23年度 法改正トピックス( 健康保険法に関する主要改正点) | ||
改正後 | 改正ポイント | |
保険者算定 | 報酬月額算定の特例(44条)に関連して、(通達H23.03.31保保発0331)により、 「以下の場合も、保険者算定の対象とする」 当年の4、5、6月の3か月間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までに受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差を生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合。 |
従来は、業務の性質上、4月、5月、6月に受ける報酬(時間外手当等を含む)が通常月よりも高い場合であっても、高いまま準報酬月額の定時決定がなされていた。 改正後はこの値が、前年7月から当年6月までの月平均値と2等級以上の差が出る場合は、後者を定時決定による報酬月額とする。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
育児休業終了時の改定 | 育児休業終了時の改定(43条の2) 「保険者等は、育児・介護休業法に規定する育児休業、23条2項の育児休業の制度に準ずる措置若しくは同24条1項(2号に係る部分に限る)の規定により同2号に規定する育児休業に関する制度に準じて講ずる措置による休業又は政令で定める法令に基づく育児休業(以下「育児休業等」)を終了した被保険者が、 終了した日において、育児休業に係る3歳に満たない子を養育する場合において、 事業主を経由して、保険者に申出をしたときは、定時決定の規定にかかわらず 終了日の翌日が属する月以後3月間(終了日の翌日以降、継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払基礎日数が17日未満である月を除く)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定する」 |
育児休業等第23条第1項の育児休業の制度に準ずる」を 「第23条第2項の育児休業に関する制度に準ずる措置若しくは同法第24条第1項(第2号に係る部分に限る)の規定により同項第2号に規定する育児休業に関する制度に準じて講ずる」に |
再雇用者 の同日得喪 |
「嘱託として再雇用された者の被保険者資格の取扱い」(通達(H8.4.8保文発269、庁文発1431、H22.09.01改) 「一旦退職した者が1日以上の空白があり 再雇用された場合は健康保険法及び厚生年金保険法においては、一定の事業所に使用される者が事業主との間に事実上の使用関係が消滅したと認められる場合にその披保険者の資格を喪失するものと解されています。 同一の事業所において雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合は、退職金の支払いの有無又は身分関係若しくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているので、被保険者の資格も継続する。 ただし、特別支給の老齢厚生年金の受給権者である披保険者であって、退職後継続して再雇用される者に限り、使用関係が一旦中断したものと見なし、事業主から被保険者資格喪失届及び披保険者資格取得届を提出して差し支えないこととする」 |
従来は、「定年による退職」に限られていたが、 H22.09.01以降は、 「特別支給の老齢厚生年金の受給権がある60歳から64歳までの者が退職後、1日の空白もなく再雇用された場合」にも適用されることのなった。 すなわち、 ・停年に達する前の退職・継続再雇用、 ・停年制のない会社での退職・継続再雇用の場合も 拡大して適用される。 同日得喪⇒標準報酬月額を随時改定ではなく資格取得時決定で変更できる。 過去問学習はこちらを |
保険料率 | 保険料率(160条1項) (H22.05.19)
「全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の120までの範囲内において、支部被保険者(各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者)を単位として協会が決定するものとする」 |
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監査 | 会計監査人の監査(7条の29)(H23.04,01) 「協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない」 |
「事業報告書等」を
「事業報告書(会計に関する部分に限る)及び決算報告書」に 会計監査人の監査を受ける対象を、財務諸表、決算報告書のほかは、事業報告書全体ではなく事業報告書のうち会計に関する部分に限定した。 なお、従来の「事業報告書等とは、事業報告書全体と決算報告書を指していた。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
出産育児一時金 | 出産育児一時金(施行令36条)(H23.04.01) 「法101条の政令で定める金額は、39万円とする。 ただし、病院、診療所、助産所その他の者であって、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものによる医学的管理の下における出産であると保険者が認めるときは、 39万円に、1号に規定する保険契約に関し被保険者が追加的に必要となる費用の額を基準として、3万円を超えない範囲内で保険者が定める額を加算した額とする」 |
出産育児一時金(家族出産育児一時金も同じ) は、35万円+3万円から 39万円+3万円に。 これに伴い、経過措置として設けられていた施行令附則7条 「被保険者若しくは日雇特例被保険者若しくはこれらの者であった者又は被扶養者が平成21年10月1日から平成23年3月31日までの間に出産したときに支給する出産育児一時金又は家族出産育児一時金についての36条の規定の適用については、同条中「35万円」とあるのは、「39万円」とする」 は削除され、39万円+3万円が恒常的措置として継続されることになった。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
出産育児一時金の支給申請・受取方法(H23.04.01以降の出産)法改正(H23.04.01) 直接支払制度(出産育児一時金の医療機関等への直接支払制度実施要綱) 「被保険者等(健康保険・船員保険の被保険者若しくは被保険者であった者、又は国民健康保険の世帯主若しくは組合員)が医療機関との間に、出産育児一時金(含む家族出産育児一時金)の支給申請及び受取に係る代理契約を締結の上、出産育児一時金等の額を限度として、医療機関が被保険者等に代わって出産育児一時金等の支給申請及び受取を直接保険者と行うことにより、被保険者等があらかじめまとまった現金を用意した上で医療機関の窓口において出産費用を支払う経済的負担の軽減を図るもの」 ・本人は申請と受取りを病院にお願いする代理契約を病院と結ぶ) ⇒本人は出産にかかった費用-出産育児一時金のみを支払う。 ・病院が保険者に(本人にかわって)申請する。 ⇒病院が(本人にかわって)出産育児一時金を受け取る。 受取代理制度(出産育児一時金の受取代理制度実施要綱) 「被保険者等(健康保険・船員保険の被保険者若しくは被保険者であった者、又は国民健康保険の世帯主若しくは組合員)が医療機関を受取代理人として出産育児一時金(含む家族出産育児一時金)を事前に申請し、医療機関が出産費用の額を限度として被保険者等に代わって出産育児一時金等を受け取ることにより、被保険者等があらかじめまとまった現金を用意した上で医療機関等の窓口において出産費用を支払う経済的負担の軽減を図るものである」 ・本人が病院を受取人として保険者に一時金の事前申請する ⇒本人は出産にかかった費用−出産育児一時金のみを支払う。 ⇒(後日)病院は(本人にかわって)出産育児一時金を受け取る。 ただし、対象となる医療機関は、直接支払制度の利用による負担が大きいと考えられる小規模の医療機関であって、具体的には、 「年間の平均分娩取扱い件数が100件以下の診療所及び助産所や、収入に占める正常分娩に係る収入の割合が50%以上の診療所及び助産所を目安として、厚生労働省に対して届け出たもの」に限られる。 |
直接支払制度: 23年3月31日までの経過措置であったものを、その内容を一部改善し、23年度4月1日以降も延長して適用。 受取代理制度: 直接支払制度だと、病院が一時金を請求しなければならない、請求してから入金まで時間がかかりすぎるなどから、小規模の医療機関に対して、新たな仕組みをつくった。 |
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国庫補助 | 国庫補助の特例(附則5条の2)(H22.07.01) 「平成22年度から平成24年度までの間は、153条1項中「給付費割合」とあるのは「調整対象給付費見込額」に概算加入者調整率を乗じて得た額から調整対象給付費見込額を控除した額の割合 」と、また附則5条の「当分の間1000分の130」とあるのは「1000分の164」とする」 |
国庫負担のうち、「当分の間、1,000分の13」とあるのは、「平成22年度から平成24年度までは1,000分の164」に 日雇特例被保険者についても同様。 基礎知識と過去問学習はこちらを |
滞納処分 | 滞納処分(180条) (H22.05.19) 「保険料その他この法律の規定による徴収金(204条の2(財務大臣への権限委任)、及び204条の6(機構が行う収納)を除き 、以下「保険料等」という)を滞納する者(滞納者)があるときは、 保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の任意継続被保険者である場合又は協会が管掌する健康保険の被保険者若しくは日雇特例被保険者であって58条(不正利得の徴収)、74条2項及び109条2項の規定による徴収金を納付しなければならない場合 、 又は解散により消滅した健康保険組合の権利を26条4項により承継した場合であって当該健康保険組合の保険料等で未収のものに係るものがあるときは協会、 被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合は当該健康保険組合、 これら以外の場合は 厚生労働大臣)は、期限を指定して、これを督促しなければならない。 ただし、172条(繰上げ徴収)の規定により保険料を徴収するときは、この限りでない」 |
協会が解散した健康保険組合を承継したとき、保険料等の滞納がある場合は、協会が督促、滞納処分等を行うべき保険者等となる。 基礎知識と過去問学習はこちらを |