1C 健康保険法基礎知識と関連過去問  Tome塾Homeへ
  随時改定、育児休業期間中終了時の改定、標準報酬月額算定の特例(保険者算定)
別ページ掲載:標準報酬月額定時決定資格取得時決定
  関連過去問 11-3A11-3B13-1A13-1D14-2A14-2D14-2E16-1C16-1E16-9D18-2A18-2C19-2C19-2D20-1B20-1D21-4A21-4C21-4D24-5A24-5B24-8B25-2E26-9D27-7エ27-8E28-5E28-10B28-10E29-10E30-2D30-3D令元ー9エ令元ー9オ令元ー10A令元ー10B令元ー10E令2-9C令3-1A令3-1B令3-1C令3-10A令4-1E令4-7D令4-8A令4-8D令4-8E令5-3ア
 関連条文等 随時改定(43条)、随時改定(変更)の届出(施行規則26条)、著しく高低を生じた場合、標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集(随時改定)
 休業 ・休職期間中の標準報酬月額・保険料(求職中求職と被保険者資格休業中低額の休職給一時帰休)、
 育児休業等を終了した際の改定(43条の2)、育児休業等を終了した際の報酬月額変更の届出(施行規則26条の2)、産前産後休業を終了した際の改定(43条の3)、産前産後休業を終了した際の報酬月額変更の届出(施行規則26条の3)
 標準報酬月額算定の特例(44条)、保険者算定の例と方法年間平均による随時改定















1.随時改定(43条) 法改正(H28.10.01)、法改正(H18.7.1施行)
 「保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3月間(各月とも、報酬支払の基礎日数が、17日(厚生労働省令で定める者すなわち4分の3条件を満足しない短時間労働者である被保険者にあっては、11日)以上でなければならない)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる」
保険者等とは、協会健保の場合は厚生労働大臣(日本年金機構)、組合健保の場合はそこの健康保険組合
 「2項 前項の規定によって改定された標準報酬月額は、その年の8月(7月から12月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする」
 随時改定の対象となる報酬の変動(S36.1.26保発4など)
 「固定的賃金の増額又は減額をいい、ベースアップ又はベースダウン及び賃金体系の変更による場合並びにこれらの遡及適用によって差額支給をうける場合を含み、休職による休職給を受けた場合を含まない。また、3か月間とは昇級月又は降給月を含む」
 「固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているものをいう。その変動には、次のようなものがある」
・昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
・給与体系の変更(日給から月給への変更等)
・日給や時間給の基礎単価(日当、単価)の変更(超過勤務手当の支給単価(支給割合)の変更を含む)
・1日当たりの所定労働時間(契約時間)の変更(時間給に変更がなくても該当)
・請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
・住宅手当、役付手当等の固定的な手当の追加、支給額の変更など
「昇給月」とは、実際に昇給額が支払われた月である。
よって、遡り昇給があったときは、実際に差額が支払われた月のことで、そこから4か月の月から改定される。
 「著しく高低を生じた場合」とは、標準報酬月額等級表2等級以上の差が生じた場合のことである。
 ただし、最上等級とその1等級下、最下等級とその1等級上の者については、1等級の差であっても、2等級に相当する差とみなされる場合がある。
 例外的なルール
 @49等級(129.5万円以上135.5万円未満)の者が50等級(135.5万円以上)相当に昇給
   141.5万円以上の50等級に相当  実質2等級の差とみて随時改定⇒50等級に
 141.5万円未満の50等級に相当  随時改定せず⇒49等級のまま
A 50等級(135.5万円以上)の者が49等級(129.5万円以上135.5万円未満)相当に降給
   141.5万円以上の50等級から49等級相当に  実質2等級の差とみて随時改定⇒49等級に
 141.5万円未満の50等級から49等級相当に  随時改定せず⇒50等級のまま
B 1等級(63千円未満)の者が2等級(63千円以上73千円未満)に昇給
   53千円未満の者が2等級に相当  実質2等級の差とみて随時改定⇒2等級に
 53千円以上の者が2等級に相当  随時改定せず⇒1等級のまま
C2等級(63千円以上73千円未満)の者が1等級(63千円未満)相当に降給
   53千円未満の1等級に相当  実質2等級の差とみて随時改定⇒1等級に
 53千円以上の1等級に相当  随時改定せず⇒2等級のまま

 随時改定(変更)の届出(施行規則26条)
 「随時改定に該当する場合の被保険者の報酬月額に関する届出は、速やかに、健康保険被保険者報酬月額変更届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。
 この場合において、協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、健康保険被保険者報酬月額変更届に第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない」
 標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集(随時改定に関する抜粋)(厚生労働省年金局事業管理課長事務連絡(R04.09.05改、R03.04.01改、H29.06.02改)
問1-3 「基本給(時間給)に変更はないが、勤務体系(契約時間)が変更になる場合、随時改定の対象となるか」
(例)基本給は、1H当たり2,000円で変更はないが、契約時間が、1日8時間から6.5時間に変更。1月あたりの日数は20日で変更なし。
 回答「時給単価の変動はないが、契約時間が変わった場合、固定的賃金の変動に該当するため、随時改定の対象となる」
問2  「超過勤務手当の支給単価(支給割合)が変更された場合は、随時改定の対象となるか」
 回答「超過勤務手当については、個々人や月々の稼働状況によって時間数が不確定であるため、単に時間の増減があった場合は随時改定の対象とはならないが、支給単価(支給割合)が変更となった場合は随時改定の対象となる」
問3 「超過勤務手当等の非固定的手当が廃止された場合、随時改定の対象となるか」
 回答「非固定的手当であっても、その廃止は賃金体系の変更に当たるため、随時改定の対象となる」
問5 「同一月に固定的賃金の増額と減額が同時に発生した場合(手当の廃止と創設等)、増額改定と減額改定のどちらの対象となるか」
  回答「同時に複数の固定的賃金の増減要因が発生した場合、それらの影響によって固定的賃金の総額が増額するのか減額するのかを確認し、増額改定・減額改定いずれの対象となるかを判断する。
 例えば、定額の手当が廃止され、その手当と同額の手当が新たに創設された場合など、固定的賃金に変更が生じないケースについては、随時改定の対象とならない。
 なお、変動的な手当の廃止と創設が同時に発生した場合等については、手当額の増減と報酬額の増減の関連が明確に確認できないため、3か月の平均報酬月額が増額した場合・減額した場合のどちらも随時改定の対象となる」
問6 「給与計算期間の途中で昇給した場合、どの時点を起算月として随時改定の判断を行うのか」
 例:当月末締め翌月末払いの給与で、当月15日以降の給与単価が上昇した場合
 回答 「昇給・降給した給与が実績として1か月分確保された月を固定的賃金変動が報酬に反映された月として扱い、それ以後3か月間に受けた報酬を計算の基礎として随時改定の判断を行う」
 例示の場合であれば、給与単価が上昇した翌月支払の給与は単価上昇の実績を1か月分確保できていないため、翌々月を3か月の起算点として随時改定の可否を判断する。
問8-2 
「産休又は育休取得中の無給期間において昇給等があった場合、起算月はいつになるか」
 回答 「産休等の無給期間中に固定的賃金に変動があった場合には、実際に変動後の報酬を受けた月を起算月として改定することとなる。
 また、昇給等による固定的賃金の変動後に、給与計算期間の途中で休業に入ったこと、または給与計算期間の途中で復帰したことにより、変動が反映された報酬が支払われているものの、継続した3月間のうちに支払基礎日数が17日未満となる月がある場合については、随時改定の対象とはならない。なお、これらは育児休業等を終了した際の改定を妨げるものではない」
問10 「遡って昇給が発生した場合、保険者算定による随時改定の対象となるが、遡って降給が発生した場合も同様の取扱いが可能か」
 回答 「遡って昇給が発生した場合、その変動が反映された月(差額調整が行われた月)を起算月として、それ以後継続した3か月間(いずれの月も支払基礎日数が17日以上)に受けた報酬を基礎として、保険者算定による随時改定を行うこととなるが、遡って降給が発生した場合についても、遡って昇給が発生した場合と同様に取り扱うものとする。
 なお、超過支給分の報酬がその後の報酬から差額調整された場合、調整対象月(起算月)の報酬は本来受けるべき報酬よりも低額となるため、調整対象月に控除された降給差額分を含めず、本来受けるべき減給後の報酬額で随時改定を行う」
⇒遡って昇給が発生した場合も、同様に、差額分がその後に遡り支給された場合、その月の報酬には遡り差額分は含めず、本来受けるべき昇給後の報酬のみで随時改定を行う。
問11 「基本給の減給制裁があった場合、随時改定はどのようになるか。また、同月に役職手当等の付与による固定的賃金の変動(増額)がある場合、随時改定の取扱いはどのようになるか」
 回答 「減給制裁は固定的賃金の変動には当たらないため、随時改定の対象とはならない。また、同月に固定的賃金の変動(増額)があった場合は、変動した固定的賃金の支給実績があった月を起算月として、減給制裁と役職手当等を併せた報酬全体で2等級以上の差が生じれば、随時改定に該当する。(起算月をずらしたり、減給が無かった場合の金額で算定したりすることはできない)
問12 「現物給与の標準価額が告示により改正された場合は、随時改定の対象になるか」
 回答 「告示改正による単価の変更は、固定的賃金の変動に該当することから、随時改定の対象となる。なお、現物給与の価額に関して規約で別段の定めをしている健康保険組合が管掌する被保険者については、当該規約の定めによる価額の変更がなければ、随時改定の対象にはならない」
問13 「自動車通勤者に対してガソリン単価を設定して通勤手当を算定している事業所において、ガソリン単価の見直しが月単位で行われ、その結果、毎月ガソリン単価を変更し通勤手当を支給している場合、固定的賃金の変動に該当するか」
 回答 「単価の変動が月ごとに生じる場合でも、固定的賃金の変動として取扱うこととなる」
問14 「産前・産後休業期間について、基本給等は休業前と同様に支給するが、通勤手当については支給しないこととしている。この場合は、賃金体系の変更による随時改定の対象となるか」
 回答 「産休等により通勤手当が不支給となっている事例において、通勤の実績がないことにより不支給となっている場合には、手当自体が廃止された訳ではないことから、賃金体系の変更にはあたらず、随時改定の対象とはならない」
11
3A
 被保険者(4分の3条件を満足していない者を除く)の標準報酬月額の随時改定は、継続した3か月間(支払基礎日数が17日以下の月を除く)の報酬の平均と現在の標準報酬月額に著しく差が生じた場合であって、保険者等がそれを必要と認めた場合に行われる。(H29改)(基礎)

解説を見る

正しい 誤り
14
2E
 昇給のあった月を含む3ヵ月間の報酬総額の平均額を基礎として算定した標準報酬月額が従前の標準報酬月額に比べて2等級以上の差が出た場合、その翌月から標準報酬月額の随時改定が行われる。(11-3Aの類型)

解説を見る

正しい 誤り

2
9C
 育児休業取得中の被保険者について、給与の支払いが一切ない育児休業取得中の期間において昇給があり、固定的賃金に変動があった場合、実際に報酬の支払いがないため、育児休業取得中や育児休業を終了した際に当該固定的賃金の変動を契機とした標準報酬月額の随時改定が行われることはない。(11-3Aの応用)

解説を見る

正しい 誤り
14
2A
 定期昇給により基本給は上昇したが、残業手当の減少により3ヵ月間の報酬総額の平均額が変わらない場合は、随時改定の対象にならない。(応用) 

解説を見る

正しい 誤り
現物給与価額 29
10
E
 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者が、報酬の一部を現物給与として受け取っている場合において、当該現物給与の標準価額が厚生労働大臣告示により改正されたときは、標準報酬月額の随時改定を行う要件である固定的賃金の変動に該当するものとして取り扱われる。(発展) 

解説を見る

正しい 誤り







3
10
A
 賃金が時間給で支給されている被保険者について、時間給の単価に変動はないが、労働契約上の1日の所定労働時間が8時間から6時間に変更になった場合、標準報酬月額の随時改定の要件の1つである固定的賃金の変動に該当する。

解説を見る

正しい 誤り
賃金体系の変更
令4
8D
 X事業所では、働き方改革の一環として、超過勤務を禁止することにしたため、X事業所の給与規定で定められていた超過勤務手当を廃止することにした。これにより、当該事業所に勤務する被保険者Dは、超過勤務手当の支給が廃止された月から継続した3か月間に受けた報酬の総額を3で除した額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じた。
 超過勤務手当の廃止をした月から継続する3か月間の報酬支払基礎日数はすべて17日以上であったが、超過勤務手当は非固定的賃金であるため、当該事業所は標準報酬月額の随時改定の手続きは行わなかった。
 なお、超過勤務手当の支給が廃止された月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。

解説を見る

正しい 誤り
令4
8E
 Y事業所では、給与規定の見直しを行うに当たり、同時に複数の変動的な手当の新設及び廃止が発生した。その結果、被保険者Eは当該変動的な手当の新設及び廃止が発生した月から継続した3か月間(各月とも、報酬支払基礎日数は17日以上あるものとする)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じたため、標準報酬月額の随時改定の手続きを行った。
 なお、当該変動的な手当の新設及び廃止が発生した月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。

解説を見る

正しい 誤り
減額の制裁
4
8A
  被保険者Aは、労働基準法第91条の規定により減給の制裁が6か月にわたり行われることになった。そのため、減給の制裁が行われた月から継続した3か月間(各月とも、報酬支払基礎日数が17日以上あるものとする)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じたため、標準報酬月額の随時改定の手続きを行った。
 なお、減給の制裁が行われた月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。

解説を見る

正しい 誤り
ガソリン単価
4
7D
 自動車通勤者に対してガソリン単価を設定して通勤手当を算定している事業所において、ガソリン単価の見直しが月単位で行われ、その結果、毎月ガソリン単価を変更し通勤手当を支給している場合、固定的賃金の変動には該当せず、標準報酬月額の随時改定の対象とならない。(発展)
解説を見る
正しい 誤り












16
1C
 報酬月額が140万円で第50級の標準報酬月額に該当する者が、降給により報酬月額等級が第48級以下になった場合は随時改定の対象になるが、第49級になった場合は随時改定の対象とはならない。(H28改)(応用)

解説を見る

正しい 誤り
21
4C
 報酬月額が、1,420,000円である者について、固定給が降給し、その報酬が支給された月以後継続した3か月間(各月とも報酬の支払基礎日額が17日以上あるものとする)に受けた報酬を3で除して得た額が、1,300,000円となり、標準報酬月額等級が第50級から第49級となった場合は、随時改定を行うものとされている。(H28改)(16-1Cの類型)

解説を見る

正しい 誤り
18
2C
 第49級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇給し、その算定月額が141万5千円以上になった場合、2等級以上の差が生じたものとみなして随時改定が行なわれる。(H29改)

解説を見る

正しい 誤り
30
2D
 標準報酬月額が1,330,000円(標準報酬月額等級第49級)である被保険者が、現に使用されている事業所において、固定的賃金の変動により変動月以降継続した3か月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上であるものとする)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が1,415,000円となった場合、随時改定の要件に該当する。(18-2Cの類型)
解説を見る
正しい 誤り
20
1D
 月額50,000円であった被保険者(4分の3条件を満足しない者を除く)の報酬が、当該被保険者の固定的賃金の引き上げ以後、継続した3か月間に受けた報酬の総額を3で除して得た額で月額65,000円となった場合、標準報酬月額の随時改定が行われる。なお、当該3か月とも報酬支払いの基礎となった日数が17日以上あるものとする。(H29改)(応用)

解説を見る

正しい 誤り






13
1D
 8月に随時改定された被保険者の標準報酬月額は、原則として、翌年の8月までの標準報酬月額とする。(基礎)

解説を見る

正しい 誤り

3
1C

 その年の1月から6月までのいずれかの月に随時改定された標準報酬月額は、再度随時改定、育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定又は産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定を受けない限り、その年の8月までの標準報酬月額となり、7月から12月までのいずれかの月に改定された標準報酬月額は、再度随時改定、育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定又は産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定を受けない限り、翌年の8月までの標準報酬月額となる。(13-1Dの類型)

解説を見る

正しい 誤り





21
4A
 事業主は、被保険者が随時改定の要件に該当したときは、速やかに、健康保険被保険者報酬月額変更届を日本年金機構又は健康保険事務組合に提出することにより、報酬月額を届け出なければならない。(21年度改)(基礎)

解説を見る

正しい 誤り
11
3B
 健康保険組合の組合員である被保険者の報酬月額が、随時改定の要件に該当する場合、事業主は、遅滞なくその旨を当該健康保険組合に届け出なければならない。(21-4Aの類型)

解説を見る

正しい 誤り






































































2. 休業 ・休職期間中の標準報酬月額、保険料
@休職中(S27.1.25保文発420)
 「被保険者の休職期間中に、給与の支給がなされる場合、標準報酬月額は休職前の標準報酬月額による」

A労務が全く不能の場合(S17保社69)
 「報酬に変更があっても、現実に労務に服していないので、標準報酬月額の変更は行わない」 
⇒会社でベースアップ・ベースダウンがあったとしても、当人は現実に労務に服していないので、標準報酬月額を変更することは許されない。
B療養中無給(S26.01.24保文発164)
 「疾病叉は負傷のため労務不能で欠勤療養中の間、事業主より何らの給与も受けない者に対しては、たとえ昇給等があっても依然として何らの給与が支給されていないのであるから、傷病等発生当時の等級とすべきである」
C休職と被保険者資格について(通達S26.03.29保文発619)
 「健康保険の被保険者が、労働協約又は就業規則等により雇傭関係は存続するが会社より賃金の支給を停止されたような場合には、個々の具体的事情を勘案検討の上、実質は使用関係の消滅とみるを相当とする場合、例えば被保険者の長期にわたる休職状態が続き実務に服する見込がない場合又は公務に就任しこれに専従する場合等に於ては被保険者資格を喪失せしめるのが妥当と認められる。
 右の趣旨に基き被保険者の資格を喪失することを要しないものと認められる病気休職等の場合は、賃金の支払停止は一時的のものであり使用関係は存続するものとみられるものであるから、事業主及び被保険者はそれぞれ賃金支給停止前の標準報酬に基く保険料を折半負担し事業主はその納付義務を負うものとして取扱うことが妥当と認められる」
D休業中(S25.4.14保発20)
 「休業中の標準報酬月額は、平常給与のものはそれにもとづき、休業手当のみを受けているものは休業手当によって算定する」
⇒休業手当とは、労働基準法26条によるもの。法に基づくれっきとした賃金(報酬)であるから、通常の賃金と同じ扱いとする。
E低額の休職給(S36.1.26保発4)
 「4月、5月、6月のいづれかの月に低額の休職給(休職という理由により支給されものであって、日給制などにおいて単に労働時間・労働日数が減ったことによる給与の減額は該当しない)を受けた場合の定時決定は、保険者算定による
F一時帰休の場合(S50.3.29保険発25)
 一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合、定時決定、随時改定はつぎのように行う。
a 定時決定:
 定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合は、その休業手当等をもって標準報酬月額を決定すること。
 ただし、定時決定の際に、既に一時帰休の状況が解消している場合は、その年の9月以後において受けるべき報酬をもって標準報酬月額を決定すること。
⇒「9月以後において受けるべき報酬」とは、推定値にしか過ぎないが、休業手当の支給の影響を受けない月が1か月でもあれば、その実績をもってあてる。(1月もない場合は、休業手当を受ける前の標準報酬月額そのまま)
b 随時改定:
 一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合は、これを固定的賃金の変動とみなして、随時改定の対象とすること。
 ただし、当該報酬のうち固定的賃金が減額され支給される場合で、かつ、その状態が継続して三か月を超える場合に限るものであること。
 また、休業手当等をもつて定時決定叉は随時改定を行った後に、一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象とすること。
⇒休業手当とは、労働基準法26条によるもの。法に基づくれっきとした賃金(報酬)であるから、通常の賃金と同じ扱いとする。
G賃金カット(S50.3.29保険発25)
   労働協約等に基づき固定的賃金についていわゆる賃金カットが行われた場合は、前記Dに準ずること。
H自宅待機の場合(S50.3.29保険発25)
  自宅待機中の者の資格取得時決定は、現に支払われる休業手当等に基づき標準報酬月額を決定すること。
  なお、その後に自宅待機の状況が解消したときは、随時改定の対象とすること。
I産前産後休業期間中、育児休業期間中 
⇒ 保険料は免除、標準報酬月額は休業直前の標準報酬月額のまま据え置き
J介護休業期間中(H11.3.31保険発46)
⇒「介護休業期間中の標準報酬月額は、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき、算定した額とすること」
 ただし、「保険料は免除されない
13
1A
 被保険者が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づく育児休業をしている期間中の標準報酬月額は、休業期間中の賃金の支払いの有無にかかわらず、休業開始直前の標準報酬月額である。(発展)

解説を見る

正しい 誤り
28
5E
  被保険者が産前産後休業をする期間について、基本給は休業前と同様に支給するが、通勤の実績がないことにより、通勤手当が支給されない場合、その事業所の通勤手当の制度自体が廃止されたわけではないことから、賃金体系の変更にはあたらず、標準報酬月額の随時改定の対象とはならない。(発展)

解説を見る

正しい 誤り
28
10
E
 産前産後休業を終了した際の改定は、固定的賃金に変動がなく残業手当の減少によって報酬月額が変動した場合も、その対象となる。

解説を見る

正しい 誤り
20
1B
 介護休業期間中の標準報酬月額は、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき算定した額とされる。(13-1Aの類型)

解説を見る

正しい 誤り


10
 介護休業期間中の標準報酬月額は、その休業期間中に一定の介護休業手当の支給があったとしても、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき算定した額とされる。

解説を見る

正しい 誤り
16
1E
 育児休業期間中の保険料徴収について、事業主負担分を含めて全く行わないこととなったことにともない、その間の標準報酬月額は算定の対象とせず、育児休業終了後の報酬月額に基づき随時改定を行うこととなっている。(応用)

解説を見る

正しい 誤り










































3.育児休業等を終了した際の改定(43条の2) 法改正(H28.10.01)、法改正(H26.04.01施行)、法改正(H18.7.1施行)
 「保険者等は、育児・介護休業法2条1号に規定する育児休業、同23条2項の育児休業に関する制度に準ずる措置若しくは同24条1項2号による育児休業に関する制度に準じて講ずる措置による休業又は政令で定める法令に基づく育児休業(以下「育児休業等」)を終了した被保険者が、
 育児休業等を終了した日において育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合において、事業主を経由して厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、定時決定の規定にかかわらず終了日の翌日が属する月以後3月間(終了日の翌日以降、継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払基礎日数17日(厚生労働省令で定める者、すなわち4分の3条件を満足しない短時間労働者である被保険者にあっては11日未満である月を除く)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として 、標準報酬月額を改定する。
 ただし、育児休業等終了日の翌日に43条の2の1項に規定する(健保・厚年法)産前産後休業を開始している被保険者は、この限りでない」
⇒上の子の育児休業等期間中に次の子の(健保・厚年法)産前産後休業が始まった場合は、育児休業等は終了となるが、育児休業等と産前産後休業を一つの休業と考え、産前産後休業が終了した際に、標準報酬月額の改定が行われる。

 「2項 前項の規定によって改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする」

・終了日が月途中の場合(6月5日の場合)
 ⇒その月、翌月、翌々月まで(6月から8月5日の属する月まで)が従来の額。この3月間の報酬に基き、その翌月(9月)から改定
・終了日が月末の場合(6月30日の場合)
 ⇒翌月、翌々月、翌翌々月まで(7月から9月1日の属する月まで)が従来の額。この3月間の報酬に基き、その翌月(10月)から改定
・改定開始月が1月から6月までのときは、その年の8月まで有効(それ以降は定時決定による)
・改定開始月が7月から12月までのときは、その翌年の8月まで有効(7月、8月、9月の場合は、定時決定のデータと同じかそれよりも新しいので定時決定のかわりに採用。10月以降は、定時決定された額の改定)

 被保険者からの申出(施行規則38条の2)
 「法43条の2(育児休業等終了時の報酬月額の改定)の1項の規定による申出は、次に掲げる事項(被保険者の氏名、子の氏名・生年月日、休業等を終了した年月日など)、を記載した申出書を事業主を経由して機構又は健康項保険組合に提出することによって行うものとする。
 この場合において、協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険法の被保険者であるときは、個人番号又は基礎年金番号を付記しなければならない」

 育児休業等を終了した際の報酬月額変更の届出(施行規則26条の2)
 「法43条の2(育児休業等終了時の報酬月額の改定)の1項に該当する被保険者の報酬月額に関する法48条の規定による届出は、速やかに38条の2に規定する申出書に次に掲げる事項(標準報酬月額の変更年月、従前の標準報酬月額、 休業等の終了日の翌日が属する月以後3月間の各月の報酬の額及び報酬支払基礎日数、4分の3未満短時間労働者に該当するか否かの区別など) を記載した届書を機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。
 この場合において、協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険法の被保険者であるときは、第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない」
⇒「4分の3未満短時間労働者に該当するか否かの区別」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者又はその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者であって、3条1項9号の適用除外に該当しない者であるかないかの区別
⇒4分の3要件を満足しない(短時間労働である)被保険者にあっては、標準報酬月額を決定する際の報酬支払基礎日数が17日以上ではなく11日以上になるため、一般から短時間に、あるいは短時間から一般に変更となった場合は、こちらの届出も必要。
随時改定とは違って、

・報酬支払日数が17日(4分の3条件を満足しない短時間労働者である被保険者の場合は11日)未満の月があっても、その月を除いて平均をとればよい。(基本的には、定時決定と同じやり方)
⇒定時決定のやり直しと考えてもよい。
・2等級以上の差が生じた場合に限定されず、1等級の差でもよい。
・介護休業については適用されない。
4 産前産後休業を終了した際の改定(43条の3) 法改正(H28.10.01) 法改正 (H26.04.01新設)
 「保険者等は、(健保・厚年法)産前産後休業(出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さないこと(妊娠又は出産に関する事由を理由として労務に服さない場合に限る)を終了した被保険者が、
 当該産前産後休業を終了した日(産前産後休業終了日)において当該産前産後休業に係る子を養育する場合において、その使用される事業所の事業主を経由して厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、
 41条(定時決定)の規定にかかわらず、産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3月間(産前産後休業終了日の翌日において使用される事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(厚生労働省令で定める者、すなわち4分の3条件を満足しない短時間労働者である被保険者にあっては11日未満である月があるときは、その月を除く)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定する。
 ただし、(健保・厚年法)産前産後休業終了日の翌日に育児休業等を開始している被保険者は、この限りでない」
 「2項 前項の規定によって改定された標準報酬月額は、産前産後休業終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする」
 産前産後休業を終了した際の改定の被保険者からの申出(施行規則38条の3) 法改正(H26.04.01新設)  
 「法43条の3の1項の規定による申出は、次に掲げる事項(被保険者の氏名、子の氏名・生年月日、産前産後休業を終了した年月日など)を記載した申出書を事業主を経由して機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。
 この場合において、協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、個人番号又は基礎年金番号を付記しなければならない」
  産前産後休業を終了した際の報酬月額変更の届出(施行規則26条の3)法改正(H26.04.01新設)
 「法43条の3の1項に該当する被保険者の報酬月額に関する法48条の規定による届出は、速やかに、38条の3に規定する申出書に次に掲げる事項(標準報酬月額の変更年月、従前の標準報酬月額、 産前産後休業の終了日の翌日が属する月以後3月間の各月の報酬の額及び報酬支払基礎日数など)を記載した届書を機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。
 この場合において、協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならない」
チョッと補足
・(健保・厚年法)産前産後休業を終了した後、育児休業等を取らずに直ちに職場復帰したとしても、短時間勤務などによって、報酬が下がる場合がある。
 そこで、このような場合は、育児休業等終了時に準じて、随時改定を待たずに(あるいは随時改定の要件に該当しない場合であっても)、標準報酬を改定できるようにした。(平成26年4月1日以降に産前産後休業を終了した者が対象)
⇒定時決定のやり直しと考えてもよい。
・産前産後休業の終了とともに育児休業等に入った場合は産前産後休業と育児休業等を連続した一つの休業ととらえ、育児休業等を終了した後に43条の2による改定を適用する。
・産前産後の休業開始のためそれまで行っていた上の子の育児休業等を終了した場合は、育児休業等と産前産後休業を連続した一つの休業ととらえ、産前産後休業の休業を終了したあるいはその後の育児休業等の終了後に、すなわち職場復帰したときに、改定を行う。
(健保・厚年法)産前産後休業期間とは、産前6週間・産後8週間などの期間中で、かつ妊娠・出産のため実際に休業している期間をいう。
 産前産後休業期間の基本的な考え方は労働基準法によるものと同じといえるが、
・労働基準法による休業の請求がない場合でも対象になりうる。
・法人の役員など労働基準法が適用されない者であっても「妊娠・出産を理由として休む場合」であれば、対象になりうる。
 一方、労働基準法では産前休業は請求することによりはじまり、育児介護休業法では(下の子の)労基法による産前産後休業が始まると(上の子の)育児休業は終了としている。(よって、下の子の労基法の産前休業を請求しなかった場合は、育児休業法ではこの期間は上の子の育児休業期間となるが、健康保険法では、産前産後休業期間として扱う)
24
5B
 保険者等は、育児休業等を終了した被保険者が、育児休業等を終了した日において当該育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合に、その使用される事業所の事業主を経由し て厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、標準報酬月額を改定する。(基礎)

解説を見る

正しい 誤り
19
2D
 被保険者(4分の3以上の要件を満たさない者を除く)が育児休業が終了した際、終了日の翌日が属する月以後3か月間(育児休業等終了日の翌日において使用される事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払いの基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額が標準報酬月額等級において2等級以上変動しない場合であっても、被保険者の申し出によって標準報酬月額の改定が行われる。(H29改)(基礎)

解説を見る

正しい 誤り
25
2E
 育児休業等終了時の標準報酬月額の改定は、標準報酬月額に2等級以上の差が生じていなくても行うことができるが、育児休業等終了日の翌日が属する月以後3か月間のいずれかの月に報酬支払の基礎となった日数が17日未満の月がある場合は、当該改定を行うことができない。ただし、4分の3以上の要件を満たさない被保険者を除く。(H29改) (19-2Dの類型)

解説を見る

正しい 誤り






5
3ア
 産前産後休業終了時改定の規定によって改定された標準報酬月額は、産前産後休業終了日の翌日から起算して2か月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月までの各月の標準報酬月額とされる。当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年8月までの各月の標準報酬月額とする。
 なお、当該期間中に、随時改定、育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定又は産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定を受けないものとする。

解説を見る

正しい 誤り




4
1E
 育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定の要件に該当する被保険者の報酬月額に関する届出は、当該育児休業等を終了した日から5日以内に、当該被保険者が所属する適用事業所の事業主を経由して、所定の事項を記載した届書を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。

解説を見る

正しい 誤り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.標準報酬月額算定の特例(44条) 法改正 (H26.04.01施行)
 「保険者等は、被保険者の報酬月額が、定時決定、資格取得時決定、育児休業等を終了した際の改定若しくは産前産後休業を終了した際の改定の規定によって算定することが困難であるとき、又は、定時決定、資格取得時決定、随時改定、育児休業等を終了した際の改定若しくは産前産後休業を終了した際の改定の規定によって算定した額が著しく不当であると認めるときは、これらの規定にかかわらず、その算定する額を当該被保険者の報酬月額とする」

・規定に従っただけでは報酬月額の算定が困難、あるいは算定はできるがその結果が著しく不当であるときは、保険者等(協会健保の場合は厚生労働大臣、組合健保の場合はその健保組合)がいわゆる保険者算定を行う。
・この保険者算定は報酬月額を決めるものであって、標準報酬月額そのものを決めるものではない。
 「2項 前項の場合において、保険者が健康保険組合であるときは、同項の算定方法は、規約で定めなければならない」
 保険者算定の例と方法
(1)定時決定において算定が困難
(1-1)休職・欠勤等によって4月、5月、6月に報酬を全く受けない場合:従前の報酬月額(標準報酬月額は変わらず)
(1-2)報酬の支払基礎日数が4月、5月、6月とも17日(一定の短時間労働者である被保険者の場合は11日)未満である場合⇒従前の報酬月額(標準報酬月額)。
(2)定時決定において算定額が著しく不当 (通達(S36.01.26保発4号、H30.03.01保発0301-8、年管溌01-1など)
(2-1)4、5、6月の3か月間において、 3月分以前の給料の遅配分を受け、叉はさかのぼった昇給によって数か月分の差額を一括してうける等、通常受けるべき報酬以外の報酬を当該期間において受けた場合⇒9月以降において受けるべき報酬月(推定値)から算定。(実際には、遅配分や遡り昇給の影響がなかった月が1か月でもあれば、その実績値を採用)
(2-2)4、5、6月の3か月のいずれかの月において低額の休職給を受けたとき⇒9月以降において受けるべき報酬月額(推定値)、実際には、2か月以下の月で低額の休職給を受けた場合は、当該月を除いて報酬月額を算定。
 また、3か月とも該当する場合は、従前の報酬月額(標準報酬月額)
(2-3)4、5、6月の3か月のいずれかの月においてストライキによる賃金カットがあったとき⇒2か月以下の月が該当する場合は、当該月を除いて報酬月額を算定。また、3か月とも該当する場合は、従前の報酬月額(標準報酬月額)
(2-4)年間平均による定時決定 通達(H23.03.31保保発0331の6号)
 当年の4、5、6月の3か月間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までに受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差を生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合(いずれも報酬の支払基礎日が17日(一定の短時間労働者である被保険者の場合は11日)未満の月を除く)⇒前年の7月から当年の6月までに受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額にて決定
⇒事業主が、「年間報酬の平均で算定することの申立書」に被保険者の同意書を添えて保険者に提出する必要がある。
(2-5)給与支払対象期間の途中から入社することにより、入社月の給与額が1か月分の額とならない場合⇒当該月の報酬支払基礎日数が17日以上あったとしても、その月の給与は日割計算となっているため、当該月を除いて報酬月額を算定。
(2-6)4、5、6月の3か月の全部叉はいずれかの月の給与の一部が遅配となり、7月以降に支払いを受けるとき⇒遅配が2か月以下の場合は、当該月を除いて報酬月額を算定。また、3か月とも遅配の場合は、7月以降に受けるべき報酬月額(推定額)で算定(S37.06.28保険発71):
(2-7)通達(H18.5.12庁保険発0512001)
 短時間就労者の場合(4分の3以上の要件を満たさない者を除く)で4、5、6月の3か月のいずれの月においても、報酬支払基礎日数が17日にみたないとき⇒、
・3か月とも15日以上17日未満である場合、その3か月の報酬月額の平均額により算出。
・15日以上17日未満が1か月か2か月である場合、15日以上17日未満の月のみの報酬月額の平均額により算出。
・3か月とも15日未満である場合、従前の標準報酬月額とする。
(3)随時改定の際の保険者裁定 通達(S36.01.26保発4号)
(3-1)昇給及び降給が遡及したため、それに伴う差額支給によって報酬月額に変動が生じた場合⇒随時改定されるべき月(差額支給があった月)以降において受けるべき(すなわち遡及による差額分を除いて)報酬に基く。
 より明確には、標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集(随時改定)」の問10)により、「遡って昇給が発生した場合、その変動が反映された月(差額調整が行われた月)を起算月として、それ以後継続した3か月間(いずれの月も支払基礎日数が17日以上)に受けた報酬を基礎として、保険者算定による随時改定を行うこととなるが、遡って降給が発生した場合についても、遡って昇給が発生した場合と同様に取り扱うものとする。
 なお、調整対象月に支給(あるは控除)された昇給(降給)差額分は含まず、差額調整前の報酬額で随時改定を行う」
(3-2)年間平均による随時改定 法改正(H30.10..01適用) 通達(H30.03.01保発0301第8号)
 
3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額(通常の随時改定の計算方法により算出した標準報酬月額)と、昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に、昇給月(又は降給月)前の継続した9か月及び昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月の間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した標準報酬月額(年間平均額から算出した標準報酬月額)との間に2等級以上の差を生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合は随時改定の対象とする:年間平均額から算出した標準報酬月額とする。
 ただし、昇給時については、その年間平均額から算出した標準報酬月額が現在の等級と比べて1等級以上上がる場合のみ、
 降給時については、その年間平均額から算出した標準報酬月額が現在の等級と比べて1等級以上下がる場合のみ行う。
⇒年間平均による随時改定の申立手続き
・事業主が保険者等に、その被保険者が年間平均による保険者算定の要件に該当すると考える理由を記載した申立書に、被保険者の同意書を添付して提出。
・昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金、昇給月(又は降給月)前の継続した9か月及び昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月の間に受けた非固定的賃金を記載した書類を提出
年間平均による随時改定
@まず、通常の方法による随時改定の対象になっていなければならない。
 すなわち、通常の随時改定による標準報酬月額(昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月間の報酬の平均から算定した標準報酬月額)と現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差があること。
Aかつ、通常の随時改定による標準報酬月額と、年間平均額から算出した標準報酬月額との間に2等級以上の差があること(1等級しかないのなら、通常の方法による随時改定を)
 年間平均額から算出した標準報酬月額とは、昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額+昇給月(又は降給月)前の継続した9か月及び昇給月(又は降給月)以後の継続した3か月の間に受けた非固定的賃金の月平均額から算出した標準報酬月額。
⇒たとえば昇給月が10月のとき、10月、11月、12月の固定的賃金+1月、2月、・・・9月及び10月、11月、12月の非固定的賃金の月平均額から算出した標準報酬月額」(つまり、3か月間平均の賃金(時間外を除く)+1年間の時間外の平均値から算出した標準報酬月額)
Bかつ、現在の標準報酬月額と年間平均額から算出した標準報酬月額との間に1等級以上の差があること。(同じなら改定にはならない)
 年間平均による随時改定の例
 たとえば昇給月が10月であるが、10月、11月、12月は繁忙期で時間外手当も多い。
 よって、通常の随時改定だと3等級のアップとなってしまう。
 しかしながら、この繁忙期を乗り切ると、時間外手当はほとんど発生しない(毎年そうである)。仮に、前年1月から当年12月までの1年間の時間外手当の平均額をとり、10月、11月、12月ともこの平均額であるとして、通常の随時改定を適用すると1等級のアップで済む。
 このように、定期昇給の時期と多額の時間外が発生する時期が、業務の性質上、毎年同様の時期に見込まれる場合であって、被保険者がこれに同意すれば(保険料は安くなるが、現金給付や年金額も減る)、事業主がこの保険者算定を申し立てることができる。
21
4D
 標準報酬月額は、毎年7月1日現在での定時決定、被保険者資格を取得した際の決定、随時改定、育児休業終了時の改定及び産前産後休業終了時の改定の5つの方法によって定められるが、これらの方法によっては被保険者の報酬月額の算定が困難であるとき(随時改定の場合を除く)、又は算定されたものが著しく不当であると認められるときは、保険者等が算定した額を当該被保険者の報酬月額とする。(H26改、基礎)

解説を見る

正しい 誤り
27
7エ
 保険者が健康保険組合であるときは、健康保険法第44条第1項の規定による保険者算定の算定方法は、規約で定めなければならない。(21-4Dの応用)

解説を見る

正しい 誤り
24
8B
 賃金支払基礎日数が、4月は16日、5月は15日、6月は13日であった場合の短時間就労者(4分の3要件を満足していない者を除く)の定時決定は、4月及び5月の平均により算定された額をもって保険者算定によるものとし、同じ4月に固定的賃金の昇給があった場合には、4月及び5月の平均により随時改定の対象となる。(応用)

解説を見る

正しい 誤り












19
2C
 4月に遡って昇給が行われ、その昇級による差額給与が6月に支払われた場合、随時改定の算定の対象になるのは、4月、5月及び6月の3か月間の報酬月額であり、当該昇級により標準報酬月額に2等級以上の差が生じたときは、7月より標準報酬月額が改定される。

解説を見る

正しい 誤り
26
9D
 月給制の被保険者について3月に行うべき昇給が、事業主の都合により5月に行われ、3月に遡った昇給差額が5月に支払われた場合、随時改定の対象になるのは5月、6月及び7月の3か月間に受けた報酬の総額(昇給差額を除く)を3で除して得た額であり、それが随時改定の要件に該当したときは8月から標準報酬月額が改定される。 (19-2Cの類型)

解説を見る

正しい 誤り


10
 さかのぼって降給が発生した場合、その変動が反映された月( 差額調整が行われた月) を起算月として、それ以後継続した3か月間( いずれの月も支払基礎日数が17日以上であるものとする。) に受けた報酬を基礎として、保険者算定による随時改定を行うこととなるが、超過支給分の報酬がその後の報酬から差額調整された場合、調整対象となった月の報酬は、本来受けるべき報酬よりも低額となるため、調整対象となった月に控除された降給差額分を含まず、差額調整前の報酬額で随時改定を行う。 (19-2Cの発展)

解説を見る

正しい 誤り





30
9B
 全国健康保険協会管掌健康保険において、給与計算期間の途中で昇給した場合、昇給した給与が実績として1か月分確保された月を固定的賃金の変動が報酬に反映された月として扱い、それ以後3か月間に受けた報酬を計算の基礎として随時改定に該当するか否かを判断するものとされている。(発展)

解説を見る

正しい 誤り










10
B
 被保険者の長期にわたる休職状態が続き実務に服する見込がない場合又は公務に就任しこれに専従する場合においては被保険者資格を喪失するが、被保険者の資格を喪失しない病気休職の場合は、賃金の支払停止は一時的であり、使用関係は存続しているため、事業主及び被保険者はそれぞれ賃金支給停止前の標準報酬に基づく保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負う。

解説を見る

正しい 誤り
16
9D
 被保険者の休職期間中に、給与の支給がなされる場合、標準報酬月額はその給与に基づき算定する。

解説を見る

正しい 誤り
30
3D
 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者について、標準報酬月額の定時決定に際し、4月、5月、6月のいずれかの1か月において休職し、事業所から低額の休職給を受けた場合、その休職給を受けた月を除いて報酬月額を算定する。

解説を見る

正しい 誤り













14
2D
 標準報酬月額の定時決定の時に、一時帰休により休業手当等を受給中の者については、休職開始直前の報酬月額を基礎として標準報酬月額を決定し、その状態が3ヵ月継続した場合に随時改定を行う。 (発展)

解説を見る

正しい 誤り

3
1A
 一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当が支払われることとなり、その状態が継続して3か月を超える場合には、固定的賃金の変動とみなされ、標準報酬月額の随時改定の対象となる。(14-2Dの類型)
解説を見る
正しい 誤り

3
1B
 賃金が月末締め月末払いの事業所において、2月19日から一時帰休で低額な休業手当等の支払いが行われ、5月1日に一時帰休の状況が解消した場合には、2月、3月、4月の報酬を平均して2等級以上の差が生じていれば、5月以降の標準報酬月額から随時改定を行う。(発展)
解説を見る
正しい 誤り
18
2A
 標準報酬月額の定時決定の対象月に一時帰休が行なわれ、通常の報酬より低額の休業手当が支払われた場合は、その休業手当をもって報酬月額を算定し、その後一時帰休が解消し通常の報酬が支払われるようになったときは随時改定を行う。(14-2Dの類型)

解説を見る

正しい 誤り


9オ
 4月、5月、6月における定時決定の対象月に一時帰休が実施されていた場合、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行う。例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行う。(発展)

解説を見る

正しい 誤り








27
8E
 標準報酬月額の定時決定に際し、当年の4月、5月、6月の3か月間に受けた報酬の額に基づいて算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までの間に受けた報酬の額に基づいて算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差が生じ、この差が業務の性質上例年発生することが見込まれるため保険者算定に該当する場合の手続きはその被保険者が保険者算定の要件に該当すると考えられる理由を記載した申立書にその申立に関する被保険者の同意書を添付して提出する必要がある。(発展)

解説を見る

正しい 誤り
令元
9エ
 3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額(通常の随時改定の計算方法により算出した標準報酬月額。「標準報酬月額A」という)と、昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に昇給月又は降給月前の継続した12か月及び昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した標準報酬月額([標準報酬月額B]という)との間に2等級以上の差があり、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合であって、現在の標準報酬月額と標準報酬月額Bとの間に1等級以上の差がある場合は保険者算定の対象となる。(発展)

解説を見る

正しい 誤り












6.標準報酬月額の決定(その他の方法)
 年間平均による随時改定 法改正 (H26.04.01施行)
 「同時に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について定時決定、資格取得時決定、随時改定、育児休業等終了後改定若しくは産前産後休業を終了した際の改定又は、保険者算定によって算定した額の合算額をその者の報酬月額とする」

・合算するのは報酬月額であって、合算後の報酬月額に基づき、標準報酬月額を算定する。
・各事業所の負担する保険料は、標準報酬月額で計算した保険料を各事業所の報酬月額で按分した額。
・保険者等が同じ(協会健保の場合は年金事務所が同じ、組合健保の場合は組合が同じ)場合は、「2以上事業所勤務届」を提出。
 各事業所は、按分された額の通知(納入告知書)をもとに保険料を保険者等に納付。
・保険者等が違う(協会健保どうしの場合は年金事務所が違う、組合健保どうしの場合は組合が違う、協会健保と組合健保)場合は、「所属選択届」を提出して、保険者等を選択。
  各事業所は、按分された額の通知(納入告知書)をもとに、保険料を選択した保険者等に納付。
 同時に2以上事業所勤務者の標準賞与額
45条2項により、「それぞれの事業所において同一月に賞与が支給された場合は、各事業所について算定した標準賞与額の合算額をその者の標準賞与額とする」
 ただし、年度合計額には上限があるので注意を
 同日得喪による標準報酬月額の決定 詳細はこちらを
 「60歳以上で、退職後継続して再雇用される場合で、報酬月額が下がったは、同日得喪の扱いにより、標準報酬月額は3か月経過後の随時改定ではなく、再雇用直後の資格取得時決定により変更可能。
24
5A
 同時に2つ以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合、各事業所について定時決定等の規定によって算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。(基礎)

解説を見る

正しい 誤り
28
10
B
 同時に2以上の事業所で報酬を受ける被保険者について、それぞれの事業所において同一月に賞与が支給された場合、その合算額をもって標準賞与額が決定される。(24-5Aの応用)

解説を見る

正しい 誤り