1A 国民年金法 基礎知識と関連過去問  Tome塾Homeへ
  併給調整、新法間での調整、裁定替、特別一時金、旧法による給付(母子年金、準母子年金、老齢福祉年金等)
関連過去問 11-5B12-5A16-1A16-1B16-1D16-1E16-3B16-3D16-8B18-3C19-1D19-3C20-1D21-1E21-6C23-5E24-2A25-3A25-3B29-7E29-9B30-9D令3-9B令3-9C令3-9D令3-10B令4-3A令5-10ウ
 15-2選択
関連条文 併給調整(20条1項)、同読替え規定(附則9条の2の4)、支給停止と年金選択(20条2項
 裁定替昭和60年改正法附則25条他)、旧法との併給調整(昭和60年改正法附則11条)
 旧法による給付(老齢福祉年金、旧令共済組合員に対する老齢年金(附則9条の3)、特別一時金(60年改正法附則94条)

調

1.併給調整(20条1項) 法改正(H27.10.01)、法改正(H18.4.1施行)
 「遺族基礎年金又は寡婦年金は、その受給権者が他の年金給付(付加年金を除く)又厚生年金保険法による年金たる保険給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。
 老齢基礎年金の受給権者が他の年金給付(付加年金を除く)又は同法(厚生年金保険法)による年金たる保険給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるもののほか、遺族厚生年金を除く)を受けることができる場合における当該老齢基礎年金 及び、
 障害基礎年金の受給権者が他の年金給付(付加年金を除く)を受けることができる場合における当該障害基礎年金についても、同様とする」
 「附則9条の2の4 (法改正(H18.4.1施行)による読替え後) 
 「20条1項は当分の間、
 年金給付(老齢基礎年金及び障害基礎年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る)並びに付加年金を除く)は、その受給権者が他の年金給付(付加年金を除く)又は厚生年金法による年金たる保険たる給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給される年金を除く)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。
 老齢基礎年金の受給権者(65歳に達している者に限る)が他の年金給付(付加年金を除く)又は厚生年金保険法による年金たる給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるもの(すなわち老齢を支給事由とする年金)並びに遺族厚生年金を除く)を受けることができる場合における当該老齢基礎年金及び、
 障害基礎年金の受給権者(65歳に達している者に限る)が他の年金給付(付加年金を除く)を受けることができる場合における当該障害基礎年金についても、同様とする」
補足
@65歳未満の(繰上げ)老齢基礎年金・障害基礎年金と年齢を問わない遺族基礎年金・寡婦年金は、お互いに併給できない。
 また、厚生年金法による年金とは、同一支給事由によるもの以外は、併給できない。
A付加年金は遺族基礎年金、障害基礎年金とも併給できるように読めるが、実際には47条により、老齢基礎年金年金が支給されるときしか支給されない(付加年金は老齢基礎年金と常に一体となっている)
B遺族基礎年金は年齢にかかわらず、同一支給事由(同一人の死亡)による遺族厚生年金としか併給できない。
・寡婦年金は、同一人の死亡による遺族厚生年金があっても、実際には支給の趣旨が異なるものであるから、支給事由が異なるとされ、併給できる年金はない。
C老齢基礎年金は、同一支給事由による老齢厚生年金と併給できるほか、65歳以降であれば、老齢厚生年金のほか遺族厚生年金とも併給できる。(ただし、2階の老齢厚生年金と遺族厚生年金が完全に併給できるわけではない)
D障害基礎年金は、同一支給事由(同一傷病による)障害厚生年金と併給できるほか、65歳以降であれば、老齢厚生年金のほか遺族厚生年金とも併給できる。(ただし、2階の老齢厚生年金と遺族厚生年金が完全に併給できるわけではない)
E2階建ての厚生年金においても、老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金のいずれか一つを、1階との関係において、選択しなければならない。(厚年法による)
 ただし、65歳以降において遺族厚生年金を選択した場合は、老齢厚生年金の先当て方式が適用されるので、まず自分の老齢厚生年金の全額が支給され、遺族厚生年金額に満たない場合は差額部分が補填される。(つまり、金額だけでいえば、老齢厚生年金と遺族厚生年金額のうち多い方の額となる)
  新法間での調整
国民年金どうし   支給事由が同じ
  ・老齢基礎と付加年金  
 併給可能
 支給事由が異なる
 ・老齢基礎と障害基礎、老齢基礎と遺族基礎、障害基礎と遺族基礎
 ・遺族基礎と寡婦年金も支給事由が異なると考える(併給不可)注1
 併給不可
 (国民年金はどれか一つ)
 二つ以上の障害基礎  併合認定(一つに併合される)
国民年金と厚生年金
(旧共済年金も厚生年金と同様注3)
 支給事由が同じ
 ・老齢基礎と老齢厚生
 ・障害基礎と同一支給事由の障害厚生
 ・遺族基礎と同一支給事由の遺族厚生
 併給可能
 (2階建て方式)
 支給事由が異なる(原則)
 ・老齢基礎と障害厚生、老齢基礎と遺族厚生
 ・障害基礎と老齢厚生、障害基礎と遺族厚生
 ・遺族基礎と老齢厚生、遺族基礎と障害厚生
 ・寡婦年金と遺族厚生も支給事由が異なると考える(併給不可)注1
 併給不可
 支給事由が異なる(65歳以上の例外)
 ・老齢基礎と遺族厚生注2
 
障害基礎と老齢厚生障害基礎と遺族厚生注2                   
 併給可能
 (変形2階建て方式)
注1:寡婦年金と遺族基礎年金・遺族厚生年金・死亡一時金の支給調整はこちらへ
注2:65歳以上の遺族厚生年金は、自分の老齢厚生年金があればこれを優先し、配偶者からの遺族厚生年金の方が高額であれが、差額が配偶者からの遺族厚生年金から補填される。
  あるいは、自分の老齢厚生年金の1/2+配偶者の遺族厚生年金の2/3の方が高額であれば、これを遺族厚生年金とすることもできる。
注3:一元化前に受給権が発生した共済組合各法にもとづく退職共済年金は老齢基礎あるいは65歳以後の障害基礎年金と併給可。一元化前障害共済年金は障害基礎年金と併給可。一元化前遺族共済年金は遺族基礎年金あるいは65歳以後の老齢基礎あるいは65歳以降の障害基礎と併給可。
 国民年金受給権者が併給可能な厚生年金
受給している国民年金  65歳前に併給可能な厚生年金 65歳以降併給可能な厚生年金
 老齢基礎年金  ・(特別支給の)老齢厚生年金
 (老齢基礎年金の繰上げ受給可)
・老齢厚生年金、遺族厚生年金注3の中からいずれか一つ
 障害基礎年金  ・同一支給事由*1の障害厚生年金 ・老齢厚生年金、同一支給事由の障害厚生年金、遺族厚生年金注3の中からいずれか一つ
 遺族基礎年金 ・同一支給事由*2の遺族厚生年金 ・同一支給事由の遺族厚生年金
 
*1・障害厚生と障害基礎が同時発生した場合に併給可
 ・同時発生ではなくても併合認定により、同一支給事由になったときは併給可
*2・同一人の死亡により遺族基礎と遺族厚生が同時発生した場合に、併給可
注3:65歳以上の遺族厚生年金は、自分の老齢厚生年金があればこれを優先し、残りが死亡者のからの遺族厚生年金額から補填される。あるいは、自分の老齢厚生年金の1/2+死亡した配偶者からの遺族厚生年金の2/3という組合わせも可能。
 厚生年金から見た場合はこちらを
 支給停止と年金選択(20条のつづき)
 「20条2項 前項の規定によりその支給を停止するものとされた年金給付の受給権者は、同項の規定にかかわらず、その支給の停止の解除を申請することができる。
 ただし、その者に係る同項に規定する他の年金給付又は厚生年金保険法による年金たる保険給付について、この項の本文若しくは次項又は他の法令の規定でこれらに相当するものとして政令で定めるものによりその支給の停止が解除されているときは、この限りでない」
 「同3項 1項の規定によりその支給を停止するものとされた年金給付について、その支給を停止すべき事由が生じた日の属する月分の支給が行われる場合は、その事由が生じたときにおいて、当該年金給付に係る前項の申請があつたものとみなす」
 「同4項 2項の申請(前項の規定により2項の申請があつたものとみなされた場合における当該申請を含む)は、いつでも、将来に向かつて撤回することができる」
チョッと補足
@併給調整が必要な複数の年金の受給権を取得したときは、いったん、すべての年金が支給停止となる。(20条1項)
A受給権者はその中から受給を希望する年金を選択する。(理屈の上では、その年金の支給停止の解除を申請する)(20条2項)
⇒実際には、「年金受給選択申出書(支給停止解除申請書)」を提出することによって行う。
B受給を希望する年金の選択を行わない場合であって、従来の年金がそのまま送られてきた場合は、何もしないでいると、その年金を選択したものとみなされる(20条3項)
C受給を希望する年金の選択はいつでも変更できる。ただし、過去の分まで選択がえすることはできない。(20条4項)
⇒「将来に向かって」とは、選択がえの申出をした月の翌月分の年金からということ。
同一支給事由 16
1E
 65歳以上の者は、老齢基礎年金と老齢厚生年金及び一元化前に受給権の発生した退職共済年金を併給して受給することができる。(基礎)(H28改)

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正しい 誤り

4
3A
 付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。(16-1Eの類型)
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正しい 誤り
65







1





2







12
5A
 65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金を受給できる場合は、併給の調整の対象とならず、併給される。(基礎)(H28改)

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正しい 誤り
16
1A
 65歳以上の老齢基礎年金の受給権者は、遺族厚生年金を併給して受給することができる。(12-5Aの類型)

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正しい 誤り
16
1D
 子の死亡による遺族厚生年金の受給権者である母が、65歳となり老齢基礎年金の受給権者となったときは、老齢基礎年金、遺族厚生年金の3分の2及び老齢厚生年金の2分の1を併給して受給することを選択できる。(発展)

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25
3A
 65歳以上の者に支給される障害基礎年金と老齢厚生年金は併給されるが、65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、併給の調整によりどちらか一方の年金給付は支給停止される。(12-5Aの類型)

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正しい 誤り
20
1D
 65歳に達している者の老齢基礎年金と遺族厚生年金、老齢基礎年金と障害厚生年金は、いずれも併給することができる。(基礎)

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正しい 誤り
29
9B
 障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が65歳となり老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給権を取得した場合、この者は、障害等級3級の障害厚生年金と老齢基礎年金を併給して受けることを選択することができる。 (20-1Dの類型)

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3
9C
 老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給中の67歳の厚生年金保険の被保険者が、障害等級2級の障害厚生年金の受給権者(障害基礎年金の受給権は発生しない)となった。
 老齢厚生年金の額より障害厚生年金の額の方が高い場合、この者は、障害厚生年金と老齢基礎年金の両方を受給できる。 (20-1Dの類型)

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正しい 誤り
65
歳以降
障害基礎年金との併給
18
3C
 平成18年度より、65歳以上である年金給付の受給権者は、障害基礎年金と遺族厚生年金を併給することができる。(基礎)

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正しい 誤り
29
7E
  障害基礎年金の受給権者が65歳に達し、その時点で老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有する場合、障害基礎年金と老齢厚生年金の併給か老齢基礎年金と老齢厚生年金の併給かを選択することができる。

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正しい 誤り

5
10
 65歳以上の場合、異なる支給事由による年金給付であっても併給される場合があり、例えば老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。一方で、障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は併給されることはない。(18-3Cの類型)

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正しい 誤り
1階同士の併給調整 11
5B
 障害基礎年金の受給権者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりその一を支給し、他の受給権は消滅する。(基礎)

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正しい 誤り
23
5E
 障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金を支給し、他方の年金の受給権は消滅する。(11-5Bの類型)

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正しい 誤り
65





調
19
3C
 65歳未満の繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の受給権を取得した場合には、その翌月から65歳に達するまでの間についても、繰り上げにより減額された老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給することができる。(12-5Aの応用)

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30
9D
 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、65歳に達するまでは、繰上げ支給の老齢基礎年金と遺族厚生年金について併給することができないが、65歳以降は併給することができる。(19-3C12-5Aの類型)

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3
9D
 父が死亡したことにより遺族基礎年金を受給中である10歳の子は、同居中の厚生年金保険の被保険者である66歳の祖父が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権を取得した。この場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらかを選択することとなる。
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24
2A
 遺族基礎年金は、被保険者叉は被保険者であった者の死亡について、共済組合から同一の支給事由による年金たる給付を一元化前の時点から受けるときは、その間、その額の5分の2に相当する額が支給される。(28改)

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25
3B
 併給の調整により支給を停止された年金給付について、いわゆる選択替えをすることができるのは、毎年、厚生労働大臣が受給権者に係る現況の確認を行う際に限られる。(基礎)

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3
10
B
 併給の調整に関し、国民年金法第20条第1項の規定により支給を停止されている年金給付の同条第2項による支給停止の解除の申請は、いつでも、将来に向かって撤回することができ、また、支給停止の解除の申請の回数について、制限は設けられていない。
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正しい 誤り

 

 

 

 

 

 

2.裁定替
 「昭和60年改正法附則25条 施行日の前日において旧国民年金法による障害福祉年金を受ける権利を有していた者のうち、施行日において新国民年金法30条2項に規定する障害等級(1級あるいは2級)に該当する程度の障害の状態にある者については、同法30条の4の1項に該当するものとみなして、同項の障害基礎年金を支給する」
 「同2項 施行日の前日において旧国民年金法による障害福祉年金を受ける権利を有していた者のうち、施行日において障害等級に該当する程度の障害の状態にない者については、同日後、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(同日前の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過する日までの間に限る)は、30条の4の1項に該当するものとみなして、同項の障害基礎年金を支給する」
⇒1項、2項による障害基礎年金は、実際には20歳前傷病による障害基礎年金とみなされる。
 「昭和60年改正法附則28条 施行日の前日において旧国民年金法による母子福祉年金又は準母子福祉年金の受給権を有する者については、新国民年金法37条に該当するものとみなして、同条の遺族基礎年金を支給する」
 施行日において60歳以上の者に係る国民年金の年金たる給付の特例(昭和60年改正法附則31条
 「大正15年4月1日以前に生まれた者又は大正15年4月2日以後に生まれた者であつて施行日の前日において旧厚生年金保険法による老齢年金、共済組合が支給する退職年金等の受給権を有していたもの(寡婦年金にあつては、死亡したこれらの者の妻)については、新国民年金法の老齢基礎年金、付加年金及び寡婦年金等の規定を適用せず、旧国民年金法の関連規定がなおその効力を有する」
⇒「大正15年4月1日以前に生まれた者(施行日において60歳以上)」と「大正15年4月2日以後に生まれた者(施行日において60歳未満であるが、施行日前日において旧厚生年金保険法等による老齢・退職年金等の受給権を有していたもの」については、老齢基礎年金の支給はなく、1階、2階とも旧法によることになる。
 旧法による年金の新法における取扱い
 施行日(S61.04.01)前の年金  施行日以降の取扱
 老齢年金、通算老齢年金、老齢福祉年金  継続支給
・大正15年4月1日2日以降生まれであっても、旧厚年法等による「老齢・退職給付の受給権があるものは、老齢基礎年金ではなく、旧国年法の老齢年金、通算老齢年金などが支給される。
 障害年金  継続支給
・障害認定日が施行日以後であるときは、障害基礎年金が支給される。
 障害福祉年金  障害基礎年金に裁定替え(施行日に2級以上あるいは、同日前の3級以下になったときから3年以内に2級以上に該当の場合)
 それ以外は、障害福祉年金の継続給付で、2級以上にならず3年経過すれば失権。
 裁定替え後の障害基礎年金は、実際には20歳前傷病による障害基礎年金とみなされる。
 母子年金、準母子年金、
 遺児年金
 継続支給
・死亡日が施行日以後であるときは、遺族基礎年金が支給される。
 母子福祉年金、準母子福祉年金  遺族基礎年金に裁定替え
21
1E
 昭和61年3月31日において、旧国民年金法による障害福祉年金の受給権を有していた者のうち、昭和61年4月1日において障害の状態が障害基礎年金の障害等級に該当する程度の障害の状態にある者には、障害基礎年金が支給される。(発展)

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正しい 誤り

調

 3.旧法との併給調整:国民年金の年金たる給付に係る併給調整の経過措置(昭和60年改正法附則11条)
(1)現行国年法による年金給付と旧国年法による年金給付について
 「2項(概要) 老齢基礎年金の受給権者が旧国民年金法による年金たる給付(死亡を支給事由とする者を除く)を受ける場合の老齢基礎年金、
 裁定替えされた障害基礎年金の受給権者が旧国民年金法による年金たる給付を受ける場合の、障害基礎年金は、その間、支給停止とする」 
(2)旧国年法による年金給付と現行国年法・現行厚年法・一元化前共済各法による年金給付について
 「3項 旧国民年金法による年金たる給付(老齢年金及び通算老齢年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る)並びに障害年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る)を除く)は、その受給権者が国民年金法による年金たる給付(付加年金及び母子福祉年金から裁定替えされた遺族基礎年金を除く)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付等(厚生年金保険法による年金たる保険給付若しくは一元化前共済組合各法による年金たる給付のうち附則31条(施行日に60歳以上の者等)に規定する者に支給される退職共済年金以外のもの)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。
 旧国民年金法による老齢年金(老齢福祉年金を除く)若しくは通算老齢年金の受給権者(65歳に達している者に限る)が国民年金法による年金たる給付又は厚生年金保険法による年金たる保険給付等(遺族厚生年金及び特例遺族年金並びに遺族共済年金を除く)を受けることができる場合における当該老齢年金及び通算老齢年金、並びに
 旧国民年金法による障害年金の受給権者(65歳に達している者に限る)が国民年金法による年金たる給付又は厚生年金保険法による年金たる保険給付等(老齢厚生年金、遺族厚生年金及び特例遺族年金並びに退職共済年金及び遺族共済年金を除く)を受けることができる場合における当該障害年金、並びに
 旧国民年金法による老齢福祉年金の受給権者が国民年金による年金たる給付を受けることができる場合における当該老齢福祉年金についても、同様とする」
 「5項(概要)老齢基礎年金については、遺族厚生年金及び旧厚生年金保険法による年金たる保険給付(死亡を支給事由とするものに限る)若しくは一元化前共済組合各法による年金たる給付(共済組合等が支給する退職共済年金、遺族共済年金、退職年金、減額退職年金、遺族年金及び通算遺族年金とは併給される」
⇒老齢基礎年金と遺族厚生年金、遺族共済年金・遺族年金・通算遺族年金は併給される。
 また、退職共済年金・退職年金・減額退職年金は現行厚年法の老齢厚生年金と同じ扱いとし、同一支給事由により併給
@旧国民年金法による年金給付と現行国年法・現行厚年法・一元化前共済組合各法による年金給付との間では、原則として、いずれか一方を選択する。
A現行の国民年金法による年金給付と旧厚生年金保険法・一元化前共済組合各法による年金給付の間では、原則として、いずれか一方を選択する。
 ただし、一部に例外があり、詳細はこちらを
15
2

 年金改正では、激変を緩和するという観点から、しばしば経過措置が設けられる。
 昭和60年改正によって導入された基礎年金の給付の適用を受けるのは、老齢基礎年金については| D |以降に生まれた者(施行日に旧制度の老齢・退職給付の受給権のあった者を除く)、障害基礎年金については| E |が昭和61年4月1日以降の者(福祉年金を除く)、遺族基礎年金については死亡日が昭和61年4月1日以降の者(福祉年金を除く)であり、それ以外の者には旧制度の給付が適用されている。

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語群はこちらを






16
3B
 昭和61年3月31日において旧国民年金法による母子福祉年金又は準母子福祉年金の受給権を有する者については、国民年金法第37条に該当するものとみなして、遺族基礎年金を支給する。(発展)

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正しい 誤り
16
3D
 昭和61年3月31日において、旧国民年金法による母子年金及び準母子年金の受給権を有する者には昭和61年4月1日以後は、遺族基礎年金を支給する。(発展)

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正しい 誤り





16
1B
 65歳以上の旧国民年金法による老齢年金及び通算老齢年金の受給権者は、一元化前遺族共済年金を併給して受給することができる。(発展)

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正しい 誤り
19
1D
 旧国民年金法による老齢年金又は通算老齢年金を受給している者が一元化前遺族共済年金も受給することができることとなった場合、その者が65歳以上であるときは、旧国民年金法による老齢年金又は通算老齢年金と一元化前遺族共済年金を併給して受給することができる。(16-1Bの類型)

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正しい 誤り

3
9B
 旧国民年金法による障害年金の受給権者には、第2号被保険者の配偶者がいたが、当該受給権者が66歳の時に当該配偶者が死亡したことにより、当該受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、当該受給権者は旧国民年金法による障害年金と遺族厚生年金の両方を受給できる。

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正しい 誤り


















4.旧法による給付
 老齢福祉年金
1  明治44年4月1日以前に生まれた人が、70歳に達したとき
2  明治44年4月2日から大正5年4月1日まで生まれで、保険料納付済期間が1年未満で、かつ保険料納付済期間と免除期間を合わせた期間が、生年月日に応じて、4年1月以上から7年1月以上ある者が、70歳に達したとき
3  上記1あるいは2に該当する者が障害等級1・2級に相当する障害者となったときは、65歳から支給
全額国費により支給される。
・所得制限
:受給権者本人や配偶者または扶養義務者の前年の所得が、扶養親族等の数に応じて一定の額を超えるときは、その年の10月分から翌年の9月までの1年間が支給停止となる。
 単身の場合:令和5年度で169万5千円以下であること。
 現況届(所得状況届)についてはこちらを
 @支給額
  令和6年度値は416,900円 (令和5年度は406,100円)
 A支払い月
  毎年4月、8月および12月(受給権者が請求した場合11月)の3回、 郵便局(郵便窓口業務を行う日本郵便株式会社の営業所であって、銀行代理業務を行うもの)の窓口で受け取る。  
 通算老齢年金 こちらを
 旧令共済組合員であつた期間を有する者に対する老齢年金の支給(附則9条の3)法改正(H29.08.01)
 「第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間、保険料免除期間及び旧陸軍共済組合令に基づく旧陸軍共済組合その他政令で定める共済組合の組合員であつた期間であつて政令で定める期間を合算した期間が10年以上である者が65歳に達したときは、その者に老齢年金を支給する。
 ただし、当該保険料納付済期間と当該保険料免除期間とを合算した期間が1年以上であり、かつ、26条ただし書(保険料納付済期間と保険料免除期間の合算が10年未満)に該当する場合に限る」
⇒保険料納付済期間+保険料免除期間(1年以上、10年未満)+旧令共済組合員期間が10年以上
旧令共済組合とは、旧陸軍共済組合、旧海軍共済組合、朝鮮総督府逓信官署共済組合、朝鮮総督府交通局共済組合、台湾総督府専売局共済組合、台湾総督府営林共済組合、台湾総督府交通局逓信共済組合、台湾総督府交通局鉄道共済組合
 特別一時金(60年改正法附則94条)
 「施行日において障害基礎年金、旧国民年金法による障害年金、旧厚生年金保険法による障害年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものを受ける権利を有し、かつ、当該障害年金等を受ける権利を有するに至った日から施行日の前日までの期間に係る保険料納付済期間を有する者は、政令で定めるところにより、特別一時金の支給を請求することができる」
 昭和61年4月1日の「基礎年金制度」の導入により、旧厚生年金保険法等の障害年金と国民年金法による老齢基礎年金が併給できなくなった。
  そこで、障害年金の受給権取得後、昭和61年4月1日前の期間で、国民年金に任意加入し、保険料を納付あるいは追納した国民年金の保険料は、「特別一時金」として、精算することにした。
 (注:昭和61年4月1日以降は、2級以上の障害年金受給権者の国民年金保険料は法定免除である)
  特別一時金の額(国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令S61.3.28)
 「措置政令136条 特別一時金の額は、旧保険料納付済み期間に応じて、27,300円(1年未満)から682,100円(24年超25年まで)とし、付加保険料納付済期間がある場合は、その期間に応じて加算する」
16
8B
 昭和61年4月1日において、障害年金等を受ける権利を有し、その権利を有するに至った日から昭和61年3月31日までの期間に、旧国民年金法の任意加入被保険者としての保険料納付済期間を有する者は、特別一時金の支給を請求することができる。(発展)

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21
6C
 昭和61年4月1日において、障害福祉年金からいわゆる裁定替された障害基礎年金、旧国民年金法による障害年金、旧厚生年金保険法による障害年金、その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの(以下{障害年金等」という)を受ける権利を有し、かつ、当該障害年金等を受ける権利を有するに至った日(一部の障害年金は、政令で定める日)から昭和61年3月31日までの期間に旧国民年金法に規定する保険料納付済期間を有する者(一部の者は除く)は、特別一時金の支給を請求することができる。(16-8Bの類型)

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