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 時季指定権・時季変更権、計画的付与
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 22-2選択23-2選択27-2選択29-1選択令5-2選択
関連条文 時季指定権と時季変更権(39条5項)、計画的付与(39条6項)、年次有給休暇の時季指定義務(39条7項)、年次有給休暇管理簿(施行規則24条の7)



























1.時季指定権と時季変更権(39条5項)
 「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。
 ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」   
⇒使用者は労働者の時季指定の申し出を拒否する権利は有していない。
 これに対抗できる唯一のものは、時季変更権であるが、「業務の正常な運営を妨げる場合」のみ、時季を変更できる。 
20
5A
 年次有給休暇の権利は、労働基準法第39条所定の要件を満たすことによって法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまって始めて生ずるものではないとするのが最高裁判所の判例である。(基礎)

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22
6B
 労働者の時季指定による年次有給休暇は、労働者が法律上認められた休暇日数の範囲内で具体的な休暇の始期と終期を特定して時季指定をし、使用者がこれを承認して初めて成立するとするのが最高裁判所の判例である。(20-5Aの応用)

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23
2

3
 年次有給休暇の時季指定の効果は、使用者の適法な時季変更権の行使を| B |として 発生するのであって、年次休暇の成立要件として、労働者による「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」の概念を容れる余地はないものといわなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。(22-6Bの類型)

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20
5C
 労働者の年次有給休暇の時季指定に対し、労働基準法の趣旨として、使用者は、できるだけ労働者が指定した時季に休暇をとれるよう状況に応じた配慮をすることが要請されているものとみることができるとするのが最高裁判所の判例である。

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5
7D
 労働基準法第39条第5項ただし書にいう「事業の正常な運営を妨げる場合」か否かの判断に当たり、勤務割による勤務体制がとられている事業場において、「使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより代替勤務者が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということはできないと解するのが相当である」とするのが、最高裁判所の判例である。

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22
2

 「労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合においては、それが長期のものであればあるほど…(略)…事業の正常な運営に支障を来す蓋然性が高くなり、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との|  |を図る必要が生ずるのが通常」であり、労働者がこれを経ることなく、「その有する年次有給休暇の日数の範囲内で始期と終期を特定して長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をした場合には、これに対する使用者の時季変更権の行使については…(略)…使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ない」とあるのが最高裁判所の判例である。(発展)

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29
1

 最高裁判所は、労働者が長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をした場合に対する、使用者の時季変更権の行使が問題となった事件において、次のように判示した。
 労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合においては、それが長期のものであればあるほど、使用者において代替勤務者を確保することの困難さが増大するなど| A |に支障を来す蓋然性が高くなり、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との事前の調整を図る必要が生ずるのが通常である。[・・・(略)・・・]
 労働者が、右の調整を経ることなく、その有する年次有給休暇の日数の範囲内で始期と終期を特定して長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をした場合には、これに対する使用者の時季変更権の行使については、[・・・(略)・・・]使用者にある程度の| B |の余地を認めざるを得ない。
 もとより、使用者の時季変更権の行使に関する右| B |は、労働者の年次有給休暇の権利を保障している労働基準法39条の趣旨に沿う、合理的なものでなければならないのであって、右| B |が、同条の趣旨に反し、使用者が労働者に休暇を取得させるための状況に応じた配慮を欠くなど不合理であると認められるときは、同条3項(現5項)ただし書所定の時季変更権行使の要件を欠くものとして、その行使を違法と判断すべきである。(22-2選択の類型)

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24
6オ
 労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合には、使用者との事前の調整を経なければ、時季指定権を行使することができない。(22-2選の応用)

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14
5B
 労働基準法第39条の年次有給休暇の権利の実効を確保するため、同法では、使用者は、毎年度当初に、個々の労働者に対して、その年度においてそれぞれの労働者が取得可能な年次有給休暇の日数を通知し、その請求予定時季を聴かなければならないこととされている。(応用)
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11
4D
 使用者は、法定の年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取り扱いをしないようにしなければならないが、労働者から請求された時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に年休有給休暇を与えることができる。(基礎)
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27
2

 最高裁判所は、労働基準法第39条第5項(当時は第3項)に定める使用者による時季変更権の行使の有効性が争われた事件において、次のように判示した。「労基法39条3項〔現行5項〕ただし書にいう「事業の正常な運営を妨げる場合」か否かの判断に当たつて、| B |配置の難易は、判断の一要素となるというべきであるが、特に、勤務割による勤務体制がとられている事業場の場合には、重要な判断要素であることは明らかである。したがつて、そのような事業場において、使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して| B |を配置することが客観的に可能な状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより| B |が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということはできないと解するのが相当である。そして、年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところである〔……〕から、勤務割を変更して| B |を配置することが可能な状況にあるにもかかわらず、休暇の利用目的のいかんによつてそのための配慮をせずに時季変更権を行使することは、利用目的を考慮して年次休暇を与えないことに等しく、許されないものであり、右時季変更権の行使は、結局、事業の正常な運営を妨げる場合に当たらないものとして、無効といわなければならない」

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5
2
選択
 最高裁判所は、労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過した後にされた使用者の時季変更権行使の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
 「労働者の年次有給休暇の請求(時季指定)に対する使用者の時季変更権の行使が、労働者の指定した休暇期間が開始し又は経過した後にされた場合であつても、労働者の休暇の請求自体がその指定した休暇期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、それが事前にされなかつたことのゆえに直ちに時季変更権の行使が不適法となるものではなく、客観的に右時季変更権を行使しうる事由が存し、かつ、その行使が | B |されたものである場合には、適法な時季変更権の行使があつたものとしてその効力を認めるのが相当である」

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時間単位休暇の時季変更 25
2オ
 労働基準法第39条第4項の規定により、労働者が、例えばある日の午前9時から午前10時までの1時間という時間を単位ととしての年次有給休暇の請求を行った場合において、使用者は、そのような短時間であってもその時間に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げるときは、同条第5項のいわゆる時季変更権を行使することができる。(11-4Dの発展)
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3
2E
 労働基準法第39条に従って、労働者が日を単位とする有給休暇を請求したとき、使用者は時季変更権を行使して、日単位による取得の請求を時間単位に変更することができる。
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退





16
6E
 6月30日をもって解雇により退職することの決まっている労働者が、労働基準法上20日分の年次有給休暇権を有している場合において、所定の手続に従って、6月15日から同月30日までの年次有給休暇を請求したときには、使用者は、いかに業務が繁忙であっても、当該労働者の解雇予定日を超えての時季変更は行えない。(応用)
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2.計画的付与(39条6項)
 「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、
 有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、前項(時季指定権・時季変更権)の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる」
 「S63.3.14基発150 計画的付与の場合には、時季指定権及び時季変更権は、ともに行使できない」
 年次有給休暇の労使協定による計画的付与(通達63.01.01基発1号)
@趣旨:我が国における年次有給休暇の取得率が、完全取得が原則である欧米諸国と比べてきわめて低い水準にとどまっていることにかんがみ、年次有給休暇の取得率を向上させ、労働時間短縮を推進するためには、職場において、労働者が自己の業務を調整しながら、気がねなく年次有給休暇を取得できることとすることが有効であることから、労働者の個人的事由による取得のために一定の日数を留保しつつ、これを超える日数については、労使協定による計画的付与を認めることとしたものである。
A計画的付与の方法:年次有給休暇の労使協定による計画的付与は、労使協定により年次有給休暇を与える時期に関する定めをしたときは、法39条5項(時季変更権)の規定にかかわらず、その定めにより年次有給休暇を与えることができるものであること。
 年次有給休暇の計画的付与の方式としては、
・事業場全体の休業による一斉付与方式、
・班別の交替制付与方式、
・年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式等が考えられる。
20
5D
 労働基準法第39条第6項の規定に基づき、労使協定により年次有給休暇の計画的付与の定めがなされた場合には、使用者は、年次有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、労働者の時季指定にかかわらず、当該労使協定の定めに従って年次有給休暇を付与することができる。(基礎)

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25
2ア
 使用者は、労働基準法第32条の3の規定によりその労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる、いわゆるフレックスタイム制の適用を受ける労働者についても、同法第39条第6項に定める年次有給休暇の計画的付与の対象とすることができる。

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22
6D
 労働基準法第39条第6項に定める年次有給休暇の計画的付与は、当該事業場の労使協定に基づいて年次有給休暇を計画的に付与しようとするものであり、個々の労働者ごとに付与時期を異なるものとすることなく、事業場全体で一斉に付与しなければならない。(応用)

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17
4D
 労働基準法第39条第6項の規定に基づくいわゆる労使協定による有給休暇を与える時季に関する定めは、免罰的効力を有するに過ぎないので、同条第4項の規定に基づく個々の労働者のいわゆる時季指定権の行使を制約するには、さらに就業規則上の根拠を必要とする。(応用)
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17
5C
  年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はない。また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について、労働基準法第39条第6項の規定に基づく年次有給休暇を与える時季に関する定めをした場合においても、同様に、当該日には年次有給休暇を取得したものとは解されない。(発展)
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15
5C
 いわゆる計画年休制度を採用している事業場で、労働基準法第39条第6項の規定に基づく労使協定によって年次有給休暇を与える時季に関する定めをした場合において、当該労使協定によって計画的付与の対象となっている労働者について計画年休期間中に労働させる必要が生じたときには、使用者は、相当程度の時間的余裕をもって行えば、当該労働者について、時季変更権を行使することができる。(発展)
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17
4E
 いわゆる年次有給休暇の計画的付与の対象となる年次有給休暇の日数については、前年度から繰り越された有給休暇日数は含まれないところから、前年度から年次有給休暇日数が3日繰り越され、当年度に新たに12日分の権利が発生した労働者については、当年度に新たに発生した12日分の権利のうち5日を超える部分である7日に限り計画的付与の対象とすることができる。(発展)
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  3.年次有給休暇の時季指定義務
 「39条7項 法改正(H31.04.01追加) 使用者は、1項から3項までの規定による有給休暇(これららの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が10労働日以上である労働者に係るものに限る)の日数のうち5日については、基準日(継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう)から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない
 ただし、1項から3項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない」
⇒「1項から3項まで」とは、1項(雇入れから6か月後に10日)、2項(その後1年経過毎に加算した日数)、3項(比例付与による日数)の有給休暇ということ。
 「39条8項 法改正(H31.04.01追加) 前項の規定にかかわらず、5項(時季指定権・時季変更権)又は6項(計画的付与)の規定により1項から3項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が5日を超える場合には、5日とする)分については、時季を定めることにより与えることを要しない」
年次有給休暇の時季指定義務
@与えるべき有給休暇日数が10日以上である労働者について、労働者側からの指定(あるいはそれに代わる時季変更権に基づく変更指定)、計画的付与によっても5日間以上とならない場合は、7項により、合計で5日以上となるように、使用者は労働者ごとにその時季を指定して与えなければならない。
⇒与えるべき有給休暇日数が10日以上である労働者とは比例付与対象者の一部を除くすべての労働者である
A「基準日より前の日から与える場合」も、使用者は労働者ごとにその時季を指定して与えなければならない。
Bいずれも、違反の場合は30万円以下の罰金(120条)
Cその他の注意すべき事項(通達H30.12.28基発1228-153、39条7項、8項関係)
ア:就業規則への記載:休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であるため、使用者が39条7項による時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載する必要がある。
イ:事後における時季変更の可否:指定した時季について、使用者が意見聴取の手続を再度行い、その意見を尊重することによって変更することは可能である。
 また、使用者が指定した時季について、労働者が変更することはできないが、使用者が指定した後に労働者に変更の希望があれば、使用者は再度意見を聴取し、その意見を尊重することが望ましい
ウ:時季指定後に労働者が自ら年次有給休暇を取得した場合:あらかじめ使用者が時季指定した年次有給休暇日が到来するより前に、労働者が自ら年次有給休暇を5日間以上取得した場合は、当初使用者が時季指定した日に労働者が年次有給休暇を取得しなくても、39条7項違反とはならない。
 なお、この場合において、当初使用者が行った時季指定は、使用者と労働者との間において特段の取決めがない限り、当然に無効とはならない。
 「基準日より前の日から与える場合」とは、「斉一的取扱い」あるいは「雇入れ後6か月を待たずに有給休暇を与える」場合のこと。
 これについては、
@雇入れ後6か月を待たずに有給休暇を与える場合 (基準日より前に10日以上付与するとした第1基準日を設定した場合)
 例えば、4月1日の入社時から10日以上の年次有給休暇を付与する場合
・4月1日が第1基準日となり、その日から1年以内(翌年3月31日まで)に、5日以上取得していない場合は、合計で5日以上となるように、使用者は労働者ごとにその時季を指定して与えなければならない。
・それ以降は、4月1日をみなし基準日とする。
A「斉一的取扱い」の場合 (基準日又は第1基準日から1年以内の特定の日に、新たに10日以上付与するとした第二基準日を設定した場合
 例えば、4月1日の入社の者に対して、初年度は10月1日から付与、2年度からは4月1日に付与するとした場合
・初年度は基準日(10月1日)から翌年9月30日までに5日付与と、翌年度以降は第2基準日(4月1日)から翌年3月31日まで5日付与と、付与義務の期間が重複することなる。
 この場合は、履行期間(基準日から、第2基準日から1年経過する日まで)に、その月数/12×5の日数以上となるように指定することができる。
・上記の例では、履行期間は10月1日から翌々年3月31日までで、18/12×5=7.5日以上となるように指定することができる。
・それ以降は、4月1日をみなし基準日とする。
  厚生労働省令で定めるところ(施行規則24条の5) 法改正(H31.04.01新規)
 「使用者は、法39条7項ただし書の規定により同条1項から3項までの規定による10労働日以上の有給休暇を与えることとしたときは、当該有給休暇の日数のうち5日については、基準日より前の日であつて、10労働日以上の有給休暇を与えることとした日(第一基準日)から1年以内の期間に、その時季を定めることにより与えなければならない」
 「施行規則24条の5の2項 前項の規定にかかわらず、使用者が法39条1項から3項までの規定による10労働日以上の有給休暇を基準日又は第一基準日に与えることとし、かつ、当該基準日又は第一基準日から1年以内の特定の日(第二基準日)に新たに10労働日以上の有給休暇を与えることとしたときは、履行期間(基準日又は第一基準日を始期として、第二基準日から1年を経過する日を終期とする期間)の月数を12で除した数に5を乗じた日数について、当該履行期間中に、その時季を定めることにより与えることができる」
 「施行規則24条の5の3項 1項の期間又は前項の履行期間が経過した場合においては、その経過した日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日を基準日とみなして法39条7項本文の規定を適用する」
 時季指定に関する使用者の意見聴取義務(施行規則24条の6) 法改正(H31.04.01新規)
 「使用者は、法39条7項の規定により労働者に有給休暇を時季を定めることにより与えるに当たつては、あらかじめ、同項の規定により当該有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならない」
 「施行規則24条の6の2項 使用者は、前項の規定により聴取した意見を尊重するよう努めなければならない」
時季指定に関する使用者の意見聴取義務
@使用者により時季を指定する場合は、あらかじめ、時季指定による当該年次有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならない。
 具体的には、基準日から1年を経過する日までの間の適時に、労働者から年次有給休暇の取得を希望する時季を申告させることが考えられる。
A使用者は、年次有給休暇の時季を定めるに当たっては、できる限り労働者の希望に沿った時季指定となるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければならない。
B半日単位での有給休暇取得の希望があった場合に、使用者が半日単位で時季指定することは許される(0.5日分とカウントできる)。
 ただし、時間単位での付与は、希望があったとしても、5日間の一部としてカウントすることはできない。
 年次有給休暇管理簿(施行規則24条の7) 法改正(H31.04.01新規)
 「使用者は、法39条5項から7項までの規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日(第一基準日及び第二基準日を含む)を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、当該有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければならない」
⇒法39条5項(労働者からの時季指定権、使用者による時季変更権)、同6項(計画的付与)、同7項(5日に満たない場合の使用者の指定による付与義務)の規定により有給休暇を与えたとき、その内容等を労働者ごとに作成。
⇒作成・保存義務は省令上の義務であり、法109条に規定する重要文書にはなっていない。 
 年次有給休暇管理簿の調整(施行規則55条の2) 法改正(H31.04.01改正)
 
「使用者は、年次有給休暇管理簿、労働者名簿又は賃金台帳をあわせて調製することができる」

2
6E
 使用者は、労働基準法第39条第7項の規定により労働者に有給休暇を時季を定めることにより与えるに当たっては、あらかじめ、同項の規定により当該有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならず、これにより聴取した意見を尊重するよう努めなければならない。
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正しい 誤り