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男女雇用機会均等法(目的、指針、差別の禁止、ポジティブアクション) | |||||||||||||||||||||
別ページ掲載:事業主の講ずべき措置、紛争の解決、調停 | |||||||||||||||||||||
関連過去問 11-1B、11-1E、12-1D、13-2B、13-2C、13-5D、14-5B、27-2A、令3-4オ 11-3選択、15-1選択、15-2選択、15-3選択、22-選択 |
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目 的 ・ 経 緯 等 |
1.目的、理念 「1条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする」 ここで、 @日本国憲法14条:「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」 A通達(H10.6.11女発168号): ・「妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置とは、保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間の確保(12条)及び、当該保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするための措置(13条)をいう」 ・「健康の確保を図る等の等には、職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上講ずべき措置(11条)を指す」 「2条(法改正)この法律においては、労働者が性別により差別されることなくまた、女性労働者にあつては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする」 「同2項(法改正)事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従って、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない」 「4条 厚生労働大臣は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する施策の基本となるべき方針(男女雇用機会均等対策基本方針)を定めるものとする」 「同2項(法改正)男女雇用機会均等対策基本方針に定める事項は、次のとおりとする」 @男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活の動向に関する事項 A 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について講じようとする施策の基本となるべき事項 男女雇用機会均等対策基本方針 4条に基づき、平成19年度から23年度までの5年間における男女雇用機会均等対策における政府の施策の基本となるべき事項が、 平成19年11月30日に制定された。 詳細はこちらを 指針(10条)(法改正) 「厚生労働大臣は、5条・6条(性別を理由とする差別の禁止)、7条(性別以外の事由を要件とする措置)及び9条1項から3項まで(婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止)に定める事項に関し、事業主が適切に対処するために必要な指針を定めるものとする」 詳細は、 [労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針] | ||||||||||||||||||||
昭和60年6月1日に公布された「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律」により、従前からあった| A |という法律が改正されて、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」が誕生した。 この法律の誕生により、すでに昭和54年12月18日に国際連合総会で採択されていた| B |が、昭和60年6月24日に我が国の国会で承認され、同年7月1日に公布された。 |
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「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」では、その第11条第1項において「事業主は、労働者の| C |及び解雇について、労働者が女子であることを理由として、男子と差別的取扱いをしてはならない。」と規定され、同条第2項において「事業主は、女子労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを| D |として予定する定めをしてはならない」と規定された。 また、同法第7条において「事業主は、労働者の募集及び採用について、女子に対して男子と均等な機会を与えるように努めなければならない」と規定され、同法第8条において「事業主は、労働者の配置及び| E |について、女子労働者に対して男子労働者と均等な取扱いをするように努めなければならない」と規定されたが、いずれも、いわゆる「努力義務規定」であった。 |
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その後、同法は、平成9年6月18日に公布された「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律」により、題名が「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」と改められると同時に法条文も改められた。 その後さらに、平成18年に法改正(19年4月1日から施行)された。それによると、第5条において「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と規定され、同法第6条1号において「事業主は、労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む)、| E |、降格及び教育訓練について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない」と規定され、いずれも、いわゆる「禁止規定」とされた。 またこれらの禁止規定は、女性労働者に対してだけでなく男性労働者にも適用されることになった。(改) |
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22 選択 |
男女雇用期間均等対策基本方針(平成19年厚生労働省告示394号)によると、 我が国は、急速な少子化と| A |の進行により人口減少社会の到来という事態に直面しており、以前にも増して労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては| B |を尊重されつつ、その能力を十分に発揮することができる| C |を整備することが重要な課題となっている。 このような状況の中、平成18年に改正された、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律においては、あらゆる| D |の段階における性別における差別的取扱い、| E |、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等が禁止されるとともに、セクシュアルハラスメント防止対策の義務が強化される等、法の整備・強化が図られた。 |
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差 別 の 禁 止 ・ 募 集 ・ 採 用 |
2.性別を理由とする差別の禁止(5条(法改正) 「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」 「6条 (法改正)事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない」
「女性であることを理由とする差別」から「性別を理由とする差別」の禁止になった。 太字部分の差別も禁止となった。 「供与の対象を「世帯主」、「主たる家計の維持者」等とすることは、「女性であること」を理由とするものには当たらないが、「世帯主」、「主たる家計の維持者」等の決定に当たって女性について男性に比して不利な条件を課した場合は、「女性であること」を理由とする差別的取扱いに該当する。(女発168号) ⇒ 今後は「女性であること」は単に「性」と読むべし。 「独身者住宅の貸与が男性のみに限られる場合には差別解消措置が必要であり、具体的には、男子寮や世帯用住宅に女性独身者を入居させる、女子寮の建設又は住宅の借上げにより、女性独身者にも住宅を貸与することができるようにすること等が考えられる。独身者住宅の貸与が女性のみに限られている場合についても同様である。(女発168号) ⇒ 今後は、独身者住宅の貸与が女性のみに限られる場合も差別になるようだ。 |
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12 1D |
男女雇用機会均等法によれば、募集又は採用に当たって、「男性歓迎」や「女性向の職種」といった表示を行うことや、募集又は採用の対象を男性のみあるいは女性のみとすることは禁止されている。(改) | ||||||||||||||||||||
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13 2C |
募集又は採用に当たって、男性又は女性を表す職種の名称を用いることは、職種の内容を正確に応募者に伝えるために望ましいことであり、たとえば「カメラマン募集」とすることは男女雇用機会均等法に違反しない。 | ||||||||||||||||||||
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14 5B |
企業の採用活働で、男性に送付する会社の概要等に関する資料の内容を、女性に送付する資料の内容と比較して詳細なものとすることは、男女雇用機会均等法違反となる。 | ||||||||||||||||||||
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差 別 の 禁 止 ・ 配 置 ・昇 進 ・ 教 育 訓 練 |
13 2B |
一定の役職に昇進するための試験の合格基準として、男性の適性を考えた基準及び女性の適性を考えた基準の双方を用意することは、たとえ男女双方のそれぞれの適性を適切に生かす上で効果的な工夫であったとしても、男女雇用機会均等法に違反する。 | |||||||||||||||||||
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13 5D |
厚生労働省は、企業がコース別の雇用管理を行う場合に男女雇用機会均等法に沿った適正な内容となることを狙いとして、「コース別で区分した雇用管理についての留意事項」を示している。同留意事項においては、各コースの運用が男女双方に同一であることを求めており、たとえば「総合職」は男性のみ、「中間職」や「一般職」は女性のみといった制度は男女雇用機会均等法に違反するとしている。 | ||||||||||||||||||||
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11 1B |
新規事業に備え、社内にプロジェクト・チームを発足させ、メンバーを社内から公募したが、希望者が男性のみであったため、プロジェクト・チームは男性のみとなった。この場合においても、男女雇用機会均等法は配置に関して女性に対する差別的取扱いを禁止しているため、上記のようなケースは男女雇用機会均等法に違反する。 | ||||||||||||||||||||
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間 接 差 別 |
性別以外の事由を要件とする措置(7条)(法改正新設) 「事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない」 間接差別も禁止となった。 詳細は、こちらの間接差別を 施行規則2条(実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置)
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26 2C |
男女雇用機会均等法第7条(性別以外の事由を要件とする措置)には、労働者の募集又は採用に関する措置であって、労働者の身長、体重又は体力に関する事由を要件とするものが含まれる。 | ||||||||||||||||||||
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ポ ジ テ ィ ブ ア ク シ ョ ン |
3.女性労働者に係る措置に関する特例(8条) ポジティブアクション 「5条から7条までの規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない」
「国は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇が確保されることを促進するため、事業主が男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的とする次に掲げる措置を講じ、又は講じようとする場合には、当該事業主に対し、相談その他の援助を行うことができる」 @雇用する女性労働者の配置その他雇用に関する状況の分析 A前号の分析に基づき、支障となっている事情を改善するための措置に関する計画の作成 B計画で定める措置の実施 C措置を実施するために必要な体制の整備 D措置の実施状況の開示 |
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11 1E |
男女雇用機会均等法において、女性のみを対象とした措置や女性を有利に取扱う措置については、原則として禁止されており、管理職に就いている女性比率が現状で10%である企業において、その比率を高めるために、管理職に必要とされる能力を付与するための教育訓練を女性のみを対象に行うことは、男女雇用機会均等法に違反する。 | ||||||||||||||||||||
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事業主が、固定的な| C |の役割分担意識に根ざす制度や慣行に基づき| C |労働者間に事実上生じている格差の解消を目指し、積極的かつ自主的な取り組み、いわゆるポジティブ・アクションを行う場合には、国は相談その他の援助を行うことができる。 | |||||||||||||||||||||
記述式につき、語群はなし |
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婚 姻 妊 娠 出 産 等 を 理 由 と す る 不 利 益 取 扱 い の 禁 止 |
3.婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等(9条) 法改正(3項、4項の新設) 「事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない」 「2項 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない」 「3項 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労基法による産前・産後の休業の請求し、又は休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」 「4項 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない」 厚生労働省令で定める妊娠又は出産に関する事由(施行規則2条の2、新設)
詳細は 婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止 |
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27 2A |
男女雇用機会均等法第9条第3項の規定は、同法の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり、女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、同項に違反するものとして違法であり、無効であるというべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。 | ||||||||||||||||||||
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令 3 4オ |
女性労働者につき労働基準法第65条第3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として男女雇用機会均等法第9条第3項の禁止する取扱いに当たるが、当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易な業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、上記措置につき男女雇用機会均等法第9条第3項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いに当たらないとするのが、最高裁判所の判例である。(27-2Aの応用) | ||||||||||||||||||||
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