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強制労働の禁止、中間搾取の排除、賠償予定の禁止、前借金相殺の禁止、強制貯金の禁止、監督機関、申告、付加金の支払、時効、罰則、両罰規定 | |||||||||||||||||||||
関連過去問 10-1D、10-2C、10-2E、11-5C、12-2A、12-2E、13-1A、13-1B、13-1E、13-4C、14-1D、14-2D、14-2E、14-7A、15-1C、15-3D、16-1C、17-7A、18-1C、18-2D、20-1A、20-1B、20-1C、20-1D、20-7A、20-7B、20-7C、20-7E、21-1D、22-1A、22-1B、22-3C、23-1B、23-2C、23-2D、23-2E、24-1E、25-6D、25-6E、26-1A、26-1B、27-1D、27-3D、28-1エ、28-2C、28-2D、28-2E、29-5イ、29-5ウ、30-5B、令元ー3イ、令元ー4B、令2-2C、令2−4B、令2−4C、令3-1C、令3-2C、令3-2D、令4-4D、令4-5C、令4-5D、令5-4C、令5-4D、令5-5C、令6-3C、令6-3D 11-選択、11-2選択、令3-1選択、令5-1選択 |
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関連条文 強制労働の禁止(5条)、中間搾取の排除(6条)、賠償予定の禁止(16条)、前借金相殺の禁止(17条)、強制貯金の禁止(18条) 監督機関職員(97条)、労働基準主管局長等の権限(99条)、女性主管局長の権限(100条)、労働基準監督官の権限(101条)、申告(104条)、報告(104条の2)、労働基準監督官の義務(105条)、国の援助義務(105条の2)、命令の制定(113条)、付加金の支払(114条)、時効(115条)、罰則、両罰規定(121条) |
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強 制 労 働 の 禁 止 |
1.強制労働の禁止(5条)(基礎講座参照) 「使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない」 @趣旨 通達(S23.3.2基発381) @’5条における労働関係(補足) A「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段の解釈について」通達(S22.09.13発基17号5条関係、他) B不当とは、こちらを C監禁とは、こちらを |
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20 1A |
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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令 2 4B |
労働基準法第5条に定める「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」の「不当」とは、本条の目的に照らし、かつ、個々の場合において、具体的にその諸条件をも考慮し、社会通念上是認し難い程度の手段をいい、必ずしも「不法」なもののみに限られず、たとえ合法的であっても、「不当」なものとなることがある。( 発展) | ||||||||||||||||||||
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令 3 1C |
労働基準法第5条に定める「脅迫」とは、労働者に恐怖心を生じさせる目的で本人又は本人の親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して、脅迫者自ら又は第三者の手によって害を加えるべきことを通告することをいうが、必ずしも積極的言動によって示す必要はなく、暗示する程度でも足りる。 | ||||||||||||||||||||
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令 5 4C |
労働基準法第5条に定める「監禁」とは、物質的障害をもって一定の区画された場所から脱出できない状態に置くことによって、労働者の身体を拘束することをいい、物質的障害がない場合には同条の「監禁」に該当することはない。 | ||||||||||||||||||||
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5 条 違 反 の 罰 則 |
21 1D |
労働基準法第5条が禁止する労働者の意思に反する強制労働については、労働基準法上最も重い罰則が定められている。(20-1Aの応用) | |||||||||||||||||||
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29 5イ |
労働基準法第5条に定める強制労働の禁止に違反した使用者は、「1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金」に処せられるが、これは労働基準法で最も重い刑罰を規定している。 (21-1Dの類型) | ||||||||||||||||||||
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10 1D |
強制労働として禁止されているのは、暴行、脅迫、監禁又は3年(一定の場合は5年)を超える長期契約により、労働者の意思に反して労働を強いることに限られている。(応用) | ||||||||||||||||||||
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27 1D |
強制労働を禁止する労働基準法第5条の構成要件に該当する行為が、同時に刑法の暴行罪、脅迫罪又は監禁罪の構成要件にも該当する場合があるが、労働基準法第5条違反と暴行罪等とは、法条競合の関係(吸収関係)にあると解される。(発展) | ||||||||||||||||||||
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令 4 4D |
使用者の暴行があっても、労働の強制の目的がなく、単に「怠けたから」又は「態度が悪いから」殴ったというだけである場合、刑法の暴行罪が成立する可能性はあるとしても、労働基準法第5条違反とはならない。 | ||||||||||||||||||||
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5 条 に お け る 労 働 関 係 |
13 1A |
暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって労働者の意思に反して労働を強制することを禁じる労働基準法第5条の規定の適用については、同条の義務主体が「使用者」とされていることから、当然に、労働を強制する使用者と強制される労働者との間に労働関係があることが前提となるが、その場合の労働関係は必ずしも形式的な労働契約により成立していることを要求するものではなく、当該具体例において事実上労働関係が存在すると認められる場合であれば足りる。(発展) | |||||||||||||||||||
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26 1A |
労働基準法第5条は、使用者が労働者に強制労働をさせることを禁止しているが、必ずしも形式的な労働契約により労働関係が成立していることを要求するものではなく、当該具体例において事実上労働関係が存在すると認められる場合であれば足りるとされている。(13-1Aの類型) | ||||||||||||||||||||
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令元 3イ |
労働基準法第5条は、使用者は、労働者の意思に反して労働を強制してはならない旨を定めているが、このときの使用者と労働者との労働関係は、必ずしも形式的な労働契約により成立していることを要求するものではなく、事実上の労働関係が存在していると認められる場合であれば足りる。 (13-1Aの類型) | ||||||||||||||||||||
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中 間 搾 取 の 排 除 |
2.中間搾取の排除(6条)(基礎講座参照) 「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」 @「趣旨」 通達(S23.3.2基発381(6条関係)) A「何人も」 通達(S23.03..02基発381その2) B「業として利益を得る」 通達(S23.03..02基発381その3) C「3者の関係」 通達(S23.03..02基発381その4) D「就業とは」 通達(S23.03..02基発381その5、他) E「介入」 通達(S23.03..02基発381その6、他) F「法人の従業者の中間搾取」通達(S34.02.16基収8770号) 法律に基いて許される場合 @職業安定法 ・有料職業紹介(職安法30条(厚生労働大臣の許可)、同32条の3(手数料) ・委託募集(職安法36条(厚生労働大臣の許可)、同36条2項(被用者以外の者に委託した場合の報酬の額) A船員職業法(国土交通大臣の許可を得て、被用者以外の者の委託して船員を募集) |
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20 1C |
何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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23 1B |
何人も、他の法律の定め如何にかかわらず、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。(20-1Cの類型) | ||||||||||||||||||||
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令2 4C |
労働基準法第6条に定める「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」の「利益」とは、手数料、報償金、金銭以外の財物等いかなる名称たるかを問わず、また有形無形かも問わない。 | ||||||||||||||||||||
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何 人 も と は |
26 1B |
労働基準法第6条は、業として他人の就業に介入して利益を得ることを禁止しており、その規制対象は、使用者であるか否かを問わないが、処罰対象は、業として利益を得た法人又は当該法人のために実際の介入行為を行った行為者たる従業員に限定される。(20-1Cの応用) | |||||||||||||||||||
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28 1エ |
労働基準法第6条は、法律によって許されている場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならないとしているが、その規制対象は、私人たる個人又は団体に限られ、公務員は規制対象とならない。(26-1Bの類型) | ||||||||||||||||||||
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令 5 4D |
法人が業として他人の就業に介入して利益を得た場合、労働基準法第6条違反が成立するのは利益を得た法人に限定され、法人のために違反行為を計画し、かつ実行した従業員については、その者が現実に利益を得ていなければ同条違反は成立しない。 | ||||||||||||||||||||
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業として利益を得るとは | 13 1B |
中間搾取の禁止を規定する労働基準法第6条における「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいう。したがって、1回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば充分であり、それが主業としてなされる場合と副業としてなされる場合とを問わない。(発展) | |||||||||||||||||||
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29 5ウ |
労働基準法第6条は、法律によって許されている場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならないとしているが、「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反覆継続することをいい、反覆継続して利益を得る意思があっても1回の行為では規制対象とならない。 (13-1Bの類型) | ||||||||||||||||||||
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労 働 者 派 遣 |
14 1D |
労働者派遣は、派遣元と労働者との間の労働契約関係及び派遣先と労働者との間の指揮命令関係を合わせたものが全体として当該労働者の労働関係となるものであり、したがって、派遣元による労働者の派遣は、労働関係の外にある第三者が他人の労働関係に介入するものではなく、労働基準法第6条の中間搾取に該当しない。(基礎) | |||||||||||||||||||
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15 1C |
ある労働者派遣事業が、所定の手続を踏まないで行われている違法なものであっても、当該労働者派遣事業の事業主が業として労働者派遣を行う行為は、「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」と規定する労働基準法第6条の中間搾取には該当しない。(発展) | ||||||||||||||||||||
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賠 償 予 定 の 禁 止 |
3.賠償予定の禁止(16条)(基礎講座参照) 「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」 ⇒ ・「違約金」についてはこちらを ・「損害賠償を予定する契約」についてはこちらを参照のこと。 |
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25 6D |
労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約をすることを使用者に禁止しているが、その趣旨は、このような違約金制度や損害賠償額予定の制度が、ともすると労働の強制にわたり、あるいは労働者の自由意思を不当に拘束し、労働者を使用者に隷属させることとなるので、これらの弊害を防止しようとする点にある。 | ||||||||||||||||||||
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23 2C |
使用者は、労働契約の締結において、労働契約の不履行について違約金を定めることはできないが、労働者が不法行為を犯して使用者に損害を被らせる事態に備えて、一定金額の範囲内で損害賠償額の予定を定めることはできる。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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違約金 |
令 3 1 選 択 |
賠償予定の禁止を定める労働基準法第16条における「違約金」とは、労働契約に基づく労働義務を労働者が履行しない場合に労働者本人若しくは親権者又は| A |の義務として課せられるものをいう。 | |||||||||||||||||||
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違 反 の 成 立 |
令 4 5C |
労働基準法第16条のいわゆる「賠償予定の禁止」については、違約金又はあらかじめ定めた損害賠償額を現実に徴収したときにはじめて違反が成立する。 | |||||||||||||||||||
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身 元 保 証 人 な ど の 場 合 |
14 2D |
労働基準法第16条においては、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないとされているが、使用者が労働者の親権者又は身元保証人との間で、これら親権者又は身元保証人が当該労働者の行為について違約金又は損害賠償額の支払義務を負担する契約を締結しても、それは本条に違反するものではない。 | |||||||||||||||||||
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28 2C |
使用者は、労働者の身元保証人に対して、当該労働者の労働契約の不履行について違約金又は損害賠償額を予定する保証契約を締結することができる。(14-2Dの類型) | ||||||||||||||||||||
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債 務 不 履 行 等 に よ る 実 際 の 損 害 賠 償 の 請求 |
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12 2A |
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないが、実際に労働者の債務不履行により被った損害の賠償を請求することは禁止されていない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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令 6 3C |
使用者が労働者に対して損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。(12-2Aの類型) | ||||||||||||||||||||
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20 1B |
使用者は、労働契約の不履行について、労働者に対し損害賠償を請求してはならない。(12-2Aの類型) | ||||||||||||||||||||
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10 2C |
運送会社がトラックの運転者を雇入れる際、「故意又は重大な過失により会社に損害を与えた場合、損害賠償を行わせることがある」旨の契約を締結することは、禁止されている。(12-2Aの類型) | ||||||||||||||||||||
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30 5B |
債務不履行によって使用者が損害を被った場合、現実に生じた損害について賠償を請求する旨を労働契約の締結に当たり約定することは、労働基準法第16条により禁止されている。(12-2Aの類型) | ||||||||||||||||||||
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欠勤控除 | 12 2E |
いわゆる日給月給制において欠勤1日について1日分の賃金を月給から控除する旨を定めた就業規則の条項は、欠勤という労働契約の不履行について一定額の金銭をもって違約金を定めたものと解釈され、労働基準法第16条の賠償予定の禁止の規定に違反し無効である。(応用) | |||||||||||||||||||
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前 借 金 相 殺 の 禁 止 |
4.前借金相殺の禁止(17条)(基礎講座参照) 「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない」 |
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20 1D |
使用者は、前借金と賃金とを相殺してはならない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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11 選択 |
使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と| |を相殺してはならない。(20-1Dの類型) | ||||||||||||||||||||
記述式につき、語群はなし | |||||||||||||||||||||
27 3D |
労働基準法第17条は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金とを相殺することを禁止し、金銭貸借関係と労働関係とを完全に分離することにより金銭貸借に基づく身分的拘束の発生を防止することを目的としたものである。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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23 2D |
労働基準法は、金銭貸借に基づく身分的拘束の発生を防止することを目的として、使用者が労働者に金銭を貸すこと、及び賃金債権と賃金を相殺することを禁止している。(27-1Dの応用) | ||||||||||||||||||||
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令4 5D |
「前借金」とは、労働契約の締結の際又はその後に、労働することを条件として使用者から借り入れ、将来の賃金により弁済することを約する金銭をいい、労働基準法第17条は前借金そのものを全面的に禁止している。(23-2Dの類型) | ||||||||||||||||||||
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身 分 的 拘 束 性 と 前 借 金 各 論 |
令 3 2C |
労働基準法第17条にいう「労働することを条件とする前貸の債権」には、労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融や賃金の前払いのような弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものも含まれる。 | |||||||||||||||||||
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25 6E |
労働契約を締結する際に、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足留めにつながるおそれがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法第17条に違反する。(令3-2Cの類型) | ||||||||||||||||||||
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令 5 5C |
使用者が労働者からの申出に基づき、生活必需品の購入等のための生活資金を貸付け、その後この貸付金を賃金から分割控除する場合においても、その貸付の原因、期間、金額、金利の有無等を総合的に判断して労働することが条件となっていないことが極めて明白な場合には、労働基準法第17条の規定は適用されない。 | ||||||||||||||||||||
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14 2E |
使用者が前借金その他労働をすることを条件とする前貸の債権と賃金を相殺することは労働基準法第17条において禁じられているので、例えば使用者からの住宅建設資金の貸付に対する返済金のように融資額及び返済額ともに相当高額に上り、その返済期間も相当長期間にわたるものについてはすべて、たとえ同法第24条第1項の規定に基づく賃金控除に係る労使協定がある場合であっても、賃金との相殺はできない。(令5-5Cの類型) | ||||||||||||||||||||
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28 2D |
労働者が、実質的にみて使用者の強制はなく、真意から相殺の意思表示をした場合でも、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。(令3-2Cの類型) | ||||||||||||||||||||
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強 制 貯 金 の 禁 止 |
5.強制貯金の禁止(18条)(基礎講座参照) 「使用者は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない」 「同2項 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない」 「同3項 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない」 「同4項 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。 この場合において、その利子が、金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して厚生労働省令で定める利率による利子を下るときは、その厚生労働省令で定める利率(0.5%)による利子をつけたものとみなす」 労働基準法18条4項の規定に基づき使用者が労働者の預金を受け入れる場合の利率を定める省令(利率省令) 「1条1号下限利率 労働基準法18条第4項に規定する金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して厚生労働省令で定める利率をいう」 「2条 一の年度における下限利率は、以下の利息とする」 ・当該年度の前年度の10月における定期預金平均利率及び同月において適用される下限利率の差が五厘以上である場合は当該定期預金平均利率に端数処理をして得た利率 ・当該年度の前年度の10月における定期預金平均利率及び同月において適用される下限利率の差が五厘未満である場合 当該下限利率と同一の利率 「4条 前2条の規定による下限利率が五厘未満であるときは、これらの規定にかかわらず、下限利率は五厘とする」 令和5年4月から適用される社内預金の下限利率について(基監発0206第2号、R05.02.06) 「令和4年10月における定期預金平均利率を算出したところ、0.0124であった。 したがって、当該平均利率と同月において適用される社内預金の下限利率(年5厘(0.5%))との差が5厘(0.5%)未満であることから、令和5年4月から適用される下限利率は引き続き年5厘(0.5%)である」 「同5項 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない」 「同6項 使用者が 前項の規定に違反した場合において、当該貯蓄金の管理を継続することが労働者の利益を著しく害すると認められるときは、行政官庁は、使用者に対して、その必要な限度の範囲内で、当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができる」 「同7項 前項の規定により貯蓄金の管理を中止すべきことを命ぜられた使用者は、遅滞なく、その管理に係る貯蓄金を労働者に返還しなければならない」 任意貯蓄のまとめ 労働契約に附随せずに、労働者の委託を受けて貯蓄金等を管理するものであり、 @労使協定の締結と届出、 A貯蓄管理規程の整備と周知(届出は不要) があれば許される。 この、任意貯蓄には次の2種類がある。
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23 2E |
使用者は、労働者の福祉の増進を図るため、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定に基づき、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をすることができる。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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令 元 4B |
中小企業等において行われている退職積立金制度のうち、使用者以外の第三者たる商店会又はその連合会等が労働者の毎月受けるべき賃金の一部を積み立てたものと使用者の積み立てたものを財源として行っているものについては、労働者がその意思に反してもこのような退職積立金制度に加入せざるを得ない場合でも、労働基準法第18条の禁止する強制貯蓄には該当しない。 (発展) | ||||||||||||||||||||
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労 働 契 約 に 附 随 し な い 貯 蓄 金 の 委 託 管 理 |
令 3 2D |
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見聴取をした上で、就業規則に、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる旨を記載し、当該就業規則を行政官庁に届け出ることにより、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる。(23-2Eの類型) | |||||||||||||||||||
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令 6 3D |
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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10 2E |
使用者が労働者の委託を受けてその預金を受け入れる場合、当該預金の利率については、年利率の下限が厚生労働省令により定められており、それ以上の利率になるのであれば日歩によることもでき、また、上限も特に定められていない。(令6-3Dの応用) | ||||||||||||||||||||
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28 2E |
労働基準法第18条第5項は、「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、4週間以内に、これを返還しなければならない」と定めている。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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監
督
機
関
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6.監督機関 6.1 職員(97条) 「労働基準主管局(厚生労働省の内部部局として置かれる局で労働条件及び労働者の保護に関する事務を所掌するものをいう。以下同じ)、都道府県労働局及び労働基準監督署に労働基準監督官を置くほか、厚生労働省令で定める必要な職員を置くことができる」 「2項 労働基準主管局の局長(以下「労働基準主管局長」という)、都道府県労働局長及び労働基準監督署長は、労働基準監督官をもつてこれに充てる」 「3項 労働基準監督官の資格及び任免に関する事項は、政令で定める」 「4項 厚生労働省に、政令で定めるところにより、労働基準監督官分限審議会を置くことができる」 「5項 労働基準監督官を罷免するには、労働基準監督官分限審議会の同意を必要とする」 「6項 前2項に定めるもののほか、労働基準監督官分限審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める」 6.2 労働基準主管局長等の権限(99条) 「労働基準主管局長は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、都道府県労働局長を指揮監督し、労働基準に関する法令の制定改廃、労働基準監督官の任免教養、監督方法についての規程の制定及び調整、監督年報の作成並びに労働政策審議会及び労働基準監督官分限審議会に関する事項(労働政策審議会に関する事項については、労働条件及び労働者の保護に関するものに限る)その他この法律の施行に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する」 「2項 都道府県労働局長は、労働基準主管局長の指揮監督を受けて、管内の労働基準監督署長を指揮監督し、監督方法の調整に関する事項その他この法律の施行に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する」 「3項 労働基準監督署長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、この法律に基く臨検、尋問、許可、認定、審査、仲裁その他この法律の実施に関する事項をつかさどり、所属の職員を指揮監督する」 「4項 労働基準主管局長及び都道府県労働局長は、下級官庁の権限を自ら行い、又は所属の労働基準監督官をして行わせることができる」 6.3 女性主管局長の権限(100条) 「厚生労働省の女性主管局長(厚生労働省の内部部局として置かれる局で女性労働者の特性に係る労働問題に関する事務を所掌するものの局長をいう。以下同じ)は、厚生労働大臣の指揮監督を受けて、この法律中女性に特殊の規定の制定、改廃及び解釈に関する事項をつかさどり、その施行に関する事項については、労働基準主管局長及びその下級の官庁の長に勧告を行うとともに、労働基準主管局長が、その下級の官庁に対して行う指揮監督について援助を与える」 「2項 女性主管局長は、自ら又はその指定する所属官吏をして、女性に関し労働基準主管局若しくはその下級の官庁又はその所属官吏の行つた監督その他に関する文書を閲覧し、又は閲覧せしめることができる」 「3項 101条及び105条の規定は、女性主管局長又はその指定する所属官吏が、この法律中女性に特殊の規定の施行に関して行う調査の場合に、これを準用する」 6.4 労働基準監督官の権限(101条) 「労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる」 ⇒ここにある権限は、「行政上の権限」であるから、刑事訴訟法上の捜索・検証・差押えや国税犯則取締法の「 臨検(立ち入り検査)、捜索又は差押」のように、相手が立ち入りを拒否した場合に有形力(物理的な力)を行使して立ち入る即時強制(あらかじめ義務の履行を命じることなく、直ちに財産などに実力を加える)ことはできず、罰則を背景に間接的に受け入れや協力を強制する間接強制にとどまる。 「2項 前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない」 「102条 労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う」 ⇒労基法違反の罪については、「司法警察官として、一定の司法上の権限を有する」 刑事訴訟法189条2項に、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする」とあり、いわゆる特別司法警察職員の制度の一つである。 具体的には、監督指導を通じて覚知した上記労働基準関係法令違反の被疑事件や告訴・告発を受けた事件について、警察法の定める一般の警察と変わるところのない権限をもって、刑事訴訟法による捜査を行い、捜索・検証・差押のほか、被疑者を逮捕・勾留すること、事件を検察庁へ送致・送付することも可能である。 ただし、強制捜査には、裁判官による令状を必要とする。 「103条 労働者を就業させる事業の附属寄宿舎が、安全及び衛生に関して定められた基準に反し、且つ労働者に急迫した危険がある場合においては、労働基準監督官は、96条の3規定による行政官庁の権限を即時に行うことができる」 6.5 報告(104条の2) 詳細はこちらへ 「行政官庁は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる」 ⇒行政官庁とは、この場合、厚生労働大臣、労働基準局長、都道府県労働局長、労働基準監督署長を含む。 「2項 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる」 6.6 労働基準監督官の義務(105条) 「労働基準監督官は、職務上知り得た秘密を漏してはならない。労働基準監督官を退官した後においても同様である」 6.7 国の援助義務(105条の2) 「厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、この法律の目的を達成するために、労働者及び使用者に対して資料の提供その他必要な援助をしなければならない」 |
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11 5C
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労働基準監督署長は、労働条件についての労働者と使用者との間の紛争に関し、紛争当事者からの解決につき援助を求められた場合には、当該当事者に助言又は指導しなければならない。(発展) | ||||||||||||||||||||
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20 7A |
労働基準監督官には、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、使用者や労働者に対して尋問を行う権限が認められている。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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22 1A |
労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。(基礎) |
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令 2 2C |
労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行うほか、労働基準法第24条に定める賃金並びに同法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金の不払については、不払をしている事業主の財産を仮に差し押さえる職務を行う。(22-1Aの発展) | ||||||||||||||||||||
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22 1B |
労働基準監督官は、労働基準法を施行するため必要があると認めるときは、使用者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。(基礎) |
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命令の制定等 |
7.命令の制定(113条) 「この法律に基いて発する命令は、その草案について、公聴会で労働者を代表する者、使用者を代表する者及び公益を代表する者の意見を聴いて、これを制定する」 経過措置(115条の2) 「この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む)を定めることができる」 |
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申
告 |
8.申告(104条) 「事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる」 「2項 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない」 |
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20 7B |
労働者は、事業場に労働基準法違反の事実がある場合には、行政官庁又は労働基準監督官にその事実を申告することができ、使用者は、労働者がこの申告をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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14 7A |
労働基準法第104条では、事業場に、同法又は同法に基づいて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができ、使用者は、そのような申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならないこととされており、それに違反した使用者に対しては罰則が規定されている。(20-7Bの類型、応用) | ||||||||||||||||||||
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付
加
金 |
9.付加金の支払(114条) 法改正(R02.04.01新規) 「裁判所は、20条(解雇予告手当)、26条(休業手当)、若しくは37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)の規定に違反した使用者、又は39条9項の規定による賃金(年次有給休暇中の賃金)を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。 ただし、この請求は、違反のあった時から5年以内にしなければならない」 附則143条2項 法改正(R02.04.01新規) 「114条(付加金の支払)の規定の適用については、当分の間、同条ただし書中「5年」とあるのは、「3年」とする」 チョッと補足 (1)解雇予告手当、A休業手当、B割増賃金、C年次有給休暇中の賃金の限定列挙であって、これらのみに適用される。 (2)ただし、解雇予告手当の不支払については、種々の異論がある。 たとえば、 ・解雇予告手当の支払なしでの即時解雇あるいは30日をまたず短縮しての解雇は、解雇そのものが無効ではないか、あるいは、解雇予告手当の支払なしの場合でも、解雇予告から30日経過すれば解雇有効ということなら、解雇予告手当の不払いという問題そのものが発生する余地はないのではないか。 ・一方、解雇予告手当の不払いに対して、労働者側が解雇無効を主張する代わりに、解雇はやむを得ないとするから(他の就職口が見つかったなど)、解雇予告手当を払えと主張することができるとも考えられる。 (3)付加金の請求期限は時効期間ではなく、時効の完成猶予・更新もなく、援用も必要がない除斥期間である。 |
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20 7C |
労働基準法に基づいて支払うべき賃金又は手当を使用者が支払わなかったときには、裁判所は、労働者の請求により、使用者が支払わなければならない未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命じなければならない。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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15 3D |
裁判所は、労働基準法第26条(休業手当)、第37条(割増賃金)などの規定に違反した使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができることとされているが、この付加金の支払に関する規定は、同法第24条第1項に規定する賃金の全額払の義務に違反して賃金を支払わなかった使用者に対しても、同様に適用される。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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24 1E |
裁判所は、労働基準法第20条(解雇予告手当)、第26条(休業手当)若しくは第37条(割増賃金)の規定に違反した使用者 又は第39条第9項の規定による賃金(年次有給休暇中の賃金)を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができることとされているが、この付加金の支払に関する規定は、同法第24条第1項に規定する賃金の全額払の義務に違反して賃金を支払わなかった使用者に対して は適用されない。(15-3Dの類型) | ||||||||||||||||||||
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18 1C |
労働基準法第114条の規定による付加金に係る労働者の請求は、違反のあった時から3年以内にしなければならないこととされている。(R02改)(基礎) | ||||||||||||||||||||
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18 2D |
最高裁判所の判例によると、労働基準法第114条の付加金支払義務は、使用者が同法第20条の予告手当等を支払わない場合に、当然発生するものではなく、労働者の請求により裁判所がその支払を命ずることによって、初めて発生するものと解すべきであるから、使用者に同法第20条の違反があっても、既に予告手当に相当する金額の支払を完了し、使用者の義務違反の状況が消滅した後においては、労働者は同法第114条による付加金請求の申立てをすることができないものと解すべきである、とされている。(発展) | ||||||||||||||||||||
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時
効 |
10.時効(115条) 法改正(R02.04.01) 「この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から5年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く)はこれを行使することができる時から2年間行わない場合においては、時効によつて消滅する」 附則(143条3項) 法改正(R02.04.01新規) 「115条(時効)の規定の適用については、当分の間、同条中中「賃金の請求権はこれを行使することができる時から5年間」とあるのは、「退職金手当の請求権はこれを行使することができる時から5年間、この法律の規定による賃金(退職手当を除く)の請求権はこれを行使することができる時から3年間とする」 時効 @本則によれば、賃金請求権は5年、災害補償等(賃金請求権を除くその他の請求権を含む)2年。 ⇒災害補償、賃金請求権を除くその他の請求権については、改正はなく従来通り2年。 Aただし、退職手当を除く賃金請求権については、当面の間、3年。 ・退職金手当の請求権は、本則通り5年。 | ||||||||||||||||||||
13 4C | 退職手当を除く賃金の請求権の消滅時効期間は2年間であるが、同じ賃金でも退職手当の請求権の消滅時効期間は5年間である。(R02改)、(基礎) | ||||||||||||||||||||
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22 3C | 労働基準法の規定による賃金(退職手当を除く)の請求権は当面の間、3年間、同法の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。(R02改)、(13-4Cの類型) | ||||||||||||||||||||
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11 2 選 択 | 労働基準法の規定による賃金(退職手当を除く)の請求権は、当面の間、これを行使することができる時から| |年間行わない場合においては、時効によって消滅する。(R02改)、(13-4Cの類型) | ||||||||||||||||||||
記述式につき、語群はなし | |||||||||||||||||||||
令 5 1 選択 | 労働基準法の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く)はこれを行使することができる時から| A |間行わない場合においては、時効によって消滅することとされている。(基礎) | ||||||||||||||||||||
罰 則 ・ 両 罰 規 定 |
11. 罰則 内容の詳細はこちらを 「117条 5条(強制労働の禁止)の規定に違反した者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する」 「118条 6条(中間搾取の排除)、56条、63条又は64条の2の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」 「118条2項 70条の規定に基づいて発する厚生労働省令(63条又は64条の2の規定に係る部分に限る)に違反した者についても前項の例による」 「119条 各号のいずれかに該当する者は、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」
「120条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
11' 両罰規定 「121条 この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。 ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない」 @「事業主」とは法人そのものあるいは個人事業主、つまり労働者を使用して利益を得ているものである。 A「事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者]とは、従業者たる身分が必要であり、10条の使用者よりもその範囲は限定され、10条の使用者の資格を有する者に限る」(S23.11.9基収2068) つまり、121条の違反行為者とは、使用者であって従業者である者。 ここで、「従業者」とは事業主からの指示・要請等を直接あるいは間接的に受けて業務を行う者のこと B代理人とは、支社長、支店長など商法あるいは会社法でいう支配人が代表例であるが、法人の場合は代表権ある取締役、事業主の委託を受けた社会保険労務士なども該当する。 ⇒「支配人は、商人(会社)に代わってその営業(事業)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する」(商法21条、( )内は会社法11条)。 C 使用人とは使用される者(ただし、10条でいう使用者であって従業者である者に限る) Dその他の従業者とは、代表権なき取締役など。 要するに、代表取締役やその他一定の使用者としての責任がある従業者(ただし、個人事業主は除く)が、労働者に関する事項について事業主のために行為をなしたとき、その行為が労基法違反であれば、その事業主(法人そのものあるいは個人事業主)にも罰金が科せられることになる。 「同2項 事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者)が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかった場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかった場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する」 ⇒1項ただし書き及び2項における事業主とは法人の代表者又は個人事業主すなわち人そのものである。 よって、法人の代表者が違反行為を知りながら何もしなかったなど悪質な場合は、行為者として罰せられる。この場合は罰金だけでなく懲役刑もありうる。 両罰規定の整理 @通常、罰則を受ける者とは、違反者行為を行った使用者である(法人代表者、個人事業主も含まれる)。 A違反行使者が使用者でかつ従業者であったときは、その行為者だけでなく、原則として事業主(法人そのものあるいは個人事業主)も罰せられる(121条1項) Bただし、事業主(法人の代表者あるいは個人事業主)が違反防止措置をしていた場合は、その法人あるいは個人事業主が罰せられることはない(121条1項ただし書き) Cまた、事業主(ただし法人の代表者あるいは個人事業主)が違反の計画や実際の違反行為を知りながら、必要な措置を講じなかったなどの場合は、その事業主も行為者として罰する(121条2項) D「行為者が社長の場合、その社長を処罰するの外、法人も労働基準法121条1項により罰金刑を科することができる」(通達(S24 検務10882) |
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13 1E |
労働基準法では、労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守しなければならないと規定されているが、この規定違反には罰則は設けられていない。(発展) | ||||||||||||||||||||
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17 7A |
ある法人企業の代表者が、当該企業において、労働基準法第37条の規定に違反する時間外・休日労働(いわゆる不払い残業等)が行われている事実を知り、その是正に必要な措置を講じなかったときは、たとえ代表者自らが当該不払い残業等を指示、命令していなくとも、当該代表者も行為者として処罰される。(基礎) | ||||||||||||||||||||
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20 7E |
労働基準法は、同法が定める規定に違反する行為をした者に対して罰則を定めているだけでなく、その事業主に対しても罰金刑を科すものとしているが、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合においては、当該事業主に対しては罰金刑を科さないものとしている。 (17-7Aの類型、基礎) | ||||||||||||||||||||
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16 1C |
ある法人企業の代表者が労働基準法第24条の規定に違反して賃金を支払わなかった場合には、法人の代表者の行為は法人の行為として評価されるから、当該賃金不払いについては、当該法人企業に対してのみ罰則が科される。(応用) | ||||||||||||||||||||
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