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  傷病手当金、報酬・年金との調整
別ページ掲載:出産手当金
関連過去問 11-8B11-8C11-8D12-3B12-3C12-3D12-3E13-6E13-9C15-9E16-2A16-2B16-2C16-2D16-2E17-6C17-6D18-4D18-4E18-4D19-5D19-9A20-4C21-2A21-6B21-7B23-2D23-2E23-4A23-9A23-9B23-9D24-7E24-10E25-4B25-9B25-10ア25-10イ26-10A26-10B26-10E27-2A28-3C28-8A28-8C29-3A29-8A29-8D30-9D令元-5D令元ー8E令2-2E令2-3ア令2-10A令3-9C令3-9D令4-3エ令4-5E令5-4B令5-10A令5-10B令5-10E
令元ー2選択
関連条文 傷病手当金(99条)、傷病手当金の額(99条2項)、支給期間(99条4項詳細)、傷病手当金の支給の申請(施行規則84条)、傷病手当金の額の算定(施行規則84条の2) 
 報酬との調整(108条)、障害年金との調整(108条3項)、障害手当金との調整(108条4項)、継続給付と老齢退職年金給付との調整(108条5項)、傷病手当金等と報酬との(再度の)調整(109条)
 労災保険給付との調整(通達(S33.7.8保険発95))、























































 
1.傷病手当金(99条) 法改正(H28.04.01)、法改正(H19.4.1施行)
 「被保険者(任意継続被保険者を除く)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する」
⇒ 任意継続被保険者についてはこちらを
 傷病手当金の額(99条2項) 法改正(H28.04.01追加)
 「傷病手当金の額は、一日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る)を平均した額の30分の1に相当する額(5円未満の端数があるときはこれを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときはこれを10円に切り上げる)の3分の2に相当する金額(50銭未満の端数があるときはこれを切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときはこれを1円に切り上げる)とする。
 ただし、同日の属する月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が12月に満たない場合にあっては、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額の3分の2に相当する金額(50銭未満の端数があるときはこれを切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときはこれを1円に切り上げる)とする。
@傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額(5円未満の端数があるときはこれを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときはこれを10円に切り上げる)
A傷病手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額の30分の1に相当する額(5円未満の端数があるときはこれを切り捨て、5円以上10円未満の端数があるときはこれを10円に切り上げるものとする」
 支給期間(99条4項)法改正(R04.01.01)
 「傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して1年6月間とする」詳細はこちらを。 
 傷病手当金の額の算定(施行規則84条の2) 法改正(H28.04.01追加)  
 1項 継続給付により傷病手当金の支給を始める場合
 「被保険者(任意継続被保険者を除く)の資格を喪失した日以後に法104条(継続給付)の規定により傷病手当金の支給を始める場合においては、法99条2項(傷病手当金の額)中「傷病手当金の支給を始める日」とあるのは「被保険者(任意継続被保険者を除く)の資格を喪失した日の前日]と、「被保険者が現に属する」とあるのは「被保険者であった者(任意継続被保険者を除く)が同日において属していた」と読み替えて、同項の規定を適用する」
任意継続被保険者になった日から、資格喪失後の継続給付により傷病手当金の支給が開始される場合
 (すなわち、在職中に待期(3日)が完成して傷病手当金を受給できるはずであったが、報酬を受けていたため傷病手当金が支給停止になっていた者に限る)
 「傷病手当金の額は、一日につき、(強制)被保険者の資格を喪失した日の前日(すなわち退職日)の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額(被保険者であったときに属して保険者等により定められたものに限る)を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額とする」
 すなわち、標準報酬月額の平均値は退職月以前の継続期間について求める。
 施行規則84条の2の4項 協会が解散健康保険組合の権利義務を承継したとき
 「法99条2項(傷病手当金の額)の標準報酬月額は、法26条4項の規定に基づき協会が解散により消滅した健康保険組合の権利義務を承継したときは、当該健康保険組合が定めた標準報酬月額を含むものとする」
 施行規則84条の2の5項 12月以内の期間において被保険者が現に属する保険者が管掌する健康保険の任意継続被保険者である期間が含まれるとき
 「法99条2項(傷病手当金の額)の標準報酬月額は、同項に規定する傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月以内の期間において被保険者が現に属する保険者が管掌する健康保険の任意継続被保険者である期間が含まれるときは、当該期間の標準報酬月額を含むものとする」
 施行規則84条の2の6項 同一の月において二以上の標準報酬月額が定められた月があるとき
 「法99条2項(傷病手当金の額)の標準報酬月額について、同一の月において二以上の標準報酬月額が定められた月があるときは、当該月の標準報酬月額は直近のもの(同項に規定する傷病手当金の支給を始める日以前に定められたものに限る)とする」
 施行規則84条の2の7項 別の疾病につき傷病手当金の支給を受けることができるとき
 「傷病手当金の支給を受けている期間に別の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき傷病手当金の支給を受けることができるときは、それぞれの疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に係る傷病手当金について法99条2項(傷病手当金の額)の規定により算定される額のいずれか多い額を支給する」
チョット補足(傷病手当金の額)
(1)被保険者期間が1年以上ある場合
 支給開始月以前の直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均値の1/30の2/3
(2)被保険者期間が1年未満の場合:@とAのうち低い方
 @支給開始月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均値の1/30の2/3
 A支給開始年度の前年度の9月30日における全被保険者の標準報酬月額の平均値(協会健保の場合、令和2年度〜5年度値は30万円)の1/30の2/3
(3)被保険者期間は同一保険者(全国健康保険協会あるいは同一健康保険組合)単位で取り扱う。
・A健保組合のア事業所6か月、同健保組合の任意継続被保険者2か月、同健保組合のイ事業所4か月でいずれも連続している場合は、被保険者期間12月で平均をとる。
・A健保組合のア事業所6か月、同健保組合の任意継続被保険者2か月、別の健保組合のイ事業所4か月で連続していても、最後のイ事業所の被保険者期間4か月で平均をとる。 
(4)傷病手当金の受給中に保険者を異動した場合に(たとえば、A健保組合から協会健保へなど)、引き続き同一傷病で傷病手当金を受ける場合は、傷病手当金の額は再度計算となる。(異動後は1か月もないので、それまでの傷病手当金の額のベースとなった標準報酬月額の平均値と、協会健保の全被保険者の標準報酬月額の平均値のうち少ない額をベースとする)
(5傷病手当金の受給期間中に別の傷病で傷病手当金の受給要件を満たすことになった場合には、いずれか額の多い方が支給され、重複して支給されることはない。


 この改正は、不正受給(休業直前や休業期間中の標準報酬月額を意図的に高額に改定あるいは、直ぐに労務不能となる状態であるのに、高額な報酬で就職するなど)の防止にあるといわれている。
 参考までに、改正前までは傷病手当金の額は、「支給対象日各日の標準報酬日額(標準報酬月額の1/30)の2/3」であったが、休業期間中の標準報酬月額は休業開始直前の額が保障されていたので、実際には休業開始直前の値と考えてよかった。
 改正後は、たとえ標準報酬月額が一時的に変わっても、給付額は変わらない
 報酬の有無と労務不能の判定について(H15.2.25保保発0225007)
 「被保険者がその本来の職場における労働に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格を持たない副業ないし内職等の労務に服したり、あるいは傷病手当金の支給があるまで間、一時的な軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常、なお労務不能に該当するものであること。
 したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ、労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと」
 労務不能と認められる例  
 「傷病ノ状態カ工場ニ於ケル労務ニ服シ得サル程度ノモノナリトセハ家事ノ副業ニ従事シタル場合ト雖モ傷病手当金ヲ支給スヘキモノニシテ、然ラサルモノトセハ傷病手当金ヲ支給スヘカラサルモノニ有之(これあり)」
 「傷病の状態が、工場における労務には服することができない程度であれば、家事の副業に従事した場合であっても支給すべきものであって、工場の労務に服することができない程度ではないならば、支給してはいけない」(S3.12.27保規3176)
 「傷病は休業を要する程度でなくとも遠隔地のため、通院のため事実上働けないような場合にも支給する」(S2.5.10保理2211)
 現在労務ニ服スルコト差支ナキ者ト雖モ(いえども)療養上其ノ症状カ休業ヲ要スル場合ニ於テハ労務不能ト看做シ(みなし)傷病手当金ヲ支給相成可然(相なりしかるべく)
 「現在労務に服しても差し支えない者であっても、療養上その症状が休業を要する場合においては、労務不能とみなして、傷病手当金を支給することになるので、そのように」(S8.2.18保規35)
 「伝染病の病原体保有者については、原則として病原体の撲滅に関し特に療養の必要があると認められる場合は、自覚症状の有無にかかわらず伝染病の病原体を保有することをもつて保険事故たる疾病と解するものであり、従つて病原体保有者が隔離収容等のため労務に服することができないときは、傷病手当金の支給の対象となるものであるから了知されたい」(S29.10.25保険発261)

 労務不能と認められない例  
 「健康保険事故たる疾病の範囲に属さない疾病等の手術(たとえば美容整形手術等)により、労務不能となったときは支給しない」(S4.6.29保理1704) 
 負傷のため障害者となったが、その障害について療養が必要なくなった場合
 「医師の指示又は許可のもとに半日出勤し、従前の業務に服する場合は支給されない。また、就業時間を短縮せず配置転換により同一事業所内で従前に比しやや軽い労働に服する場合は支給されない」(S29.12.9保文発14236)
 「労働基準法(現、労働安全衛生法)の規定により伝染病の恐れのある保菌者に対して、事業主が休業を命じた場合、その症状から労務不能と認められないときは支給されない」(S25.2.15保文発320)

 療養のため労務不能という場合の療養とは
 「保険給付として受ける療養(療養費の支給を含む)のみでなく、それ以外の療養も含まれる」(S2.2.26 保発345)
⇒ 自宅療養もあるいは保険外の自費療養も含まれる。ただし、美容整形手術などは駄目である
 「被保険者資格取得前にかかった疾病又は負傷のための資格取得後の療養についても、傷病手当金、療養の給付は支給される」(S26.5.1保文発1346)
 「負傷のため疾病となり、その負傷につき療養の必要がなくなったときには、労務不能であっても療養のため労務不能ではないので支給しない」(S3.10。11保理3480)

 待期 
 待期3日間とは連続した3日間であること。 
 「労務に服することができなくなった日の計算は暦日による」(S04.12.07保規488)
⇒待期3日には公休日もふくまれる。(また、公休日も労務不能の状態であれば支給される)
 「労務に服すること能(アタ)はざる期間は労務に服すること能はざる状態に置かれたる日より之(コレ)を起算する。但しその状態に置かれたる時が業務終了後なる場合に於(オイ)ては翌日より之を起算する」(S05.10.13保発52)
⇒業務時間内に疾病等が発生した場合は、その日から起算。
 業務終了後に疾病等が発生した場合は、翌日から起算する。
 「就業時間中に疾病等が発生し、その時間以後労務に服さない場合は、その日は待期3日に含まれる」(S28保文発69)
 「就業時間中に疾病等が発生した上記の場合、その日の賃金の全部又は一部を受けているか否かならびに、その後有給休暇による給付を受けているか否かは、待機期間の算定には無関係である」(S26保文発419)
 待期3日間は報酬の有無を問わない(年次有給休暇も含まれる)(ただし、支給開始後は報酬がある日は支給額が調整される)
 「最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し(医師の指示の有無を問わず)同じ疾病又は負傷につきさらに労務不能になった場合は待期の適用がない」(S2.03.11保理1085)

 傷病手当金の支給要件である待機期間のカウントの仕方 通達(保発2号S32.01.31)
1.「99条は、傷病手当金に関し、「被保険者が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間……支給する」と規定しているので、「3日を経過した日」を「3日を経過した日以後」と解し、療養のため労務に服することのできない状態が同一傷病につき3日間連続していれば、すでに待期は完成したものとして、取り扱われたい。
 従つて、連続3日間にわたつて療養のため労務に服し得なかつた者が、偶々、4日目に労務に服し、5日目以後再び労務に服し得ない状態になつた場合(すなわち、休休休出休)の場合、待期はすでに完成しており、5日目より傷病手当金の支給を行うべきである。
2.待期は、療養のため労務に服することのできない状態が3日間連続することが必要であり、2日目あるいは3日目は労務に服した場合(たとえば、休出休休)にあつては、いまだ待期は完成していないものと解される」

 再発  
 傷病手当金をある期間受給した後、労務に復帰したが、再発したため、再び労務不能となった。
@傷病手当金の受給開始から1年6か月を待たずに再発した場合:
 再発により労務不能になった日から(待期はなし)、1年6か月を経過する日までの残余の期間について、請求可能。(ただし、資格喪失後の継続給付の場合はだめ)
A1年6か月を経過後に再発した場合:
 通常は、一つの傷病につき、1年6か月を超えた期間における支給はない。
 ただし、通常勤務時間が一定以上あった後の再発であれば、「社会的治癒」が認められ、治癒後の別個の傷病であるとして、新たに請求可能となる場合がある。
 併発
 
傷病手当金を受給中に、さらにその傷病とは関連のない別の傷病にかかった。
@後発傷病単独では労務不能とは認められない場合:
 傷病手当金の支給は、受給開始から1年6か月までで終了となる。
 なお、この1年6か月の間において、前発傷病の症状が軽減するものの、後発傷病の症状と合わせれば労務不能と認められれば、1年6か月までの残余の期間について支給は続く。
A後発傷病単独で労務不能と認められる場合:
・傷病手当金の受給権は、後発傷病についても発生する。
・後発傷病の支給期間は、後発傷病のみで労務不能となった日から3日間の待期期間満了日後の日を支給開始日として、その日から1年6か月までである。
・受給権が重複する期間における傷病手当金は各々が支給されるとする(つまり、各々の支給期間とも減少していく)(R03.12.27事務連絡問6)
 ただし、支給される額は施行規則84条の2の7項にあるように、合計値ではなく、一つ分の額(どちらか多い方の額)である。
 傷病手当金の支給の申請(施行規則84条)
 「傷病手当金の支給を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を保険者に提出しなければならない」
・@,A被保険者等記号・番号又は個人番号、被保険者の業務の種別
・B傷病名及びその原因並びに発病又は負傷の年月日
・C労務に服することができなかった期間、
・D報酬の全部又は一部を受けることができるときは、その報酬の額及び期間
・E,F厚生年金、障害基礎年金、老齢・退職を支給事由とする年金など、支給調整の対象となるものが支給されるときはその内容など
・G109条による報酬との再度の調整によるものであるときは、受けることができるはずであった報酬の額及び期間、受けることができなかった報酬の額及び期間など
・H労務に服することができなかった期間中に介護保険法の規定による居宅介護サービス費、地域密着型介護サービス費、特例地域密着型介護サービス費に係る地域密着型サービス若しくはこれに相当するサービス、施設介護サービス費、介護予防サービス費などに係るに一定のサービスを受けたときは、介護保険被保険者証の保険者番号など
・I同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定により、傷病手当金に相当する給付を受け、又は受けようとする場合は、その旨
・J払渡しを受けようとする金融機関等の名称
 「同2項 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない」
@被保険者の疾病又は負傷の発生した年月日、原因、主症状、経過の概要及び労務に服することができなかった期間に関する医師又は歯科医師の意見書
A労務に服することができなかった期間、報酬の全部又は一部を受けることができるときはその報酬の額及び期間、109条に該当するときは、受けることができるはずであった報酬の額及び期間、受けることができなかった報酬の額及び期間などに関する事業主の証明
傷病手当金の受給申請  
 @傷病手当金はそれを受けている日ごとに発生するが、支給申請は1月ごとにまとめ、事業主の証明等を得て行うのが通例である。
A受給者が死亡した場合は、相続権がある者が請求する。通達(S2.2.18保理719) 












25
9B
 被保険者(任意継続被保険者又は特例退職被保険者を除く)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して5日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金として、1日につき、標準報酬月額の30分の1に相当する額の5分の2に相当する金額を支給する。(基礎)(H28改)

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正しい 誤り

5
10
A
 被保険者(任意継続被保険者を除く)が業務外の疾病により労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して4日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。(25-9Bの類型)

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正しい 誤り















13
6E
 療養の給付の対象とならない疾病について被保険者が自費で手術を受け、そのために労務不能になった場合には、労務不能についての証明があるとしても、傷病手当金は支給されない。(基礎)

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正しい 誤り
23
9A
 傷病手当金は、療養のため労務に服することができないときに支給されるが、その場合の療養は、健康保険で診療を受けることができる範囲内の療養であれば、保険給付として受ける療養に限らず、自費診療で受けた療養、自宅での療養や病後の静養についても該当し、傷病手当金は支給される。(13-6Eの類型)

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正しい 誤り
25
4B
 傷病手当金は、療養のために労務に服することができなかった場合に支給するもので、その療養は必ずしも保険医の診療を受けた場合のみとは限らない。(13-6Eの類型)

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正しい 誤り
29
8A
 傷病手当金は被保険者が療養のため労務に服することができないときに支給されるが、この療養については、療養の給付に係る保険医の意見書を必要とするため、自費診療で療養を受けた場合は、傷病手当金が支給されない。(13-6Eの類型)

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正しい 誤り

3
9D
 傷病手当金の支給要件に係る療養は、一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることを要件としており、自費診療による療養は該当しない。(13-6Eの類型)

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正しい 誤り
30
9D
 傷病手当金は、療養のために労務に服することができなかった場合に支給するものであるが、その療養は、医師の診療を受けた場合に限られ、歯科医師による診療を受けた場合は支給対象とならない。(13-6Eの類型)

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正しい 誤り
16
2E
 療養の給付の対象とならない整形手術を自費で受けたことにより、労務に服することができなかった場合には、傷病手当金の支給は行われない。(13-6Eの類型)

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正しい 誤り





16
2B
 休業中に家事の副業に従事していたときにケガをしたため、勤務している事業所における労務に従事することができなくなった場合でも、傷病手当金は支給される。(応用) 

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正しい 誤り
資格取得前の疾病等 23
2E
 被保険者資格(任意継続被保険者及び特例退職被保険者を除く)を取得する前にかかった疾病又は負傷の資格取得後の療養について、療養の給付を受けることはできるが、傷病手当金は支給されない。(応用)

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正しい 誤り

2
2E
 被保険者資格を取得する前に初診日がある傷病のため労務に服することができず休職したとき、療養の給付は受けられるが、傷病手当金は支給されない。(23-2Eの類型)

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正しい 誤り
















12
3B
 傷病手当金の支給の要件である労務不能を判断するにあたっては、労務の提供による報酬の有無から一律に判断するのではなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ判断しなければならない。 (応用)

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16
2C
 被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合、傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合には、労務不能に該当するものとして傷病手当金が支給される。(発展)

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8E
 傷病手当金は、労務不能でなければ支給要件を満たすものではないが、被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しない。また、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合も同様に労務不能には該当しない。(16-2Cの類型)

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25
10
 傷病手当金は、傷病が休業を要する程度でなくとも、遠隔地であり、通院のため事実上働けない場合には支給される。(発展)

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16
2D
 労働基準法の規定によって伝染病の恐れのある保菌者に対して事業主が休業を命じた場合、その症状から労務不能と認められるか否かにかかわりなく、傷病手当金が支給される。(応用)

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21
7B
 労働安全衛生法の規定によって伝染の恐れがある保菌者に対し事業主が休業を命じた場合、その症状から労務不能と認められないときは、傷病手当金が支給されない。(16-2Dの類型)

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2
3ア
 伝染病の病原体保有者については、原則として病原体の撲滅に関し特に療養の必要があると認められる場合には、自覚症状の有無にかかわらず病原体の保有をもって保険事故としての疾病と解するものであり、病原体保有者が隔離収容等のため労務に服することができないときは、傷病手当金の支給の対象となるものとされている。

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15
9E
 循環器疾患による傷病手当金の支給期間が満了した後も引き続き労務不能である被保険者が循環器疾患と因果関係にない眼疾を併発した場合には、眼疾のみの場合において労務不能が考えられるか否かによって傷病手当金を支給するか否かが決定される。(発展)

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正しい 誤り


5D
 被保険者が、心疾患による傷病手当金の期間満了後なお引き続き労務不能であり、療養の給付のみを受けている場合に、肺疾患(心疾患との因果関係はないものとする)を併発したときは、肺疾患のみで労務不能であると考えられるか否かによって傷病手当金の支給の可否が決定される。 (15-9Eの類型)

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24
7E
 傷病手当金の支給を受けようとする者は、被保険者の疾病叉は負傷の発生した年月日、原因、主症状、経過の概要及び労務に服することができなかった期間 に関する医師叉は歯科医師の意見書及び事業主の証明書を添付して保険者に提出しなければならず、療養費の支給を受ける場合においても同様である。(発展)

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4
5E
 傷病手当金の支給を受けようとする者は、健康保険法施行規則第84条に掲げる事項を記載した申請書を保険者に提出しなければならないが、これらに加え、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病について、労災保険法(昭和22年法律第50号)、国家公務員災害補償法(昭和26年法律第191号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む)又は地方
公務員災害補償法(昭和42年法律第121号)若しくは同法に基づく条例の規定により、傷病手当金に相当する給付を受け、又は受けようとする場合は、その旨を記載した申請書を保険者に提出しなければならない。(発展)

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正しい 誤り














19
5D
 傷病手当金の額は、被扶養者がいない場合においては、1日につき、原則として、直近1年間の標準報酬月額の平均値の30分の1に相当する額の100分の60に相当する金額となる。(改)(基礎)

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正しい 誤り
令3
9C
 傷病手当金の額は、これまでの被保険者期間にかかわらず、1日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る)を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額となる。

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正しい 誤り
29
3A
 傷病手当金の額の算定において、原則として、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る)の平均額を用いるが、その12か月間において、被保険者が現に属する保険者が管掌する健康保険の任意継続被保険者である期間が含まれるときは、当該任意継続被保険者である期間の標準報酬月額も当該平均額の算定に用いることとしている。

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正しい 誤り
26
10
E
 3歳に満たない子を養育する被保険者が、厚生年金保険法第26条に基づく標準報酬月額の特例の申出を行い、従前標準報酬月額が同法第43条第1項に規定する平均標準報酬額の計算の基礎とされた場合、健康保険法の傷病手当金に係る直近12つ期間の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額は、当該従前標準報酬月額に基づいて算出する。(要注意)(H28改)

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正しい 誤り









4
3エ
 傷病手当金の支給を受けている期間に別の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき傷病手当金の支給を受けることができるときは、後の傷病に係る待期期間の経過した日を後の傷病に係る傷病手当金の支給を始める日として傷病手当金の額を算定し、前の傷病に係る傷病手当金の額と比較し、いずれか多い額の傷病手当金を支給する。
 その後、前の傷病に係る傷病手当金の支給が終了又は停止した日において、後の傷病に係る傷病手当金について再度額を算定し、その額を支給する。

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正しい 誤り


















23
4A
 傷病手当金は、被保険者(任意継続被保険者及び特例退職被保険者を除く)が療養のため労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から支給される。ただし、3日に会社の公休日が含まれている場合は、その公休日を除いた所定の労働すべき日が3日を経過した日から支給される。(基礎)

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正しい 誤り
28
8C
 傷病手当金の支給要件として継続した3日間の待期期間を要するが、土曜日及び日曜日を所定の休日とする会社に勤務する従業員が、金曜日から労務不能となり、初めて傷病手当金を請求する場合、その金曜日と翌週の月曜日及び火曜日の3日間で待期期間が完成するのではなく、金曜日とその翌日の土曜日、翌々日の日曜日の連続した3日間で待期期間が完成する。(23-4Aの類型)

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正しい 誤り
25
10
 傷病手当金の支給に関して、労務に服することができない期間は、労務に服することができない状態になった日から起算するが、その状態になったときが業務終了後である場合は、その翌日から起算する。

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正しい 誤り
28
3C
 被保険者が就業中の午後4時頃になって虫垂炎を発症し、そのまま入院した場合、その翌日が傷病手当金の待期期間の起算日となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たすことになる。

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正しい 誤り
11
8D
 傷病手当金を受けるための待期期間は、療養のため労務に服することができなくなり、かつ、報酬が支払われなくなった日より起算される。(基礎)

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正しい 誤り
20
4C
 被保険者が10日間の年次有給休暇をとって5日目に傷病のため入院療養となり、有給休暇が終了して後も入院のため欠勤(報酬の支払いはないものとする)が続いた場合、傷病手当金は有給休暇が終了した日の翌日から起算して4日目から支給される。(応用)

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正しい 誤り
16
2A
  傷病手当金を受けるための待期期間は、労務不能となった日から起算して3日間となっているが、療養後労務に服し、同一の疾病又は負傷によりさらに労務不能となった場合は、待期の適用がない。(発展)

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正しい 誤り

5
10
B
 傷病手当金の待期期間について、疾病又は負傷につき最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につき再度労務不能になった場合は、待期の適用がない。(16-2Aの類型)

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正しい 誤り
再発併発の場合の待期期間 21
6B
 傷病手当金の待期期間は、最初に療養のため労務不能となった場合のみ適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につきさらに労務不能になった場合は待期の適用は行われない。(16-2Aの類型)

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正しい 誤り
12
3D
 傷病手当金を受給中に別の疾病が発生し、これについても療養のため労務不能の状態となった場合、先の傷病手当金の支給期間が終了した日から起算して第4日目から後発の病気による傷病手当金が支給される。(16-2Aの応用)

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正しい 誤り
















2.支給期間
 支給期間は法改正後の99条4項により
 「傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して1年6月間とする」
 傷病手当金の支給期間の計算(施行規則84条の3) 法改正(R04.01.01)
 「傷病手当金は、これを支給した日数の累計日数が法99条4項に規定する支給期間の日数に達するまで支給する」

@法改正前、「支給を始めた日から起算して1年6月を超えないものとする」とあったのを、「支給を始めた日から通算して1年6月間とする」と改正。
・これにより、一時回復による就労などにより、傷病手当金の無支給日があった場合、その日数分について、支給期間が減少することはない.。
・同一傷病で再び傷病手当金の支給要件「療養のため、労務に服することができない」に該当した場合は、支給された日数のみが通算されていく。
・よって、傷病手当金の支給要件を満足するかぎり、支給期間1年6か月は必ず確保される。
・つまり、支給期間とは、支給される期間の限度というよりも、「支給日数の限度」の意味である。
 ただし、具体的な日数は歴月単位で決まるので注意を要する(計算例を参照のこと)
・支給日数は、「支給開始日(初めて支給された日)」から通算を開始する。
 待期完成後も休業しているが年次有給休暇の取得などにより報酬を受けた場合は、(保文発162、S26.01.24)により、「報酬を受けなくなった日又は報酬の額が傷病手当金の額より少なくなった日が、支給開始日となる」
・支給の終了日は、「支給した日数の累計が支給期間による日数に達した日」である。
A新方式の適用は、R03.12.31において、支給を始めた日から起算して1年6か月を経過していない(すなわち、R02,07.02以降に支給開始した)傷病手当金からである。
B支給期間の計算例
 令和4年3月4日が支給開始日である場合、支給期間はR04.03.04から1年6か月後のR05.09.03までの日数を歴月で計算(4年3月は28日、4月は30日、5月は31日・・・・5年8月は31日、5年9月は3日)した549日。すなわち、「支給期間は支給された日数が549日となるまで(残りの支給日数が0となるまで)」と考える。
・もし、3月4日から4月20日まで労務不能であった場合:48日分が支給され、残りの支給日数は501日となる。
・4月21日から5月10日まで就労した場合:無支給となるが、残りの支給日数は501日のままで、減少しない。
・5月11日から再び労務不能となった場合:同様にして、残りの支給日数が0になるまで、支給される。
 併発の場合(複数の傷病等について、同じ期間に傷病手当金が支給される場合)の支給期間(R03.12.27事務連絡問6)
 「傷病手当金については、疾病等ごとに支給期間が決定し、複数の疾病について、同じ期間に傷病手当金が支給される場合、各々の疾病等について、それぞれ傷病手当金が支給されると解する。
 このため、傷病手当金が支給された日数分だけ、各々の疾病等に係る支給期間は減少する」
26
10
A
 被保険者が、業務外の事由による疾病で労務に服することができなくなり、4月25日から休業し、傷病手当金を請求したが、同年5月末日までは年次有給休暇を取得したため、同年6月1日から傷病手当金が支給された。この傷病手当金の支給期間は、同年4月28日から通算して1年6か月である。(R04改〉 (基礎)

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正しい 誤り

元2

 4月1日に労務不能となって3日間休業し、同月4日に一度は通常どおり出勤したものの、翌5日から再び労務不能となって休業し、報酬を受けなかった場合の傷病手当金の支給期間における支給日数は、| B |通算が始まることになる。
 また、報酬があったために、その当初から支給停止されていた場合の傷病手当金の支給期間による支給日数は、報酬を受けなくなった| C |又は報酬の額が傷病手当金の額より少なくなった| C |から通算が始まる。(R04改〉
解答と解説を見る 語群はこちらを

5
10
E
 傷病手当金の支給期間中に被保険者が死亡した場合、当該傷病手当金は当該被保険者の死亡日の前日分まで支給される。(応用)

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正しい 誤り









19
9A
 傷病手当金の受給を開始した者が、いったん労務に服した後、同一の疾病により再び休業して傷病手当金の支給を受けた場合、傷病手当金の支給期間は、労務に服していた期間も含めて初回の支給開始日から通算して1年6か月である。(R04改)

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26
10
B
 被保険者が、業務外の事由による疾病で労務に服することができなくなり、6月4日から欠勤し、同年6月7日から傷病手当金が支給された。その後病状は快方に向かい、同年9月1日から職場復帰したが、同年12月1日から再び同一疾病により労務に服することができなくなり欠勤したため、傷病手当金の請求を行った。
 この傷病手当金の支給期間は、同年6月7日から起算して1年6か月で終了となる。(R04改)  (19-9Aの類型)

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正しい 誤り



















































調




3.報酬・年金等との調整
 傷病手当金と報酬等との調整(108条1項)法改正(H28.04.01)
 「疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない。
 ただし、その受けることができる報酬の額が、99条2項(本来の傷病手当金の額)の規定により算定される額より少ないとき(103条1項又は3項若しくは4項に該当するときを除く)は、その差額を支給する」
⇒報酬を受ける期間は、原則として、傷病手当金は支給されない。
 ただし、報酬が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額を傷病手当金として支給する。
 出産手当金と報酬等との調整(108条2項) こちらを  
 介護休業期間中の傷病手当金及び出産手当金などの取扱いはこちらを参照(H11.03.31保険46号・庁保険発9号
 日雇特例被保険者の場合
 日雇特例被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む)に対する傷病手当金に関する支給調整については、1項から4項により、@事業主から報酬を受けた場合、A同一の傷病により障害厚生年金・障害基礎年金を受けるとき、B障害手当金を受けるとき、にはなされるが、5項による老齢・退職年金を受けるときの調整はない。
 傷病手当金と障害年金との調整(108条3項)法改正(H28.04.01)
 「傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法による障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。
 ただし、その受けることができる障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づ き国民年金法による障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額の合算額)につき、厚生労働省令で定めるところにより算定した額(障害年金の額)の額が、本来の傷病手当金の額より少ないときは、当該額と次の各号に掲げる場合の区分に応じて当該各号に定める額との差額を支給する」
@ 報酬を受けることができない場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができない場合:障害年金の額
A 報酬を受けることができない場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができる場合:出産手当金の額(当該額が本来の傷病手当金の額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額
B 報酬の全部又は一部を受けることができる場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができない場合:当該受けることができる報酬の全部又は一部の額(当該額が本来の傷病手当金の額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額
C 報酬の全部又は一部を受けることができる場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができる場合:当該受けることができる報酬の全部又は一部の額及び前項ただし書の規定により算定される出産手当金の額の合算額(当該合算額が本来の傷病手当金の額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額

 傷病手当金と同一支給事由による障害厚生年金を受給できるときは、原則として、傷病手当金は支給されない。 
 ただし、障害年金の額(=(障害厚生年金額+障害基礎年金額)/360)が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額分を障害手当金として支給し、合計額が本来の傷病手当金の額になるように調整する。詳細はこちらを調整のまとめ
 傷病手当金と障害手当金との調整(108条4項)
 「傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷傷及びこれにより発した疾病につき厚生年金保険法による障害手当金の支給を受けることができるときは、当該障害手当金の支給を受けることとなった日からその者がその日以後に傷病手当金の支給を受けるとする場合の99条2項(本来の傷病手当金の額)の規定により算定される額の合計額が、当該障害手当金の額に達するに至る日までの間、傷病手当金は、支給しない。
 ただし、当該合計額が当該障害手当金の額に達するに至った日において当該合計額が当該障害手当金の額を超える場合において、報酬の全部若しくは一部又は出産手当金の支給を受けることができるときその他の政令で定めるときは、当該合計額と当該障害手当金の額の差額その他の政令で定める差額については、この限りでない」
⇒傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達するまでは、傷病手当金は支給停止。
 合計額が障害手当金の額に達した以降は、傷病手当金を支給(報酬との調整あり)
 資格喪失後継続給付としての傷病手当金と老齢退職年金給付との調整(108条5項)
 「傷病手当金の支給を受けるべき者(104条(継続給付)の規定により受けるべき者であって、政令で定める要件に該当するものに限る)が、国民年金法又は厚生年金保険法による老齢を支給事由とする年金たる給付その他の老齢又は退職を支給事由とする年金であって政令で定めるもの「老齢退職年金給付」という)の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。
 ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき、厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する」
⇒厚生労働省令で定めるところにより算定した額とは、年金額を360で割った額のこと。
 政令で定める要件(施行令37条)
 「政令で定める要件は、法135条1項(日雇特例被保険者に係る傷病手当金)の規定により傷病手当金の支給を受けることができる日雇特例被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む)でないこととする」
⇒傷病手当金と老齢・退職年金との調整
@退職後の場合:
・傷病手当金と報酬との間の調整はなくなるが、108条5項により、年金との間で、報酬を受けていると同様の調整がある。
A在職中の場合:
・厚生年金保険法の在職老齢年金の仕組みにより、年金の調整がある。
・また報酬を受けている場合は、健康保険法により、傷病手当金と報酬との間で調整がある。
 労災保険給付との調整 通達(S33.7.8保険発95)
 「労災保険法による休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、業務外の事由による傷病によっても労務不能となった場合には、休業補償給付の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその部分にかかわるものを除き、傷病手当金は支給されない」

@労災保険給付として休業補償給付を受給中に、あらたに業務外の事由発生により、健康保険法による傷病手当金の要件を満足することになった場合でも、両方を受給することはできない。ただし、傷病手当金の方が高い場合は、差額分に限り受給できる。
A同一の疾病・負傷の場合で、通勤による場合は55条1項により労災保険、業務上であれば当然に労災保険、業務外であれば当然に健康保険による傷病手当金を受給するのであって、両方を受給することはできない。
A業務上である場合、当然、労災保険からの休業補償給付のみ受給できるのであるから、たとえ、労災認定までに時間がかかるなどとして、健康保険の傷病手当金を受け取っていた場合は、本来の「労災への切り替え」をし、受取った傷病手当金は返還しなければならない。
 傷病手当金等と報酬との(再度の)調整(109条)
 「108条1項(傷病手当金と報酬との調整)、同2項(出産手当金と報酬との調整)、同3項(傷病手当金と障害年金との調整による差額支給の際の報酬との調整)、同4項(傷病手当金と障害手当金との調整において、傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達した以降の報酬との調整)に規定する者が、疾病にかかり、負傷し、又は出産した場合において、
 その受けることができるはずであった報酬の全部又は一部につきその全額を受けることができなかったときは、傷病手当金又は出産手当金の全額、その一部を受けることができなかった場合においてその受けた額が傷病手当金又は出産手当金の額より少ないときはその額と傷病手当金又は出産手当金との差額を支給する。
 ただし、前条1項から4項までのただし書の規定により傷病手当金又は出産手当金の一部を受けたときは、その額を支給額から控除する」

@報酬が支給されていたため、報酬との調整により、出産手当金又は傷病手当金が全額支給停止または差額分のみ支給されていた者について、
 疾病、負傷、出産により、受けていた報酬について、
ア 報酬の全額を受けることができなくなったときは、出産手当金または傷病手当金の全額が支給再開となる。
イ 報酬の一部しか受けることができなくなったときは、受けた額が出産手当金または傷病手当金の額より少ない場合、その差額分が支給される。
 ただし、それまでに、108条1項から4項までの報酬との調整で、差額分が支給されていた場合は、その差額分は引き続き支給されるもので、上記イの支給額には含めない。 
 「2項 前項の規定により保険者が支給した金額は、事業主から徴収する」
 傷病手当金と出産手当金との調整こちらを
 傷病手当金の調整のまとめ(原則は0円)
報酬 傷病手当金以外の受給権  実際に支給される健康保険給付(報酬ならびに障害年金はもしあれば当然に支給されることに注意) 備考
出産手当金  出産手当金+(傷病手当金の方が出産手当金より高ければその差額) 103条1項
   傷病手当金の方が報酬がよりも高ければその差額 108条1項
 障害年金の額=(障害厚生年金額+障害基礎年金額)/360)が傷病手当金の額より少ない場合
注1:いずれの場合も、本来の傷病手当金の額は保障されている。
注2:大小関係(>あるいは<)により2通りに分けられる場合は、支給される傷病手当金相当分の少ない方が採用される。
報酬の有無  障害年金  傷病手当金ー障害年金の額 108条3項@
障害年金と出産手当金 @出産手当金>傷病手当金の場合
 出産手当金ー障害年金
A出産手当金<傷病手当金の場合
・出産手当金<障害年金の額のとき
 傷病手当金ー障害年金の額
・出産手当金>障害年金の額のとき
 傷病手当金ー出産手当金
108条3項A
障害年金 @報酬>傷病手当金の場合 0
A報酬<傷病手当金の場合
・報酬<障害年金の額のとき
 傷病手当金ー障害年金の額
・報酬>障害年金の額のとき
 傷病手当金ー報酬
108条3項B
障害年金と出産手当金 @(報酬+出産手当金)>傷病手当金の場合  0
A(報酬+出産手当金)<傷病手当金の場合
・(報酬+出産手当金)<障害年金の額のとき
 傷病手当金ー障害年金の額
・(報酬+出産手当金)>障害年金の額のとき
 傷病手当金ー報酬-出産手当金
⇒この場合の出産手当金とは、報酬との調整後の差額分(もしあれば)のこと。(もし、報酬の方が出産手当金より多い場合は108条3項Bと同じ。
108条3項C
有or無 障害手当金 ・傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達するまでは、0円
・合計額が障害手当金の額に達した以降は、傷病手当金を支給(報酬あるいは出産手当金との調整あり)
108条4項
老齢・退職年金 ・傷病手当金の方が老齢・退職年金の額より高ければその差額 資格喪失後に限る
108条5項
 受け取るはずであった報酬の全部または一部を受け取ることができなくなっとき ・傷病手当金あるいは出産手当金の額までは収入が保障されるようにする。(そのために必要な額は事業主から徴収する) 109条


いずれもしても他の給付があるときは、原則として傷病手当金は支給されない。
ただし、上記のように差額分がもしあれば支給される。
ここで、年金額とは、実際には年金額の360分の1(30日×12月)である。健康保険法では1年は360日である。
1  業務上の疾病 ・負傷による場合は、傷病手当金は支給されない。(業務上の負傷・疾病は健康保険の対象外)
2  同一の疾病・負傷による場合の調整:年金優先 
3  老齢・退職年金との調整(資格喪失後給付に限る):年金優先 
11
8B
 傷病手当金の受給要件に該当する者が事業主から報酬を受けている場合であって、その報酬の額が傷病手当金より少ないときは、その報酬の額と傷病手当金の額の差額を支給する。(基礎)

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正しい 誤り
28
8A
 傷病手当金は、その支給期間に一部でも報酬が支払われていれば支給額が調整されるが、当該支給期間以前に支給された通勤定期券の購入費であっても、傷病手当金の支給期間に係るものは調整の対象になる。(11-8Bの応用)

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正しい 誤り
12
3E
 傷病手当金を受給している期間中に給料が減額された場合であっても、傷病手当金の支給額は減額されない。

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正しい 誤り
介護休業期間中 21
2A
 傷病手当金の支給要件に該当すると認められる者であっても、その者が介護休業中である場合は、傷病手当金は支給されない。(発展)

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正しい 誤り
17
6D
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する介護休業期間中について、介護休業手当など、報酬と認められる諸手当を受給しながら介護休業を取得しているときに病気をした場合、傷病手当金は支給されない。(21-2Aの応用)

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正しい 誤り
23
9D
 介護休業期間中に病気にかかり、その病気の状態が勤務する事業所における労務不能の程度である場合には、傷病手当金が支給される。この場合、同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金の支給額について調整を行うこととされている。(17-6Dの類型)

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正しい 誤り
障害厚生年金等との調整 11
8C
 同一の疾病又は負傷により障害厚生年金を受けることができるようになったときには、年金額にかかわりなく、傷病手当金は支給されない。(基礎)

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正しい 誤り
23
9B
 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の傷病により障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金が優先して支給される。ただし、その障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に より障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金額と当該障害基礎年金額との合算額)を360で除して得た額が、傷病手当金の額より 多いときは、その差額を支給する。(11-8Cの類型)

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正しい 誤り
18
4D
 報酬との調整規定により減額された傷病手当金を受給している期間中に、同一傷病に関して障害厚生年金が支給されるようになったときは、「減額しない本来の傷病手当金の額」と「障害厚生年金と障害基礎年金との日額の合計額」との差額が支給される。(11-8Cの発展)

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正しい 誤り
29
8D
 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病につき厚生年金保険法による障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金の支給が調整されるが、障害手当金の支給を受けることができるときは、障害手当金が一時金としての支給であるため傷病手当金の支給は調整されない。

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正しい 誤り
老齢退職年金給付との調整 13
9C
 資格喪失後傷病手当金を受けている者が、老齢退職年金給付を受けることができるときは、傷病手当金は支給されない。ただし、老齢退職年金給付の額が傷病手当金の額を下回る場合は、差額が支給される。(基礎)

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正しい 誤り
23
2D

 

 被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という)の支給を受けることができるとき、老齢退職年金給付は支給されない。(13-9Cの類型)

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正しい 誤り

5
4B
 傷病手当金の継続給付を受けている者(傷病手当金を受けることができる日雇特例被保険者又は日雇特例被保険者であった者を含む)に、老齢基礎年金や老齢厚生年金等が支給されるようになったときは、傷病手当金は打ち切られる。(13-9Cの類型)
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正しい 誤り
17
6C
 適用事業所に使用される常勤職員であって傷病手当金の支給を受けることができる者が、老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合算額を360で除して得た額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給される。

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正しい 誤り
27
2A
 適用事業所に使用される被保険者が傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われない。(17-6Cの類型)
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正しい 誤り
労災保険給付との調整 12
3C
 労災保険による休業補償給付を受けている期間中に業務外の病気を併発し、労務不能となった場合、休業補償給付の額が傷病手当金の額を上回っているときは、傷病手当金が支給されない。(発展) 

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正しい 誤り
18
4E
 労災保険から休業補償給付を受けている期間中に業務外の病気を併発し、労務不能となった場合、傷病手当金の額が休業補償給付の額を上回っているときは、休業補償給付に加えて、その差額が傷病手当金として支給される。(12-3Cの類型)

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正しい 誤り
24
10
E
 労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって、労務不能の状態になった場合には、それぞれが別の保険事故であるため、休業補償給付及び傷病手当金は、それぞれ全額支給される。(12-3Cの類型)

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正しい 誤り

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A
 労災保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって労務不能の状態になった場合、休業補償給付が支給され、傷病手当金が支給されることはない。(12-3Cの類型)

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