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 全額・一部給付制限、減額改定、支給停止、現況届と差止め、第3者行為、不正利得の徴収
関連過去問 12-1A12-6A12-6B12-6C12-6D12-6E、17-2E17-5B19-9D20-1A22-7A22-7C22-7D27-5C27-6E27-7E29-2D29-5B30-4イ令元ー6E令2-8E
 一般11-8A一般11-8C一般11-8D一般11-8E一般15-9A
関連条文 絶対的給付制限:障害厚生年金等(73条)、遺族厚生年金(76条)、相対的給付制限(73条の2)
 減額改定等(74条)、支給停止(77条)、支給停止中の年金(36条2項)、
 差止め(78条)、老齢厚生年金の一時差止め(施行規則36条)、障害厚生年金の一時差止め(施行規則52条)、遺族厚生年金の一時差止め(施行規則69条)
 第3者行為による損害賠償請求権(40条)、不正利得の徴収(40条の2)
別ページ掲載:国民年金の給付制限等
























0.まとめ
処分  対象者  処分の内容
絶対的給付制限(障害厚生年金)  被保険者又は被保険者であった者 ・故意に、障害又は原因となる事故を起こした者には、支給しない。
 絶対的給付制限(遺族厚生年金)  遺族厚生年金を受給できるかもしれない遺族 ・故意に、本人(被保険者あるいは被保険者であった者)を死亡させた者には、支給しない。
 故意に、受給権者となれる者を本人の死亡前に死亡させた者には、支給しない。
 遺族厚生年金の受給権者 ・故意に、他の受給権者を死亡させたときは、消滅する。
 相対的給付制限  被保険者又は被保険者であった者 ・故意の犯罪行為、重大な過失、療養指示に従わないことにより、障害、死亡、障害程度の増進、回復の妨げなどを行った者には、全部又は一部を支給しない ことができる。
 減額改定  障害厚生年金の受給権者 ・故意、重大な過失、療養指示に従わないことにより、障害程度の増進、回復の妨げを行ったときは、年金額の改定をしない、又は減額改定をする ことができる。
 支給停止  受給権者 ・求められた書類等の提出や質問に応じないとき。
 障害を理由とする年金の受給権者および障害を理由として加算されている者 ・障害の程度を証明するための医師の診断命令に従わず、又は職員による診断を拒んだとき
・故意、重大な過失、療養指示に従わないことにより、障害回復の妨げをおこなったとき
 いずれも全部又一部の支給を停止(停止された年金は原則的には戻ってこない)することができる。
 差止め  年金の受給権者 ・求められた書類などを提出しないときは、年金の支払が一時差し止めにすることができる。
 (差止めされた年金は戻ってくる)





















2.絶対的給付制限
2.1 障害厚生年金等(73条)
 「被保険者又は被保険者であった者が、故意に、障害又はその直接の原因となった事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は、支給しない」
⇒「故意」とはそうすれば障害に至るであろうと認識しながら、あえて行動に移すことをいい、必ずしも障害給付を受けようとする目的意識を必要とはしない。
2.2 遺族厚生年金(76条)
 「遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には、支給しない。被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族厚生年金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様とする」
 「同2項 遺族厚生年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する」
3. 相対的給付制限(73条の2)
 「被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生ぜしめ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、保険給付の全部又は一部を行なわないことができる」   
 絶対的給付制限(支給しない)
受給権は発生しない
・裁量の余地なく自動的に適用される
例:故意に、保険事故を発生させた。
 相対的給付制限(一部又は全部を支給しないことができる)
・全部制限:受給権は発生しない
・一部制限:受給権は発生するが、給付額が制限される
・いずれも、裁量の余地はある 
例:故意の犯罪行為重大な過失により保険事故を発生させた。
 
 :保険給付と因果関係がある犯罪行為を故意にやったが、障害・死亡事故を故意に起こさせたわけでない場合は、相対的給付制限。
 自殺の場合(S35.10.6保険発123)
 「自殺行為は何らかの精神異常に起因して行なわれる場合が多く、たとえ当該行為が外見上通常人と全く同様の状態にあったとしても、これをもって直ちに故意に保険事故を発生せしめたものとして給付制限を行なうことは適当でない。従って、今後の自殺による遺族年金の支給については、それが正常な精神状態のもとになされたことを積極的に立証しうる場合を除いて、給付制限は行なわない」
一般
11
8A
 被保険者又は被保険者であった者が、故意に、障害又はその直接の原因となった事故を生じせしめた場合は、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は支給されない。(基礎)

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正しい 誤り
12
6A
 被保険者又は被保険者であった者が、故意又は重大な過失により、障害又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、当該障害を給付事由とする障害厚生年金又は障害手当金は支給しない。(基礎)

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正しい 誤り


6E
 被保険者が故意に障害を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は支給されない。また、被保険者が重大な過失により障害を生ぜしめたときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。(12-6Aの類型)

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正しい 誤り
17
2E
 被保険者又は被保険者であった者が正当な理由なくて療養に関する指示に従わなかったことにより障害の回復を妨げたときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができ、また、その者が障害厚生年金の受給権者であった場合には、現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして給付額の改定を行うことができる。 (基礎)

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正しい 誤り
12
6C
 遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族厚生年金の受給権者となる者を故意に死亡させた者には、支給されない。(基礎)

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正しい 誤り
27
5C
 被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、死亡の原因となった事故を生じさせたときは、保険給付の全部又は一部を行なわないことができることとなっており、被保険者が精神疾患のため自殺した場合には遺族厚生年金は支給されない。 (発展)

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正しい 誤り
















4.減額改定等(74条)
 「障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、52条1項による年金額の改定を行わず、又は現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、(減額)改定を行うことができる」
一般15
9A
 厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者が故意に障害又はその直接の原因となった事故をおこしたときは、その障害を支給事由とする障害厚生年金は等級を下げて支給する。(基礎)

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正しい 誤り
12
6B
 障害厚生年金の受給権者が、正当な理由なくして医療に関する指示に従わなかったことにより、その障害の程度を増進させ又は回復を妨げたときは、障害厚生年金の額を改定し、また障害等級を現行以下に改定するものとする。(応用)

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正しい 誤り
22
7C
 障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失によりその障害の程度を増進させたときは、直ちに、その者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当する 者として額の改定を行うものとする。(12-6Bの類型)

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正しい 誤り
29
5B
 実施機関は、障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、実施機関の診査による改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、改定を行うことができる。 (12-6Bの類型)

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正しい 誤り
20
1A
 障害厚生年金の受給権者が、重大な過失により、その障害の程度を増進させたときは、当該障害厚生年金の額の一部につき、その支給を停止し、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、当該障害厚生年金の額の改定を行うことができる。(12-6Bの類型)

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正しい 誤り















5.支給停止(77条)
 「年金たる保険給付は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる」 
1  受給権者が、正当な理由がなくて、96条1項の規定による命令(書類等の提出命令)に従わず、又は 同項の規定による職員の質問に応じなかったとき
2  障害等級に該当することにより年金の受給権を有するもの、又は障害により加給対象になっている子が、正当な理由がなくて、 97条1項の規定による命令(障害の程度を証明するための医師の診断命令)に従わず、又は 同項の規定による(職員による)診断を拒んだとき
⇒「障害等級に該当することにより年金の受給権を有するもの」とは、障害厚生年金受給権者だけでなく、20歳未満の子・孫で遺族厚生年金の受給権者も含む
3  前号に規定する者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の回復を妨げたとき

 支給停止中の年金(36条2項)
 「年金は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない」
⇒支給停止事由がやむまで停止されるのであって、完全に権利を失う失権とは異なる。
一般
11
8C
 実施機関が必要であると認めて受給権者に受給権の消滅に係る事項に関する書類の提出を命じた際、受給権者が正当な理由がなくて、この提出命令に従わなかったときは、保険給付の全部又は一部を支給停止することができる。

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正しい 誤り

2
8E
 年金たる保険給付の受給権者が、正当な理由がなくて、実施機関が必要があると認めて行った受給権者の身分関係に係る事項に関する職員の質問に応じなかったときは、年金たる保険給付の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。(一般11-8Cの類型)

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正しい 誤り
27
6E

 老齢厚生年金の額に加算される加給年金額の対象となっている障害の状態にある19歳の子が、実施機関が必要と認めた受診命令に従わなかったときは、厚生年金保険法第77条の規定による支給停止が行われることがある。

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正しい 誤り
12
6E
 障害等級に該当する程度の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有する子が、重大な過失によりその障害の回復を妨げたときは、年金たる保険給付の支給は全部を停止する。

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正しい 誤り















6.差止め(78条)
 「受給権者が、正当な理由がなくて、98条3項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる」  
 「2項(H28.10.01追加) 第2号厚生年金被保険者期間、第3号厚生年金被保険者期間又は第4号厚生年金被保険者期間に基づく保険給付については、前項の規定は、適用しない」
 国民年金の差止めはこちらを
 「98条3項 受給権者は、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならない」
⇒ただし、98条(届出)の規定は2号、3号、4号被保険者と事業主、ならびに2号、3号、4号被保険者期間に基づく受給権者には適用しない。 
 一時差止め
 年金の支給が一時的に止まるが、差止め理由が解消(求められていた書類などを提出)すれば、止まっていた年金も含め、さかのぼって年金の支給が再開される。
  支給停止の場合は、停止事由が合法である限り、その間の年金は戻ってはこない。
5-1 老齢厚生年金の一時差止め(施行規則36条) 法改正(27.10.01)、法改正(18.10.1施行)
 「老齢厚生年金について、法第78条1項の規定によつて支払の一時差止めをする場合は、受給権者が正当な理由がなくて、以下を提出しないときとする」
@国会議員等になったときの支給停止の届書若しくはこれに添えるべき書類(厚生労働大臣から届書、書類の提出を求められた場合に限る)
A住民基本台帳法による老齢厚生年金受給権者に係る機構保存本人確認情報では生存若しくは死亡の事実が確認されなかったときに当該受給権者に対して求める生存の事実について確認できる書類
B住民基本台帳法による老齢厚生年金受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることができない場合に受給権者に求める本人確認の届書
C加給年金額対象者がいる老齢厚生年金受給権者が毎年、指定日までに提出すべき「生計維持確認届」及び障害状態にある子であって障害の程度に関する審査が必要であるとされた場合の「障害状態確認届」(医師等の診断書やレントゲンフィルムなど)、
D障害者特例による老齢厚生年金受給権者であつて、その障害の程度の審査が必要であると認めて厚生労働大臣が指定したされた者の障害の現状に関する「障害状態確認届」(医師等の診断書やレントゲンフィルムなどを提出しないときとする)
E受給権者の所在が1月以上不明であると世帯主等が届出た場合において、必要と認める場合に受給権者に求める生存の事実を確認できる書類
⇒ AとBは旧現況届に該当するものであり、旧現況届にかわる届出の詳細はこちらへ。
⇒「 厚生労働大臣」とあるのは、実際には「実施機関」
5-2 障害厚生年金の一時差止め(施行規則52条)法改正(18.10.1施行)
 「障害厚生年金について、法78条の規定によつて支払の一時差止めをする場合は、受給権者が正当な理由がなくて、以下を提出しないときとする」
@住民基本台帳法による障害厚生年金受給権者に係る機構保存本人確認情報では生存若しくは死亡の事実が確認されなかったときに当該受給権者に対して求める生存の事実について確認できる書類
A住民基本台帳法による障害厚生年金受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることができない場合に受給権者に求める本人確認の届書
B加給年金額対象者がいる障害厚生年金受給権者が毎年、指定日までに提出すべき「生計維持確認届
C障害厚生年金の受給権者であってその障害の程度の審査が必要であると認めて厚生労働大臣が指定したされた者の障害の現状に関する「障害状態確認届」(医師等の診断書やレントゲンフィルムなど)
D受給権者の所在が1月以上不明であると世帯主等が届出た場合において、必要と認める場合に受給権者に求める生存の事実を確認できる書類
5-3 遺族厚生年金の一時差止め(施行規則69条)法改正(18.10.1施行)
 「遺族厚生年金について、法78条の規定によつて支払の一時差止めをする場合は、受給権者が正当な理由がなくて、以下を提出しないときとする」
@住民基本台帳法による遺族厚生年金受給権者に係る機構保存本人確認情報では生存若しくは死亡の事実が確認されなかったときに当該受給権者に対して求める生存の事実について確認できる書類
A住民基本台帳法による遺族厚生年金受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることができない場合に受給権者に求める本人確認の届書
B遺族厚生年金の受給権者であってその障害の程度の審査が必要であると認めて厚生労働大臣が指定したされた者の障害の現状に関する「障害状態確認届」(医師等の診断書やレントゲンフィルムなど)
現状に関する「障害状態確認届」(医師等の診断書やレントゲンフィルムなど)
D受給権者の所在が1月以上不明であると世帯主等が届出た場合において、必要と認める場合に受給権者に求める生存の事実を確認できる書類
12
1A
 受給権者が、正当な理由なくして98条第3項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、保険給付の支払いを一時差し止めることができる。(基礎)

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正しい 誤り
一般
11
8D
 受給権者が、正当な理由がなくて、年金受給権者現況届及びこれに添えるべき書類を提出しないときは、保険給付の額の全部又は一部を支給停止することができる。(12-1Aの類型)

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正しい 誤り
17
5B
 老齢厚生年金の額の全部につき支給が停止されている場合を除き、老齢厚生年金の受給権者が正当な理由なくして毎年提出すべき現況届及びこれに添えるべき書類を提出しないときは、老齢厚生年金の支払を一時差止めることができるが、差止事由が消滅したときは差止分の支給を受けることができる。(12-1Aの類型)

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正しい 誤り
27
7E
 受給権者が、正当な理由がなくて厚生年金保険法第98条第3項の規定による届出をせず又は書類その他の物件を提出しないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。(12-1Aの類型)
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正しい 誤り
22
7D
 老齢厚生年金の受給権者が、正当な理由がなくて、厚生年金保険法施行規則の規定により行わなければならない届出またはこれに添えるべき書類を提出しない場合には、保険給付の全部または一部を支給停止することができる。(12-1Aの類型)

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正しい 誤り
30
4イ
 第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金の受給権者(加給年金額の対象者があるものとする)は、その額の全部につき支給が停止されている場合を除き、正当な理由なくして、厚生年金保険法施行規則第35条の3に規定する加給年金額の対象者がある老齢厚生年金の受給権者に係る現況の届書を提出しないときは、当該老齢厚生年金が支給停止され、その後、当該届書が提出されれば、提出された月から支給停止が解除される。 (22-7Dの類型)

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正しい 誤り




















7.第3者行為による損害賠償請求権(40条)
 「政府等は、事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する」

@「政府等」とは、政府と、厚生労働大臣を除く実施機関
A調整の対象となる「保険給付」は、障害厚生年金、障害基礎年金、障害手当金、遺族厚生年金、遺族基礎年金、寡婦年金。
 死亡一時金は(掛け捨て防止の名目によるものであるから)調整されない。
B保険給付を行った都度、政府等がその額を加害者に請求する。 
C支給される年金が2以上の種別の期間からなる場合はこちらを
 「2項 前項の場合において、受給権者が、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府等は、その価額の限度で、保険給付をしないことができる

@給付を行わない額(月数)は、加害者から受けた損害賠償金のうち、一定の計算方法に基づく生活補償費相当の額(あるいはそれから計算した月数)である。
A第三者行為事故が発生してから受給権者が損害賠償を受けるまでには相当の期間を要する場合があるが、年金の給付は、損害賠償を受けるのを待たず速やかに行うこととすること。
 そのため、給付開始後に受給権者が損害賠償を受けることとなった場合は、損害賠償を受けるまでの間に行った給付は、年金の内払い調整等により(年金受給権者に)返還を求めることとなる。
B詳細は、こちらの「厚生年金保険法及び国民年金法に基づく給付と損害賠償額との調整の取扱いに関する事務処理要綱」(H27.09.30年管管発0930第6号)を。
一般
11
8E
 政府等は、事故が第三者の行為によって生じた場合において保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。この場合において、受給権者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府等はその価額の限度で保険給付をしないことができる。(H28改)(基礎)

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正しい 誤り
22
7A
 政府等は、事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。また、この場合において、受給権者が 既に当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府等は保険給付をしないことができる。(H28改)(一般11-8Eの類型)

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正しい 誤り
29
2D
 政府等は、第三者の行為によって生じた事故により保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。また、政府等は、受給権者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。(一般11-8Eの類型)

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正しい 誤り
12
6D
 事故が第三者の行為によって生じた場合に、受給権者が既に当該第三者から損害賠償を受けたときは、保険給付は全額行わない。(22-7Aの類型)

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正しい 誤り
19
9D
 保険事故が第三者の行為によって生じ、受給権者が先に第三者から損害賠償を受けたとき 、保険給付との調整の対象になるのは、生活保障部分であり、医療費、葬祭料は含まれない。(発展)

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正しい 誤り
不正利得の徴収  不正利得の徴収(40条の2)
 「偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる」