FD 労働基準法 基礎知識と関連過去問 Tome塾Homeへ
  賃金の定義、支払、非常時払、賞与、休業手当、出来高払制の保障給、最低賃金、金品の返還
別ページ掲載:平均賃金年次有給休暇中の賃金時間外・休日・深夜の割増賃金通常の労働時間・労働日の賃金の計算額
関連過去問 11-4C12-3D12-3E12-4A12-4C13-3A13-3C13-3D13-3E13-4B13-4D13-4E14-3A14-3E15-3A15-3B17-1A17-1B17-1C17-1E18-2A18-2B18-2C18-2E18-5A19-2A19-2B19-2C19-2D19-2E20-3A20-3B20-3C20-3D20-3E21-4A21-4B21-4C21-4D21-4E22-3A22-3B22-3D22-3E23-1E23-6A24-1A24-1B24-1C24-1D25-7ア25-7イ25-7ウ25-7エ25-7オ26-3ア26-3オ26-4A26-4B26-4C26-4D26-4E27-4A27-4B27-4C27-4D27-4E27-5A27-5B27-5C27-5D27-5E28-1オ28-3A28-3B28-3D28-3E29-6A29-6B29-6C29-6D29-6E30-4オ30-5A30-6A30-6B30-6C30-6D30-6E令元ー3オ令元ー5A令元ー5B令元ー5C令元ー5D令元ー5E令2-4E令2-5ォ令3-1E令3-3ア令3-3イ令3-3ウ令3-3エ令3-3オ令3-4A令3-4B令3-4C令3-4D令3-4E令4-6イ令4-6ウ令4-6エ令4-6オ令5-1ABCDE令5-6A令5-6B令5-6C令5-6D令5-6E令6-1E令6-3E令6-4ABCDE
 労働一般24-2B労働一般25-2C
 11-2選択21-2選択21-3選択22-3選択23-3選択30-3選択令元ー1選択
 関連条文 賃金(11条)、賃金の支払(24条直接払いの原則毎月一回以上・一定期日払いの原則)、賃金支払原則の例外(実物給与口座振込み一部控除相殺)、
 賞与端数処理
 金品の返還(23条)、非常時払(25条)、休業手当(26条)、出来高払制の保障給(27条)、最低賃金(28条)








 1.賃金(11条) 基礎講座
 「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」
 「労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」という言葉はわかりにくいかもしれないが、労働の対価として当然に支払うもの(狭義の労働の対償)だけでなく、就業規則等の取り決めにより、使用者に支払い義務のあるもの(労働者からすれば請求する権利が認められるもの)が賃金である。
 賃金となるものの例、ならないものの例などの詳細はこちらを。
23
1E
 労働基準法に定める賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者又は顧客が労働者に支払うすべてのものをいう。(基礎)

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正しい 誤り

6
1E
 労働者に支給される物又は利益にして、所定の貨幣賃金の代わりに支給するもの、即ち、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは労働基準法第11条にいう「賃金」とみなさない。

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正しい 誤り





13
3A
 労働基準法上、賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうとされており、法令の定めにより労働者が負担すべき社会保険料を使用者が労働者に代わって負担する場合も、この使用者が労働者に代わって負担する部分は、賃金に該当する。(応用)
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正しい 誤り
19
2B
 労働者が法令の定めにより負担すべき社会保険料を使用者が労働者に代わって負担する場合は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、この使用者が労働者に代わって負担する部分は、労働基準法第11条の賃金には該当しない。(13-3Aの類型)
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正しい 誤り

3
1E
 労働者が法令により負担すべき所得税等(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等を含む)を事業主が労働者に代わって負担する場合、当該代わって負担する部分は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、労働基準法第11条の賃金とは認められない。(13-3Aの類型)
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正しい 誤り




15
3A
 ある会社においては、労働協約により、通勤費として、労働者に対して、6か月定期券を購入して支給しているが、このような通勤定期券は、労働基準法第11条の「賃金」と解される。(応用)
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正しい 誤り
24
1D
 ある会社で、労働協約により通勤費として6か月ごとに定期乗車券を購入し、それを労働者に支給している場合、この定期乗車券は、労働基準法第11条に規定する賃金と は認められず、平均賃金算定の基礎に加える必要はない。(15-3Aの類型)
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正しい 誤り








19
2A
 労働基準法上、賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいうとされているが、使用者が労働者に支払うものであっても、実費弁償として支払われる旅費は、賃金ではない。(応用)
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正しい 誤り


3オ
 私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。
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正しい 誤り
退





19
2E
 労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条の賃金であり、同法第24条第2項の「臨時の賃金等」に当たる。(応用)
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正しい 誤り
27
4D
 労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。(19-2Eの類型)
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正しい 誤り








22
3B
 結婚手当は、使用者が任意的、恩恵的に支給するという性格を持つため、就業規則によってあらかじめ支給要件が明確に定められ、その支給が使用者に義務付けられている場合でも、労働基準法第11条に定める賃金には当たらない。(19-2Eの応用)
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28
1オ
 労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされていても、労働者の吉凶禍福に対する使用者からのが恩恵的な見舞金は、労働基準法第11条にいう「賃金」にはあたらない。(22-3Bの類型)
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正しい 誤り




2
4E
 食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊の場合のものを除く)は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、@食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、A食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、B食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。
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19
2C
 解雇予告手当(労働基準法第20条の規定に基づき、解雇の予告に代えて支払われる平均賃金をいう。以下同じ)は、同法第11条の賃金ではない。(応用)
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26
3ア
 賞与、家族手当、いわゆる解雇予告手当及び住宅手当は、労働基準法第11条で定義する賃金に含まれる。(19-2Cの類型)
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14
3A
 商法による新株予約権(いわゆるストックオプション)制度では、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているが、労働の対償と考えられ、労働基準法第11条の賃金に該当する。(発展)
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30
4オ
 いわゆるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また、権利行使するとした場合において、その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらない。(14-3Aの類型)
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2.賃金の支払(24条) 基礎講座
 「賃金は、@通貨で、A直接労働者に、Bその全額を支払わなければならない。
 ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合(実物給与)、
 又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合(振込み等)においては、通貨以外のもので支払い、
 法令に別段の定めがある場合、又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる」

@通貨払いの例外 

 実物給与: 法令若しくは労働協約に定めがある場合
 振込み等: 確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合
Bの例外  一部控除: 法令に定めがある場合、過半数組織労働組合又は過半数代表者とによる協定がある場合

 「労働協約」  ⇒ 労働組合との書面による取決め
 「労使協定」 ⇒ 過半数組織労働組合、ないときは、労働者の過半数代表者との書面による取決め
        過半数代表者の要件についてはこちら
25
7ア
 いわゆる通貨払の原則の趣旨は、貨幣経済の支配する社会では最も有利な交換手段である通貨による賃金支払を義務づけ、これによって、価格が不明瞭で換価にも不便であり弊害を招くおそれが多い実物給与を禁じることにある。
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正しい 誤り
22
3A
 賞与を支給日に在籍している者に対してのみ支給する旨のいわゆる賞与支給日在籍要件を定めた就業規則の規定は無効であり、支給日の直前に退職した労働者に賞与を支給しないことは、賃金全額払の原則を定めた労働基準法第24条第1項に違反するというのが最高裁判所の判例である。
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25
7エ
 いわゆる全額払の原則の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もつて労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。
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22
3D
 労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則は、労働者が退職に際し自ら賃金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、その意思表示の効力を否定する趣旨のものと解することができ、それが自由な意思に基づくものであることが明確であっても、賃金債権の放棄の意思表示は無効であるとするのが最高裁判所の判例である。
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25
7オ
 退職金は労働者にとって重要な労働条件であり、いわゆる全額払の原則は強行的な規制であるため、労働者が退職に際し退職金債権を放棄する意思表示をしたとしても、同原則の趣旨により、当該意思表示の効力は否定されるとするのが、最高裁判所の判例である。(22-3Dの類型)
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27
4C
 退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなくこれを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則の趣旨に反して無効であるとするのが、最高裁判所の判例である。(22-3Dの類型)
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令元
5B
 賃金にあたる退職金債権放棄の効力について、労働者が賃金にあたる退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該意思表示は有効であるとするのが、最高裁判所の判例である。(22-3Dの類型)
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30
3
選択
 最高裁判所は、同業他社への転職者に対する退職金の支給額を一般の退職の場合の半額と定めた退職金規則の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
「原審の確定した事実関係のもとにおいては、被上告会社が営業担当社員に対し退職後の同業他社への就職をある程度の期間制限することをもつて直ちに社員の職業の自由等を不当に拘束するものとは認められず、したがつて、被上告会社がその退職金規則において、右制限に反して同業他社に就職した退職社員に支給すべき退職金につき、その点を考慮して、支給額を一般の自己都合による退職の場合の半額と定めることも、本件退職金が| C |的な性格を併せ有することにかんがみれば、合理性のない措置であるとすることはできない」
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2.1 通貨払いの原則の例外1 実物給与
 
24条から「法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合は、通貨以外のもので支払うことができる」
⇒労働協約に定めがないのに実物で支払ったものであっても、11条により賃金であるとされたものはあくまでも賃金であって、その場合は通貨払いの原則に照らして違法な賃金である。
施行規則2条2項 「通貨以外のもので支払われる賃金も、原則として、平均賃金等の算定基礎に含まれるため、法令に別段の定めがある場合のほかは、労働協約で評価額を定めておかなければならない」

14
3E
 労働基準法第24条第1項においては、賃金は、通貨で支払わなければならないと規定されているが、同項ただし書において、法令に別段の定めがある場合、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払うことができると規定されている。(基礎)
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正しい 誤り
20
3A
 使用者は、賃金を通貨で支払わなければならないが、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、通貨以外のもので支払うことができる。(14-3Eの類型)
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正しい 誤り


5A
 労働基準法第24条第1項は、賃金は、「法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、通貨以外のもので支払うことができる」と定めている。(14-3Eの類型)
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正しい 誤り
21
4A
 賃金は通貨で支払わなければならず、労働協約に定めがある場合であっても、小切手や自社製品などの通貨以外のもので支払うことはできない。(14-3Eの類型)
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正しい 誤り
25
7ウ
 いわゆる通貨払の原則は強行的な規制であるため、労働協約に別段の定めがある場合にも、賃金を通貨以外のもので支払うことは許されない。(21-4Aの類型)
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正しい 誤り
労働協約の適用範囲 12
4A
 事業場の過半数の労働者を組織する労働組合が使用者と締結した労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。
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正しい 誤り
29
6A
 労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。(12-4Aの類型)
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正しい 誤り

3
3イ
 賃金を通貨以外のもので支払うことができる旨の労働協約の定めがある場合には、当該労働協約の適用を受けない労働者を含め当該事業場のすべての労働者について、賃金を通貨以外のもので支払うことができる。(12-4Aの類型)
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正しい 誤り

 2.2 通貨払いの原則の例外2 口座振込み
 24条から、「厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合(振込み等)においては、通貨以外のもので支払うことができる」
 厚生労働省令で定めるものによる場合(施行規則7条の2) 法改正(R05.04.01)
 「使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について、次の方法によることができる。
 ただし、B号に掲げる方法による場合には、当該労働者が@号又はA号に掲げる方法による賃金の支払を選択することができるようにするとともに、当該労働者に対し、B号イからヘまでに掲げる要件に関する事項について説明した上で、当該労働者の同意を得なければならない
@当該労働者が指定する銀行その他金融機関の預金又は貯金への振込み、
A当該労働者が指定する金融商品取引業者(金融商品取引法に規定する金融商品取引業者(第1種金融商品取引業を行う者に限り、第1種少額電子募集取扱業者を除く)に対する当該労働者の預り金(一定の要件を満たすものに限る)への払込み(註いわゆる証券総合口座への払い込み)
B資金決済に関する法律(資金決済法)に規定する第2種資金移動業を営む資金決済法に規定する資金移動業者であつて、次に掲げる要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた者(以下「指定資金移動業者」)のうち当該労働者が指定するものの第2種資金移動業に係る口座への資金移動(註いわゆるデジタル払い)
賃金の支払に係る資金移動を行う口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が100万円を超えることがないようにするための措置又は当該額が100万円を超えた場合に当該額を速やかに100万円以下とするための措置を講じていること。
 破産手続開始の申立てを行つたときその他為替取引に関し負担する債務の履行が困難となつたときに、口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の全額を速やかに当該労働者に弁済することを保証する仕組みを有していること。
 口座について、労働者の意に反する不正な為替取引その他の当該労働者の責めに帰することができない理由で当該労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することが困難となつたことにより当該債務について当該労働者に損失が生じたときに、当該損失を補償する仕組みを有していること。
 口座について、特段の事情がない限り、当該口座に係る資金移動が最後にあつた日から少なくとも10年間は、労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することができるための措置を講じていること。
ホ 口座への資金移動が1円単位でできるための措置を講じていること。
 口座への資金移動に係る額の受取について、現金自動支払機を利用する方法その他の通貨による受取ができる方法により1円単位で当該受取ができるための措置及び少なくとも毎月1回は当該方法に係る手数料その他の費用を負担することなく当該受取ができるための措置を講じていること。
ト:賃金の支払に関する業務の実施状況及び財務状況を適時に厚生労働大臣に報告できる体制を有すること。
チ イからトまでに掲げるもののほか、賃金の支払に関する業務を適正かつ確実に行うことができる技術的能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。
 退職手当の支払い(施行規則7条の2の2項)
 「使用者は、労働者の同意を得た場合には、退職手当の支払について前項に規定する方法によるほか、次の方法によることができる。
@銀行その他の金融機関によつて振り出された当該銀行その他の金融機関を支払人とする小切手を当該労働者に交付すること。
A銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付すること。
B郵政民営化法に規定する郵便貯金銀行がその行う為替取引に関し負担する債務に係る権利を表章する証書(註いわゆる郵便為替)を当該労働者に交付すること。
11
4C
 賃金の支払方法については、労働者の同意を得た場合には、当該労働者が指定する証券会社に対する当該労働者の預り金のうち一定の要件を充たすものへの払込みにより賃金を支払うこともできる。

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正しい 誤り
20
3B
 使用者は、賃金を、銀行に対する労働者の預金への振込みによって支払うためには、当該労働者の同意を得なければならない。(11-4Cの類型用)

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正しい 誤り
28
3A
 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行口座への振込みによることができるが、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同意が特段の事情のない限り得られているものと解されている。

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正しい 誤り
13
3D
 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金をその労働者の指定する銀行その他の金融機関の口座に振り込むことができる。そして、当該事業場の労働者の過半数を組織する労働組合がある場合には、この労働組合との労働協約をもってこの労働者の同意に代えることができる。(28-3Aの類型)
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正しい 誤り
















6
4
A
B
C
D
E
  使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払方法として、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号に掲げる要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)のうち労働者が指定するものの第二種資金移動業に係る口座への資金移動によることができる(いわゆる賃金のデジタル払い)が、次の記述のうち、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号に定めるものとして、誤っているものはどれか。
A:賃金の支払に係る資金移動を行う口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が500万円を超えることがないようにするための措置又は当該額が500万円を超えた場合に当該額を速やかに500万円以下とするための措置を講じていること。
B:破産手続開始の申立てを行ったときその他為替取引に関し負担する債務の履行が困難となったときに、賃金の支払に係る資金移動を行う口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の全額を速やかに当該労働者に弁済することを保証する仕組みを有していること。
C:賃金の支払に係る資金移動を行う口座について、労働者の意に反する不正な為替取引その他の当該労働者の責めに帰することができない理由で当該労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することが困難となったことにより当該債務について当該労働者に損失が生じたときに、当該損失を補償する仕組みを有していること。
D:賃金の支払に係る資金移動を行う口座(以下本問において「口座」という)について、特段の事情がない限り、当該口座に係る資金移動が最後にあった日から少なくとも10年間は、労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することができるための措置を講じていること。
E:賃金の支払に係る資金移動を行う口座への資金移動に係る額の受取について、現金自動支払機を利用する方法その他の通貨による受取ができる方法により1円単位で当該受取ができるための措置及び少なくとも毎月1回は当該方法に係る手数料その他の費用を負担することなく当該受取ができるための措置を講じていること。
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A B C D E
退職手当
3
3ア
 使用者は、退職手当の支払については、現金の保管、持ち運び等に伴う危険を回避するため、労働者の同意を得なくても、当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができるほか、銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付することによることができる。
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正しい 誤り


















2.3 直接払いの原則
 24条から、「賃金は、直接労働者に支払わなければならない」 
20
3D
 賃金は、直接労働者に、支払わなければならないが、未成年者の親権者又は後見人は、その賃金を代わって受け取ることができる。(応用)

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正しい 誤り
21
4B
 賃金は直接労働者に支払わなければならず、労働者の委任を受けた弁護士に賃金を支払うことは労働基準法第24条違反となる。(20-3Dの応用)

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正しい 誤り

5
6A
  労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる直接払の原則は、労働者と無関係の第三者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反しないが、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは直接払の原則に違反する。

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派遣労働者 30
6A
 派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金直接払の原則に違反しない。(20-3Dの応用)

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21
4C
 労働者が賃金債権を第三者に譲渡した場合、譲渡人である労働者が債務者である使用者に確定日付のある証書によって通知した場合に限り、賃金債権の譲受人は使用者にその支払を求めることが許されるとするのが最高裁判所の判例である。(発展)

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28
3B
 労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合でも、使用者は当該賃金債権の譲受人に対してではなく、直接労働者に対し賃金を支払わなければならないとするのが、最高裁判所の判例である。 (21-4C の類型)

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4
6エ
 労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても、その支払についてはなお同条「労働基準法第24条」が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、したがつて、右賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないが、国家公務員等退職手当法(現在の国家公務員退職手当法)による退職手当の給付を受ける権利については、その譲渡を禁止する規定がない以上、退職手当の支給前にその受給権が他に適法に譲渡された場合においては、国または公社はもはや退職者に直接これを支払うことを要せず、したがつて、その譲受人から国または公社に対しその支払を求めることが許される」とするのが、最高裁判所の判例である。〈28ー3Bの類型)

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正しい 誤り






25
7イ
 行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ当該行政官庁に納付することは、いわゆる直接払の原則に抵触しない。(発展)
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正しい 誤り
27
4A
 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる賃金直接払の原則は、例外のない原則であり、行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ当該行政官庁に納付することも、同条違反となる。(25-7イの類型)
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正しい 誤り







2.4 全額払いの例外-1 一部控除
 24条から、「法令に別段の定めがある場合、又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる」
18
2A
 労働基準法第24条第1項本文においては、賃金は、その全額を支払わなければならないと規定されているが、同項ただし書きにおいて、法令又は労働協約に別段の定めがある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができると規定されている。(基礎)
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正しい 誤り
20
3E
 使用者は、賃金の全額を支払わなければならないが、労働協約に別段の定めがある場合に限って、賃金の一部を控除して支払うことができる。(18-2Aの類型)

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正しい 誤り

5 6B
 いかなる事業場であれ、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないこと、という要件さえ満たせば、労働基準法第24条第1項ただし書に規定する当該事業場の「労働者の過半数を代表する者」に該当する。

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正しい 誤り
過払いの清算 17
1B
 毎月15日に当月の1日から月末までの賃金を支払うこととなっている場合において、月の後半に2日間の欠勤があり賃金を控除する必要が生じたときは、過払いとなる賃金を翌月分の賃金で清算する程度は賃金それ自体の計算に関するものであるから、労働基準法第24条の賃金の支払いに関する規定(賃金全額払の原則)の違反とは認められない。(発展)
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正しい 誤り












11
2

 チェックオフとは、労働組合費徴収の一つの方法であり、使用者が労働者に賃金を渡す前に賃金から組合費を差し引き、一括して組合に渡すやり方であるが、これは労働基準法上の| B |の原則に抵触することとなるため、その実施のためには同法で定める要件を備えた労使協定の締結が必要となる。(基礎)

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記述式につき、語群はなし
17
1C
 最高裁の判例によると、労働基準法第24条第1項ただし書きの要件を具備する「チェックオフ(労働組合費の控除)協定」の締結は、これにより、同協定の締結に基づく使用者のチェックオフが同項本文所定の賃金全額払の原則の例外とされ、第120条1号所定の罰則の適用を受けないという効力を有するにすぎない、とされている。(発展)
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正しい 誤り




24
2B
 いわゆるチェック・オフ協定は、それが労働協約の形式により締結された場合であっても、当然に使用者がチェック・オフをする権限を取得するものではないことはもとより、労働組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うものではないとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)
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正しい 誤り




25
2C
 使用者が組合員の賃金から組合費を控除しそれを労働組合に引き渡す旨の、労働組合と使用者との間の協定(いわゆるチェック・オフ協定)は、それに反対する組合員にチェック・オフを受忍する義務を負わせるものではなく、組合員はいつでも使用者にチェック・オフの中止を申し入れることができるとするのが、最高裁判所の判例である。(労働一般24-2Bの類型)
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2.5 全額払いの例外2 相殺
26
3オ
 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当であるが、その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因としたものである場合にはこの限りではない、とするのが最高裁判所の判例である。
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正しい 誤り









調
12
4C
 最高裁判所の判例によると、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、労働基準法第24条第1項但し書によって除外される場合にあたらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば同項の禁止するところではないと解されている。(発展)
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21
2

 賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から過払分を控除することについて、「適正な賃金を支払うための手段たる相殺は、[・・(略)・・]その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の| B |との関係上不当と認められないものであれば、同項[労働基準法24条第1項]の禁止するところではないと解するのが相当である」とするのが最高裁判所の判例である。(12-4Cの類型)

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27
4B
 過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から控除することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないため、労働基準法24条第1項に違反するものではないとするのが、最高裁判所の判例である。(12-4Cの類型)
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正しい 誤り
29
6D
 賃金の過払を精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から控除することは、「その額が多額にわたるものではなく、しかもあらかじめ労働者にそのことを予告している限り、過払のあつた時期と合理的に接着した時期においてされていなくても労働基準法24条1項の規定に違反するものではない」とするのが、最高裁判所の判例である。(12-4Cの類型)
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3
3エ
 労働基準法第24条第1項の禁止するところではないと解するのが相当と解される「許さるべき相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。(12-4Cの類型)
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正しい 誤り
同意に基づく相殺 18
2B
 最高裁判所の判例によると、労働基準法第24条第1項本文の定めるいわゆる賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきであるから、使用者が労働者に対して有する債権を持って労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも包合するものであるが、労働者が その自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合においては、当該同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該同意を得てした相殺は当該規定に違反するものとはいえないものと解するのが相当である、とされている。(発展)
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30
6B
 使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は、当該同意が「労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは」、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則に違反するものとはいえないとするのが、最高裁判所の判例である。(18-2Bの類型)
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3
3ウ
 使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することに、労働者がその自由な意思に基づき同意した場合においては、「右同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、右同意を得てした相殺は右規定 [労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則]に違反するものとはいえないものと解するのが相当である」が、「右同意が労働者の自由な意思に基づくものであるとの認定判断は、厳格かつ慎重に行われなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。(18-2Bの発展)
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21
4D
 労働基準法第24条第1項の定めるいわゆる賃金全額払の原則は、使用者が 労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも包合するものであり、使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇無効期間中に他の職に就いて得た利益を、使用者が支払うべき解雇無効期間中の賃金額から控除して支払うことはおよそ許されないとするのが最高裁判所の判例である。(発展)
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23
3

 「使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて利益を得たときは、使用者は、右労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当たり右利益は[…(略)…]の額を賃金額から控除することができるが、右賃金額のうち労働基準法12条1項所定の| C |に達するまでの部分については利益控除の対象とすることが禁止されているものと解するのが相当である」とするのが最高裁判所の判例である。(21-4Dの類型)

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1

 最高裁判所は、使用者がその責めに帰すべき事由による解雇期間中の賃金を労働者に支払う場合における、労働者が解雇期間中、他の職に就いて得た利益額の控除が問題となった事件において、次のように判示した。
 「使用者の責めに帰すべき事由によつて解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて利益を得たときは、使用者は、右労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当たり右利益(以下「中間利益」という)の額を賃金額から控除することができるが、右賃金額のうち労働基準法12条1項所定の| A |の6割に達するまでの部分については利益控除の対象とすることが禁止されているものと解するのが相当である」
 「使用者が労働者に対して有する解雇期間中の賃金支払債務のうち| A |額の6割を超える部分から当該賃金の| B |内に得た中間利益の額を控除することは許されるものと解すべきであり、右利益の額が| A |額の4割を超える場合には、更に| A |算定の基礎に算入されない賃金(労働基準法12条4項所定の賃金)の全額を対象として利益額を控除することが許されるものと解せられる」(21-4Dの類型)

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30
6D
 ストライキの場合における家族手当の削減が就業規則(賃金規則)や社員賃金規則細部取扱の規定に定められ異議なく行われてきている場合に、「ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存否及びその部分と賃金削減の対象とならない部分の区別は、当該労働協約等の定め又は労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのを相当」とし、家族手当の削減が労働慣行として成立していると判断できる以上、当該家族手当の削減は違法ではないとするのが、最高裁判所の判例である。(発展)
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2.6 毎月一回以上・一定期日払い
 「24条2項 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
 ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない」
⇒退職手当が賃金である場合は、「臨時に支払われる賃金」であり、その支払い方法はこちらを。
 臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるもの(施行規則8条)
 「24条2項 ただし書きの規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする」
 
11か月を超える期間の出勤成績によつて支給される精勤手当
2 1か月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
3 1か月を超える期間にわたる事由によつて算定される奨励加給又は能率手当
21
4E
 いわゆる年俸制で賃金が支払われる労働者についても、労働基準法第24条第2項のいわゆる毎月1回以上一定期日払の原則は適用されるため、使用者は、たとえば年俸額(通常の賃金の年額)が600万円の労働者に対しては、毎月一定の期日を定めて1月50万円ずつ賃金を支払わなければならない。(発展)

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30
6C
 労働基準法では、年俸制をとる労働者についても、賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないが、各月の支払いを一定額とする(各月で等分して支払う)ことは求められていない。(21-4Eの類型)

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正しい 誤り







4
6イ
 賃金の支払期限について、必ずしもある月の労働に対する賃金をその月中に支払うことを要せず、不当に長い期間でない限り、賃金の締切後ある程度の期間を経てから支払う定めをすることも差し支えない。

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正しい 誤り
20
3C
 使用者は、1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当について、毎月1回以上支払わなければならない。(応用)

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正しい 誤り








13
3E
 定期賃金を、毎月の末日というような特定された日に支払うこと、又は毎月の第4金曜日というような特定された曜日に支払うことは、労働基準法第24条第2項に規定する賃金の一定期日払いの原則に違反しない。 (基礎)
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正しい 誤り
27
4E
 労働基準法第24条第2項に定める一定期日払の原則は、期日が特定され、周期的に到来することを求めるものであるため、期日を「15日」等と暦日で指定する必要があり、例えば「月の末日」とすることは許されない。(13-3Eの類型)
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正しい 誤り


5C
 労働基準法第24条第2項にいう「一定の期日」の支払については、「毎月15日」等と暦日を指定することは必ずしも必要ではなく、「毎月第2土曜日」のような定めをすることも許される。 (13-3Eの類型)
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正しい 誤り










13
3C
 賃金の所定支払日が休日に該当する場合は、労働基準法第24条第2項に規定する一定期日払いの原則によって、当該支払日を繰り下げることはできず、繰り上げて直近の労働日に支払わなければならない。(応用)
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正しい 誤り

5
6C
 賃金の所定支払日が休日に当たる場合に、その支払日を繰り上げることを定めることだけでなく、その支払日を繰り下げることを定めることも労働基準法第24条第2項に定めるいわゆる一定期日払に違反しない。(13-3Cの類型)
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 賞与とは 
 賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。
 定期的に支給されかつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とみなさないこと。
 従ってかかるもので、施行規則8条に該当しないものは、毎月支払わなければならない(S22.9.13発基17(賞与の意義)による)
 賞与(いわゆる一時金も含む)の性格
・一般的には恩恵的給付であって、賃金ではない(事業主の支払義務はない)
・ただし、労働協約・就業規則・労働契約の定めいかんによっては、賃金としての性格を持つ場合がある(事業主に一定の支払義務が発生する)
⇒定期的に支給されかつその支給額が確定しているものは賃金
⇒労働組合等との間で実質的に合意された場合は、支払義務が発生する。
22
3

 「賞与の対象期間の出勤率が90%以上であることを賞与の支給要件とする就業規則の規定における出勤率の算定に当たり、労働基準法第65条の定める産前産後休業等を出勤日数に含めない取扱いについて、「労働基準法65条[等]の趣旨に照らすと、これにより上記権利[産前産後休業の取得の権利]等の行使を抑制し、ひいては労働基準法等で上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる場合に限り、|  |として無効となる」とするのが最高裁判所の判例である。(発展)

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3.端数処理 
 賃金計算の端数の取り扱い 通達(S63.03.14基発150(端数処理))
(1)遅刻、早退、欠勤等の時間の端数処理: 過去問(23-6D)参照
 「5分の遅刻を30分の遅刻として賃金カットをするというような処理は、労働の提供のなかった限度を超えるカット(25分についてのカット)について、賃金の全額払の原則に反し、違法である。
 なお、このような取扱いを就業規則に定める減給の制裁として、91条の制限内で行う場合には、全額払の原則に反しないものである」
(2)割増賃金計算における端数処理:こちらを
(3)1か月の賃金支払額における端数処理
 「次の方法は、賃金支払の便宜上の取扱いと認められるから、24条違反としては取り扱わない。なお、これらの方法をとる場合には、就業規則の定めに基づき行うよう指導されたい」
・1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額、以下同じ)に百円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を百円に切り上げて支払うこと。
・1か月の賃金支払額に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと 
 各法における端数処理法の一覧はこちらへ
15
3B
 1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除した額)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。(発展)
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正しい 誤り
29
6C
 1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払う事務処理方法は、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。(15-3Bの類型)
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正しい 誤り
18
5A
 1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、賃金支払の便宜上の取扱いと認められるから、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。(15-3Bの応用)
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正しい 誤り
24
1A
 1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。(18-5Aの類型)
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正しい 誤り















4.非常時払(25条) 基礎講座
 「使用者は、労働者が出産疾病災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない」
 既往の労働 ⇒ 既に労働した分
 厚生労働省令で定める非常の場合(施行規則9条)
1  労働者の収入によって生計を維持する者が出産し、疾病にかかり、又は災害をうけた場合
2  労働者又はその収入によって生計を維持する者が結婚し、又は死亡した場合
3  労働者又はその収入によって生計を維持する者がやむを得ない事由により1週間以上にわたって帰郷する場合
26
4A
 労働基準法第24条第2項に従って賃金の支払期日が定められている場合、労働者が疾病等非常の場合の費用に充てるため、既に提供した労働に対する賃金を請求する場合であっても、使用者は、支払期日前には、当該賃金を支払う義務を負わない。(基礎)
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正しい 誤り
28
3D
 使用者は、労働者が出産、疾病、災害等非常の場合の費用に充てるために請求する場合には、いまだ労務の提供のない期間も含めて支払期日前に賃金を支払わなければならない。 (26-4Aの類型)
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正しい 誤り

5
6D
 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならないが、その支払いには労働基準法第24条第1項の規定は適用されない。
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正しい 誤り
29
6B
 労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由は、労働者本人に係る出産、疾病、災害に限られず、その労働者の収入によって生計を維持する者に係る出産、疾病、災害も含まれる。
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正しい 誤り

3
3オ
 労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由には、「労働者の収入によつて生計を維持する者」の出産、疾病、災害も含まれるが、「労働者の収入によつて生計を維持する者」とは、労働者が扶養の義務を負っている親族のみに限らず、労働者の収入で生計を営む者であれば、親族でなく同居人であっても差し支えない。(29-6Bの発展)
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正しい 誤り


5D
 労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由のうち、「疾病」とは、業務上の疾病、負傷をいい、業務外のいわゆる私傷病は含まれない。(発展)
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正しい 誤り

4
6ウ
  労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由の1つである「疾病」は、業務上の疾病、負傷であると業務外のいわゆる私傷病であるとを問わない。(令元-5Dの類型)
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正しい 誤り












5.金品の返還(23条) 基礎講座
 「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない」
 「同2項 前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない」

2
5オ
 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないが、この賃金又は金品に関して争いがある場合においては、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければならない。(基礎)

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正しい 誤り
30
5A
 労働基準法第20条第1項の解雇予告手当は、同法第23条に定める、労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にはあたらない。

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正しい 誤り
所定支払日との関係 12
3E
 賃金の所定支払日が毎月20日とされている会社で、当月1日に労働者が当月15日をもって退職する旨届け出て予定どおり退職した。この労働者が、退職した日の翌日である16日に当月支給分の賃金の支払いを請求した場合、労働者の請求があってから7日以内に支払えばよいとはいえず、所定支払日の当月20日には支払わなければならない。(基礎)

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正しい 誤り

6
3E
  労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。(12-3Eの類型)

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正しい 誤り
退職手当等 12
3D
 使用者は、労働者が退職する場合において、労働者から請求があった場合においては、争いがある部分を除き、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称のいかんを問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。このことは退職手当についても同様である。

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正しい 誤り
死亡労働者への退職金 24
1B
 死亡した労働者の退職金の支払は、権利者に対して支払うことになるが、この権利者について、就業規則において、民法の遺産相続の順位によらず、労働基準法施行規則第42条、第43条の順位による旨定めた場合に、その定めた順位によって支払った場合は、その支払は有効であると解されている。(難問)

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正しい 誤り





















 6.休業手当(26条) 基礎講座
 「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」
 使用者の責に帰すべき事由 (判例、通則などから)
 「使用者の故意、過失又は信義則上これと同視すべきものとされる民法の概念より広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含む。ただし、不可抗力によるものは、含まれない」
 平均賃金
 「12条 この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額(臨時に支払われた賃金及び、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金並び、に通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものを除く)を、その期間の総日数で除した金額をいう」 
17
1E
 最高裁の判例によると、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」は、取引における一般原則たる過失責任主義とは異なる観点も踏まえた概念というべきであって、民法536条2項の「債権者の責に帰すべき事由」よりも広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものと理解するのが相当である。(発展)

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正しい 誤り
24
1C
 最高裁判所の判例によると、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」は、取引における一般原則たる過失責任主義とは異なる観点も踏まえた概念というべきであって、民法536条2項の「債権者の責に帰すべき事由」よりも広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものと理解するのが相当であるとされている。(17-1Eの類型)

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正しい 誤り
26
4B
 労働基準法第26条の定める休業手当の趣旨は、使用者の故意又は過失により労働者が休業を余儀なくされた場合に、労働者の困窮をもたらした使用者の過失責任を問う、取引における一般原則たる過失責任主義にあるとするのが、最高裁判所の判例である。( 17-1Eの類型)

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21
3

 休業手当について定めた労働基準法第26条につき、最高裁判所の判例は、当該制度は「労働者の| C |という観点から設けられたもの」であり、同条の「使用者の責に帰すべき事由」の解釈適用に当たつては、いかなる事由による休業の場合に労働者の| C |のために使用者に前記[同法第26条に定める平均賃金の100分の60]の限度での負担を要求するのが社会的に正当とされるかという考量を必要とするといわなければならない」としている。(17-1Eの関連)

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3
4A
 労働基準法第26条(以下「本条」という)に定める休業手当に関して、本条は、債権者の責に帰すべき事由によって債務を履行することができない場合、債務者は反対給付を受ける権利を失わないとする民法の一般原則では労働者の生活保障について不十分である事実にかんがみ、強行法規で平均賃金の100分の60までを保障しようとする趣旨の規定であるが、賃金債権を全額確保しうる民法の規定を排除する点において、労働者にとって不利なものになっている。

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正しい 誤り


















22
3E
 労働基準法第26条に定める休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払が義務付けられるものであり、例えば、親工場の経営難により、下請工場が資材、資金を獲得できず休業した場合に、下請工場の使用者は休業手当の支払義務を負わない。(17-1Eの応用)

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正しい 誤り
26
4C
 労働基準法第26条にいう「使用者の責に帰すべき事由」には、天災地変等の不可抗力によるものは含まれないが、例えば、親工場の経営難から下請工場が資材、資金の獲得ができず休業した場合は含まれる。 (22-3Eの類型)

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正しい 誤り

3
4D
 労働基準法第26条(以下「本条」という)に定める休業手当に関して、親会社からのみ資材資金の供給を受けて事業を営む下請工場において、現下の経済情勢から親会社自体が経営難のため資材資金の獲得に支障を来し、下請工場が所要の供給を受けることができず、しかも他よりの獲得もできないため休業した場合、その事由は本条の「使用者の責に帰すべき事由」とはならない。(26-4Cの類型)

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正しい 誤り
27
5D
 休業手当の支払義務の対象となる「休業」とは、労働者が労働契約に従って労働の用意をなし、しかも労働の意思をもっているにもかかわらず、その給付の実現が拒否され、又は不可能となった場合をいうから、この「休業」には、事業の全部又は一部が停止される場合にとどまらず、使用者が特定の労働者に対して、その意思に反して、就業を拒否する場合も含まれる。(発展)

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正しい 誤り

3
4C
 労働基準法第26条(以下「本条」という)に定める休業手当に関して、就業規則で「会社の業務の都合によって必要と認めたときは本人を休職扱いとすることがある」と規定し、更に当該休職者に対しその休職期間中の賃金は月額の2分の1を支給する旨規定することは違法ではないので、その規定に従って賃金を支給する限りにおいては、使用者に本条の休業手当の支払義務は生じない。

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正しい 誤り
27
5E
 休電による休業については、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しない。(発展)
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正しい 誤り







3
4E
 労働基準法第26条(以下「本条」という)に定める休業手当に関して、新規学卒者のいわゆる採用内定について、就労の始期が確定し、一定の事由による解約権を留保した労働契約が成立したとみられる場合、企業の都合によって就業の始期を繰り下げる、いわゆる自宅待機の措置をとるときは、その繰り下げられた期間について、本条に定める休業手当を支給すべきものと解されている。(発展)
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正しい 誤り












26
4D
 事業場における一部の労働者のストライキの場合に、残りの労働者を就業させることが可能であるにもかかわらず、使用者がこれを拒否した場合、もともとはストライキに起因した休業であるため、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しない。(発展)
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正しい 誤り

5
6E
 会社に法令違反の疑いがあったことから、労働組合がその改善を要求して部分ストライキを行った場合に、同社がストライキに先立ち、労働組合の要求を一部受け入れ、一応首肯しうる改善案を発表したのに対し、労働組合がもっぱら自らの判断によって当初からの要求の貫徹を目指してストライキを決行したという事情があるとしても、法令違反の疑いによって本件ストライキの発生を招いた点及びストライキを長期化させた点について使用者側に過失があり、同社が労働組合所属のストライキ不参加労働者の労働が社会観念上無価値となったため同労働者に対して命じた休業は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」によるものであるとして、同労働者は同条に定める休業手当を請求することができるとするのが、最高裁判所の判例である。
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正しい 誤り
健康診断後休業 23
6A
 労働安全衛生法第66条による健康診断の結果、私傷病を理由として医師の証明に基づき、当該証明の範囲内において使用者が休業を命じた場合には、当該休業を命じた日については労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するので、当該休業期間中同条の休業手当を支払わなければならない。 (15-3Eの類型)

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30
6E
 労働安全衛生法第66条による健康診断の結果、私傷病のため医師の証明に基づいて使用者が労働者に休業を命じた場合、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。(23-6Aの類型)

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正しい 誤り
振替休日 27
5C
 就業規則の定めに則り、日曜日の休日を事業の都合によってあらかじめ振り替えて水曜日を休日とした場合、当該水曜日に休ませても使用者に休業手当を支払う義務は生じない。ここで、当該労働者の所定労働日は毎週月曜日から金曜日で、所定休日は毎週土曜日及び日曜日とする。 (基礎)(関連過去問21-6E)

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18
2C
 労働基準法第26条の休業手当は、民法第536条第2項によって全額請求し得る賃金のうち、平均賃金の100分の60以上を保障しようとする趣旨のものであるから、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、休業手当を支給する義務は生じない。(基礎)

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29
6E
 労働基準法第26条に定める休業手当は、同条に係る休業期間中において、労働協約、就業規則又は労働契約により休日と定められている日については、支給する義務は生じない。 (18-2Cの類型)

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3
4B
  労働基準法第26条(以下「本条」という)に定める休業手当に関して、使用者が本条によって休業手当を支払わなければならないのは、使用者の責に帰すべき事由によって休業した日から休業した最終の日までであり、その期間における労働基準法第35条の休日及び労働協約、就業規則又は労働契約によって定められた同法第35条によらない休日を含むものと解されている。(18-2Cの類型)

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27
5A
 使用者の責に帰すべき事由によって、水曜日から次の週の火曜日まで1週間休業させた場合、使用者は、7日分の休業手当を支払わなければならない。ただし、当該労働者の所定労働日は毎週月曜日から金曜日で、所定休日は毎週土曜日及び日曜日とする。(18-2Cの類型)
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27
5B
 使用者の責に帰すべき事由により労働時間が4時間に短縮されたが、その日の賃金として7,500円の支払がなされると、この場合にあっては、使用者は、その賃金の支払に加えて休業手当を支払わなくても違法とならない。ただし、当該労働者の所定労働時間は1日8時間で、賃金は日給15,000円、計算された平均賃金は10,000円である。(応用)
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5
1
A
B
C
D
E
  日給が1日当たり10,000円の労働者が、使用者の責に帰すべき事由により半日休業した場合に、半日分の賃金5,000円が支払われた。
 これに関して、労働基準法第26条の休業手当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 ここで、この者の平均賃金は7,000円とする。
A:使用者は、以下の算式により2,000円の休業手当を支払わなければならない。
 7,000円 - 5,000円 = 2,000円
B:半日は出勤し労働に従事させており、労働基準法第26条の休業には該当しないから、使用者は同条の休業手当ではなく通常の1日分の賃金10,000円を支払わなければならない。
C:使用者は、以下の算式により1,000円の休業手当を支払わなければならない。
 10,000円 × 0.6 - 5,000円 = 1,000円
D:使用者は、以下の算式により1,200円の休業手当を支払わなければならない。
 (7,000円 - 5,000円)× 0.6 = 1,200円
E:使用者が休業手当として支払うべき金額は発生しない。
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A B C D E




13
4D
 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払われる休業手当については、労働の対償として使用者が労働者に支払う賃金には該当せず、必ずしも労働基準法第24条で定める方法により支払う必要はない。(基礎)

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19
2D
 労働基準法第26条の規定に基づき、使用者が、その責めに帰すべき事由による休業の場合に支払わなければならない休業手当は、同法第11条の賃金と解される。したがって、同法第24条第2項が適用され、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。(13-4Dの類型)

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5E
 労働基準法第26条に定める休業手当は、賃金とは性質を異にする特別の手当であり、その支払については労働基準法第24条の規定は適用されない。 (13-4Dの類型)

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派遣中の労働者 13
4E
 派遣中の労働者について、当該労働者派遣契約が派遣先の事業場の事情によって中途で解約された場合においても、労働基準法第26条の休業手当に関する規定の適用については、同条の「使用者の責に帰すべき事由」があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。(発展)

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18
2E
 労働者派遣中の労働者の休業手当について、労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。したがって、派遣先の事業場が天災地変等の不可抗力によって操業できないために、派遣されている労働者を当該派遣先の事業場で就業させることができない場合であっても、それが使用者の責に帰すべき事由に該当しないこととは必ずしもいえず、派遣元の使用者について、当該労働者を他の事業場に派遣する可能性等を含めて判断し、その責に帰すべき事由に該当しないかどうかを判断することとなる。(13-4Eの類型)
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7.出来高払制の保障給(27条) 基礎講座
 「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」


2

 労働基準法第27条は、出来高払制の保障給として、「使用者は、| C |に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」と定めている。(基礎)

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正しい 誤り
26
4E
 いわゆる出来高払制の保障給を定めた労働基準法第27条の趣旨は、月給等の定額給制度ではなく、出来高払制で使用している労働者について、その出来高や成果に応じた賃金の支払を保障しようとすることにある。(基礎)

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正しい 誤り
28
3E
 労働基準法第27条に定める出来高払制の保障給は、労働時間に応じた一定額のものでなければならず、労働者の実労働時間の長短と関係なく1か月について一定額を保障するものは、本条の保障給ではない。(基礎)

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4
6オ
 労働基準法第27条に定める出来高払制の保障給について、同種の労働を行っている労働者が多数ある場合に、個々の労働者の技量、経験、年齢等に応じて、その保障給額に差を設けることは差し支えない。(発展)

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正しい 誤り
13
4B
 出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者の責めに帰すべき事由によって休業する場合においても、使用者は、労働基準法第27条の規定に基づく出来高払制の保障給を支払わなければならない。(発展)

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17
1A
 ある会社で、出来高払制で使用する労働者について、保障給として、労働時間に応じ1時間当たり、過去3年間に支払った賃金の総額をその期間の総労働時間数で除した金額の60パーセントを保障する旨を規定し、これに基づいて支払を行ってきた。これは、労働基準法第27条の出来高払制の保障給に関する規定に違反するものではない。

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8.最低賃金(28条)
 「賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる」