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 保険給付の種類、裁定、端数処理、支給期間、年金の支払期月
 関連過去問 11-4A14-5D14-9B16-3D16-6C16-10A16-10B16-10D19-9B19-9C20-9B22-1A22-1E22-6E24-2C26-3B28-6A令元-3選択
 関連条文 保険給付の種類(32条)、裁定(33条)、端数処理(35条)、支給期間(36条)、年金の支払期月(36条3項)
保険給付の種類 1.保険給付の種類(32条)
 「この法律による保険給付は、 次のとおりとし、政府等(すなわち政府と実施機関(厚生労働大臣を除く))が行う」
@老齢厚生年金、A障害厚生年金及び障害手当金、B遺族厚生年金
⇒実施機関(厚生労働大臣を除く)」とあるが、厚生労働大臣は政府にも入るし、かつ実施機関でもあるので、単に文章上の重複を避けるためであって、さしたる特別の意味はない。

 上記以外に、附則上の保険給付として、@特例老齢年金(附則28条の3)、A特例遺族年金(附則28条の4)、B脱退手当金(S60法附則75条)、C脱退一時金(附則29条1項)がある。
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10
A
 厚生年金保険の保険給付は、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金の3種類である。(基礎)

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正しい 誤り
19
9B
 保険給付(附則で定める給付を含む)には、老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金、特例老齢年金、特例障害年金及び特例障害手当金、脱退一時金、脱退手当金がある。(応用)

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正しい 誤り
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1A
 厚生年金保険法による保険給付は、 老齢厚生年金、障害厚生年金、障害手当金、遺族厚生年金、脱退一時金の5種類である。(応用)

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正しい 誤り






2.裁定(33条)
 「保険給付を受ける権利は、その権利を有する者(受給権者)の請求に基づいて、実施機関が裁定する」
チョッと補足(基本権、支分権と裁定)
@保険給付を受ける権利を受給権というが、厚生年金保険法、国民年金法では、これを基本権(保険給付の支給を受ける元になる権利)と支分権(基本権を元にして保険給付の支給を受ける権利)にわけて考えらている。
A基本権は、年齢要件を含めた受給資格要件を満足しておれば、33条(国年法では16条)による裁定を待つまでもなく、法律上当然に発生する。
Bただし、実際には裁定請求をしないと、保険給付は支給されない。
 この点について、最高裁判例(H07,11.07)によれば、
 「給付を受ける権利は、受給権者の請求に基づき社会保険庁長官(現在では国年法では厚生労働大臣、厚生法では実施機関)が裁定するものとしているが、これは、画一公平な処理により無用の紛争を防止し、給付の法的確実性を担保するため、その権利の発生要件の存否や金額等につき公権的に確認するのが相当であるとの見地から、基本権たる受給権については、裁定を受けて初めて年金の支給が可能となる旨を明らかにしたものである」としている。

B支分権と裁定の関係について
 東京地方裁判所判例(H3,01.23)によれば、「受給権は、受給権者がその支給要件を充足して給付を受ける権利(基本権)を取得して、社会保険庁長官(現在では国年法では厚生労働大臣、厚生法では実施機関)に対して基本権たる受給権の確認の請求としての裁定の請求をし、裁定によりその確定をまってはじめて、各支払期月に一定の給付の支払いを受けることができる具体的請求権(支分権)として存立するに至る」としている。
⇒「裁定」とは、受給権が存在することを公的に確定する処分(確定行為・確認行為)であって、受給権を与える処分(形成行為)ではない。
 原則論からいえばそうであるが、実際には支分権を得るために、裁定請求が必要なのである。
⇒このことから、「基本権」には、「裁定前の基本権」と「裁定済みの基本権」があるといえる。
Cなお、事後重症による傷害年金のように、一定期限内に請求することが支給要件に加えられている場合は、裁定請求を経てはじめて、基本権と支分権を取得できる。
Dその他
・裁定請求のための情報提供と裁定請求の勧奨についてはこちらを
・老齢厚生年金・特別支給の老齢厚生年金の裁定請求書についてはこちらを
 保険給付に関する通知(施行規則82条)
 「厚生労働大臣は、保険給付又は脱退一時金に関する処分を行つたときは、速やかに、文書でその内容を、請求者又は受給権者に通知しなければならない」
⇒「厚生労働大臣」とあるのは、2号被保険者の場合は国家公務員共済組合連合会・・・・・と読み替える。

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1E

 保険給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、実施機関が裁定する。(基礎)

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正しい 誤り
16
6C
 特別支給の老齢厚生年金を受給している者が65歳に到達した場合、65歳から老齢基礎年金及び老齢厚生年金の支給を受ける場合には、実施機関に裁定請求をすることを要しない。(応用)

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正しい 誤り
20
9B
 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が65歳に達し、65歳からの老齢厚生年金の裁定を受けようとする場合は、新たに裁定請求書を提出する必要はない。(16-6Cの類型)

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正しい 誤り
22
6E
 厚生労働大臣は、保険給付に関する処分を行つたときは、5日以内に、文書でその内容を、請求権者又は受給権者に通知しなければならない。(発展)

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正しい 誤り

3.端数処理(35条) 法改正(H27.10.01)
  「保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする」
 「2項 前項に規定するもののほか、保険給付の額を計算する場合において生じる1円未満の端数の処理については、政令で定める」
 ここで、計算過程における端数処理(施行令3条)
 「年金たる給付の額を計算する過程において、50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げることができる。
 ただし、この条本文の規定を適用して(端数処理して)裁定又は改定した年金たる給付の額とこの条本文の規定を適用しないで(端数処理しないで)裁定又は改定した年金たる給付の額との差額が100円を超えることは、この限りでない」
年金額、加給・加算の額の端数処理
@H27.10.01以降に受給権が発生又は年金額の改定(毎年の自動改定を含む)があった場合の年金額は100円単位(50円を境とした四社五入)ではなく1円単位(50銭を境とした四社五入)に(老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金)
・ただし、加給年金額配偶者の特別加算中高齢寡婦加算障害厚生年金の最低保障額等の法定額(条文で100円単位の端数処理が規定されているもの)は従来通り100円単位。
 一方、経過的寡婦加算は1円単位(50銭を境とした四社五入)
A支払い期毎の額
・毎偶数月支払いの額は年金額を6で割り、1円未満の端数は切り捨て
・ただし、3月から翌年2月までについて、切り捨て値の合計が1円以上となれば2月に精算される。
国民年金法の場合はこちらへ
端数処理法の一覧はこちらへ

 支払金額についての端数計算:通達(S40.6.5庁保発22、S42.7.7庁文発7599の2)平成27年10月1日前までの年金額について適用。
 「毎期支払期日に支払う年金額に1円未満の端数があるときは、その端数は国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律の2条 の規定により、切り捨てるものである」
 ここで、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律の2条
 「国及び公庫等の債権で金銭の給付を目的とするもの又は国及び公庫等の債務で金銭の給付を目的とするものの確定金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする」 
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10
B
 保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に端数が生じたときには、5円未満の端数は切り捨て、5円以上10円未満の端数は10円に切り上げる。

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正しい 誤り

4.支給期間(36条)
 「年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終るものとする」
 「2項 年金は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない」
 支給事由の生じた日(受給権発生日)
 老齢厚生年金  65歳に達した日(誕生日の前日)
 特別支給の老齢厚生年金  支給開始年齢に達した日(誕生日の前日)
 障害厚生年金 ・通常(認定日請求)の場合:障害認定日
・事後重症の場合:請求した日(障害等級に該当すると認定された場合に、請求日にさかのぼって受給権が発生する)
・初めて2級の場合:2級以上に該当すると認められた日(ただし、支給は請求月の翌月から)
 障害手当金  治った日(初診日から5年以内に限る)
 遺族厚生年金  死亡した日
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2C
 年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、また、その支給を停止すべき事由 が生じたときは、その事由が生じた月から支給しない。(基礎)

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正しい 誤り
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3D
 厚生年金の被保険者が月の末日に死亡したときは、当該死亡した者の資格喪失日は翌月の1日になるが、遺族厚生年金の受給権は死亡した日に発生するので、保険料納付要件をみたす場合には死亡した日の属する月の翌月から遺族厚生年金が支給される。 (基礎)

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正しい 誤り
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6A
 障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合の障害厚生年金は、原則として障害認定日の属する月の翌月分から支給される。ただし、障害認定日が月の初日である場合にはその月から支給される。

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正しい 誤り
11
4A
 年金の支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月からその事由が消滅した月までの間、支給を行わない。(基礎)

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正しい 誤り
19
9C
 年金は、支給停止事由に該当したときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。(11-4Aの類型)

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正しい 誤り
14
9B
 障害厚生年金の受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、事由が生じた月の翌月から、その事由が消滅した月まで、年金は支給停止となる。(11-4Aの類型)

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正しい 誤り












5.年金の支払期月(36条3項)
 「年金は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、支払期月でない月であっても、支払うものとする」  
⇒受給権発生日が1月である場合、年金の支給は2月分からであるので、(手続きが間に合えば)4月に2月分と3月分が支給される。
⇒「前支払期月に支払うべきであった年金」とは、たとえば、受給権発生が6月でそのときに年金を請求した場合、7月分を8月に支払うべきところ、裁定手続きの終了が9月であった場合は、10月を待たずに9月に随時払いする。
⇒「支払期月でない月であっても支払う」とは、たとえば、4月に失権した場合、4月分の年金を6月まで待たずに5月に随時払いする。
 2月期支払の年金の加算(36条の2)法改正 (H27.10.01新規)
 「前条3項(偶数月支払い・随時払い)の規定による支払額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする」
 「同2項 毎年3月から翌年2月までの間において前項の規定により切り捨てた金額の合計額(1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これを当該2月の支払期月の年金額に加算するものとする」
支払い期毎の額
・毎偶数月支払いの額は年金額を6で割り、1円未満の端数は切り捨て
・ただし、3月から翌年2月までについて、切り捨て値の合計が1円以上となれば2月に精算される。
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D
 老齢厚生年金の支払期月は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月であるが、この期月以外の月でも新規裁定分の年金の初回支払などは行う。(基礎)

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正しい 誤り
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5D
 年金は年6期に分けて偶数月に前月までの分が支払われるが、前支払期月に支払うべきであった年金、又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、支払期月でない月であっても支払われる。(16-10Dの類型)

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正しい 誤り
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3B
 年金は、年6期に分けて偶数月にそれぞれの前月分までが支払われることとなっており、前支払期月に支払うべきであった年金についても次の偶数月に支払われ、奇数月に支払われることはない。(16-10Dの類型)

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正しい 誤り


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 年金は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれその前月分までを支払うが、前支払期月に支払うべきであった年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その額に1円未満の端数が生じたときはこれを切り捨てて、支払期月でない月であっても、支払うものとする。
 また、毎年の| D |までの間において上記により切り捨てた金額の合計額(1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これをの| E |の年金額に加算するものとする。
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