らその権限を行うよう求めることができる」 「3項 厚生労働大臣は、前項の規定による求めがあった場合において必要があると認めるとき、又は機構が天災その他の事由により1項各号に掲げる権限に係る事務の全部若しくは一部を行うことが困難若しくは不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする」 「4項 厚生年金保険法100条の4の4項から7項までの規定は、機構による1項各号に掲げる権限に係る事務の実施又は厚生労働大臣による同項各号に掲げる権限の行使について準用する」 |
旧204条 権限の委任 「この法律に規定する厚生労働大臣の権限の一部は、政令で定めるところにより、地方社会保険事務局長に委任することができる」 「204条2項 前項の規定により地方社会保険事務局長に委任された権限の一部は、政令で定めるところにより、社会保険事務所長に委任することができる」 は破棄され、 左のように大幅に改定された。 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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機構への事務の委託(205条の2) 新設(H22.01.01) 「厚生労働大臣は、機構に、次に掲げる事務(181条の3の1項の規定により協会が行うこととされたもの及び203条1項の規定により市町村長が行うこととされたものを除く)を行わせるものとする」
「2項 厚生年金保険法100条の10(機構への事務の委託)の2項及び3項の規定は、前項の規定による機構への事務の委託について準用する。 この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める」 |
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財務大臣への権限の委任(204条の2)
H22.01.01新設 「厚生労働大臣は、前条3項の規定により滞納処分等及び 同条1項16号に掲げる権限の全部又は一部を自らが行うこととした場合におけるこれらの権限並びに 同号に規定する厚生労働省令で定める権限のうち厚生労働省令で定めるもの(以下この項において(「滞納処分等その他の処分}という)に係る納付義務者が滞納処分等その他の処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため保険料その他この法律の規定による徴収金(58条(不正利得の徴収)、74条2項(一部負担金の未払)及び109条2項(傷病手当金と報酬の調整における報酬の未払)(149条においてこれらの規定を準用する場合を含む)の規定による徴収金を除く。204条の6の1項において 「保険料等」という)の 効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、 政令で定めるところにより、財務大臣に、当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、 当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる」 「2項 厚生年金保険法100条の5(財務大臣への権限の委任)の2項から7項までの規定は、前項の規定による財務大臣への権限の委任について準用する」 |
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機構が行う滞納処分等に係る認可等(204条の3) H22.01.01新設 「機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、次条1項に規定する滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない」 「2項 厚生年保険法100条の6(機構が行う滞納処分の認可)の2項及び3項の規定は、前項の規定による機構が行う滞納処分等について準用する」 |
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滞納処分等実施規程の認可等(204条の4)H22.01.01新設 「機構は、滞納処分等の実施に関する規程(「滞納処分等実施規程)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする」 「2項 厚生年金保険法100条の7(滞納処分等実施規程の認可)の2項及び3項の規定は、滞納処分等実施規程の認可及び変更について準用する」 |
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機構が行う立入検査等に係る認可等(204条の5)H22.01.01新設 「機構は、204条1項19号に掲げる権限に係る事務を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けなければならない」 「2項 前項に規定する場合における198条(立入検査)1項の規定の適用については、同項中「当該職員」とあるのは、「機構の職員」とする」 |
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機構が行う収納(204条の6) H22.01.01新設 「厚生労働大臣は、会計法7条1項の規定にかかわらず、政令で定める場合における保険料等の収納を、政令で定めるところにより、機構に行わせることができる」 「2項 厚生年金保険法100条の11(機構が行う収納)2項から6項までの規定は、前項の規定による機構が行う収納について準用する。 この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める」 |
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地方厚生局長等への権限の委任(205条) H22.01.01 「この法律に規定する厚生労働大臣の権限(204条の2の1項及び2項において準用する厚生年金保険法100条の5の2項に規定する厚生労働大臣の権限を除く)は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる」 |
厚生労働大臣から地方厚生局長に委任できる権限の中から、財務大臣への権限委任を除くこととした。 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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情報の提供等(205条の3)H22.01.01新設 「機構は、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格に関する事項、標準報酬に関する事項その他厚生労働大臣の権限の行使に関して必要な情報の提供を行うものとする」 「2項 厚生労働大臣及び機構は、この法律に基づく協会が管掌する健康保険の事業が、適正かつ円滑に行われるよう、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする」 |
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罰 則 |
罰則(221条) H22.01.01新設 「機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、20万円以下の過料に処する」 @204条の3(機構が行う滞納処分等に係る認可)の1項、2項において準用する厚生年金保険法100条の6(機構が行う滞納処分の認可)の2項、204条の4の1項、204条の5の(機構が行う立入検査等に係る認可)1項及び204条の6(機構が行う収納)の2項において準用する同法100条の11(機構が行う収納)2項の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。 A204条の4(滞納処分等実施規程の認可等)の2項において準用する厚生年金保険法100条の7(滞納処分等実施規程の認可等)の3項の規定による命令に違反したとき。 |
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二以上の事業所に使用される者の保険者 選択(施行規則1条2項) (H22.01.01) 「前項の場合において、当該2以上の事業所に係る日本年金機構の業務が2以上の年金事務所に分掌されているときは、被保険者は、その被保険者に関する機構の業務を分掌する年金事務所を選択しなければならない。 ただし、前項の規定により健康保険組合を選択しようとする場合はこの限りでない」 選択の届出(施行規則2条) (H22.01.01) 「前条1項の選択は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、次に掲げる事項(事業所整理記号及び被保険者整理番号(健康保険組合が管掌する健康保険にあっては、被保険者証の記号及び番号、被保険者の氏名及び生年月日等)を記載した届書を 全国健康保険協会を選択しようとするときは厚生労働大臣に、 健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うものとする」 「2項 前項の届出を受けたときは、厚生労働大臣にあっては関係する健康保険組合及び事業主に、健康保険組合にあっては厚生労働大臣又は関係する健康保険組合及び事業主に、その旨を通知しなければならない」 |
同時に二以上の事業所に使用される者
は、保険者として、全国健康保険協会を選択するときは(業務を担当する年金事務所があるときは、年金事務所も選択して) 厚生労働大臣に選択届を提出する。 |
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高額療養費 |
ひとつの病院(施行令43条8項)(H22.04.01) 「歯科診療及び歯科診療以外の診療を併せ行う保険医療機関は、施行令41条の規定の適用については、歯科診療及び歯科診療以外の診療につきそれぞれ別個の保険医療機関とみなす」 |
「2以上の診療科名を有する保険医療機関であって厚生労働省令で定めるものは別個の保険医療機関とみなす」は削除。 すなわち、改正前までは複数の診療科をもついわゆる総合病院は、診療科ごとに別の病院としていたが、これを廃止。 歯科と歯科以外で分ける。基礎知識と関連過去問はこちらを |
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出産育児一時金 | 平成21年10月から平成23年3月までの間の出産に係る出産育児一時金等に関する経過措置(施行令附則7条) (H21.10.01) 「被保険者若しくは日雇特例被保険者若しくはこれらの者であった者又は被扶養者が、平成21年10月1日から平成23年3月31日までの間に出産したときに支給する出産育児一時金又は家族出産育児一時金についての36条の規定の適用については、 同条中「35万円」とあるのは、「39万円」とする」 |
産科医療補償制度に加入する医療機関等において、平成23年3月31日までの間に出産したときは、 39万円+3万円 基礎知識と関連過去問はこちらを |
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