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 労働条件の原則、均等待遇、男女同一賃金の原則、労働条件の明示、就業規則の記載事項
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 一般15-5E19-1選択19-2選択
関連条文 労働条件の原則(1条)、労働条件の決定(2条)、均等待遇(3条)、男女同一賃金の原則(4条)、労働条件の明示(15条)、明示すべき労働条件(施行規則5条)、就業規則における記載事項(89条)、即時契約解除と帰郷旅費(15条2項)

1.労働条件の原則(1条)(基礎講座参照)
 「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければなければならない」
人たるに値する生活
@「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(憲法第25条第1項)、とするいわゆる生存権を根拠としたものであり、
 「人たるに値する生活は、標準家族の生活も含めて考える」(S22.09.13発基17号1条関係の2)と補足されている。
 しかし、実際のところどの程度の生活レベルであるかは、その時々の政府の裁量によって決まると考えてよい。これについては
Aいわゆる「朝日訴訟」(S42.05.24)があり、この訴訟で、朝日氏が厚生大臣を相手取り、日本国憲法第25条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」と生活保護法の内容について争った。
 ところが、最高裁に上告中に原告が死亡し、養子夫妻が訴訟を続けたが、最高裁判所は、生活保護を受ける権利は相続できないとし、本人の死亡により訴訟は終了したとの判決を下した。
 「なお、念のため」として生活扶助基準の適否に関する意見を述べている。
 それによると「憲法25条1項はすべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に具体的権利を賦与したものではない。・・・・・・」
 しかし、健康で文化的な最低限度の生活なるものは、抽象的な相対的概念であり、その具体的内容は、文化の発達、国民経済の進展に伴つて向上するのはもとより、多数の不確定的要素を綜合考量してはじめて決定できるものである。したがつて、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、いちおう、厚生大臣の合目的的な裁量に委されている」とした。
 「同2項 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない」
労働条件とは
@憲法27条第2項に、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」とされており、ここでいう法律が労働基準法である。
 また、就業時間は労働時間、休息は休憩、勤労条件は労働条件に該当する。
A労働条件 (労働法コンメンタール「労働基準法上P63、最新版P69」(厚生労働省労働基準局編)
 「労働条件とは、賃金、労働時間はもちろんのこと、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件をすべて含む労働者の職場における一切の待遇をいう」
2.労働条件の決定(2条)(基礎講座参照)
 「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」
 「2項 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない」
28
1ア
 労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものであって、本法各条の解釈に当たり基本観念として常に考慮されなければならない。
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正しい 誤り
人たるに値する生活 19
2

 労働基準法第1条第1項においては、「労働条件は、労働者|  |ための必要を充たすべきものでなければなければならない」と規定されている。(基礎)

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27
1A
 労働基準法は、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければなければならないとしている。(19-2選択式の類型)

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正しい 誤り

6
1A
 労働基準法第1条にいう、「人たるに値する生活」とは、社会の一般常識によって決まるものであるとされ、具体的には、「賃金の最低額を保障することによる最低限度の生活」をいう。

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正しい 誤り
30
4ア
 労働基準法第1条にいう「人たるに値する生活」には、労働者の標準家族の生活をも含めて考えることとされているが、この「標準家族」の範囲は、社会の一般通念にかかわらず、「配偶者、子、父母、孫及び祖父母のうち、当該労働者によって生計を維持しているもの」とされている。

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正しい 誤り
労働条件 25
5A
 労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件をを指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まない。(基礎)
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正しい 誤り
労働関係の当事者 18
1A
 労働基準法の総則においては、労働関係の当事者は、労働条件の向上を図るように努めなければならない旨の規定がおかれている。(基礎)

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正しい 誤り

4
4A
  労働基準法第1条にいう「労働関係の当事者」には、使用者及び労働者のほかに、それぞれの団体である使用者団体と労働組合も含まれる。
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正しい 誤り














3
1A
 労働基準法第1条第2項にいう「この基準を理由として」とは、労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合をいうことから、社会経済情勢の変動等他に決定的な理由があれば、同条に抵触するものではない。

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正しい 誤り
25
5B
 労働基準法は労働条件の最低基準を定めたものであり、この最低基準が標準とならないように、同法は、この最低基準を理由として労働条件を低下させることを禁止し、その向上を図るように努めることを労働関係の当事者に義務づけている。(基礎)

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正しい 誤り
12
1A
 労働基準法第1条は、この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者はこの基準を理由として労働条件を低下させてはならない旨定めるが、労働条件の低下が社会経済情勢の変動等他に決定的な理由がある場合には、これに抵触するものではない。(25-5Bの応用)

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19
1

 労働基準法第2条第1項においては、「労働条件は、労働者と使用者が、|  |決定すべきものである」と規定されている。(基礎)

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25
5C
 労働基準法第2条第1項が、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきである」との理念を明らかにした理由は、概念的には対等者である労働者と使用者との間にある現実の力関係の不平等を解決することが、労働基準法の重要な視点であることになる。(応用)

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正しい 誤り
28
1イ
  労働基準法第2条1項により、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」ため、労働組合が組織されている事業場では、労働条件は必ず団体交渉によって決定しなければならない。

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正しい 誤り

5
4A
 労働基準法第2条により、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきもの」であるが、個々の労働者と使用者の間では「対等の立場」は事実上困難であるため、同条は、使用者は労働者に労働組合の設立を促すように努めなければならないと定めている。

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正しい 誤り
労働協約等の遵守
など

21
1A

 使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実にその義務を履行しなければならないが、使用者よりも経済的に弱い立場にある労働者についてはこのような義務を定めた規定はない。(基礎)

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正しい 誤り
23
6C
 労働協約において稼働率80%以下の労働者を賃上げ対象から除外する旨の規定を定めた場合に、当該稼働率の算定に当たり労働災害による休業を不就労期間とすることは、経済的合理性を有しており、有効であるとするのが最高裁判所の判例である。

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正しい 誤り












  均等待遇(3条) (基礎講座参照)
 「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」  
14
1A
 均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をすることは禁止されているが、性別を理由とする労働条件についての差別的取扱は禁止されていない。(基礎)

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正しい 誤り
25
5D
 労働基準法第3条は、すべての労働条件について差別待遇を禁止しているが、いかなる理由に基づくものもすべてこれを禁止しているわけではなく、同条で限定的に列挙している国籍、信条又は社会的身分を理由とする場合のみを禁じている。(14-1Aの類型)

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正しい 誤り








労働条件の差別的取扱
19
1E
 均等待遇を定めた労働基準法第3条では、労働者の国籍、信条、性別又は社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をすることは禁止されている。

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正しい 誤り
23
1A
 労働基準法第3条は、法の下の平等を定めた日本国憲法第14条と同じ事由で、人種、信条、性別、社会的身分又は門地を理由とした労働条件の差別的取扱を禁止している。(19-1Eの類型)

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正しい 誤り
29
5ア
 労働基準法第3条は、使用者は、労働者の国籍、信条、性別又は社会的身分を理由として、労働条件について差別的取扱をすることを禁じている。 (19-1Eの類型)

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正しい 誤り



2
4A
 労働基準法第3条に定める「国籍」を理由とする差別の禁止は、主として日本人労働者と日本国籍をもたない外国人労働者との取扱いに関するものであり、そこには無国籍者や二重国籍者も含まれる。
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24
4A
 労働基準法第3条が差別禁止事由として掲げている「信条」とは、政治的信条や思想上の信念を意味し、そこには宗教上の信仰は含まれない。

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4
4B
 労働基準法第3条にいう「信条」には、特定の宗教的信念のみならず、特定の政治的信念も含まれる。(24-4Aの類型)
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正しい 誤り

5
4B
 特定の思想、信条に従って行う行動が企業の秩序維持に対し重大な影響を及ぼす場合、その秩序違反行為そのものを理由として差別的取扱いをすることは、労働基準法第3条に違反するものではない。(発展)
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11
1A
 使用者は、労働者の国籍、信条または社会的身分を理由として、賃金、労働時間について差別的取扱いを行ってはならず、このことは解雇や安全衛生についても同様である。(基礎)

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正しい 誤り
30
4イ
 労働基準法第3条にいう「賃金、労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないため、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されていても、「労働条件」にはあたらない。 (11-1Aの類型)

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正しい 誤り
差別とは 27
1B
 労働基準法第3条の禁止する「差別的取扱」とは、当該労働者を不利に取り扱うことをいい、有利に取り扱うことは含まない。(10-1Cの類型)

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正しい 誤り

3
1B
 労働基準法第3条が禁止する「差別的取扱」をするとは、当該労働者を有利又は不利に取り扱うことをいう。(27-1Bの類型)

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正しい 誤り
























09
2D
 労働基準法第3条では信条による労働条件の差別的取扱いを禁止しているが、企業における労働者の雇入れについては、特定の思想、信条を有する者をその故をもって雇い入れることを拒んでも、直ちに違法とすることはできない。

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正しい 誤り


15
5E
 「企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる」旨の最高裁判所の判決があるが、法令による制限がない現状においては、使用者の採用の自由が保障されており、誰を採用するかは、使用者の自由である。(09-2D関連)

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正しい 誤り
21
1B
 労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別的取扱いには、雇入れにおける差別も含まれるとするのが最高裁判所の判例である。(09-2Dの類型)
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正しい 誤り
28
1ウ
 労働基準法第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所の判例である。(21-2Bの類型)

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6
1B
「労働基準法3条は労働者の信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、特定の信条を有することを、雇入れを拒む理由として定めることも、右にいう労働条件に関する差別取扱として、右規定に違反するものと解される」とするのが、最高裁判所の判例である。(21-2Bの類型)

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   男女同一賃金の原則(4条)(基礎講座参照)
 「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」
20
1E
 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的な取扱いをしてはならない。(基礎)

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正しい 誤り


3ア
 労働基準法第4条が禁止する「女性であることを理由」とした賃金についての差別には、社会通念として女性労働者が一般的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることが含まれるが、当該事業場において実際に女性労働者が平均的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることは含まれない。 (20-1Eの発展)

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正しい 誤り

6
1C
  事業場において女性労働者が平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いことが認められたため、男女間で異なる昇格基準を定めていることにより男女間で賃金格差が生じた場合には、労働基準法第4条違反とはならない。(令元-3アの類型)

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24
4B
 労働基準法第4条は、賃金についてのみ女性であることを理由とする男性との差別的取扱いを禁止したものであり、その他の労働条件についての差別的取扱いについては同条違反の問題は生じない。(20-1Eの応用)

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27
1C
 労働基準法第4条は、賃金について、女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをすることを禁止しているが、賃金以外の労働条件についてはこれを禁止していない。(24-4Bの類型)

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25
5E
 労働基準法第4条は、性別による差別のうち、特に顕著な弊害が認められた賃金について、罰則をもって、その差別的取り扱いを禁止したものである。

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正しい 誤り






10
1C
 賃金その他の労働条件について、労働者を女性であるからという理由で男性よりも不利に扱うことは禁止されているが、男性よりも有利に扱うことは禁止されていない。(応用)

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正しい 誤り
21
1C
 労働基準法第4条が禁止する女性であることを理由とする賃金についての差別的取扱いには、女性を男性より有利に取扱う場合は含まれない。(10-1Cの類型)

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正しい 誤り
30
4ウ
 労働基準法第4条の禁止する賃金についての差別的取扱いとは、女性労働者の賃金を男性労働者と比較して不利に取り扱う場合だけでなく、有利に取り扱う場合も含まれる。(10-1Cの類型)

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正しい 誤り








12
1C
 支給条件が就業規則であらかじめ明確にされた退職手当について、当該就業規則において労働者が結婚のため退職する場合に、女性には男性に比べ2倍の退職手当を支給することが定められているときは、その定めは労働基準法第4条に反し無効であり、行政官庁は使用者にその変更を命ずることができる。

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正しい 誤り

4
4C
 就業規則に労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取扱いをする趣旨の規定がある場合、現実には男女差別待遇の事実がないとしても、当該規定は無効であり、かつ労働基準法第4条違反となる。
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正しい 誤り


















2.労働条件の明示(15条1項)(基礎講座参照)
 「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
 この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない」

@労働契約そのものは、民法上は、使用しようとする者の意思と使用される者の意思が合致すれば、口頭でも成立する。
Aただし、労働契約を締結する際には、使用者は、労働条件を明確に示す必要があることから、特に、厚生労働省令で定める事項(施行規則5条の絶対的明示事項のうち、1号から4号まで(ただし3号の中の昇給に関する事項を除く)については、厚生労働省令で定める方法(原則は文書)により明示しなければならない。
B明示すべき時期・労働契約の締結とは(労働法コンメンタール「労働基準法(令和3年版上)」P237)
・「明示すべき時期は、労働契約の締結の際である。労働契約を締結する際であるから、労働者の募集時点においては必要はない。(ただし、職業安定法上の明示義務がある)
・労働契約の締結には、(新規に労働契約を結ぶ場合だけでなく)、有期労働契約の期間満了後の契約更新や定年後の再雇用も含まれる。
・出向の場合については、在籍型であれ移籍型であり、出向先と労働者との間で新たに労働契約関係が成立するものであるので、出向に際して出向先は当該事業場における労働条件を明示することが必要である。(出向元が出向先のために、代わって行うことも差し支えない)
・採用内定により労働契約が成立していると認められる場合は、採用内定に際して労働条件を明示しなければならない。
・労働契約締結後において労働契約や就業規則の変更等により労働条件の変更がなされた場合には、本条の適用はないと解すべきである。(それだけでは明示義務は発生しない)
 15条2項はこちら、15条3項はこちら   
 明示すべき労働条件ーその1 (施行規則5条1項) 
 「使用者が労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、
・1号の2に掲げる事項については、期間の定めのある労働契約(有期労働契約という)であつて当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限り、
・4号の2から11号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない」
 Table 労基法:労働契約明示事項  (施行規則5条1項によるもの)
絶対的明示事項 1  労働契約の期間に関する事項
1の2  法改正(R06.04.01)、法改正(H25.04.01追加) 
 (有期労働契約であって、かつ期間満了後にその労働契約を更新する場合があるものを締結する場合に限り)
 有期労働契約を更新する場合の基準(更新の有無と更新の判断基準)に関する事項 (通算契約期間(労働契約法18条1項に規定する通算契約期間)又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む)
⇒有期労働契約の締結時及び契約更新時において、契約更新の有無と判断基準に加え、更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)がある場合はその内容を明示しなければならない。
 参考:更新上限を新設あるいは短縮しようとするときは、予め、更新上限を新設するあるいは短縮する理由を労働者に説明しなければならない。(有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準1条
1の3  法改正(R06.04.01) 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項 (就業の場所及び従事すべき業務注@の変更の範囲注Aを含む)
⇒労働契約の締結時及び有期労働契約の更新時において、雇入れ時点での「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加えて、その契約期間中における配置転換などによって変更の可能性がある就業場所及び業務の範囲を明示なければならない。
2  始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
3  賃金(退職手当及び5号に規定する賃金を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
4  退職に関する事項(解雇の事由を含む) 
相対的明示事項 4の2  退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
5  臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与及び8条各号に掲げる賃金(精勤手当、勤続手当、奨励加給又は能率手当) 並びに最低賃金額に関する事項
6  労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
7  安全及び衛生に関する事項
8  職業訓練に関する事項
9  災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
10  表彰及び制裁に関する事項
11  休職に関する事項
 
 補足 通達(R05.10.12基発1012-2号)
@「就業の場所及び従事すべき業務」とは、労働者が通常就業することが想定されている就業の場所及び労働者が通常従事することが想定されている業務をいい、配置転換及び在籍型出向が命じられた場合の当該配置転換及び在籍型出向先の場所及び業務が含まれるが、臨時的な他部門への応援業務や出張、研修等、就業の場所及び従事すべき業務が一時的に変更される場合の当該一時的な変更先の場所及び業務は含まれないものであること。
A「変更の範囲}とは、今後の見込みも含め、当該労働契約の期間中における就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲をいうものであること。
 労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)については、労働者がテレワークを行うことが通常想定されている場合には、テレワークを行う場所が就業の場所の変更の範囲に含まれるが、労働者がテレワークを行うことが通常想定されていない場合には、一時的にテレワークを行う場所はこれに含まれないものであること。
 更新の判断基準と変更について(H24.10.26基発1026第2号)
(1)書面により明示しなければならないこととされる「更新の基準」の内容は、有期労働契約を締結する労働者が、契約期間満了後の自らの雇用継続の可能性について一定程度予見することが可能となるものであることを要するものであること。
(2)当該内容については、
@「更新の有無」として、例えば
 ・自動的に更新する
 ・更新する場合があり得る
 ・契約の更新はしない等
A「契約更新の判断基準」として、例えば
 ・契約期間満了時の業務量により判断する
 ・労働者の勤務成績、態度により判断する
 ・労働者の能力により判断する
 ・会社の経営状況により判断する
 ・従事している業務の進捗状況により判断する等を明示することが考えられるものであること。
(3)更新の基準の変更については、他の労働条件と同様、労働契約の内容となっている労働条件を使用者が変更する場合には、労働者との合意その他の方法により、適法に変更される必要があること

@絶対的明示事項の@からCまで(ただしBの中の昇給に関する事項を除く)については、「労働者に対してに、規定する事項が明らかとなる」ものでなければならず、
 
原則は書面による明示、希望した場合は電子メール等でもよい。
A相対的明示事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合は明示しなくてもよいが、定めをした場合は、必ず明示しなければならない。
 必ずしも文書でなくてもよく、内容が明確すぁれば、口頭でもよい。
B書面により明示すべき賃金に関する事項の詳細は通達(H11.03.31基発168号)を参照のこと。
 「施行規則5条2項 法改正(H31.04.01追加) 使用者は、法15条1項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならない」
 「事実と異なるもの」とは( 基発0907第1号H30.09.07)
 「事実と異なるものとは、15条2項(即時契約解除)において、労働者が即時に労働契約を解除することができるとされる場合と同様に判断されることに留意すること」
 「施行規則5条3項 法15条1項後段の厚生労働省令で定める事項は、上記の絶対的明示事項のうち、@からCまで(ただしBの中の昇給に関する事項を除く)とする」
 「施行規則5条4項 法改正(H31.04.01) 法15条1項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。
 ただし、当該労働者が同項に規定する事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる」
@ファクシミリを利用してする送信の方法
A電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電子メール等)の送信の方法(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る)
 明示すべき労働条件ーその2  (契約期間内に無期転換申込みをすることができることとなる有期労働契約の締結の場合)(施行規則5条5項同6項)) 
 その契約期間内に無期転換申込みをすることができることとなる有期労働契約の締結の場合は、その有期労働契約についての15条1項による明示すべき事項(絶対的事項、相対的事項いずれも)のほか、
@労働契約法18条1項の無期転換申込みに関する事項、並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち1項1号及び1号の3から11号までに掲げる事項。
⇒無期転換申込権が発生する契約の更新時に、無期転換申込みに関する事項(該当する有期労働契約期間中であれば無期転換を申し込むことができる旨)、
並びに、無期転換後の労働条件について、上記の表の1号から11号(1号の2を除く)の事項を明示しなければならない。
 ただし、4号の2から11号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしないものは省略してよい。
A無期転換後の労働条件については、上記の表の1号、1号の3からら4号(昇給に関する事項を除く)は書面の交付等によらなければならない(施行規則5条6項)
参考:無期転換後の労働条件の説明の際には上記に加えて、労働契約法3条2項(均衡考慮の原則)の規定の趣旨を踏まえ、就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならない。(有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準5条

 「施行規則5条5項 法改正(R06.04.01追加) その契約期間内に労働者が労働契約法18条1項の適用を受ける期間の定めのない労働契約の締結の申込み(以下労働契約法18条1項の無期転換申込み」という)をすることができることとなる有期労働契約の締結の場合においては、
 使用者が法15条第1項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、1項に規定するもののほか、労働契約法18条1項の無期転換申込みに関する事項並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件(註:すなわち無期転換後の労働条件)のうち1項1号及び1号の3から11号までに掲げる事項とする。
 ただし、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち同項4号の2から11号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない」
 「施行規則5条6項 法改正(R06.04.01追加) その契約期間内に労働者が労働契約法18条1項の無期転換申込みをすることができることとなる有期労働契約の締結の場合においては、
 法15条1項後段の厚生労働省令で定める事項は3項に規定するもの(絶対的明示事項の@からC(昇給に関する事項を除く))のほか、労働契約法18条1項の無期転換申込みに関する事項並びに当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件のうち1項1号及び1号の3から4号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く)とする」
 チョッと補足
 特定有期雇用労働者については、絶対的明示事項として、「特定有期雇用労働者に係る特例(厚生労働省令36号)による事項」が追加された。
 特定有期雇用労働者に係る労働基準法施行規則第5条の特例を定める省令(H27.04.01施行厚生労働省令36号)法改正(H27.04.01新規)
 「労働基準法15条1項前段の規定により専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する有期特措法に規定する第一種認定事業主が計画対象第一種特定有期雇用労働者に対して明示しなければならない労働条件は、労働基準法施行規則5条1項に規定するもののほか、次に掲げるものとする」」
@有期特措法8条の規定に基づき適用される労働契約法18条1項の規定の特例の内容に関する事項
⇒計画に記載された業務完了日(上限10年)までは労働者側からの無期転換申込権は発生しないことなどの通知
A就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(労働基準法施行規則5条1項1号の3に掲げる事項を除き、前号の特例に係る特定有期業務の範囲に関する事項に限る) 
 「同2条 有期特措法に規定する第二種認定事業主が計画対象第二種特定有期雇用労働者に対して明示しなければならない労働条件は、労働基準法施行規則5条1項に規定するもののほか、前条1項1号に掲げるものとする」
⇒雇用が継続している限り、労働者側からの無期転換申込権は発生しないことなどの通知
⇒いずれも書面で明示しなければならない。
16
1E
  労働基準法第15条に基づいて明示すべき労働条件の範囲は、同法第1条「労働条件の原則」及び第2条「労働条件の決定」でいう労働条件の範囲とは異なる。(応用)

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4A
 労働契約の期間に関する事項は、書面等により明示しなければならないが、期間の定めをしない場合においては期間の明示のしようがないので、この場合においては何ら明示しなくてもよい。

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25
6C
 使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間(労働契約法18条1項に規定する通算契約期間)又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む) を、原則として書面の交付により明示しなければならない。(R06改)(基礎)

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15
2A
  労働基準法第15条においては、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、原則として書面の交付により明示しなければならないこととされているが、労働時間については、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日等のほか、残業(所定労働時間を超える労働)の有無についても、原則として書面の交付により明示しなければならないこととされている。(H31改)(基礎)

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18
3C
 使用者は、労働基準法第15条(労働条件の明示)の規定に基づき、労働契約の締結に際し、労働者に対して、「所定労働時間を超える労働の有無」及び「所定労働日以外の日の労働の有無」について、原則として、書面の交付により明示しなければならないこととされている。(H31改)(15-2Aの応用)

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場所
・従事すべき業務等
21
2B
 労働契約の期間に関する事項、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項 (就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む)は、使用者が、労働契約の締結に際し、労働者に対して、原則として書面の交付によって明示しなければならない事項に含まれている。(R06、H31改)((基礎)

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3
2B
 労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」について、今後の見込みも含め、当該労働契約の期間中における就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲についても明示しなければならない。(R06改)

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6
3B
 使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲についても明示しなければならない」(令3-2Bの類型)

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退職手当等 11
2D
  労働契約の締結に際し、使用者は労働者に対して賃金、労働時間等の労働条件を明示する必要があるが、その際、就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む)や労働時間に関する事項はもとより、退職手当や賞与に関する事項も、原則として書面で明示する必要がある。(R06、H31改)(基礎)

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24
2D
 使用者は、「表彰に関する事項」については、それに関する定めをする場合であっても、労働契約の締結に際し、労働者に対して、労働基準法第15条の規定に基づく明示をする必要はない.(基礎)

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14
2C
 労働基準法第15条では、使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならず、そのうち一定の事項については原則として書面の交付により明示しなければならないとされているが、健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項もこの原則、書面の交付により明示しなければならない事項に含まれている。(H31改)(発展)

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15
2C
 労働契約の締結に際し、労働者に対して、原則書面の交付により明示しなければならないこととされている賃金(退職手当及び一定の賃金を除く)の決定及び計算に関する事項に係る書面の内容としては、当該事業場の就業規則を労働者に周知させる措置が講じられていれば、就業規則の規定と併せ当該事項が当該労働者について確定し得るものであればよく、例えば、当該労働者の採用時に交付される辞令であって当該就業規則に規定されている賃金等級が表示されたものでも差し支えないとされている。(H31改)(発展)

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2
5イ
 労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき賃金に関する事項及び書面について、交付すべき書面の内容としては、労働者の採用時に交付される辞令等であって、就業規則等(労働者への周知措置を講じたもの)に規定されている賃金等級が表示されたものでもよい。(15-2Cの類型)

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11
2C
 賃金や労働時間に関する事項について、労働契約締結時に原則書面により明示する必要があるが、その際、労働者に適用される部分を明確にして就業規則を労働契約の締結の際に交付することとしても差し支えない。(15-2Cの応用)(H31改)

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24
7E
 労働基準法第15条により、使用者が労働契約の締結に際し原則書面で行うこととされている労働条件の明示については、当該労働条件を記載した就業規則を交付することではその義務を果たすことはできない。H31改)((11-2Cの類型)

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12
2C
  労働契約の締結に際し、原則書面を交付して明示すべき労働条件のうち、退職に関する事項については、退職の事由及び手続、解雇の事由等を明示しなければならないが、明示事項の内容が膨大なものとなる場合は、労働者の利便性をも考慮し、適用される就業規則の関係条項名を網羅的に示すことで足りる。(24-7Eの応用)

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27
3C
 労働基準法第15条は、使用者が労働契約の締結に際し労働者に明示した労働条件が実際の労働条件と相違することを、同法第120条に定める罰則付きで禁止している。(発展) 

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24
2E
 派遣元の使用者は、労働者派遣法第44条第2項における労働基準法の適用に関する特例により、労働時間に係る労働基準法第32条、第32条の2第1項等の規定については、派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなすとされているところから、これらの特例の対象となる事項については、労働基準法 第15条による労働条件の明示をする必要はない。(発展)

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29
3E
 派遣労働者に対する労働条件の明示は、労働者派遣法における労働基準法の適用に関する特例により派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用することとされている労働時間、休憩、休日等については、派遣先の使用者がその義務を負う。 (24ー2Eの類型)

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2.就業規則における記載事項(89条)  就業規則の作成・届出等の詳細はこちらへ
               Table 労基法:就業規則記載事項
絶対的
必要記載事項
1  始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
⇒「休暇」には年次有給休暇だけでなく、産前産後の休暇、生理日の休暇の与え方のほか、夏休み、年末年始休暇、慶弔休暇など法定外の休暇ある場合には記載しなければならない。
 また、育児介護休業法による育児休業・介護休業、子の看護休暇、介護休暇についても休暇と考えて記載しなければならない。
2  賃金(臨時の賃金等を除く以下同じ)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
3  退職に関する事項(解雇の事由を含む)
相対的
必要記載事項
3の2  退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
4  臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
5  労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
6  安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
7  職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
8  災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
9  表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
10  前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項
21
3C
 使用者が就業規則に記載すべき事項には、いかなる場合であっても必ず記載しなければならない事項(いわゆる絶対的必要記載事項)と、その事項について定めをする場合には必ず記載しなければならない事項(いわゆる相対的必要記載事項)とがある。(基礎)

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フレックスタイム制 14
6C
  労働基準法第89条第1号により、始業及び終業の時刻に関する事項は、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項となっているが、フレックスタイム制を採用する場合には、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨の定めをすれば同条の要件を満たすものとされている。
 その場合、コアタイム(労働者が労働しなければならない時間帯)、フレキシブルタイム(労働者がその選択により労働することができる時間帯)も始業及び終業の時刻に関する事項であるので、それらを設けるときには、就業規則においても規定すべきものである。(応用)

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26
7エ
 労働基準法第32条の3に定めるフレックスタイム制の対象となる労働者については、就業規則において始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨の定めをし、また、フレックスタイム制においてコアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合には、これらに関する事項を就業規則で定めておけば、労働基準法第89条第1号に定める「始業及び終業の時刻」の就業規則への記載義務を果たしたものとされる。 (14-6Cの類型)

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28
5B
 労働基準法第41条第3号に定める「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」については、労働基準法の労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されないから、就業規則に始業及び終業の時刻を定める必要はない。(発展)

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7E
 同一事業場において、労働者の勤務態様、職種等によって始業及び終業の時刻が異なる場合は、就業規則には、例えば「労働時間は1日8時間とする」と労働時間だけ定めることで差し支えない。(発展)

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30
7B
 就業規則の記載事項として、労働基準法第89条第1号にあげられている「休暇」には、育児介護休業法による育児休業も含まれるが、育児休業の対象となる労働者の範囲、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、育児介護休業法の定めるところにより育児休業を与える旨の定めがあれば記載義務は満たしている。(発展)

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25
1B
 臨時の賃金等を除く賃金の決定、計算及び支払いの方法に関する事項は、労働基準法第89条において、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項となっている。(基礎)
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退職に関する事項 23
5A
 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、退職に関する事項(解雇の事由を含む)を、就業規則に必ず記載しなければならない。(基礎)

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24
3オ

 労働基準法第89条では、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項として「退職に関する事項(解雇の事由を含む)」と規定されているが、ここでいう「退職に関する事項」とは、任意退職、解雇、定年制、契約期間の 満了による退職等労働者がその身分を失うすべての場合に関する事項をいう。(23-5Aの発展)

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退職手当に関する事項 24
7A
 労働基準法 によれば、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、退職手当に関する事項を就業規則に必ず記載しなければならないとされており、また、期間の定めのない労働契約によって雇用される、勤続期間が3年以上の労働者に対して退職手当を支払わなければならない。(23-5Aの 応用)

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28
5C
 退職手当制度を設ける場合には、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、退職手当の支払の時期に関する事項について就業規則に規定しておかなければならないが、退職手当について不支給事由又は減額事由を設ける場合に、これらを就業規則に記載しておく必要はない。

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正しい 誤り
時間外労働 13
5C
 所定労働時間を超える労働の有無は、労働基準法第15条第1項の規定により使用者が労働契約の締結に際して労働者に対して明示しなければならない労働条件の一つとされており、また、労働基準法第89条において、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項ともされている。(基礎)

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15
2E
  労働契約の締結に際し労働者に対して書面の交付により明示しなければならないこととされている労働条件の多くは就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項とも一致しているが、労働契約の締結に際し労働者に対して書面により明示しなければならないこととされている「就業の場所に関する事項」は、就業規則の絶対的必要記載事項とはされていない。(基礎)

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30
7C
 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則に制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項を必ず記載しなければならず、制裁を定めない場合にはその旨を必ず記載しなければならない。

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慣習その他全労働者に適用される事項 14
2B
 休職に関する事項は、使用者がこれに関する定めをする場合には、労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条第1項の規定により、労働契約の締結に際し労働者に対して明示しなければならない労働条件とされており、また、それが当該事業場の労働者のすべてに適用される定めであれば、同法第89条に規定する就業規則の必要記載事項でもある。(基礎)

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正しい 誤り
23
5B
 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、当該事業場の労働者すべてを対象にボランティア休暇制度を定める場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければならない。(14-2Bの類型)

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正しい 誤り
25
1D
 労働基準法第89条の規定により、常時10人以上の労働者を使用するに至った使用者は、同条に規定する事項について就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないが、従来の慣習が当該事業場の労働者のすべてに適用されるものである場合、当該事項については就業規則に規定しなければならない。

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2
7A
  慣習等により、労働条件の決定変更につき労働組合との協議を必要とする場合は、その旨を必ず就業規則に記載しなければならない。(25-1Dの類型)

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3
7B
 欠勤(病気事故)したときに、その日を労働者の請求により年次有給休暇に振り替える取扱いが制度として確立している場合には、当該取扱いについて就業規則に規定する必要はない。(25-1Dの類型)

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3.即時契約解除と帰郷旅費 基礎講座参照
 「15条2項 前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる」 

@即時解除とあるから、民法627条による「2週間前までに使用者に告知する必要がある」にかかわらず、即時に契約解除ができ、労働契約は解除と同時に終了する。
 有期契約期間中であっても、即時解除できる。
Aただし、「明示された労働条件が事実と相違していることを知りながら、ある程度の期間にわたって異議を述べずにいると、その事実が契約内容となったとみなされることがあるので、注意をy要する。
B契約解除のほか、明示された通りの労働条件が実施されるよう要求することもでき、その要求に応じない場合は、債務不履行による損害賠償を請求することが可能。
 「同条3項 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない」
 補足
@帰郷旅費 (S23.07.20基収2483
 「帰郷旅費とは、本人の到着地、父母その他の親族の保護を受ける場合にはその者の住所までの実費をいう」
A必要な旅費 通達(S22.9.13発基17)
 「必要な旅費とは、労働者本人のみならず、就業のために移転した家族の旅費をも含むこと。ここで、家族とは、労働者により、生計を維持されている同居の親族(届出をしないが、事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む)をいう」
23
2B
 労働基準法第15条第1項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。(基礎)

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28
2B
 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と相違しているため、労働者が労働契約を解除した場合、当該解除により労働契約の効力は遡及的に消滅し、契約が締結されなかったのと同一の法律効果が生じる。 (23-2Bの発展)
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12
2D
 労働者Xの雇入れに当たり、Xは、事業主が使用している労働者Y等との折り合いの関係から、Y等の賃金引上げを要望し、事業主もその引上げを約したが、実際にはその引上げを行わなかった。この場合、Xは、この約束が守られていないことを理由としては、労働基準法第15条第2項を根拠として自分自身の労働契約の即時解除をすることはできない。(23-2Bの発展)

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5
5B
 社宅が単なる福利厚生施設とみなされる場合においては、社宅を供与すべき旨の条件は労働基準法第15条第1項の「労働条件」に含まれないから、労働契約の締結に当たり同旨の条件を付していたにもかかわらず、社宅を供与しなかったときでも、同条第2項による労働契約の解除権を行使することはできない。

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29
3B
 明示された労働条件と異なるために労働契約を解除し帰郷する労働者について、労働基準法第15条第3項に基づいて使用者が負担しなければならない旅費は労働者本人の分であって、家族の分は含まれない。

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正しい 誤り

4
5B
 労働基準法第15条第3項にいう「契約解除の日から14日以内」であるとは、解除当日から数えて14日をいい、例えば、9月1日に労働契約を解除した場合は、9月1日から 9月14日までをいう。

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