28年度 法改正トピックス(雇用保険法に関する主要改正点)

  改正後 改正ポイント
不服申立て   不服申立て(69条)
 「2項 (H28.04.01) 前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して3箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる」
 「決定を経ないで、労働保険審査会に対して再審査請求をする」から、「審査官が審査請求を棄却した者とみなす」に。
⇒「棄却したものとみなす」とあるから、「審査官の決定」が出たと同じことであり、次のステップとして、再審査請求ができるし、訴訟の提起もできる。
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 審査請求と訴訟との関係(71条)(H28.04.01)
 「69条1項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する雇用保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない」
 ・「再審査請求に対する労働保険審査会の裁決」から、「審査請求に対する雇用保険審査官の決定」に。
⇒「再審査会前置主義」から、「審査官前置主義」に
・よって、「ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない」の例外規定は削除。
1  再審査請求がされた日の翌日から起算して3箇月を経過しても裁決がないとき
2  再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
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マイナンバ
関連
 被保険者の個人番号の変更の届出(施行規則14条の2)(H28.02.16新規)
 「事業主は、その雇用する被保険者(日雇労働被保険者を除く)の個人番号(いわゆるナンバー)が変更されたときは、速やかに、個人番号変更届をその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」
 マイナンバー制度が、雇用保険法に適用されたことに伴い、本様式「個人番号登録・変更届出書」が新設された。
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  雇用継続給付の申請手続き関連
 
高年齢雇用継続基本給付金の申請手続 (施行規則101条の5)(H28.02.16)
  「被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)は、初めて高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けようとするときは、支給対象月の初日から起算して4箇月以内に、高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書(ただし、公共職業安定所長が必要があると認めるときは、高年齢雇用継続給付支給申請書をもつて代えることができる)に雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書、労働者名簿、賃金台帳その他の被保険者の年齢、被保険者が雇用されていることの事実、賃金の支払状況及び賃金の額を証明することができる書類を添えて、事業主を経由してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
 ただし、やむを得ない理由のため事業主を経由して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、事業主を経由しないで提出を行うことができる」 
 1項(6項も同様の改正)
 従来は、被保険者本人が(労使協定がある場合のみ事業主が)申請することになったいたところ、
 「事業主を経由して」と改められた。(このための労使協定は、施行規則101条の8の削除により不要)
 「ただし、やむを得ない場合は、直接本人が申請することもできる」というただし書き部分を追加。
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 高年齢再就職給付金の支給手続(施行規則101条の7)(H28.02.16)
 「被保険者は、初めて高年齢再就職給付金の支給を受けようとするときは、高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書に労働者名簿、賃金台帳その他の被保険者の年齢、被保険者が雇用されていることの事実、賃金の支払状況及び賃金の額を証明することができる書類を添えて、事業主を経由してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由のため事業主を経由して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、事業主を経由しないで提出を行うことができる」
 事業主による申請の代行(施行規則101条の8)(H28.02.16削除)
 高年齢再就職給付金の支給手続についても、上記と同様の改正。
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   育児休業給付の申請手続(施行規則101条の13)H28.02.16)
 「1項(初回申請)、6項(2回目以降申請)」
 介護休業給付の申請手続(施行規則101条の19)(H28.02.16)
 事業主による申請の代行(準用規定(施行規則101条の15)のうち、以下に相当する部分はH28.02.16以降不要になり削除) 
 「事業主は、当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは、労働者の過半数を代表する者)との間に書面による協定があるときは、被保険者に代わって、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」、「育児休業給付金支給申請書」、「介護休業給付金支給申請書」の提出をすることができる」
 従来は、被保険者本人が(労使協定がある場合のみ事業主が)申請することになったいたところ、
 「事業主を経由して」と改められた
 「ただし、やむを得ない場合は、直接本人が申請することもできる」というただし書き部分を追加。
 育児休業:過去問と解説はこちら
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 休業開始時賃金(月額)証明書(施行規則14条の3) (H28.02.16)
 「事業主は、その雇用する被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、及び日雇労働被保険者を除く)が、
 1歳に満たない子を養育
するために育児休業を開始したときは、施行規則101条の13の1項の規定により、当該被保険者が育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出する日までに
 対象家族を介護するために介護休業を開始したときは、施行規則101条の19の1項の規定により、当該被保険者が介護休業給付金支給申請書の提出する日までに
 雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書に、労働者名簿、賃金台帳その他の休業を開始した日及びその日前の賃金の額を証明することができる書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない」公共職業安定所の長に提出しなければならない」
 労使協定がある場合(旧施行規則14条の3)  (H28.02.16削除)
 「施行規則101条の8の準用規定(労働者の過半数で組織する労働組合ないときは、労働者の過半数を代表する者との間に書面による協定があるとき)に基づき、被保険者に代わつて育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出をする事業主の場合は、休業開始時賃金月額証明書の提出は当該申請書の提出をする日までとする」
 休業開始時賃金証明書は、従来は、「休業を開始日の翌日から起算して10日以内」に提出しなければならなかったが、
 改正後は、「初回の支給申請書を提出する日までに提出」となった。
 支給申請書は「事業主経由」で提出することになり、そのときに同時に休業開始時賃金証明書も提出することですむ。
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 旧施行規則14条の3
 改正前においても、「労使協定の締結」があって、事業主が支給申請を行うことができる場合に、休業開始時賃金証明書の提出は、「初回の支給申請書を提出する日までに提出」でよいという特例があったが、このたびの法改正により、この特例は不要となり、規定から削除された。
 「介護休業」についても、同2項に同様の規定があったが、これも削除された。
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雇用保険2事業  雇用安定事業(62条1項)
 「政府は、被保険者、被保険者であった者及び被保険者になろうとする者(以上被保険者等)に関し、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業として、次の事業を行うことができる」
4号:高年齢者等雇用安定法34条1項の同意を得た同意地域高年齢者就業機会確保計画に係る同法34条2項3号に規定する事業のうち雇用の安定に係るものを行うこと。
 高年齢者等雇用安定法34条(地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業の機会の確保に関する計画)の改定に連動して、4号を追加
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 能力開発事業(63条1項)
 「政府は、被保険者等に関し、職業生活の全期間を通じて、これらの者の能力を開発し、及び向上させることを促進するため、能力開発事業として、次の事業を行うことができる」
7号:同意地域高年齢者就業機会確保計画に係る高年齢者等の雇用安定法34条2項3号に規定する事業のうち労働者の能力の開発及び向上に係るものを行うこと。
 高年齢者等雇用安定法34条(地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業の機会の確保に関する計画)の改定に連動して、7号を追加
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