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 時間外労働、36条協定、労働時間の延長の限度等に関する基準、非常災害時時間外労働
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 13選択14選択20-3選択



























36








 時間外・休日労働(36条)法改正(H31.04.01) 
 「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところにより、これを行政官庁に届け出た場合においては、32条(法定労働時間)から32条の5(1週間単位の非定型的変形労働時間制)まで若しくは40条(労働時間及び休憩の特例)の労働時間又は前条の休日(法定休日以下単に休日という)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる」
 
・「労働時間を延長」とある労働時間とは、法定労働時間(1日8時間、1周40時間(44時間)あるいは、1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制、労働時間及び休憩の特例により定められた労働時間をいう。
・「休日に労働」とあるのは法定休日に労働させることをいい、法定外休日(たとえば週休2日制のうち、土曜あるいは日曜)の労働は、労働時間の延長(時間外労働)である。
・ここでいう協定がいわゆる時間外・休日労働に関する36協定である。
・変形労働時間制を採用した場合において、その協定を超えて労働させる場合があるときにおいても、36協定が必要である。
 「2項 法改正(H31.04.01追加) 前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする」
@この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲
A対象期間(この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、1年間に限るものとする。C及び6項Bにおいて同じ)
B労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合
C対象期間における1日1箇月及び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
D労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
⇒36協定で定める事項を改正前施行規則16条から移動して法定化した。
通達(H30.09.07基発0907-1)
@労働者の範囲:時間外・休日労働協定の対象となる「業務の種類」及び「労働者数」を協定するものであること。
A対象期間:時間外・休日労働協定において、1年間の上限を適用する期間を協定するものであることから1年間のこと。なお、事業が完了し、又は業務が終了するまでの期間が1年未満である場合においても、対象期間は1年間とする必要があること。
B延長し、又は休日に労働させることができる場合:時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由について協定するものであること。
C1日、1か月、1年のそれぞれについての時間労働の延長時間又は休日労働の日数:改正前施行規則16条にあった「1日を超え3か月以内」は1か月に改正。これは、1か月について45時間、1年について360時間(対象期間が3か月超の1年単位の変形労働時間制の場合は、それぞれ42時間、320時間)の原則的上限が法定されたことによる。
 36条協定(施行規則16条) 法改正(1項、2項、3項ともH31.04.01)
 「法36条1項の規定による届出は、様式9号(同条5項に規定する事項に関する定めをする場合にあっては、様式9号の2)により、所轄労働基準監督署長にしなければならない」
 「施行規則16条2項 前項の規定に関わらず、法36条11項に規定する業務についての同条1項の規定による届出は、様式9号の3により、所轄労働基準監督署長にしなければならない」
 「施行規則16条3項 法36条1項の協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む)を更新しようとするときは、使用者は、その旨の協定を所轄労働基準監督署長に届出ることによって、前2項の届出に代えることができる」 
 厚生労働省令で定める事項(施行規則17条)法改正(1項、2項、3項ともH31.04.01)
 「法36条2項Dの厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。ただし、C号からFまでの事第については、同条1項の協定に同条5項(臨時的な限度時間)に規定する事項に関する定めをしない場合においては、この限りでない」
@法36条1項の協定(労働協約による場合を除く)の有効期間の定め
A法36条2項Cの1年の起算日
B法36条6項A及びBに定める要件を満たすこと
C36条3項(通常予見される時間外労働)の限度時間を超えて労働させることができる場合
D限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置
E限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率
F限度時間を超えて労働させる場合における手続
⇒C以降は、特別条項(臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合)に定めるべき事項
法36条2項で法定化された5項目も忘れないように。
 「施行規則17条2項 使用者は、前項Dに掲げる措置の実施状況に関する記録を同項@の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存しなければならない」
 「施行規則17条3項 前項の規定は、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議について準用する」
 補足 通達(H30.09.07基発0907-1)
・1年の起算日:1年について労働時間を延長して労働させることができる時間を適用する期間の起算日を明確にするものであること
・法36条6項A及びBに定める要件を満たすこと:時間外・休日労働協定で定めるところにより時間外・休日労働を行わせる場合であっても、36条6項2号(1か月の時間外労働+休日労働は100時間未満)、及び第3号(直前5か月の平均時間労働時間+休日労働時間の1か月平均が80時間以内)を超えて労働させることはできないものであり、時間外、休日労働協定においても、この規定を遵守することを協定するものであること。
 これを受け、新労基則様式9号及び9号の2にチェックボックスを設け、当該チェックボックスにチェックがない場合には、当該時間外・休日労働協定は法定要件を欠くものとして無効となるものであること。
・限度時間を超えて労働させることができる場合:時間外・休日労働協定に特別条項を設ける場合は、通常予見される時間外労の限度時間を超えて労働させることができる具体的事由について協定するものであること。
・限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率:特別条項を設ける場合においては、限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を1箇月及び1年のそれぞれについて定めなければならないものであること。
 なお、限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金率については、「賃金の決定、計算及び支払の方法」として就業規則に記載する必要があること。
・限度時間を超えて労働させる場合における手続:時間外・休日労働協定を締結する使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者が合意した協議、通告その他の手続を定めなければならないものであること。
 また、「手続」は、1か月ごとに限度時間を超えて労働させることができる具体的事由が生じたときに必ず行わなければならず、所定の手続を経ることなく、限度時間を超えて労働時間を延長した場合は、法違反となるものであること。なお、所定の手続がとられ、限度時間を超えて労働時間を延長する際には、その旨を届け出る必要はないが、労使当事者間においてとられた所定の手続の時期、内容、相手方等を書面等で明らかにしておく必要があること。 
14

 労働基準法36条第2項においては、労働基準法第36条第1項の協定をする場合には、労働時間を延長し、又は休日に労働をさせることとされる労働者の範囲、対象期間(|  A |間に限る)、延長し又は休日労働させることができる場合、対象期間における|  B ||  C |及び|  A |のそれぞれの期間について延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数、その他労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項について協定しなければならない、と規定されている。(H31改)(基礎)

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17
3C
 労働基準法第36条第1項による時間外・休日労働に関する協定で定めるべき事項は、36条2項に規定されており、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲、対象期間(労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間で1年に限る)、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合、対象期間における1日、1箇月及び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数などのほか、厚生労働省令で定める事項として協定の有効期間などを定めることが必要とされている。このうち、協定の有効期間は、最も短い場合でも原則として1年間となるので、1年とすることが望ましいとされている。

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24
5E
 労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定は、これを所轄労働基準監督署長に届け出てはじめて使用者が労働者に適法に時間外労働又は休日労働を行わせることを可能とするのであって、法定労働時間を超えて労働させる場合、単に同協定を締結したのみでは、労働基準法違反の責めを免れない。(基礎)

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25
3E
 事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において、使用者が、その労働組合と36協定を締結し、これを行政官庁に届け出た場合、その協定が有する労働基準法上の効力は、当該組合の組合員がない他の労働者にも及ぶ。(応用)

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12
7A
 災害等による臨時の必要がある場合を除き、法定の労働時間を超えて労働させるためには、原則として、事業場の過半数で組織する労働組合(これがない場合は事業場の労働者の過半数を代表する者)との書面による協定を締結し事前に届け出なければならないが、その暇がない場合は事後遅滞なく届け出れば足りる。(24-5Eの応用)

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18
5D
 最高裁判所の判例によると、労働基準法32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、36条協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする、とされている。(発展)

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20
3

 使用者が労働者に時間外労働を命じる場合について、「労働基準法}32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が|  |ものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、当該就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする」というのが最高裁判所の判例である。(18-5Dの類型)

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27
6ウ
 労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。(18-5Dの類型)

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29
4A
 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条により労働時間等設定改善委員会が設置されている事業場においては、その委員の5分の4以上の多数による議決により決議が行われたときは、当該決議を労働基準法第36条に規定する労使協定に代えることができるが、当該決議は、所轄労働基準監督署長への届出は免除されていない。

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24
5D
 労働基準法第36条は、時間外又は休日労働を適法に行わせるための手続きを規定したものであるから、時間外又は休日労働命令に服すべき労働者の民事上の義務は、同条に定めるいわゆる36協定から直接当然に生ずるものではない。(18-5Dの類型)

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22
7A
 労働基準法第36条第1項に定める労働基準法上の労使協定が有する労働基準法の規制を解除する効力(労働基準法上の基準の強行的・直律的効力(13条)の解除、労働基準法上の罰則(117条以下)の適用の解除)は、労使協定の締結に反対している労働者には及ばない。(発展)

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自動更新 13
5A
 毎年1月1日から年末までの1年間を有効期間とする、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、当該36協定に協定の有効期間についての自動更新条項がある場合には、翌年からは、協定の内容に変更のない限り、所轄労働基準監督署長へは、何らの届出も必要ではない。(発展)

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協定当事者 17
3A
  派遣先の事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定が締結され、これが所轄労働基準監督署長に届けられている場合においては、当該派遣先の使用者は、当該事業場に派遣されて現に当該使用者の指揮命令の下に働いている派遣労働者を、当該36条協定で定められている内容に従い、時間外労働させることができる。(発展)

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29
4E
 支店及び営業所の全てにおいてその事業場の労働者の過半数で組織する単一の労働組合がある会社において、本社において社長と当該単一労働組合の本部の長とが締結した36条に係る協定書に基づき、支店又は営業所がそれぞれ当該事業場の業務の種類、労働者数、所定労働時間等所要事項のみ記入して、所轄労働基準監督署長に届け出た場合、有効なものとして取り扱うこととされている。 (発展)

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 労働時間の上限規制(36条のつづき) 法改正(H31.04.01、3項、4項、5項、6項いずれも新規)   
 「36条3項 法改正(H31.04.01新規) 前項Cの労働時間を延長して労働させることができる時間は、当該事業場の業務量、時間外労働の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内において、限度時間を超えない時間に限る」
 「36条4項 法改正(H31.04.01新規) 前項の限度時間は、1か月について45時間及び1年について360時間(32条の4(1年単位の変形労働時間制)の1項Aの対象期間として3か月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、1か月について42時間及び1年について320時間)とする」
⇒原則の(通常予見される)時間外労労働の限度時間は
・1箇月について45時間、1年について360時間
1年単位の変形労働時間制において、対象期間が3箇月を超える場合は、1箇月について42時間、1年について320時間
 「36条5項 法改正(H31.04.01新規) 1項の協定においては、2項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に3項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、1か月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間(2項Cに関して協定した時間を含め100時間未満の範囲内に限る)並びに1年について労働時間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め720時間を超えない範囲内に限る)を定めることができる。
 この場合において、1項の協定に、併せて2項Aの対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が1か月について45時間(32条の4(1年単位の変形労働時間制)の1項Aの対象期間として3か月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、1か月について42時間)を超えることができる月数((1年について6か月以内に限る)を定めなければならない」
⇒臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合における限度時間(特別条項)
45時間(1年単位の変形労働時間制で対象期間が3か月超の場合は42時間)を超える月数は年間6か月以内であって、全協定時間(2項Cで協定した時間を含め)
・1か月について、時間外労働+休日労働が100時間未満(100時間はだめ)
・1年間について、時間外労働が720時間以内
 「36条6項 法改正(H31.04.01新規) 使用者は、1項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。
@坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、1日について労働時間を延長して労働させた時間:2時間を超えないこと。
A1か月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間:100時間未満であること。
B対象期間の初日から1か月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の1か月、2か月、3か月、4か月及び5か月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の1か月当たりの平均時間:80時間を超えないこと

・上記の36条6項違反は、労使協定があっても罰則の対象となる。
・「労働者が、自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合には、その使用者が当該労働者の他社での労働時間も適正に把握する責務を有しており、上記@,A、Bの要件については、労働基準法38条に基づき通算した労働時間により判断する必要があること」(通達H30.09.07基発0907-1)
・坑内労働等は2時間超過(従来通り)
・1か月について、休日労働を含め100時間以上(100時間はだめ)
直前5か月複数月平均の1か月あたり時間労働時間+休日労働時間が80時間超過
 直近5か月複数月平均
とは、たとえば、9月についてチエックするときは、8月から9月までのの2か月平均、7月から9月までの3か月平均、6月から9月までの4か月平均、5月から9月までの5か月平均、4月から9月までの6か月平均を求め、いずれも80時間を超えないこと。
・なお、1年間について、時間外労働が720時間超過違反については、罰則はない。
 
 以下はいずれも「6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金」(119条@)
・36条協定あり、届け出ありでも36条6項違反
・36条協定なしあるいは届け出なしで時間外労働を行わせた(32条違反)
・36条協定なしあるいは届け出なしで休日労働を行わせた(35条違反)
チョッと補足(時間外労働の上限規制に関する法改正)
(1)法改正前までは、告示「労働時間の延長の限度等に関する基準」で以下のように規制
 36協定を締結し、届出ることとし、
@原則:限度時間は、1か月45時間、1年360時間など別表1とした。
A特別条項:「限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情(臨時的なものに限る)が生じたときに限り、上記の限度額を超えて延長できる」こととし、その上限はなかった。
B限度時間を超えた労働させた場合も、原則的には行政指導にとどまり罰則はなかった。(手続等の不備で32条違反とされる場合などはありうる)
(2)法改正後は、36条3項、4項、5項、6項において、36協定を締結し、届出ることとし、原則の限度時間および臨時的な限度時間いずれも、協定で定めることのできる上限値を法定化した。
@原則の限度時間は、1か月について45時間、1年について360時間(1年単位の変形労働時間制において対象期間が3か月を超える場合は、1か月について42時間、1年について320時間)
期間  限度時間( 通常予見される時間外労働)
右記以外  1年単位変形労働時間制
 (対象期間が3か月を超える場合)
1か月 45時間 42時間
1年 360時間 320時間

A特別条項:通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に上記の限度時間を超えて労働させる必要がある場合
・45時間(42時間)を超える月数が年間6か月以内、かつ
協定時間を含め、1か月について時間外労働+休日労働が100時間未満
・協定時間を含め、1年間について時間外労働が720時間以内
B36条協定を締結し届け出た場合であっても、以下の場合は、新たに罰則が適用されることに。
 1か月について、休日労働を含め100時間以上
 あるいは直前5か月において、複数月平均の1か月あたり労働時間+休日労働時間が80時間超過
 転勤者に対する時間外労働の上限規制(通達基発1228-15、H30.12.28)
 「法36条4項に規定する(通常予見される)限度時間及び、同条5項に規定する1年についての(通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴う臨時的な)延長時間の上限は、事業場における時間外・休日労働協定の内容を規制するものであり、特定の労働者が転勤した場合は通算されない。
 これに対して、同条6項2号(1か月について時間外労働+休日労働が100時間未満)及び3号(直前5か月複数月平均の1か月あたり時間労働時間+休日労働時間が80時間以下)の時間数の上限は、労働者個人の実労働時間を規制するものであり、特定の労働者が転勤した場合は法38条1項の規定により通算して適用される 」
 時間外・休日労働に関する指針(36条の続きその2)法改正(H31.04.01、7項、8項、9項はいずれも旧2項、3項、4項の書き換え、10項は新規)
 「36条7項 法改正(H31.04.01) 厚生労働大臣は、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して指針を定めることができる」
労働基準法36条1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針
⇒これまであった限度基準とは異なり、指針の中で限度時間を設定しているのではない。
⇒「指針は、時間外・休日労働を適正なものとするために留意すべき事項等を定めたものであり、法定要件を満たしているが、指針に適合しない時間外・休日労働協定であっても、直ちには無効とはならないが、9項の規定に基づく助言及び指導の対象になる」
 「36条8項 法改正(H31.04.01) 1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長及び休日の労働を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の指針に適合したものとなるようにしなければならない」
 「36条9項 法改正(H31.04.01)行政官庁は、7項の指針に関し、1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる」
 「36条10項 法改正(H31.04.01新規) 前項の助言及び指導を行うに当たつては、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」
 時間外・休日労働に関する上限規制の適用除外(36条の続きその3)
 「36条11項 法改正(H31.04.01、新規) 3項から5項まで及び6項(A及びBに係る部分に限る)の規定は、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない」
⇒医師の面接指導(安全衛生法66条の8の2の改正)、代替休暇の付与などの健康確保措置を設けた上で、上限規制(3項4項5項6項(坑内労働等は除く)は適用しない。
 その他の適用除外・暫定措置、経過措置 
@建設事業:
・5年間(令和6年3月1日まで)は、新上限規制(3項4項5項6項(坑内労働等は除く))は適用しない。
・ただし、災害時における復旧及び復興の事業等については、5年後においても当分の間、一部例外が設けられる予定。
A自動車運転の業務:
・5年間は、36条2項4号は「対象期間における1日1日を超え3か月以内の範囲で協定をする使用者及び労働組合若しくは労働者の過半数を代表する者が定める期間並び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数」とし、
・新上限規制(3項4項5項6項(坑内労働等は除く))は適用しない。
・ただし、その後も当分の間は、一部例外(年間960時間を定めることができる等)が設けられる予定。
B医師(医療提供体制の確保に必要な者として厚生労働省令で定める者に限る):
・5年間は、36条2項4号は「対象期間における1日1日を超え3か月以内の範囲で協定をする使用者及び労働組合若しくは労働者の過半数を代表する者が定める期間並び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数」とし、
・新上限規制(3項4項5項6項(坑内労働等は除く))は適用しない。
・ただし、その後も当分の間は、3項の中の「限度時間」は「限度時間並びに労働者の健康及び福祉を勘案して厚生労働省令で定める時間」とし、5項6項(坑内労働等は除く)は適用しない。
C鹿児島県・沖縄県における砂糖製造業:
・5年間は、
5項は「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に3項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、1か月、及び1年について、労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数を定めることができる」とし、6項(坑内労働等は除く)は適用しない。(すなわち、1か月100時間未満、複数月平均80時間は適用しない)
 その他の経過措置 。
D時間外及び休日の労働に係る協定に関する経過措置(働き方改革関連法附則2条)
 「改正後の労働基準法36条の規定は、平成31年4月1日以後の期間のみを定めている協定について適用し、同年3月31日を含む期間を定めている協定については、当該協定に定める期間の初日から起算して1年を経過する日までの間については、なお従前の例による」
⇒平成31年3月31日までに、令和元年4月1日を含む(旧)協定を締結している場合は、その協定期間中の1年間を経過してから、上限規制が適用される。
 よって、令和2年4月1日以降はこの経過措置は無効。
E中小事業主に関する経過措置(働き方改革関連法附則3条) 法改正
 「中小事業主の事業に係る協定についての前条の規定の適用については、平成32年4月1日からとする」

・時間外労働の上限規制は、中小事業主に対しても、令和2年4月1日以降は適用されることに。
・ただし、令和2年3月31日までに、令和2年4月1日を含む(旧)協定を締結している場合は、その協定期間中の1年間を経過してから、上限規制が適用される。 
13

 労働基準法第36条においては、行政官庁は、同条第7項の規定に基づいて定められる指針(労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針)に関し、「第1項の協定をする使用者及び| A  |に対し、必要な| B |及び指導を行うことができる」旨定められている。(H31改)(基礎)
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11
3A
 時間外・休日労働の協定を締結する使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、時間外・休日労働の協定で定める労働時間の延長の限度等について労働基準法第36条3項、4項、5項に基づく上限規制に適合したものとなるように努めなければならず、これに適合しない場合は、所轄労働基準監督署長による指導を受けることになる。(H31改)
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正しい 誤り

2
6C
 労働基準法第36条第3項に定める「労働時間を延長して労働させることができる時間」に関する「限度時間」は、1か月について45時間及び1年について360時間(労働基準法第32条の4第1項第2号の対象期間として3か月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあっては、1か月について42時間及び1年について320時間)とされている。(基礎)
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12
5B
 労働基準法第36条第4項に定められた1か月45時間及び1年について360時間の限度時間を超える時間を定める労使協定は、無効ではないが、所轄労働基準監督署長による指導を受けることになる。(H31改)(令2-6C関連)
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12
7B
 労働基準法第36条5項の規定に基づき、時間外労働・休日労働に係る労使協定において協定し届け出られた延長することができる時間数を超えて労働させることは、個別の労働者の同意を得た場合であっても、違法とされ、罰則の適用がありうる。(H31改)
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12
7C
 労働基準法における女性の時間外労働に関する規定は平成11年4月に廃止されたが、子の養育又は家族の介護を行う者については、平成14年3月31日までの間、労働基準法旧36条第2項に基づく1年間の労働時間の延長の限度についての厚生労働大臣の定める基準は、360時間を超えないようにしなければならないものとされていた。その後、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」において、同様な規定が設けられている。(H31改)(発展)

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非常災害時等時間外労働 3.非常災害時等時間外労働(33条) 
 「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない」
 「2項 前項ただし書の規定による届出があった場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる」
 「3項 公務のために臨時の必要がある場合においては、1項の規定にかかわらず、官公署の事業に従事する国家公務員及び地方公務員については、労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる」  
⇒3項の場合は、行政官庁の許可は不要。
 「公務のために臨時の必要があるか否かについての認定は、使用者たる当該行政庁に委ねられており、広く、公務のための臨時の必要を含む」(S23.9.20基収3352)
 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等に係る許可基準の一部改正について
 (基発0607第1号、令和元年6月7日)法改正(R01.06.07)
・「地震、津波、風水害、雪害、爆発、火災等の災害への対応(差し迫った恐れがある場合における事前の対応を含む)、急病への対応その他の人命又は公益を保護するための必要は認めること」が追加された。
 全容は基礎・発展講座のこちらを。
22
4D
 労働基準法第33条1項に定める災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働、休日労働については、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において行わせることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならないとされている。(基礎)

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11
3E
 使用者は、労使協定の締結がなくとも、災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、行政官庁の許可を受けることにより、法定労働時間を超えて労働させることができるが、事態急迫のために許可を受ける時間的余裕がない場合、当該年度の終了時までに行政官庁に報告すれば足りる。(22-4Dの類型)

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