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 離婚時の年金分割、被扶養配偶者の3号分割、基金加入員の年金分割
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 29-3選択29-4選択令2-3選択
 関連条文等 離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例(78条の2),対象期間(施行規則78条の2),標準報酬改定請求の請求期限(施行規則78条の3),死亡した場合(施行令3条の12の7),按分割合(78条の2の2項),標準報酬の改定又は決定(78条の6)
 老齢厚生年金等の額の改定(78条の10),障害厚生年金の受給権者の場合の改定,標準報酬の改定・決定に伴う保険給付の特例(78条の11),標準報酬の改定・決定に伴う保険給付の支給要件の特例:離婚時みなし被保険者期間の除外(附則17条の10)、みなし被保険者期間と分割後の標準報酬の取り扱いのまとめ(施行令3条の12の3),当事者等への情報の提供等(78条の4)
 3号分割に関する基本的認識(78条の13),特定被保険者及び被扶養配偶者についての標準報酬の特例(78条の14),被扶養配偶者みなし被保険者期間(78条の14の4項),離婚又は婚姻の取消しに準ずるもの(施行規則78条の14),3号分割標準報酬改定請求ができない場合(施行規則78条の17),障害厚生年金の受給権者に対して3号分割請求する場合(施行令3条の12の11)、特定期間に係る被保険者期間の計算(施行令3条の12の12),
 老齢厚生年金等の額の改定の特例(78条の18)、標準報酬の改定・決定に伴う保険給付の特例(78条の19)、記録(78条の15)
 合意分割と3号分割(78条の20)、基金加入員の年金分割































1.いわゆる合意分割
1.1 離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例(78条の2)(H19.4.1新設)
 「1号改定者(被保険者又は被保険者であった者であって、78条の6の1項1号及び2項1号により標準報酬が改定される者)又は2号改定者(1号の配偶者であった者であって、78条の6の1項2号及び2項2号により標準報酬が改定又は決定される者)は、離婚等(離婚(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者について、当該事情が解消した場合を除く)、婚姻の取消しその他厚生労働省令で定める事由をいう)をした場合であって、
  次のいずれかに該当するときは、実施機関に対し、離婚等について対象期間(婚姻期間その他の厚生労働省令で定める期間)に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求(合意分割標準報酬改定請求)をすることができる。
 ただし、当該離婚等をしたときから2年を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでない」
1  当事者が標準報酬の改定又は決定すること及び請求すべき按分割合について合意しているとき。
2  家庭裁判所が請求すべき 按分割合を定めたとき

 改定:標準報酬が既にある期間(2号改定者も厚生年金被保険者であった期間)について、その額を按分割合に基づいて修正すること
 決定:標準報酬がなかった期間(2号改定者は厚生年金被保険者でなかった期間)について、按分割合に基づいて新たに標準報酬を割り当てること(この場合、その期間は厚生年金被保険者であった期間とみなされる)
 1号改定者:その者が有する婚姻期間中の厚生年金被保険者であった期間中の各月について、標準報酬の一部を分割して元の配偶者に与える者
⇒自らの標準報酬は減額改定となる  
 2号改定者:1号改定者から、標準報酬の一部を分割して貰う者
⇒自らも厚生年金被保険者であった月であれば、自分の標準報酬にプラスして増額改定、自らは厚生年金被保険者ではなかった月であれば、新たに標準報酬が発生するとともに、その月は厚生年金被保険者であった月とみなされる(見なし被保険者期間の発生)。
 厚生労働省令で定める事由(施行規則78条)
 「78条の2の1項に規定する厚生労働省令で定める事由は、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた当事者について、当該当事者の一方の被扶養配偶者である第3号被保険者であつた当該当事者の他方が当該第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格を喪失し、当該事情が解消したと認められること(当該当事者が婚姻の届出をしたことにより当該事情が解消した場合を除く)とする」
事実婚により3号被保険者と認定されていた者が、事実婚の解消により3号被保険者の資格喪失した場合は、離婚等に含まれる。
離婚分割による効果
@H19.4.1以降の離婚に対して分割請求を認める。
 ただし、対象期間は、H19.4.1前の婚姻期間も含める。
A分割請求時に厚生年金の受給権が既にある場合:分割された後の標準報酬と、みなしを含めた被保険者期間に基づいて、老齢厚生年金、障害厚生年金、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の額が改定される。
⇒1号改定者(分割により標準報酬を与える者)は分割により減額、2号改定者(分割により標準報酬を貰う者)は分割により増額となる。
B分割請求時には厚生年金の受給権がない者の場合:(みなし被保険者期間を考慮しないで)自分自身が自力で受給権を取得した時点から、分割された後の標準報酬と、みなしを含めた被保険者期間に基づいた年金が支給される。
Cただし、A、Bにおいて、分割後の標準賞与額については、別途の取り扱いをする場合もある。
 対象期間(施行規則78条の2)
 「対象期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間とする。
 ただし、第1号又は第2号に掲げる場合に該当する場合であつて、第1号又は第2号に定める期間中に当事者以外の者が当該当事者の一方の被扶養配偶者である第3号被保険者であつた期間又は当該当事者の一方が当該当事者の他方以外の者の被扶養配偶者である第3号被保険者であつた期間と重複する期間があると認められるときは、第1号又は第2号に定める期間からその重複する期間を除くものとする」
1  離婚をした場合  婚姻が成立した日から離婚が成立した日までの期間
2  婚姻の取消しをした場合  婚姻が成立した日から婚姻が取り消された日までの期間
3  施行規則78条に定める事由に該当した場合
(事実婚が解消したと認められる場合)
 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた当事者の一方が、
 当該当事者の他方の被扶養配偶者である第3号被保険者であつた期間

 「同2項 婚姻が成立した日前から婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた当事者について、当該当事者が婚姻の届出をしたことにより当該事情が解消し、前項1号又は2号に掲げる場合に該当した場合における対象期間は、同項本文の規定にかかわらず、同項1号又は2号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間と事実婚3号被保険者期間を通算した期間とする」
離婚分割の対象となる期間・通算か単独か
@事実婚⇒解消
・3号被保険者として認定された期間のみが分割の対象。複数回ある場合は通算できる。
A事実婚⇒法律婚⇒離婚
・事実婚時代の3号被保険者として認定された期間+法律婚時代の2号被保険者期間+同3号被保険者期間が対象で、これらの範囲であれば一つの離婚分割として通算できる。(施行規則78条の2の2項)
B法律婚⇒事実婚⇒解消
 法律婚時代と事実婚時代を通算することはできず、それぞれ別個の離婚分割として請求する。
 すなわち、
・法律婚時代の2号被保険者期間+同3号被保者期間が対象で、離婚成立後2年以内に請求
・事実婚時代の3号被保険者として認定された期間のみが対象で、解消後2年以内に請求
 標準報酬改定請求の請求期限(施行規則78条の3) 
 「法78条の2の1項ただし書に規定する厚生労働省令で定める場合は、次の各号に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した場合とする。
 ただし、法78条の4の1項の規定により対象期間の末日以後に提供を受けた情報について補正を要したと認められる場合における法78条の2の2項に規定する標準報酬改定請求の請求期間の計算については、当該補正に要した日数は、算入しない」
@離婚が成立した日、
A婚姻が取り消された日、
B施行規則78条に定める事由(事実婚の解消)に該当した日

 「2項 法改正(R02.08.03) 前項各号に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した日以後に、又は同項各号に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した日前6月以内に次の各号のいずれかに該当した場合(@又はAに掲げる場合に該当した場合にあつては、同項各号に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した日前に請求すべき按分割合に関する審判又は調停の申立てがあつたときに限る)について、78条の2の1項ただし書に規定する厚生労働省令で定める場合は、前項本文の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当することとなつた日の翌日から起算して6月経過した場合とする」
@請求すべき按分割合を定めた審判が確定したとき
A請求すべき按分割合を定めた調停が成立したとき
B人事訴訟法の規定による請求すべき按分割合を定めた判決が確定したとき
C人事訴訟法の規定による処分の申立てに係る請求すべき按分割合を定めた和解が成立したとき

 死亡した場合(施行令3条の12の7)
 「当事者の一方が死亡した日から起算して1月以内78条の2の3項に規定する方法(請求すべき按分割合について同1項の各号のいずれかに該当することを証明することができる方法として厚生労働省令で定める方法に限る)により当事者の他方による標準報酬改定請求があつたときは、当事者の一方が死亡した日の前日に標準報酬改定請求があつたものとみなす」
⇒分割請求期限は原則として、離婚等に該当した日の翌日から起算して2年以内。
⇒分割の合意又は裁判手続きいずれかにより按分割合を決定した後、分割請求前に当事者の一方が死亡した場合は、死亡日から1か月以内に請求できる。
 その場合は、死亡日前日に標準報酬改定請求があつたものとみなされる。
 離婚分割の請求期限
@原則として、離婚等(離婚、婚姻取消、事実婚解消)の日の翌日から起算して2年以内。
 ただし、法律婚⇒事実婚⇒解消の場合は、請求期限の異なる2件の離婚分割になることに注意。
A離婚等の翌日から2年以内に按分割合の審判(あるいは調停)の申立てをした場合にあっては、
・2年経過後に審判が確定(あるいは調停が成立)に該当した場合は、確定日(成立日)の翌日から6か月以内
・2年経過前6か月以内に審判が確定(あるいは調停が成立)に該当した場合は、確定日(成立日)の翌日から6か月以内。
1.2 按分割合 (H19.4.1新設)
 「78条の2の2項 標準報酬の改定又は決定の請求(標準報酬改定請求)について、当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者の一方の申立てにより、家庭裁判所は、当該対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情を考慮して、請求すべき按分割合を定めることができる」
 「78条の2の3項 標準報酬改定請求は、当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合について合意している旨が記載された公正証書の添付その他の厚生労働省令で定める方法によりしなければならない」
 按分割合(78条の3) 
 「請求すべき按分割合は、当事者それぞれの対象期間標準報酬総額(婚姻期間中の各月の標準報酬月額(26条1項(3歳未満の子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例)により従前標準報酬月額とみなされた月にあっては従前標準報酬月額)と標準賞与額に、当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額の総額)の合計額に対する2号改定者の対象期間標準報酬総額の割合を超え2分の1以下の範囲内で定められなければならない」

@按分割合とは、2号改定者(標準報酬をもらう者)対象期間標準報酬総額/(1号改定者と2号改定者の対象期間標準報酬総額の合計値
A按分割合は最大で2分の1(2号改定者と1号改定者の対象期間標準報酬総額が同じとなる)
 最小でも、2号改定者の対象期間の標準報酬総額が請求により、少しでも現状を超えるように。
1.3 合意分割請求手続の流れ
(1)情報の提供(78条の4)により、「年金分割のための情報通知書」を入手。
 離婚前に請求した場合は請求者だけに送付されるが、離婚後であれば当事者双方に送付される)によること
(2)按分割合についての合意あるいは裁判所による決定(施行規則78条の4により認められている以下の方法のいずれかによること)
・裁判所での調停、審判、裁判所での確定判決、公証人役場での公正証書の作成、当事者(あるいは代理人)の二人(両方とも代理人の場合はそれぞれの代理人二人)による年金事務所での合意書の作成などの方法。
(3)標準報酬改定請求書の提出
・按分割合の合意あるいは決定を証明する書類の添付が必要
(4)標準報酬改定通知書の受理
1.4 標準報酬の改定又は決定(78条の6) (H19.4.1新設)
 「実施機関は、標準報酬改定請求があつた場合において、第1号改定者が標準報酬月額を有する対象期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当事者の標準報酬月額をそれぞれ次の各号に定める額に改定し、又は決定することができる」 
@ 第1号改定者  改定前の標準報酬月額(従前標準報酬月額とみなされた月にあっては従前標準報酬月額)以下同じ)×(1−改定割合)
A 第2号改定者  改定前の標準報酬月額(標準報酬月額を有しない月にあっては0)+改定前の第1号改定者の標準報酬月額×改定割合
 
 注1:標準報酬月額は、3歳に満たない子を養育する被保険者にあっては従前標準報酬月額の保障を考慮
 注2:改定割合とは、按分割合を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した率。
 「同2項 賞与も同様に取扱う」
 みなし被保険者期間
 「同3項 前2項の場合において、対象期間のうち第1号改定者の被保険者期間であつて第2号改定者の被保険者期間でない期間については、第2号改定者の被保険者期間であつたものとみなす(みなし被保険者期間)」 
 「同4項 1項及び2項の規定により改定され、及び決定された標準報酬は、1項の請求のあつた日から将来に向かつてのみその効力を有する」  

@みなし被保険者期間とは、対象期間(婚姻期間あるいはこれに準ずる期間)において、 1号改定者(標準報酬の一部をあげる者)は厚生年金に加入していたが、2号改定者(標準報酬の一部をもらう者)は厚生年金に加入していなかった期間。
Aこれを「被保険者期間であったものとみなす」とは、標準報酬の一部をもらうことによって、その期間を厚生年金に加入したかのように取り扱うということ。
⇒被保険者とみなすとは、あくまでも厚生年金法上の被保険者であって、国民年金の2号被保険者とみなされるわけではない。つまり、国民年金法における被保険者期間には全く影響を与えることはないので、国民年金法を適用するときは、みなし被保険者期間は、分割前における1号被保険者あるいは3号被保険者として扱う)
⇒分割により新たに増えたこのみなし被保険者期間は、受給資格期間にはカウントされない。(自力では受給権が発生しないが、離婚分割によって初めて受給権が発生するということはない)
 ただし、老齢厚生年金長期要件による遺族厚生年金については、少し注意が必要である。。
Bみなし被保険者期間を考慮しないで受給資格がある場合のみ(ただし、老齢厚生年金長期要件による遺族厚生年金については例外あり)、みなし被保険者期間を含めた全被保険者期間と分割後の標準報酬に基づいた年金となる。
C支給要件において、みなし被保険者期間が除かれる具体的な例はこちらを参照のこと。
 二以上の種別の被保険者期間を有する者の合意分割
 
離婚等をした場合の特例(78条の35)
 「二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者について、78条の2(合意分割における標準報酬の改定)の1項の規定を適用する場合においては、各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に係る標準報酬についての同項の規定による請求は、他の期間に係る標準報酬についての当該請求と同時に行わなければならない」
⇒たとえば、1号(民間会社等)厚生年金被保険者期間が複数個ある場合や、1号(民間会社等)厚生年金被保険者期間と2号(国家公務員)厚生年金被保険者期間がある場合は、全号の全期間を同時に離婚分割の対象として請求しなければならない。
 「同2項 前項の場合においては、その者の二以上の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有する者とみなして78条の2及び78条の3の規定を適用し、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに78条の6及び附則17条の10の規定を適用する」

・78条の2(合意分割の請求)、78条の3(請求すべき按分割合)については、全号・全被保険者期間を合算して一つの被保険者期間のみ有するとみなす。
・78条の6(標準報酬の改定・決定)、附則17条の10(離婚時みなし被保険者期間の取扱)については、各種別(各号)の被保険者期間ごと行う。
1.5 老齢厚生年金等の額の改定(78条の10) 法改正(R04.04.0143条2項(在職定時改定を削除)、(H19.4.1新設)
 「老齢厚生年金の受給権者について、標準報酬の改定又は決定が行われたときは、43条1項(老齢厚生年金の額の規定に関わらず、対象期間に係る被保険者期間の最後の月以前における被保険者期間 (対象期間の末日後に老齢厚生年金の支給事由が生じた場合その他の政令で定める場合にあっては政令で定める期間) 及び改定又は決定後の標準報酬を、老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、
 当該標準報酬改定請求のあつた日の属する月の翌月から、年金の額を改定する」
 分割請求があった日に老齢厚生年金の受給権者であった場合の年金額計算のための被保険者期間と年金額(施行令3条の12の2の抜粋)
(1)原則:対象期間最後の月(離婚月)以前の被保険者期間(みなし被保険者期間を含む)と改定・決定後の標準報酬を基礎として、老齢厚生年金の額を計算し直し、分割請求日の属する月の翌月から年金額を改定する。
(2)ただし、離婚日より後に被保険者期間がある、退職時改定がある等の場合は、それらの結果を反映させるために、以下を行う。
@分割請求時に被保険者でない老齢厚生年金の受給権者:分割請求日の属する月前における被保険者期間(みなし被保険者期間を含む)と改定後の標準報酬に基づいて、年金額を計算し直し、分割請求日の属する月の翌月から、年金額を改定する。
⇒退職時改定などその後に年金額を改定する機会がないのに標準報酬の改定がなされたので、分割請求時点で年金額そのものを改定する。
A分割請求時に被保険者である老齢厚生年金の受給権者の場合:
 受給権取得月前の被保険者期間(みなし被保険者期間を含む)+受給権取得後の離婚時みなし被保険者期間、と改定後の標準報酬に基づいて、年金額を計算し直し、分割請求日の属する月の翌月から、年金額を改定する。
⇒受給権取得後の離婚時みなし被保険者期間分もただちに、年金額の改定に反映される。
 一方、受給権取得後の在職により実際に増えた被保険者期間分については、その後の退職1か月経過後の退職時改定により初めて、年金額の改定に反映される。
 「同2項 障害厚生年金の受給権者について、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間に係る標準報酬が改定され、又は決定されたときは、改定又は決定後の標準報酬を基礎として、当該標準報酬改定請求のあつた日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。
 ただし、300月保障が適用されている障害厚生年金については、離婚時みなし被保険者期間は、その計算の基礎としない」  
 障害厚生年金の受給権者の場合の改定
 「障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間」とは、障害認定日の属する月までにある被保険者期間で、この期間の月数と平均標準報酬から、年金額が計算される。
@計算の基礎となる被保険者期間が300月以上の場合
・その計算の基礎となる期間内にあるみなし被保険者期間も含めて、標準報酬と期間月数に基づき、年金額を改定する。
 1号改定者(標準報酬を与える側)、2号改定者(標準報酬をもらう側)いずれにも適用。
A計算の基礎となる被保険者期間が300月未満の場合
・障害厚生年金受給権者が2号改定者の場合:みなし被保険者期間(自分は被保険者ではないが、相手方が被保険者であったため、自分の見かけ上増えた被保険者期間)は、計算の基礎となる被保険者期間とはしない。
 すなわち、計算の基礎となる被保険者期間(自分が被保険者であった期間)における標準報酬を増額し、被保険者期間は300月のまま、年金額を増額改定する。
⇒標準報酬の平均値が下がる可能性がある一方、月数は同じ300月固定であるので、障害厚生年金の額が減額となる可能性が大きいことを避けるため。相手方(1号改定者)も分割しないことによる不利益はない)
・障害厚生年金受給権者が1号改定者の場合:相手側みなし被保険者期間を含めて、障害厚生年金額の改定の対象となる。
 すなわち、計算の基礎となる被保険者期間の中で、自分は被保険者であった期間であって、相手方も被保険者あるいはみなし被保険者となる期間における標準報酬を減額し、被保険者期間は300月のまま、年金額を減額改定する。
⇒年金額が下がっても、合意のもとに、年金分割を受けざるを得ない。
3号分割は原則としてできない。
 
障害厚生年金の受給権者の「障害年金の額の計算の基礎となる被保険者期間」の一部に、その被扶養配偶者が3号被保険者期間であった期間がある場合は、被扶養配偶者からの3号分割請求は、原則としてできない。(施行規則78条の17の1号) 
 年金の支給・改定の時期
 既に受給権を有する者  離婚分割を請求したとき、その翌月から改定
 受給権を有しない者  自ら受給権を取得したとき、取得した月の翌月から支給
21
7A
 平成19年4月1日以後に離婚等をした場合において、標準報酬の改定又は決定がされた第2号改定者の老齢厚生年金は、当該第2号改定者の支給開始年齢に達するまでは支給されず、また、当該老齢厚生年金額は第1号改定者が死亡した場合であっても、何ら影響を受けない。(応用)

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5ア
 離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、両当事者がともに当該事情にあると認めている場合には、いわゆる合意分割の請求ができる。

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21
7C
 婚姻の届出はしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にあった第1号改定者及び第2号改定者について、当該第1号改定者及び第2号改定者の他方が、平成19年4月1日以後、当該第3号被保険者としての国民年金の被保険者資格を喪失し、当該事情が解消したと認められる事由に該当したの日から起算して1年を経過したときは、標準報酬改定請求を行うことはできない。(基礎)

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29
4
選択
 厚生年金保険法第78条の2の規定によるいわゆる合意分割の請求は、離婚等をした日の翌日から起算して2年を経過したときは、原則として行うことはできないが、離婚等をした日の翌日から起算して2年を経過した日前に請求すべき按分割合に関する審判の申立てがあったときであって、当該按分割合を定めた審判が離婚等をしたときから2年を経過した後に確定したときは、当該確定した日| D |を経過する日までは合意分割の請求を行うことができる。
 また、合意分割で請求すべき按分割合は、当事者それぞれの対象期間標準報酬総額の合計額に対する、| E |の範囲内で定められなければならない。
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2
3

 厚生年金保険法第78条の2第1項の規定によると、第1号改定者又は第2号改定者は、離婚等をした場合であって、当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき| D |について合意しているときは、実施機関に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができるとされている。ただし、当該離婚等をしたときから| E |を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでないとされている。
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29
6D
 離婚が成立したが、合意分割の請求をする前に当事者の一方が死亡した場合において、当事者の一方が死亡した日から起算して1か月以内に、当事者の他方から所定の事項が記載された公正証書を添えて当該請求があったときは、当事者の一方が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる。 (発展)

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21
7E
 平成19年4月1日以後に離婚等をした場合において、標準報酬改定請求は、平成19年4月1日前の対象期間に係る標準報酬も改定又は決定の対象としている。(基礎)

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3
10
D
 平成13年4月から平成23年3月までの10年間婚姻関係であった夫婦が平成23年3月に離婚が成立し、その後事実上の婚姻関係を平成23年4月から令和3年3月までの10年間続けていたが、令和3年4月2日に事実上の婚姻関係を解消することになった。
 事実上の婚姻関係を解消することになった時点において、平成13年4月から平成23年3月までの期間についての厚生年金保険法第78条の2に規定するいわゆる合意分割の請求を行うことはできない。なお、平成13年4月から平成23年3月までの期間においては、夫婦共に第1号厚生年金被保険者であったものとし、平成23年4月から令和3年3月までの期間においては、夫は第1号厚生年金被保険者、妻は国民年金の第3号被保険者であったものとする。

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21
7B
 平成19年4月1日以後に離婚等をした場合、請求すべき按分割合は、原則として、第1号改定者及び第2号改定者それぞれ対象期間標準報酬総額の合計額に対する第2号改定者の対象期間標準報酬総額の割合を超え2分の1以下の範囲内で定められなければならない。(基礎)

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27
10
C
 離婚等をした場合に当事者が行う標準報酬の改定又は決定の請求について、請求すべき按分割合の合意のための協議が調わないときは、当事者の一方の申立てにより、家庭裁判所は当該対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情を考慮して、請求すべき按分割合を定めることができる。

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28
9C
 厚生年金保険法第78条の6第1項及び第2項の規定によるいわゆる合意分割により改定され、又は決定された標準報酬は、その改定又は決定に係る標準報酬改定請求のあった日から将来に向かってのみその効力を有する。

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19
6E
 老齢厚生年金の受給権者について、離婚時の標準報酬の決定又は改定が行われたときは、当該標準報酬改定請求のあつた日の属する月の翌月から年金の額を改定する。(基礎)

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20
10
B

 障害厚生年金の受給権者について、離婚等をした場合における標準報酬の改定又は決定が行われたときは、当該標準報酬改定請求のあった日の属する月から、年金額が改定される。(19-6Eの類型、応用)

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19
6D
 障害厚生年金の受給権者であって、その者の年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないためこれを300として計算した者については、離婚時の標準報酬の決定又は改定されたときの年金額の改定において、離婚時みなし被保険者期間は当該障害厚生年金の年金額の計算の基礎とはしない。(基礎)

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29
6A
 障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間に係る標準報酬が、合意分割により改定又は決定がされた場合は、改定又は決定後の標準報酬を基礎として年金額が改定される。ただし、年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たないため、これを300月として計算された障害厚生年金については、離婚時みなし被保険者期間はその計算の基礎とされない。 (19-6Dの類型)

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正しい 誤り





























1.6 標準報酬の改定・決定に伴う保険給付の特例(78条の11) (H19.4.1新設)
 「78条の6の1項及び2項の規定(合意分割による標準報酬の改定請求)により標準報酬が改定され、又は決定された者に対する保険給付についてこの法律を適用する場合においては、次の表の上(左)欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下(右)欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、当該保険給付の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定の適用に関し必要な読替えは、政令で定める」
(1)-@
44条1項
(加給年金額)
被保険者期間の月数が240以上  被保険者期間(離婚時みなし被保険者期間を除く)の月数が240以上
⇒みなし期間は加給要件の対象月にはカウントされない。
 つまり、自分の厚生年金期間だけで240月以上ないと、配偶者等への加給の加算はない。 
(1)-A
46条1項
(60歳台後半の在職老齢年金)
標準賞与額  標準賞与額は分割改定前の額(すなわち自分の標準賞与額のみとする)
⇒分割により過去1年間の賞与額が増えても、在職老齢年金の支給停止額にはカウントしない。(将来の年金額には反映される)
⇒60歳台前半の在職老齢年金にも同様(平成16年改正法附則48条)
(1)-B
58条1項(遺族厚生年金)
被保険者であつた者が死亡  被保険者であつた者(長期要件に該当する場合にあっては、離婚時みなし被保険者期間を有する者を含む)が死亡
⇒受給資格期間(保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間)が25年以上あり、分割により新たにみなし期間が1か月以上発生した者であっても(自分では1か月も厚生年金に加入していなくても)、その者が死亡したとき、その一定の遺族に遺族厚生年金の受給権が発生する。

 政令で定める規定(施行令3条の12の3の抜粋)
 「法78条の11に規定する政令で定める規定は、次の表の上欄に掲げる規定とし、これらの規定の適用については、同欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする」
 (2)-@

43条1項(老齢厚生年金の額)
 被保険者であつた全期間  被保険者であつた全期間(離婚時みなし被保険者期間を含む)
⇒これにより、42条による「老齢厚生年金の支給要件」は、保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間が10年以上あれば、分割により新たにみなし期間が1か月以上発生した者であっても(自分では1か月も厚生年金に加入していなくても)、老齢厚生年金の受給権が発生することになる。
(2)-A

50条4項(併合認定の場合の年金額)
 額とする  額とする。ただし、障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間に分割改定・決定が行われた標準報酬に係る対象期間が含まれる場合であつて、受給権が消滅した障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間に当該対象期間が含まれないときは、この限りでない。
⇒分割改定・決定が行われたために併合認定による障害厚生年金額が低下する場合は、やむをえないとして、従前年金額の保障はないものとする。
(2)-B

59条1項(遺族の範囲)
 遺族は、被保険者又は被保険者であつた者  遺族は、被保険者又は被保険者であつた者(長期要件に該当する場合にあつては、離婚時みなし被保険者期間を有する者を含む)
⇒分割により新たにみなし期間が1か月以上発生した者であっても(自分では1か月も厚生年金に加入していなくても)、受給資格期間が25年以上ある者が死亡した場合には、その一定の遺族は遺族厚生年金を受給できる遺族となる。
(2)-C

78条の22(2以上種別の併給調整)
4号厚生年金被保険者期間  4号厚生年金被保険者期間(離婚時みなし被保険者期間を含む)
⇒二以上の被保険者種別の被保険者であつた期間を有する者について併給調整を行う際には、1号、2号、3号、4号厚生年金被保険者期間いずれも離婚時みなし被保険者期間を含めて対応する。
 以下、詳細はこちらを

 標準報酬の改定・決定に伴う保険給付の支給要件の特例:離婚時みなし被保険者期間の除外(附則17条の10)
 「78条の6(標準報酬の改定・決定)の1項及び2項の規定により標準報酬が改定され、又は決定された者に対する保険給付について、附則8条2号(60歳台前半の老齢厚生年金 の支給要件)、附則9条の2の2項(障害者特例による年金額のうち定額部分の計算、並びに一般の60歳台前半の老齢厚生年金受給権者の定額部分の計算)、附則9条の3の1項(長期特例の要件)、附則28条の2の1項(旧令共済組合員であった期間を有する者の特例)、附則28条の3の1項((旧令共済組合員であった期間を有する者の特例老齢年金)、附則28条の4の1項(旧令共済組合員であった期間を有する者の特例遺族年金)及び附則29条1項(脱退一時金)の規定を適用する場合においては、「被保険者期間」とあるのは、「被保険者期間(離婚時みなし被保険者期間を除く)」とする」
 みなし被保険者期間と分割後の標準報酬の取り扱いのまとめ(施行令3条の12の3)  (3号分割における被扶養配偶者みなし被保険者期間についても同様)
(3)-@

受給資格期間(10年以上)の判定
・みなし被保険者期間は受給資格期間に含まれない。
⇒自力で、保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間が10年以上ないといけない。
⇒分割により、みなしの厚生年金被保険者期間が増えても、保険料納付済期間が増えることにはならない。
(3)-A

受給資格期間の短縮特例
・厚生年金保険等の加入期間の特例(旧被用者年金制度加入期間の特例)、中高齢特例・3種被保険者特例における被保険者期間には、みなし被保険者期間は含まれない。
⇒分割により、みなしの厚生年金被保険者期間が増えても、短縮特例の対象期間には含まれない。
(3)-B

60歳台前半の老齢厚生年金の受給要件(1年以上)
・みなし被保険者期間は含まれない。
⇒自力で、保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間が10年以上ありかつ、自力でみなしを除いた厚生年金被保険者期間が1年以上ないといけない。
⇒分割により、見掛け上の厚生年金被保険者期間が増えても、自力での厚生年金被保険者期間が1年以上ないと、新たに特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生することはない。
⇒すでに60歳台前半の老齢厚生年金の受給資格がある者であれば、みなし被保険者期間を含めて報酬比例部分の年金額が改定される。
(定額部分の年金額は変わらない)
(3)-C

老齢厚生年金の受給要件(1月以上)
・自力で保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間が10年以上ある者に限り、みなし被保険者期間は含まれる
⇒自力で受給資格期間10年以上を満足している者でかつ、分割により新たにみなし被保険者期間が1か月以上発生すれば、たとえ自分では厚生年金に1か月も加入したことがなくても、「厚生年金の被保険者期間を有する者」として認められ、新たに老齢厚生年金の受給資格が発生する。
・既に、老齢厚生年金の受給資格がある者であれば、みなし被保険者期間を含めて年金額が改定される。
要確認
@「離婚時みなし被保険者期間」は、受給資格期間(10年以上)を判定するときには含まれない。
A自力で受給資格期間(10年以上)を満足する限りにおいて、離婚時みなし被保険者期間が1か月でもあれば、たとえ自分では厚生年金に1か月も加入したことがなくても、「厚生年金の被保険者期間を有する者」と認められ、老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の中に含まれる。
(3)-D

長期要件の遺族厚生年金の支給要件
 自力で国民年金の保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間が25年以上ある者に限り、みなし被保険者期間は含まれる
⇒自力で、受給資格期間25年以上ある者で、かつ、分割により新たにみなし被保険者期間が1か月以上発生すれば、たとえ自分では厚生年金に1か月も加入したことがなくても、長期要件を満足する者が死亡ということになり、一定の遺族に遺族厚生年金の受給権が発生する。
要確認
@「離婚時みなし被保険者期間」は、長期要件の受給資格期間(25年以上)を判定するときには含まれない。
A自力で受給資格期間(25年以上)を満足する限りにおいて、離婚時みなし被保険者期間が1か月以上あれば、たとえ自分では厚生年金に1か月も加入したことがなくても、「厚生年金の被保険者であった者が死亡」と認められ、長期要件の遺族厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の中に含まれる。
(3)-E
長期加入者の特例(44年以上)
・みなし被保険者期間は含まれない。
⇒分割により、見掛け上の厚生年金の被保険者期間が増えても、あらたに特例に該当することはない。
(3)-F
特例老齢年金特例遺族年金
・みなし被保険者期間は含まれない。
⇒分割により、見掛け上の厚生年金の被保険者期間が増えても、新たに特例受給権が発生することはない。
(3)-G
60歳台前半の老齢厚生年金定額部分
老齢基礎年金
・みなし被保険者期間は反映されない。
⇒分割により改定されるのは標準報酬の額(とそれに関連する被保険者期間)であるから、報酬比例部分の年金額が改定されるとしても、定額部分の年金額、さらには老齢基礎年金額には全く影響を及ぼさない。
(3)-H
60歳台前半の老齢厚生年金報酬比例部分
・自力で60歳台前半の老齢厚生年金の受給要件を満たす者であれば、みなし 被保険者期間を含めて年金額が改定される。
(3)-I
60歳台前半、後半の在職老齢年金
・標準賞与額は改定前の標準賞与額として、支給停止額を求める。
⇒分割により、実際にはもらってみいない賞与のために支給停止額が大きくなることは避けられる。 
(3)-J
加給年金の加給要件(240月以上)
中高齢の寡婦加算(240月以上)
みなし被保険者期間は含まれない
 つまり、自分の厚生年金期間だけで240月以上ないと、配偶者(再婚した相手側)や子を対象とする加給年金額の加算は行われない。
・中高齢の寡婦加算も同じ
(3)-K
加給年金の対象となる要件(240月未満)
みなし被保険者期間は含まれる
⇒たとえば、再婚した妻には離婚歴があって、みなし被保険者期間を含めて厚生年金期間が240月以上ある場合は、夫の老齢厚生年金に加給年金はつかない。
(3)-L
振替加算(240月未満)
みなし被保険者期間は含まれる
⇒振替加算を受けていたものが離婚して、みなし被保険者期間を含めて240月以上になると、振替加算は支給停止となる。
(3)-M
障害厚生年金の初診日要件
・みなし被保険者期間は反映されない。
⇒自分が厚生年金の被保険者であるときに初診日がないといけない。
(3)-N
300月保障の適用による障害厚生年金
・障害厚生年金受給権者が2号改定者の場合、みなし被保険者期間については額の改定の対象としない。
・自らも厚生年金の被保険者期間であった期間(みなし被保険者期間ではない期間)の標準報酬の増減については年金額の改定の対象となる。
(3)-O
3歳未満の子を養育する被保険者の特例による標準報酬月額
・3歳未満の子を養育する期間の標準報酬月額が、養育開始前の標準報酬月額を下回る場合は、従前の標準報酬月額とするが、その場合の標準報酬月額、従前の標準報酬月額いずれも、分割による改定・決定前の値とする。
(3)-P
脱退一時金
・みなし被保険者期間は、一時金の額に映されない。







19
6C
 離婚時みなし被保険者期間は、60歳台前半の老齢厚生年金の支給要件となる被保険者期間には含まない。(基礎)

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正しい 誤り
24
5
 離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、60歳台前半の老齢厚生年金の支給要件(被保険者期間1年以上)となる被保険者期間に含まれる。(19-6Cの類型)

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正しい 誤り
27
10
B
  厚生年金保険の被保険者期間が離婚時みなし被保険者期間としてみなされた期間のみである者は、特別支給の老齢厚生年金を受給することはできない。(19-6Cの類型)

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正しい 誤り

5
6B
 特別支給の老齢厚生年金の受給資格要件の1つは、1年以上の被保険者期間を有することであるが、この被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間を含めることができる。(19-6Cの類型)

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正しい 誤り








24
5

 離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、60歳台前半の老齢厚生年金における定額部分の額を計算するときの被保険者期間に含まれる。(発展)

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正しい 誤り
29
6C
 離婚時みなし被保険者期間は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額の計算の基礎とはされない。 (24-5カの類型)

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正しい 誤り







22
6B
 離婚時の分割請求により標準報酬が改定された第2号改定者について、当該改定を受けた標準賞与額は、当該第2号改定被保険者がその後60歳代前半の在職老齢年金の受給権者となった場合においても、総報酬月額相当額の計算の対象とはならない。(発展)

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正しい 誤り







24
5

 離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、加給年金額の加算要件(被保険者期間240月以上)よなる被保険者期間に含まれる。(基礎)

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正しい 誤り

3
8E
  老齢厚生年金に配偶者の加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の年金額の計算の基礎となる日保険者期間の月数が240以上という要件があるが、当該被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間を含めることはできない。(24-5エの類型)

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19
6A
 振替加算されている老齢基礎年金を受給している者であって、その者の厚生年金保険の被保険者期間が、離婚による年金分割を行ったことにより離婚時みなし被保険者期間を含めて240月以上となった場合であっても、当該振替加算は支給停止にならない。(発展)

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正しい 誤り

24
5

 離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、振替加算の支給停止要件(配偶者自身の厚生年金保険の被保険者期間240月以上)となる被保険者期間に含まれる。(19-6Aの類型)

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19
6B
 遺族厚生年金の支給にあたっては離婚時みなし被保険者期間も厚生年金保険の被保険者としての期間に参入されるため、かって厚生年金保険の被保険者でなかった者であっても、離婚時みなし被保険者期間を有する者であれば、その者が死亡した場合には遺族に遺族厚生年金が支給されることがある。(発展)

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24
5ア
 離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、遺族厚生年金の支給要件(厚生年金保険法第58条第1項第4号該当)となる被保険者期間に含まれる。(19-6Bの類型)

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正しい 誤り
28
3ウ
 国民年金の第1号被保険者期間のみを有していた者が、離婚時みなし被保険者期間を有するに至ったことにより老齢厚生年金の受給権を取得した後に死亡した場合、その者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される場合がある。(H30改)(19-6Bの類型)

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正しい 誤り
24
5オ
 離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、 特例老齢年金及び特例遺族年金の支給要件となる被保険者期間に含まれる。(発展)

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正しい 誤り




















1.7 当事者等への情報の提供等(78条の4)(H19.4.1新設)
 「当事者又はその一方は、実施機関に対し、主務省令で定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な情報であつて次項に規定するものの提供を請求することができる。
 ただし、当該請求が標準報酬改定請求後に行われた場合又は離婚等をしたときから2年を経過したときその他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない」
 「同2項 前項の情報は、対象期間標準報酬総額、按分割合の範囲、これらの算定の基礎となる期間その他厚生労働省令で定めるものとし、同項の請求があつた日において対象期間の末日が到来していないときは、同項の請求があつた日を対象期間の末日とみなして算定したものとする」
 「78条の5 実施機関は、裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官に対し、その求めに応じて、78条の2の2項の規定による請求すべき按分割合に関する処分を行うために必要な資料を提供しなければならない」
1.8 記録(78条の7) (H19.4.1新設)
 「実施機関は、厚生年金保険原簿に前条3項の規定により被保険者期間であつたものとみなされた期間(離婚時みなし被保険者期間)を有する者の氏名、離婚時みなし被保険者期間、離婚時みなし被保険者期間に係る標準報酬その他主務省令で定める事項(基礎年金番号、生年月日など)を記録しなければならない」
 通知(78条の8) (H19.4.1新設)
 「実施機関は、78条の6の1項(標準報酬月額の改定)及び2項(標準賞与額の改定)の規定により標準報酬の改定又は決定を行つたときは、その旨を当事者に通知しなければならない」
21
7D
 平成19年4月1日以後に離婚等をした場合において、第1号改定者及び第2号改定者又はその一方は、実施機関に対し、主務省令の定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な按分割合の範囲等についての情報の提供を請求することができるが、当該請求は標準報酬改定請求後に行うことはできない。(H22改)(基礎)

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正しい 誤り
29
6E
 第1号改定者及び第2号改定者又はその一方は、実施機関に対して、厚生労働省令の定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な情報の提供を請求することができるが、その請求は、離婚等が成立した日の翌日から起算して3か月以内に行わなければならない。 (21-7Dの類型)

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正しい 誤り














3





2. いわゆる3号分割
2.1 基本的認識(78条の13)法改正(H20.4.1新設)
 「被扶養配偶者に対する年金たる保険給付に関しては、3章(離婚時の特例)に定めるもののほか、被扶養配偶者を有する被保険者が負担した保険料について、当該被扶養配偶者が共同して負担したものであるという基本的認識の下に、この章の定めるところによる」
2.2 特定被保険者及び被扶養配偶者についての標準報酬の特例(78条の14) 法改正(H20.4.1新設)
 「特定被保険者が被保険者であつた期間中に被扶養配偶者を有する場合において、当該特定被保険者の被扶養配偶者は、当該特定被保険者と離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるときは、実施機関に対し、
 特定期間
(特定被保険者が被保険者であつた期間であり、かつ、その被扶養配偶者が3号被保険者であつた期間)に係る被保険者期間(2項、3項により既に標準報酬が改定され、及び決定された被保険者期間を除く)の標準報酬の改定及び決定を請求(3号分割標準報酬改定請求)することができる。
 ただし、請求をした日において特定被保険者が障害厚生年金(特定期間の全部又は1部をその額の計算の基礎とするものに限る)の受給権者であるときその他の厚生労働省令で定めるときは、この限りでない」

@「特定被保険者」とは、国民年金2号被保険者であつた期間中に被扶養配偶者を有していた被保険者(又は被保険者であった者)であり、標準報酬を分割して相手方に与える側の者。 
A特定被保険者が障害厚生年金の受給権者であるとき、その他の厚生労働省令で定めるとき(離婚等の翌日から起算して2年を経過したとき)は」原則として3号分割請求はできない。
 ただし、一定の場合特例措置(施行規則78条の17の2項)がある。
 「同2項 実施機関は、前項の請求があつた場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を特定被保険者の標準報酬月額に2分の1を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる」
⇒特定被保険者(2号被保険者)の標準報酬月額を1/2に改定し、被扶養配偶者(3号被保険者)も2号被保険者であったとみなされ、標準報酬月額を同額に決定する。
⇒同3項により、標準賞与額についても同じ。

 被扶養配偶者みなし被保険者期間
 「同4項 前2項の場合において、特定期間に係る被保険者期間については、被扶養配偶者の被保険者期間であつたものとみなす」
 「同5項 2項及び3項の規定により改定され、及び決定された標準報酬は、1項の請求のあつた日から将来に向かつてのみその効力を有する」

@被扶養配偶者みなし被保険者期間とは、 特定被保険者(被扶養配偶者を有する厚生年金の被保険者あるいは被保険者であった者)が厚生年金に加入しており、かつその被扶養配偶者が国民年金の三号被保険者であった期間。
Aこれを「被保険者期間であったものとみなす」とは、標準報酬月額の一部をもらうことによって、その期間を厚生年金に加入したかのように取り扱うということ。
Bただし、この被扶養配偶者みなし被保険者期間は、年金の受給資格期間10年にはカウントされない。つまり、自力で受給資格資格期間10年を満足する者であれば、老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額を計算するときに、被扶養配偶者みなし被保険者期間も厚生年金の加入期間として計算する。
C離婚した場合に被扶養配偶者が請求すると、平成20年4月1日以降の3号期間の標準報酬は、自動的に2分割される。特定被保険者(配偶者を扶養していた者)の合意は必要ない。
・ただし、特定被保険者が障害厚生年金の受給権者であって、その額の計算の基礎となっている期間の全部または一部の期間が分割の対象となっている場合は、例外的な取り扱いになる。詳細はこちらを
 対象となる特定期間(H16改正法附則49条)
 「厚生年金保険法78条の14の1項の規定の適用については、平成20年4月1日前の期間については、同項に規定する特定期間に算入しない」
 離婚又は婚姻の取消しに準ずるもの(施行規則78条の14)  
 「78条の14の1項に規定する厚生労働省令で定めるときは、次の各号に掲げる場合とする」
1  婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた特定被保険者及び被扶養配偶者について、当該被扶養配偶者が第3号被保険者の資格を喪失し、当該事情が解消したと認められる場合(当該者同士の婚姻の届出による解消は除く)
2  3号分割標準報酬改定請のあつた日に、次のイ又はロに掲げる場合に該当し、かつ、特定被保険者の被扶養配偶者が第3号被保険者の資格を喪失している場合
 特定被保険者が行方不明となつて3年が経過していると認められる場合(離婚の届出をしていない場合に限る)
⇒被扶養配偶者は3号被保険者の資格を喪失していないと請求できない。
⇒参考
・3年以上生死不明なら民法770条により離婚と認められる。
・2号イの場合は3年行方不明とあるので、生存は確認できたが居所不明で3年の場合でも請求できる。
 離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であつて、かつ、3号分割標準報酬改定請求をするにつき特定被保険者及び被扶養配偶者がともに当該事情にあると認めている場合

 3号分割標準報酬改定請求ができない場合(施行規則78条の17)
 「78条の14の1項ただし書に規定する厚生労働省令で定めるときは、次の各号に掲げる場合とする」 
1  3号分割標準報酬改定請求のあつた日に特定被保険者が障害厚生年金の受給権者であつて、特定期間の全部又は一部がその額の計算の基礎となつている場合(施行令3条の12の11の規定により当該障害厚生年金の額の計算の基礎となつた特定期間に係る被保険者期間が除かれている場合を除く)
2  次のイからハまでに掲げる日の翌日から起算して2年を経過した場合
 離婚が成立した日
 婚姻が取り消された日
 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた特定被保険者及び被扶養配偶者について、当該被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格を喪失し、当該事情が解消したと認められる場合に該当した日

 「同2項 前項2号(離婚等)に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した日以後に、又は同号(離婚等)に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した日前6月以内に、施行規則78条の3の2項各号のいずれかに該当した場合(離婚等に掲げる日の翌日から起算して2年を経過した日前に請求すべき按分割合に関する審判又は調停の申立てがあつたときに限る)について、標準報酬改定請求があつたときにあつたものとみなされる3号分割標準報酬改定請求に係る法78条の14の1項ただし書に規定する厚生労働省令で定めるときは、施行規則78条の3の2項各号のいずれかに該当することとなつた日の翌日から起算して6月を経過した場合とする」
3号分割の請求期限
@原則として、離婚等(離婚、婚姻取消、事実婚解消)の日の翌日から起算して2年以内に請求しないといけないが、Aの特例がある。(合意分割の場合と同様)
A離婚等の翌日から2年以内に合意分割のための按分割合の審判(あるいは調停)の申立てをした場合は、
・離婚等から2年経過後に審判が確定(あるいは調停が成立)に該当した場合は、確定日(成立日)の翌日から6か月以内
・2年経過前6か月以内に審判が確定(あるいは調停が成立)に該当した場合は、確定日(成立日)の翌日から6か月以内
 であれば、請求可能である。(これも、合意分割の場合と同様)
 特定期間に係る被保険者期間の計算(施行令3条の12の12)
 「 特定期間に係る被保険者期間については、厚生労働省令で定めるところにより、特定期間の初日の属する月はこれに算入し、特定期間の末日の属する月はこれに算入しない。ただし、特定期間の初日と末日が同一の月に属するときは、その月は、特定期間に係る被保険者期間に算入しない」

@特定期間とは、特定被保険者(標準報酬を分割して相手方に与える側の者)が被保険者であつた期間で、かつ、その被扶養配偶者が3号被保険者であつた期間のこと。
A「特定期間(日単位)に係る被保険者期間(月単位)」は被扶養配偶者の被保険者期間であつたものとみなされる。(被扶養配偶者みなし被保険者期間)
B「特定期間(日単位)から被保険者期間(月単位)を算定する方法は、
・基本的には、19条1項と同様であって、「特定期間の初日の属する月から、特定期間の末日の属する月の前月まで」
・ただし、「特定期間の初日と末日が同一の月に属するときは、その月は、みなし被保険者期間とはしない。
・なお、特殊なケースとして、特定期間の初日の属する月において、被扶養配偶者が同月得喪により厚生年金被保険者期間であったときは、みなし被保険者期間とはしない。(被保険者期間とみなし被保険者期間の重複はない)
・また、特定期間が複数ある場合であって、前の特定期間の末日と次の特定期間の初日が同じ月にあるときは、その月は算入する。
 二以上の種別の被保険者期間を有する者の3号分割
 被扶養配偶者である期間についての特例(78条の36)  
 「二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者について、78条の14(3号分割の場合の標準報酬の特例)の1項の規定を適用する場合においては、各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に係る標準報酬についての同項の規定による請求は、他の期間に係る標準報酬についての当該請求と同時に行わなければならない」
⇒合意分割の場合の78条の35と同様である。
 障害厚生年金の受給権者に対して3号分割請求する場合(施行令3条の12の11)
 「障害厚生年金の受給権者である特定被保険者の被扶養配偶者が3号分割標準報酬改定請求をする場合における特定期間に係る被保険者期間については、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となつた特定期間に係る被保険者期間を除くものとする」

@特定被保険者が障害厚生年金の受給権者であって、その額の計算の基礎となる期間(障害認定月までの被保険者期間)の全部が分割の対象となっている場合:
 3号分割請求そのものを行うことができない(請求しても却下される)(施行規則78条の17の1号)
A特定被保険者が障害厚生年金の受給権者であって、その額の計算の基礎となる期間(障害認定月までの被保険者期間)の一分が分割の対象となっている場合:
 施行令3条の12の11の規定にもとづいて、障害厚生年金の額の計算の基礎となる期間を分割の対象から除いて請求する場合は、3号分割請求が可能(施行規則78条の171号のかっこ書き)
B参考までに合意分割の場合は、300月保障が適用されている障害厚生年金の場合であって、障害厚生年金受給権者が2号改定者の場合、みなし被保険者期間(自分は2号被保険者ではなかった期間)は年金額改定の対象とはしない。
Cいずれも、障害厚生年金額が減額になって、所得保障の機能が損なわれることをできるだけ防止するためである。3号分割の場合、請求できる範囲が非常に狭いのは、相手方の合意がなくても有無をいわさず分轄できるからである。
 死亡したときの3号分割(施行令3条の12の14)
 「特定被保険者が死亡した日から起算して1月以内に被扶養配偶者(当該死亡前に当該特定被保険者と三号分割標準報酬改定請求の事由である離婚又は婚姻の取消しその他施行令3条の12の10に規定する厚生労働省令で定めるこれらに準ずるものをした被扶養配偶者に限る)から3号分割標準報酬改定請求があつたときは、当該特定被保険者が死亡した日の前日に3号分割標準報酬改定請求があつたものとみなす」 
 「施行令3条の12の14の2項 前項の規定は、78条の20の1項(合意分割と三号分割)本文の規定により被扶養配偶者が死亡した日から起算して1月以内に特定被保険者から標準報酬改定請求があつたときにあつたものとみなされる三号分割標準報酬改定請求について準用する」
⇒特定被保険者の被扶養配偶者が死亡した場合、死亡後1か月以内に合意分割を請求すると、死亡日前日に合意分割と3号分割の請求があったものとみなされる。
26
8A
 厚生年金保険法第3章の3に規定するいわゆる「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」において、いわゆる事実婚関係であった期間については、被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者となっていた場合には分割の対象となる。 (基礎)
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正しい 誤り
26
8B
 厚生年金保険法第3章の3に規定するいわゆる「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」において、分割の対象となる特定期間とは、特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として国民年金の第3号被保険者であった期間をいい、平成20年4月1日前の期間を含まない。 (基礎)

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正しい 誤り
29
3
選択
 厚生年金保険法第78条の14の規定によるいわゆる3号分割における標準報酬の改定請求の対象となる特定期間は、| C |以後の期間に限られる。(26-8Bの類型)
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30
5B
 厚生年金保険法第78条の14第1項の規定による3号分割標準報酬改定請求のあった日において、特定被保険者の被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格(当該特定被保険者の配偶者としての当該資格に限る)を喪失し、かつ、離婚の届出はしていないが当該特定被保険者が行方不明になって2年が経過していると認められる場合、当該特定被保険者の被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求をすることができる。(発展)

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令元5イ  離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、両当事者がともに当該事情にあると認めている場合に該当し、かつ、特定被保険者( 厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者をいう。) の被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格を喪失している場合でも、いわゆる3号分割の請求はできない。 (発展)

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26
8C
 厚生年金保険法第3章の3に規定するいわゆる「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」において、実施機関は、特定被保険者の被扶養配偶者から特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額に当事者が合意した按分割合に基づいて算出した割合を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。(基礎)

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29
6B
 厚生年金保険法第78条の14の規定によるいわゆる3号分割の請求については、当事者が標準報酬の改定及び決定について合意している旨の文書は必要とされない。(26-8Cの類型)

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令2
4A
 離婚した場合の3号分割標準報酬改定請求における特定期間(特定期間は複数ないものとする)に係る被保険者期間については、特定期間の初日の属する月は被保険者期間に算入し、特定期間の末日の属する月は被保険者期間に算入しない。ただし、特定期間の初日と末日が同一の月に属するときは、その月は、特定期間に係る被保険者期間に算入しない。

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正しい 誤り











3


28
2C
 厚生年金保険法78条の14に規定する特定被保険者が障害厚生年金の受給権者である場合、当該障害厚生年金の計算の基礎となった被保険者期間は、3号分割標準報酬改定請求により標準報酬月額及び標準賞与額が改定される期間から除かれる。

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令元
3E
 障害厚生年金の受給権者である特定被保険者(厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者をいう)の被扶養配偶者が3号分割標準報酬改定請求をする場合における特定期間に係る被保険者期間については、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となった特定期間に係る被保険者期間を改定又は決定の対象から除くものとする。(28-2Cの類型)

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1E
 厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者が、特定期間の全部をその額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者であったとしても、当該特定被保険者の被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求をすることができる。(28-2Cの応用)

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26
8E
 厚生年金保険法第3章の3に規定するいわゆる「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」においては、原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、被扶養配偶者からの特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求を行うことができない。
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3
1D
 3号分割標準報酬改定請求は、離婚が成立した日の翌日から起算して2年を経過したときまでに行う必要があるが、3号分割標準報酬改定請求に併せて厚生年金保険法第78条の2に規定するいわゆる合意分割の請求を行う場合であって、按分割合に関する審判の申立てをした場合は、その審判が確定した日の翌日から起算して2年を経過する日までは3号分割標準報酬改定請求を行うことができる。
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3
1C

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者について、3号分割標準報酬改定請求の規定を適用する場合においては、各号の厚生年金被保険者期間のうち1の期間に係る標準報酬についての当該請求は、他の期間に係る標準報酬についての当該請求と同時に行わなければならない。

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28
2E
 離婚をし、その1年後に、特定被保険者が死亡した場合、その死亡の日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該特定被保険者の配偶者として国民年金法に規定する第3号被保険者であった者)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる。(発展)

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2
3イ
  特定被保険者が死亡した日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該死亡前に当該特定被保険者と3号分割標準報酬改定請求の事由である離婚又は婚姻の取消しその他厚生年金保険法施行令第3条の12の10に規定する厚生労働省令で定めるこれらに準ずるものをした被扶養配偶者に限る)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日に3号分割標準報酬改定請求があったものとみなす。(28-2Eの類型)

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2.3 老齢厚生年金等の額の改定の特例(78条の18) 法改正(H20.4.1新設)
 「老齢厚生年金の受給権者について、78条の14の2項及び3項の規定により標準報酬の改定又は決定が行われたときは、43条1項の規定にかかわらず、改定又は決定後の標準報酬を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、78条の14の1項の請求のあつた日の属する月の翌月から、年金の額を改定する」
⇒老齢厚生年金の受給権を得ている者が、3号分割により標準報酬の改定・決定が行われたときは、分割請求月の翌月から年金額が改定される。
⇒老齢厚生年金の受給権者が離婚時に在職中であるときは、退職時改定との関係から、合意分割の場合に準じて改定する。

 「同2項 障害厚生年金の受給権者である被扶養配偶者について78条の14の2項及び3項の規定により標準報酬の決定が行われた場合は、改定後の標準報酬を基礎として、当該標準報酬改定請求のあつた日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。
 ただし、300月保障が適用されている障害厚生年金については、被扶養者みなし被保険者期間はその計算の基礎としない」
⇒3号分割で標準報酬をもらう側の者が障害厚生年金の受給権者である場合、分割請求月の翌月から年金額が改定される。ただし、平均標準報酬が下がることもあり得るので、300月保障が適用されている場合は改定は行なわれない。
26
8D
 厚生年金保険法第3章の3に規定するいわゆる「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」において、老齢厚生年金の受給権者について、分割の規定により標準報酬の改定又は決定が行われたときの年金額の改定は、当該請求があった日の属する月の翌月分から行われる。 (基礎)

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2.4 標準報酬の改定・決定に伴う保険給付の特例(78条の19)法改正(H20.4.1新設)
 
「78条の14の2項及び3項の規定により標準報酬が改定され、又は決定された者に対する保険給付についてこの法律を適用する場合においては、次の表の上欄に掲げる規定)中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、当該保険給付の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定の適用に関し必要な読替えは、政令で定める」
(4)-@
44条1項
(加給年金額)
被保険者期間の月数が240以上  被保険者期間(被扶養配偶者みなし被保険者期間を除く)の月数が240以上
⇒みなし被保険者期間は加給要件の対象月にはカウントされない。
(4)-A
46条1項
(60歳台後半の在職老齢年金)
標準賞与額  標準賞与額(改定前の標準賞与額とする)
⇒分割されて過去1年間の賞与が増えても、在職老齢年金の支給停止額にはカウントされない)
(4)-B
58条1項(遺族厚生年金)
被保険者であつた者が死亡   被保険者であつた者(長期要件に該当する場合にあっては、被扶養配偶者みなし被保険者期間を有する者を含む)が死亡
⇒受給資格期間(保険料納付済期間(国民年金2号、3号被保険者期間を含む)+免除期間+合算対象期間)が25年以上あり、分割により新たにみなし期間が1か月以上発生した者であっても(自分では1か月も厚生年金に加入していなくても)、その者が死亡したとき、その一定の遺族に遺族厚生年金の受給権が発生する。
 
   








2.5 記録(78条の15)法改正(H20.4.1新設)
 「実施機関は、厚生年金保険原簿に前条4項の規定により被保険者期間であつたものとみなされた期間(被扶養配偶者みなし被保険者期間)を有する者の氏名、被扶養配偶者みなし被保険者期間、被扶養配偶者みなし被保険者期間に係る標準報酬その他主務省令で定める事項を記録しなければならない」
 通知(78条の16)法改正(H20.4.1新設)
 「実施機関は、78条の14の2項及び3項の規定により標準報酬の改定及び決定を行つたときは、その旨を特定被保険者及び被扶養配偶者に通知しなければならない」
27
10
A
 実施機関は、標準報酬の決定又は改定を行ったときはその旨を原則として事業主に通知しなければならないが、厚生年金保険法第78条の14第2項及び第3項に規定する「特定被保険者及び被扶養配偶者についての標準報酬の特例」における標準報酬の改定又は決定を行ったときは、その旨を特定被保険者及び被扶養配偶者に通知しなければならない。
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3


3 合意分割と3号分割(78条の20)法改正(H20.4.1新設)
 「特定被保険者又は被扶養配偶者が、離婚等をした場合において、3号分割による標準報酬改定請求が行われていない特定期間の全部又は一部を対象期間として、合意分割により標準報酬の改定請求をしたときは、当該請求をしたときに、3号分割標準報酬改定請求があつたものとみなす。
 ただし、当該請求をした日において当該特定被保険者が障害厚生年金(特定期間の全部又は1部をその額の計算の基礎とするものに限る)の受給権者であるときは、この限りでない」

 「2項 前項の場合において、按分割合に関わる対象期間標準報酬総額の基礎となる当該特定期間に係る被保険者期間の標準報酬、並びに合意分割を行う際の改訂前の標準報酬については、3号分割の規定による改定及び決定後の標準報酬とする」

@平成20年4月1日より後に離婚した場合で、特定期間がある場合は、合意分割と3号分割の両方が可能になるが、合意分割を請求したときは、3号分割も請求したとみなされる。(ただし、特定被保険者が障害厚生年金の受給権を有している場合は、その額の計算の基礎となった期間(障害認定日のある月までの期間)については、3号分割は行われない)
Aまず3号分割による標準報酬の改定(互いに1/2づつとする)を優先して行い、その結果を踏まえて、対象期間(婚姻期間)全体の標準報酬総額と合意した按分割合に応じて、合意分割による改定が行われる。
   
   









4.基金加入員の年金分割
 第1号改定者等の標準報酬の改定に伴う現価相当額の徴収(85条の3) 法改正(H26.04.01削除、ただし存続厚生年金基金については暫定的に適用)
 「政府は、78条の6の1項及び2項(合意分割)又は78条の14の2項及び3項(3号分割)の規定により第1号改定者又は特定被保険者の標準報酬の改定が行われたときは、当該第1号改定者又は特定被保険者の加入員であった期間に係る老齢年金給付の現価に相当する金額の一部であって当該改定に係るものとして政令で定める額を当該老齢年金給付の支給に関する義務を負っている存続厚生年金基金から徴収する」
 第1号改定者等の標準報酬の改定に伴う老齢年金給付の支給に関する権利義務の変更(133条の3)
 「基金は、78条の6の1項及び2項(合意分割)又は78条の14の2項及び3項(3号分割)の規定により標準報酬の改定が行われたときは、当該改定に係る第1号改定者又は特定被保険者の老齢年金給付の支給に関する義務の一部(85条の3の規定により政府が徴収する額に相当する老齢年金給付の支給に関する義務に限る)を免れることができる」
22
9A
 基金の加入員である期間を有する者が離婚等により特定被保険者の標準報酬の改定が行われた場合において、当該離婚等による被扶養配偶者に対する加入員であった期間に係る増額改定分については、当該老齢年金給付の支給に関する義務を負っている基金が被扶養配偶者に支給する。(H26改)

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