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 確定拠出年金法その2 (運用、給付)
別ページ掲載:目的・定義企業型年金個人型年金確定給付企業年金法
関連過去問 14-10C14-10E17-9E20-7B25-8D25-8E27-8E29-9D令5-6C
22-2選択令元ー4選択令4-2選択
関連条文等 
(1)企業型:事業主の責務(22条)、運用の方法の選定及び提示(23条)、指定運用方法の選定(23条の2)、運用の方法に係る情報の提供(24条)、指定運用方法に係る情報の提供(24条の2)、運用の指図(25条)、指定運用方法が提示されている場合の運用の指図の特例(25条の2)、個人別管理資産額の通知等(27条)
 給付の種類(28条)、裁定(29条)、給付の額(30条)
 老齢給付金(企業型年金):支給要件(33条)、75歳到達時の支給(34条)、支給の方法(35条)
 障害給付金(企業型年金):支給要件(37条)
 
死亡一時金(企業型年金):支給要件(40条)、遺族の範囲及び順位(41条)
   脱退一時金(附則2条の2) 
 事業主の行為準則(43条)、企業型年金の終了(45条46条)、報収集等業務及び資料提供等業務の委託(48条の2)、企業年金連合会の業務の特例(48条の3)、 報告書の提出(50条)、報告の徴収等(51条)、事業主に対する監督(52条)
 移換等について:他の制度の資産の移換(54条)、脱退一時金相当額等の移換(54条の2)、他の制度の資産等の移換があった場合の運用の指図の特例(54条の3)、確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換(54条の4) 、企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の移換(54条の5)、退職金共済契約の被共済者となった者等の個人別管理資産の移換(54条の6)
(2)個人型:運営管理業務の委託(60条)、個人型年金の運用・給付(準用規定)(73条)、連合会移換者への給付(73条の2)、連合会による給付(国民年金基金連合会の「個人型規約」)
 脱退一時金(附則3条)
   移換等について:連合会の業務の特例(74条)、脱退一時金相当額等又は残余財産の移換(74条の2)、脱退一時金相当額等又は残余財産の移換があった場合の運用の指図の特例(74条の3)、確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換(74条の4)
(3)個人型・企業型年金の個人別管理資産の移換
 企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換(80条)、企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換があった場合の運用の指図の特例(81条)、個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換(82条)、個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換があった場合の運用の指図の特例(82条の2)、その他の者の個人別管理資産の移換(83条)






























1.運用(企業型)
 事業主の責務(22条) 法改正(H30.05.01)
 「事業主は、その実施する企業型年金の企業型年金加入者等に対し、これらの者が行う運用の指図に資するため、資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置を継続的に講ずるよう努めなければならない」
⇒加入者に対する投資教育は、制度導入時だけでなく、その後も継続的に行うように努力義務が課せられている。
 「2項 法改正(H23.08.10) 事業主は、前項の措置を講ずるに当たっては、企業型年金加入者等の資産の運用に関する知識を向上させ、かつ、これを運用の指図に有効に活用することができるよう配慮するものとする」
 運用の方法の選定及び提示(23条) 法改正(H30.05.01)
 「企業型年金加入者等に係る運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(運用関連業務を行う事業主を含む)は、政令で定めるところにより、次に掲げる運用の方法のうち政令で定めるもの(対象運用方法)を企業型年金加入者等による適切な運用の方法の選択に資するための上限として政令で定める数(35)以下で、かつ、3以上(簡易企業型年金の運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関(運用関連業務を行う事業主を含む)にあっては、2以上)で選定し、企業型年金規約で定めるところにより、企業型年金加入者等に提示しなければならない」
@銀行その他の金融機関を相手方とする預金又は貯金の預入  
A信託会社又は信託業務を営む金融機関への信託
B有価証券の売買
C生命保険会社又は農業協同組合その他政令で定める生命共済の事業を行う者への生命保険の保険料又は生命共済の共済掛金の払込み
D損害保険会社への損害保険の保険料の払込み
E前各号に掲げるもののほか、投資者の保護が図られていることその他の政令で定める要件に適合する契約の締結
  「同2項 法改正(H30.05.01追加) 前項の規定による運用の方法の選定は、その運用から生ずると見込まれる収益の率、収益の変動の可能性その他の収益の性質が類似していないことその他政令で定める基準に従って行われなければならない」。
 「同3項 企業型運用関連運営管理機関等は、前2項の規定により運用の方法の選定を行うに際しては、資産の運用に関する専門的な知見に基づいて、これを行わなければならない」

 指定運用方法の選定(23条の2) 法改正(H30.05.01新規)
 「企業型運用関連運営管理機関等は、企業型年金規約で定めるところにより、前条1項の規定により提示する運用の方法のほか、対象運用方法のうちから一の運用の方法を選定し、企業型年金加入者に提示することができる」
 「同2項 前項の規定により選定した運用の方法(指定運用方法)は、長期的な観点から、物価その他の経済事情の変動により生ずる損失に備え、収益の確保を図るためのものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものでなければならない」
 指定運用方法の選定(施行規則19条) 法改正(H30.05.01全面改訂)
 「法23条の2の2項の厚生労働省令で定める基準は、高齢期における所得の確保のために、長期的な観点から、次の各号のいずれにも該当することとする」
@運用の方法に係る物価、外国為替相場、金利その他経済事情の変動に伴う資産価格の変動による損失の可能性について、実施事業所に使用される企業型年金加入者の集団の属性等に照らして、許容される範囲内であること。
A当該運用の方法による運用から生ずると見込まれる収益(当該運用の方法に係る手数料、信託報酬その他これらに類する費用を控除したものをいう)について、当該集団に必要とされる水準が確保されると見込まれること。
B上記@の損失の可能性が、Aの見込まれる収益に照らして合理的と認められる範囲内のものであること。
C当該運用の方法に係る手数料、信託報酬その他これらに類する費用の額の合計額が、Aの見込まれる収益に照らし、過大でないこと。

 指定運用方法とは、加入者による個人別管理資産の運用の指図がない状態を回避するために、運用の指図が行われるまでの間に適用する運用の方法であり、運営管理機関等はこれを提示することができる。

 運用の方法に係る情報の提供(24条)
 「企業型運用関連運営管理機関等は、厚生労働省令で定めるところにより、23条1項の規定により提示した運用の方法について、これに関する利益の見込み及び損失の可能性その他の企業型年金加入者等が25条1項の運用の指図を行うために必要な情報を、当該企業型年金加入者等に提供しなければならない」
 指定運用方法に係る情報の提供(24条の2) 法改正(H30.05.01新規)
 「企業型運用関連運営管理機関等は、23条の2の1項の規定により指定運用方法を選定し、提示した場合は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項に係る情報を企業型年金加入者に提供しなければならない」
@指定運用方法に関する利益の見込み及び損失の可能性
A指定運用方法を選定した理由
B25条の2の2項の事項
Cその他厚生労働省令で定める事項
 運用の指図(25条) 法改正((H30.05.01、若干の字句の修正)
 「企業型年金加入者等は、企業型年金規約で定めるところにより、積立金のうち当該企業型年金加入者等の個人別管理資産について運用の指図を行う」
⇒企業型年金加入者等とは、企業型年金加入者と企業型年金運用指図者のこと。
 「同2項 前項の運用の指図は、23条1項の規定により提示された運用の方法(23条の2の1項の規定により指定運用方法が提示された場合にあっては、当該指定運用方法を含む)の中から一又は二以上の運用の方法を選択し、かつ、それぞれの運用の方法に充てる額を決定して、これらの事項を企業型記録関連運営管理機関等に示すことによって行うものとする」
⇒運用の指図は、提示された運用方法の中から、1つあるいは複数の運用方法を選定し、充当する額を決定して、記録関連運営管理機関等に示すことにより行われる。
 「同3項 企業型記録関連運営管理機関等は、運用の指図を受けたときは、政令で定めるところにより、同時に行われた運用の指図を23条1項の規定により提示された運用の方法ごとに取りまとめ、その内容を資産管理機関に通知するものとする」
⇒運用の指図を受けた記録関連運営管理機関等はその内容を資産管理機関に通知する。
 「同4項 資産管理機関は、前項の通知があったときは、速やかに、同項の通知に従って、それぞれの運用の方法について、契約の締結、変更又は解除その他の必要な措置を行わなければならない」
⇒通知を受けた資産管理機関は、それに従って運用を行う契約の締結、変更などを行う。
  指定運用方法が提示されている場合の運用の指図の特例(25条の2) 法改正(H30.05.01新規)
 「次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日から起算して3月以上で企業型年金規約で定める期間(特定期間という)を経過してもなお企業型記録関連運営管理機関等が企業型年金加入者から運用の指図を受けないときは、当該企業型記録関連運営管理機関等は、同項の事項及び当該指定運用方法を当該企業型年金加入者に通知しなければならない」
@23条の2の1項の規定により指定運用方法が提示されている場合であって、企業型年金加入者がその資格を取得したとき:その後最初に事業主掛金又は企業型年金加入者掛金(事業主掛金等)の納付が行われた日
A企業型年金加入者がその資格を取得している場合であって、23条の2の1項の規定により指定運用方法が提示されたとき:その後最初に事業主掛金等の納付が行われた日
 「同2項 前項の規定による通知を受けた企業型年金加入者が特定期間を経過した日から2週間以上で企業型年金規約で定める期間(猶予期間という)を経過してもなお運用の指図を行わないときは、当該企業型年金加入者は、当該通知に係る指定運用方法を選択し、かつ、当該指定運用方法にその未指図個人別管理資産の全額を充てる運用の指図を行ったものとみなす」
 「同3項 前項の「未指図個人別管理資産」とは、個人別管理資産のうち、1項の規定による通知に係る猶予期間が終了する日までに運用の指図が行われていないもの及び同日後に納付される事業主掛金等について運用の指図が行われていないものをいう」

・運用方法を指図できる(指図しなければならない)にもかかわらず、3か月の特定期間を経過しても加入者が運用の指図をしない場合は、その旨を通知しなけれなならない。
・上記の通知後一定の猶予期間を経過してもなお運用の指図をしない場合は、指定運用方法で運用するよう指図が行われたとみなされ、以後そのように、ことが運ばれる。
 個人別管理資産額の通知等(27条)
 「企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも1回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を当該企業型年金加入者等に通知しなければならない」
⇒企業型記録関連運営管理機関等とは、記録関連業務を行う機関(事業主が委託した運営管理機関あるいは運営管理機関が再委託した記録専門の機関)あるいは記録関連業務を自らが行っている事業主のこと。
 「同2項 法改正(R04.10.01追加) 企業型記録関連運営管理機関等は、企業型年金加入者等に係る掛金の拠出の状況その他の厚生労働省令で定める事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって厚生労働省令で定めるものにより、当該企業型年金加入者等が閲覧することができる状態に置かなければならない」
運用の
指図
25
8D
 企業型年金加入者及び企業型年金運用指図者(以下「企業型年金加入者等」という)は、企業型年金規約で定めるところにより、積立金のうち当該企業型年金加入者等の個人別管理資産について運用の指図を行う。(基礎)

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正しい 誤り
運用方法 14
10
E
 資産の運用の方法は、元本が確保される運用の方法として政令で定めるものでなければならない。

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正しい 誤り
個人別管理資産額
の通知
17
9E
 確定拠出年金法では、企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも一回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を当該企業型年金加入者等に通知しなければならない、と規定している。(基礎)

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正しい 誤り
25
8E
 企業型記録関連運営管理機関等は、毎年少なくとも1回、企業型年金加入者等の個人別管理資産額その他厚生労働省令で定める事項を当該企業型年金加入者等に通知しなければならない。(17-9Eの類型)

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正しい 誤り






























2.給付と裁定(企業型年金)
 給付の種類(28条)
 「企業型年金の給付は、@老齢給付金、A障害給付金、B死亡一時金とする」
 裁定(29条)
 「給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、企業型記録関連運営管理機関等が裁定する」
 「同2項 企業型記録関連運営管理機関等は、前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を資産管理機関に通知しなければならない」
 給付の額(30条)
 「給付の額は、企業型年金規約で定めるところにより算定した額とする」

確定拠出年金  老齢給付金障害給付金死亡一時金が基本
 「当分の間、一定の要件に該当する者に脱退一時金を支給する」(附則3条)
 離職、転職時に個人別管理資産を移換することができるポータビリティの高い制度といわれており、脱退一時金は確定給付企業年金ほど重視されてはいない。
確定給付企業年金  老齢給付金脱退一時金が基本。
 規約により、障害給付金、遺族給付金の給付も可能。
2.1 老齢給付金(企業型年金) 支給要件(33条) 法改正(R04.05.01)
 「企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限り、当該企業型年金の障害給付金の受給権者又は他の企業型年金の企業型年金加入者を除く)であって,
  次の各号に掲げるものが、それぞれ当該各号に定める年数又は月数以上の通算加入者等期間を有するときは、
 その者は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型記録関連運営管理機関等に老齢給付金の支給を請求することができる。
 ただし、企業型年金加入者であった者であって60歳以上75歳のものは、通算加入者等期間を有しない場合であっても、企業型年金加入者となった日その他の厚生労働省令で定める日から起算して5年を経過した日から企業型記録関連運営管理機関等に老齢給付金の支給を請求することができる」 
 60歳以上61歳未満   10年
 61歳以上62歳未満    8年
 62歳以上63歳未満    6年
 63歳以上64歳未満    4年
 64歳以上65歳未満    2年
 65歳以上    1月


@企業型年金の障害給付金受給権者のほか、他の企業型年金の企業型年金加入者は、その間、老齢給付金は支給されない
A企業型年金に個人別管理資産がある者であって、表の通算加入者等期間(60歳到達日前日が属する月以前の期間に限る)を満足する年齢に達したときは、企業型記録関連運営管理機関等に老齢給付金を請求できる。
B通算加入者等期間に足りない者であっても、60歳以上75歳であれば、企業型年金加入者となった日等から起算して5年を経過すれば、老齢給付金を請求することができる。 
C老齢給付金を請求できるのに、請求しないまま75歳に達したときは、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金が自動的に支給される。(75歳到達時の支給34条)
 「33条2項 1項の通算加入者等期間とは、政令で定めるところにより1項に規定する者の次に掲げる期間(その者が60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る)を合算した期間をいう」
 @企業型年金加入者期間
 A企業型年金運用指図者期間
 B個人型年金加入者である期間(個人型年金加入期間)
 C個人型年金運用指図者である期間(個人型年金運用指図者期間)
   ただし、施行令18条により、企業型年金の個人別管理資産を移換した場合は、その該当期間は通算加入者等期間にはカウントされない。 

   「33条3項 1項の請求があったときは、資産管理機関は、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づき、その請求をした者に老齢給付金を支給する」
 通算加入者等期間の計算(施行令18条)
 「法33条2項の規定により同条1項の通算加入者等期間を算定する場合において、同一の月が同時に2以上の同条2項各号に掲げる期間の算定の基礎となるときは、その月は、同項各号に掲げる期間のうち一つの期間についてのみ、その算定の基礎とするものとする。
 「同2項 法54条の4の2項(個人別管理資産の確定給付企業年金への移換)若しくは54条の5の2項(個人別管理資産の連合会への移換)又は中小企業退職金共済法31条の3の1項(確定給付企業年金又は企業型年金加入者の個人別管理資産の勤労者退職金機構への移換)に規定により、企業型年金の個人別管理資産を移換した場合には、当該個人別管理資産の移換の日の翌日が属する月の前月までの期間のうち当該個人別管理資産に係る次の各号に掲げる期間は、法33条1項の通算加入者等期間の算定の基礎としないものとする。
@企業型年金の企業型年金加入者期間(企業型年金の企業型年金規約に基づいて納付した事業主掛金又は企業型年金加入者掛金に係る企業型年金加入者期間に限る)
A個人型年金の個人型年金加入者期間(個人型年金の個人型年金規約に基づいて納付した個人型年金加入者掛金に係る個人型年金加入者期間に限る)
B法54条2項(他の制度の資産の移換)により法54条2項の規定により法33条1項の通算加入者等期間に算入された期間  
C法54条の2の2項(脱退一時金相当額の移換)の規定により法33条1項の通算加入者等期間に算入された期間
D法74条の2の2項(脱退一時金相当額等の移換)の規定により法第73条において準用する法33条1項の通算加入者等期間に算入された期間

 通算加入者等期間を有しない場合における老齢給付金の支給請求に係る起算日(施行規則22条の3)法改正(R04.05.01新規)
 「法33条1項ただし書の厚生労働省令で定める日は、企業型年金加入者となった日(2以上あるときは、当該日(企業型年金の個人別管理資産に係る脱退一時金の支給を受けたとき、当該資産を移換したとき、その他の当該日を同項ただし書の厚生労働省令で定める日とすることが適当でないと厚生労働大臣が認める場合にあっては、当該場合に係る日を除く)のうち、最も早い日)とする。
 ただし、企業型年金加入者となった日が、企業型年金加入者であった者が60歳に到達した日前である場合にあっては、当該者が60歳に到達した日とする」
 75歳到達時の支給(34条) 法改正(R04.04.01)
 「企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る) が前条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく75歳に達したときは、資産管理機関は、その者に、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する」
⇒R04.04.01の法改正により、70歳到達時から75歳到達時に
 支給の方法(35条)
 「老齢給付金は、年金として支給する」 
 「2項 老齢給付金は、企業型年金規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、前項の規定にかかわらず、一時金として支給することができる」 
⇒規約に定めがあれば、全額年金、全額一時金、年金と一時金の併用を選択できる。
⇒年金の場合、年金額と受給年数を自ら選択する。
⇒資産がなくなればそれで受給も終了。
 失権(36条)
 「老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する」 
@受給権者が死亡したとき。
A当該企業型年金の障害給付金の受給権者となったとき。
⇒企業型年金の老齢給付金と障害給付金は併給できない。いずれか一つ。
B当該企業型年金に個人別管理資産がなくなったとき
老齢給付金
5
6C
 企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)が確定拠出年金法第33条の規定により老齢給付金の支給を請求することなく75歳に達したときは、資産管理機関は、その者に、企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する。

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正しい 誤り
  2.2 障害給付金(企業型年金)支給要件(37条) 法改正(R04.04.01、1項、2項において70歳から75歳に)
 「企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(傷病という)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(初診日という)から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)とし障害認定日という)から75歳に達する日の前日までの間において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができる」

・障害認定日において、政令で定める程度の障害状態(2級以上)に該当したときは、厚生年金法でいう通常の(2級以上の)障害厚生年金に相当する障害給付金を請求できる。
・また、障害認定日から75歳に達する日の前日までの間に悪化して、政令で定める程度の障害状態(2級以上)に該当したときは、厚生年金法でいう事後重症(ただし、厚年法の場合は75歳ではなく65歳)による障害厚生年金に相当する障害給付金を請求できる。 

 「2項 企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(基準傷病という)に係る初診日において基準傷病以外の傷病により障害の状態にある場合であって、基準傷病に係る障害認定日から75歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害と他の障害とを併合して前項の政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る)は、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができる」
⇒「基準傷病以外の傷病(先発傷病)だけでは2級以上にはならなかったが。後発の基準傷病(初診日と障害認定日が確定)が発生し、この障害認定日から75歳に達する日の前日までの間に、先発傷病による障害と基準傷病による障害を併合して、2級以上に該当したときは、厚生年金法でいう初めて2級による障害厚生年金(ただし、厚年法の場合は75歳ではなく65歳)に相当する障害給付金が請求できる。
 政令で定める程度の障害の状態(施行令19条)
 「国民年金法30条2項に規定する障害等級(1級又は2級)に該当する程度の障害の状態とする」
 支給の方法(38条)
 「障害給付金は、年金として支給する」
 「2項 障害給付金は、企業型年金規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、一時金として支給することができる」

@障害給付金は60歳から受給できる老齢給付金を60歳になる前から受給できるというイメージ(障害の程度が軽減して受給要件を満たさない程度になったとしても、受給を続けることができる)
A規約の定めるところに従って、自己の有する資産を全額を一時金として受給するか、あるいは年金として受給するか(その場合の一時金と年金の割合、受給年数などは自らが選択する)
B資産がなくなれば当然、それで受給は終了。 
2.3 死亡一時金(企業型年金)支給要件(40条)
 「 死亡一時金は、企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者が死亡したときに、
 その者の遺族に、資産管理機関が企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、支給する」
⇒まだ残っている資産を一時金として受給する。
 遺族の範囲及び順位(41条)
 「死亡一時金を受けることができる遺族は、次に掲げる者とする。
 ただし、死亡した者が、死亡する前に、配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹のうちから死亡一時金を受ける者を指定してその旨を企業型記録関連運営管理機関等に対して表示したときは、その表示したところによるものとする」
 @ 配偶者
 A 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、死亡の当時生計を維持されていたもの 
 B 前号に掲げる者のほか、死亡の当時生計を維持されていた親族 
 C 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、生計維持条件を満足しない者
 「4項 死亡一時金を受けることができる遺族がないときは、個人別管理資産額は、死亡した者の相続財産とみなす」
  2.4 脱退一時金
 企業型年金の脱退一時金(附則2条の2) 法改正(R04.05.01)、法改正(H17.1.1新設) 
 「当分の間、次の各号のいずれにも該当する企業型年金加入者であった者又は1号及び3号並びに次条1項各号(7号を除く)のいずれにも該当する企業型年金加入者であった者は、当該企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等に、脱退一時金の支給を請求することができる」
@企業型年金加入者、企業型年金運用指図者、個人型年金加入者又は個人型年金運用指図者でないこと。 
A当該請求した日における個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額が、政令で定める額(15,000円)以下であること。
B最後に当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して6月を経過していないこと。

 チョッと補足(企業型年金の脱退一時金⁾
@1号、2号、3号いずれにも該当する者:
 
企業型年金の加入者でなくなったときは、それまでの個人別管理資産を個人型年金や他の企業型年金などに移換して、将来の給付に役立てることができるが、資産の額が15,000円以下であるときは、資格喪失後6か月以内であれば、企業型年金の脱退一時金として清算することができる。
A1号、3号ならびに附則3条1項(個人型年金の脱退一時金の支給要件の各号(7号を除く)いずれにも該当する者
 企業型年金の加入者でなくなったとき、個人別管理資産の額が15,000円を超える者が、個人型年金の脱退一時金の支給要件を7号を除いて満足している(企業型年金の加入者であった外国人が退職して帰国した場合などの)ときは、個人型年金に資産を移換しなくても、資格喪失後6か月以内であれば、企業型年金の脱退一時金として清算することができる。

 「同3項 脱退一時金の額は、1項の請求をした者の個人別管理資産額として政令で定める額とする」

 「同4項 脱退一時金の支給を受けたときは、その支給を受けた者の支給を受けた月の前月までの企業型年金加入者期間及び企業型年金運用指図者期間並びに個人型年金加入者期間及び個人型年金運用指図者期間は、33条2項の規定にかかわらず、同条1項の通算加入者等期間に算入しない」 
14
10
C
 企業型年金の給付は、@老齢給付金、A障害給付金、B死亡一時金がある。(基礎)

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正しい 誤り
障害給付金

4

 確定拠出年金法第37条第1項によると、企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)が、傷病について| E |までの間において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に企業型記録関連運営管理機関等に障害給付金の支給を請求することができるとされている。

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死亡一時金
4
2

 企業型確定拠出年金の加入者又は企業型確定拠出年金の加入者であった者(当該確定拠出年金に個人別管理資産がある者に限る)が死亡したときは、その者の遺族に、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持されていなかった配偶者及び実父母、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持されていた子、養父母及び兄弟姉妹がいた場合、死亡一時金を受け取ることができる遺族の第1順位は、| B |となる。
 ただし、死亡した者は、死亡する前に死亡一時金を受ける者を指定してその旨を企業型記録関連運営管理機関等に対して表示していなかったものとする。
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退


20
7B
 企業型年金の給付は、老齢給付金、障害給付金及び死亡一時金があるほか、当分の間、確定拠出年金法の定める一定の要件に該当する者は、脱退一時金の支給を請求することができるとされている。

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正しい 誤り










2.5 その他の規定および雑則
 事業主の行為準則(43条)
 「事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び企業型年金規約を遵守し、企業型年金加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない」

 企業型年金の終了(45条)
 「企業型年金は、次の各号のいずれかに該当するに至った場合に終了する」
@次条1項の承認があったとき。
A47条の規定により企業型年金規約の承認の効力が失われたとき。
 事業主の死亡、法人の解散、厚生年金適用事業所の事業主でなくなったとき
B52条2項の規定により企業型年金規約の承認が取り消されたとき。

 「46条 事業主は、企業型年金を終了しようとするときは、実施事業所に使用される第1号等厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、ないときは当該第1号等厚生年金被保険者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働大臣の承認を受けなければならない」

  情報収集等業務及び資料提供等業務の委託(48条の2) 法改正(H28.07.01)、法改正(H23.08.10)
 「事業主は、給付の支給を行うために必要となる企業型年金加入者等に関する情報の収集、整理又は分析の業務(運営管理業務を除く)及び企業型年金加入者等による運用の指図に資するために行う資産の運用に関する基礎的な資料の提供その他の必要な措置に係る業務(資料提供等業務)の全部又は一部を、企業年金連合会に委託することができる」

 企業年金連合会の業務の特例(48条の3) 法改正(H28.07.01)、法改正(H26.04.01)、法改正(H23.08.10)
 「企業年金連合会は、確定給付企業年金法の規定による業務のほか、前条(73条において準用する場合を含む)の規定による委託を受けて、情報収集等業務及び資料提供等業務を行うことができる」

 報告書の提出(50条)
 「事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、企業型年金に係る業務についての報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない」

 報告の徴収等(51条)
 「厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、事業主に対し、企業型年金の実施状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる」

  事業主に対する監督(52条)
 「厚生労働大臣は、前条の規定により報告を徴し、又は質問し、若しくは検査した場合において、事業主がその実施する企業型年金に関し法令、企業型年金規約若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、又は事業主の企業型年金の運営が著しく適正を欠くと認めるときは、期間を定めて、事業主に対し、その違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる」

 「同2項 事業主が前項の命令に違反したとき、又は企業型年金の実施状況によりその継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該事業主の企業型年金規約の承認を取り消すことができる」








































3.個人型年金の運用・給付
 
運営管理業務の委託(60条)
 
「連合会は、政令で定めるところにより、運営管理業務を確定拠出年金運営管理機関に委託しなければならない」
 
「2項 確定拠出年金運営管理機関は、正当な理由がある場合を除き、前項の規定による委託に係る契約の締結を拒絶してはならない」
 個人型年金の運用・給付(準用規定)(73条) 法改正(R02,06.05、資料提供等業務を追加)
 「企業型年金の運用の規定は、積立金のうち個人型年金加入者等の個人別管理資産の運用について、
企業型年金の給付の規定は、個人型年金の給付について、43条(事業主の行為準則)び48条の2(資料提供等業務に係る部分に限る)の規定は 連合会について準用する。
 この場合において、事業主の責務及び資料提供等業務の委託の規定において「事業主」とあり、運用の指図、裁定の通知、老齢給付金の支給、75歳到達時の支給、障害給付金の支給並びに死亡給付金の支給における規定において「資産管理機関」とあるのは、「連合会」と読み替えるほか、その他の必要な技術的読替えは、政令(施行令37条)で定める」

@個人型年金における加入者等の個人別管理資産の運用、給付については、企業型に準じて行われう。
Aそのための資産管理業務については、連合会が資産管理機関になって行うことができる(その一部については、他の者に委託することも可能)
B運営管理業務については、60条により、連合会はかならず確定拠出年金運営管理機関に委託しなければならない。
 ここで、「企業型運用関連運営管理機関等」は「個人型運用関連運営管理機関」に、「企業型記録関連運営管理機関等」は「個人型記録関連運営管理機関」に、「資産管理機関」は「国民年金基金連合会」に読み替える。
Cよって、たとえば「裁定」は個人型記録関連運営管理機関が行い、支給は「国民年金基金連合会」が行う。
 「73条の2 法改正(H26.01.01) (国民年金基金)連合会移換者については、個人型年金加入者であった者とみなして、前条(個人型年金の給付に係る部分に限る)の規定を適用する。
 この場合において、「企業型年金による給付の規定」とあるのは、「企業型年金による給付の規定(33条の支給要件の規定び障害給付金に係る規定を除く)」とする」
⇒連合会移換者の個人別資産は、連合会に移換されてしまっているので、「(個人型年金に加入したことがない者であっても)「個人型年金加入者であった者とみなし」て、連合会の案件となり、企業型年金の給付の規定に関する部分(ただし、老齢給付金の支給要件と障害給付金に係る規定を除く)が準用されて、企業型に準じて、連合会が行う。
⇒連合会移換者の詳細についてはこちらを。
 連合会による給付(国民年金基金連合会の「個人型規約」)
 企業型年金加入者であった者又は個人型加入者であった者への連合会による給付は、具体的には、国民年金基金連合会の「個人型規約」において以下のように定められている。
 ここで、「裁定業務を行う運営管理機関」は加入者であった者が自ら選定する。
 給付は連合会から(金融機関等に委託して)行われる。
 給付の裁定(個人型規約102条)
 「給付を受ける権利は、受給権者の請求に基づいて、裁定業務を行う運営管理機関が裁定する」
 「同2項 裁定業務を行う運営管理機関は、前項の規定により裁定をしたときは、遅滞なく、その内容を 連合会に通知しなければならない」
 給付の額(個人型規約103条)
 「給付の額は、次の各号に掲げる算定方法の基準に従って、運営管理機関が定め加入者等に 提示したところにより算定した額とする」
@年金として支給されるもの:個人別管理資産額及び支給予定期間(受給権者が請求日において運営管理機関が定め加入者等に提示したところにより申し出た5年以上20年以下の期間)を勘案して、算定されるものであること。
A一時金として支給されるもの:個人別管理資産額を勘案して算定されるものであること。
 老齢給付金の支給要件(個人型規約108条)
 「企業型年金加入者であった者又は個人型加入者であった者であって、次の各号に掲げる者(個人 型年金に個人別管理資産がある者に限り、個人型年金の障害給付金の受給権者を除く)が、それぞれ当該各号に定める年数又は月数以上の通算加入者等期間を有するときは、その者は、裁定業務を行う運営管理機関に老齢給付金の支給を請求することができる」
・年齢と必要とする通算加入者等機関は、企業型(33条)と同じ。
・通算加入者等期間の算定は、企業型(33条2項)と同じ。
 70歳到達時の支給(個人型規約110条) 法改正(R04.04.01、70歳は75歳に)
 「企業型年金加入者であった者又は個人型年金加入者であった者(個人型年金に個人別管理資産がある 者に限る)が老齢給付金の支給を請求することなく75歳に達したときは、 連合会は、その者に、裁定業務を行う運営管理機関の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する」
 「同2項 連合会移換者が75歳に達したときは、連合会は、その者に、特定運営管理機関(連合会移換者の記録管理等の業務を行う運営管理機関)の裁定に基づいて、 老齢給付金を支給する」
 「同3項 前項の老齢給付金は、一時金として支給し、その額については当該一時金の支給に係るすべて の個人別管理資産について現金化が完了した日における個人別管理資産額とする」
 障害給付金の支給要件(個人型規約118条) 法改正(R04.04.01、70歳は75歳に)
 「企業型年金加入者、個人型加入者又はこれらの者であった者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限る)が、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(初診日)から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)以下「障害認定日」という)から75歳に達する日の前日までの間において、その傷病により国民年金法に規定する障害等級の1級及び2級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に裁定業務を行う運営管理機関に障害給付金の支給を請求することができる」
3' 脱退一時金(附則3条) 法改正(R04.05.01)、法改正(H29..01.01)、法改正(H26.01.01) 法改正(H17.1.1改定) 
 「当分の間、次の各号のいずれにも該当する者は、個人型年金運用指図者にあっては個人型記録関連運営管理機関に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては連合会に、それぞれ脱退一時金の支給を請求することができる」
@60歳未満であること。
A企業型年金加入者でないこと。
B62条1項(個人型年金に加入できる者)各号に掲げる者に該当しないこと。
 たとえば、国民年金1号被保険者であって、保険料免除者(ただし、法定免除者にあっては、生活扶助等を受ける者に限る)は請求できる。
C国民年金法附則5条1項3号に掲げる者(日本国籍を有する者であって、国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの)に該当しないこと。
 たとえば、退職して帰国した外国人は請求できる。
D障害給付金の受給権者でないこと。
Eその者の通算拠出期間(企業型年金加入者期間(54条2項及び54条の2の2項の規定により通算加入者等期間に算入された期間がある者にあっては、当該期間を含む)及び個人型年金加入者期間(個人型年金加入者が納付した掛金に係る個人型年金加入者期間に限るものとし、74条の2の2項の規定により算入された73条の規定により準用する通算加入者等期間がある者にあっては、当該期間を含む)を合算した期間をいう)が政令(施行令60条)で定める期間内(1月以上5年以下)であること、又は請求した日における個人別管理資産の額として政令(で定めるところにより計算した額が政令(施行令60条3項)で定める額(25万円)以下であること。
⇒政令で定める額は、法改正(R03.04.01により、1月以上3年以下はから1月以上5年以下に
F最後に企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと。

チョッと補足(個人型年金脱退一時金)
@個人型年金は、60歳になるまでは、基本的には解約できない。
 その代わり、連合会に申し出て、掛金を拠出しない運用指図者になることができる。
Aただし、以下の要件いずれも満足する場合は、例外的に、運用指図者になるならないを問わず、60歳前に、解約して脱退一時金を受けることができる。
・企業型年金の加入者でなく、個人型年金には加入できる資格がない者
日本国籍を有する者で国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者(個人型年金への加入資格はあるが、本条の脱退一時金からは除外されている者)ではないこと。
障害給付金の受給権者でない
通算拠出期間が1月以上5年以下、又は個人別管理資産額が25万円以下
加入者資格喪失日から2年以内
Bなお、企業型年金のみの加入者で、資産が15,000円以下ときわめて小額の場合は、附則2条の2に該当すれば、企業型年金の脱退一時金を請求することができる。
22
2
選択
 確定拠出年金の個人型年金の給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金及び当分の間、次の各号のいずれにも該当する者が請求することができる| C |がある。
@60歳未満であること。
A企業型年金の加入者でないこと。
B個人型年金に加入できる者に該当しないこと。
C日本国籍を有する者等であって、国内に住所を有しない20歳以上65歳未満に該当しない者であること。
D障害給付金の受給権者でないこと。
Eその者の通算拠出期間(企業型年金加入者期間及び個人型年金加入者期間を合算した期間)が| D |以下であること、または請求した日における個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額が、| E |以下であること。
F最後に企業型年金加入者または個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと。
 当該| C |の支給の請求は、個人型年金運用指図者にあっては| B |に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては連合会に、それぞれ行うものとする。(R04改)

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29
9D
 確定拠出年金の個人型年金に加入していた者は、一定要件を満たした場合、脱退一時金を請求することができるが、この要件においては、通算拠出期間については4年以下であること、個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額については50万円未満であることとされている。(22-2選択の類型)

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正しい 誤り





















4.資産の移換(ポータビリティ)
4.1 企業型年金に関わる資産の移換等についての規定
 他の制度の資産の移換(54条) 法改正(H28.04.01)、法改正(H26.04.01)
 「企業型年金の資産管理機関は、政令で定めるところにより、当該企業型年金の実施事業所において実施される確定給付企業年金、中小企業退職金共済法に規定する退職金共済又は退職手当制度に係る資産の全部又は一部の移換を受けることができる」
 移換の受け入れが可能な資産(施行令22条) 法改正(H31.05.01、Cの追加)
@確定給付企業年金の積立金であって、確定給付企業年金法82条の2により企業型年金の資産管理機関に移換するもの(確定給付企業年金の加入者が負担した掛金を原資とする部分の移換に同意しない場合にあっては、本人負担分を除く)
A確定給付企業年金が終了した場合の残余財産であって、確定給付企業年金法82条の2の6項により企業型年金の資産管理機関に移換するもの(本人負担分の移換に同意しない場合にあっては、当該本人負担分を除く) 
B中小企業に該当しなくなったことにより退職金共済契約が解除された場合における中小企業退職金共済法16条の解約手当金に相当する額の範囲内の金額で厚生労働省令で定める金額であって 中小企業退職金共済法17条後段の規定により当該資産管理機関に移換するもの。
C合併等により退職金共済契約が解除された場合における中小企業退職金共済法31条の4に規定する解約手当金に相当する額であって、機構が当該資産管理機関に移換するもの
D労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにより定められる退職給与規程を改正し、又は廃止することにより資産管理機関に移換する資産(一定の金額範囲内の移換資産に限る)

@、A:確定給付企業年金を実施している事業主が確定拠出企業型を設立してそれ以後はこれに移行したい場合は、確定給付における積立金の一部を移換して、確定拠出に移行した加入者の個人型資産に充てることができる。(Aは、@において、確定給付企業年金を完全に終了する場合)
D:事業主にとっては退職給付債務が減少するメリット、従業員にとっては外部機関で積立がなされるメリットがある。
 一般的には、移換されるのは自己都合退職の場合の減額された退職金額であることが多い。
 「同2項 法改正(H26.01.01) 前項の規定により資産管理機関が資産の移換を受けたときは、各企業型年金加入者が当該実施事業所の事業主に使用された期間(当該企業型年金加入者が60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る)その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該企業型年金加入者に係る33条1項の通算加入者等期間に算入するものとする」

 他の制度による資産の移換を受けた場合は、それぞれの事業所において使用された期間(60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る)であって、それぞれの資産の額の算定のもとになった期間は、通算加入者等期間に算入することができる。
 脱退一時金相当額等の移換(54条の2) 法改正(H26.04.01)
 「企業型年金の資産管理機関は、政令で定めるところにより、脱退一時金相当額等(確定給付企業年金の脱退一時金相当額又は企業年金連合会の規約で定める積立金(確定給付企業年金法の積立金をいう)の移換を受けることができる」
 「同2項 法改正(H26.01.01) 前項の規定により資産管理機関が脱退一時金相当額等の移換を受けたときは、
 各企業型年金加入者等が当該厚生年金基金の設立事業所又は当該確定給付企業年金の実施事業所の事業主に使用された期間(当該企業型年金加入者が60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る)その他これに準ずる期間のうち政令で定めるものは、当該企業型年金加入者等に係る通算加入者等期間に算入するものとする」

 脱退一時金相当額等(確定給付企業年金の脱退一時金相当額、確定給付企業年金法の積立金)の移換を受けた場合は、それぞれの事業所において使用された期間(60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る)であって、移換を受けた脱退一時金等の額の算定のもとになった期間は、通算加入者等期間に算入することができる。
 他の制度の資産等の移換があった場合の運用の指図の特例(54条の3) 法改正(H30.05.01新規)
 「54条1項又は前条1項の規定により移換される資産又は脱退一時金相当額等がある場合における25条の2(指定運用方法が提示されている場合の運用の指図)の規定の適用については、同条3項の「未指図個人別管理資産」とは、個人別管理資産のうち、1項の規定による通知に係る猶予期間が終了する日までに運用の指図が行われていないもの、同日後に納付される事業主掛金等について運用の指図が行われていないもの及び同日後に54条1項又は54条の2の1項の規定により移換される資産又は脱退一時金相当額等について運用の指図が行われていないものをいう」とする」

 他の制度(確定給付企業年金、中小企業退職金共済、就業規則等に定められた退職金給与規定)から資産の移換、あるいは確定給付企業年金からの脱退一時金相当額等の移換がなされたが、運用の指図が一定期間行われないときは、指定運用方法が提示されていた場合はその運用方法が指図されたものとみなされる。
 確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換(54条の4) 法改正(H30.05.01新規)
 「企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)は、確定給付企業年金の加入者の資格を取得した場合であって、当該確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、当該企業型年金の資産管理機関からその個人別管理資産の移換を受けることができる旨が定められているときは、当該企業型年金の資産管理機関にその個人別管理資産の移換を申し出ることができる」

 企業型年金の加入者でまだ個人別資産を残している者が、転職等により確定給付の加入者資格を取得した場合であって、確定給付企業年金規約に移換を受けることができる旨定められているときは、それまでに積み立てられてきた資産を移換できる。
 企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の移換(54条の5) 法改正(R04.05.01新規)
 「企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限り、15条1項1号に規定する企業型年金運用指図者を除く)は、企業年金連合会の規約において、あらかじめ、当該企業型年金の資産管理機関からその個人別管理資産の移換を受けることができる旨が定められているときは、当該企業型年金の資産管理機関にその個人別管理資産の移換を申し出ることができる」
 「同2項 企業型年金の資産管理機関は、前項の規定による申出があったときは、企業年金連合会に当該申出をした者の個人別管理資産を移換するものとする」

 企業型年金加入者でそこに個人別管理資産がある者が、退職などをして、加入員でなくなったときは、企業年金連合会に規約がある限り、その資産を連合会に移換し、通算企業年金制度に入ることができる。
 退職金共済契約の被共済者となった者等の個人別管理資産の移換(54条の6) 法改正(R04.05.01、1条繰下げ)法改正(H30.05.01新規)
 「実施事業所の事業主が会社法その他の法律の規定による合併、会社分割その他の行為として厚生労働省令で定める行為(合併等)をした場合であって、当該合併等に係る事業主が、当該合併等により企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失した者を中小企業退職金共済法に規定する被共済者として退職金共済契約を締結するときは、当該事業主は、当該企業型年金加入者であった者の同意を得て、当該企業型年金の資産管理機関に独立行政法人勤労者退職金共済機構への当該同意を得た企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の移換を申し出ることができる」

 確定拠出企業型を実施している事業主が中小企業退職金共済(中退共)を実施している事業主と合併等を行った結果、確定拠出企業型と中退共の二つの制度が併存することになった場合に、引き続き中小企業であるので、中退共を実施することにした場合は、
 企業型加入者の資格喪失と資産移換に同意した者を、中退共の被共済者として退職金共済契約を締結し、資産管理運用機関に申し出ることにより、合併前までの個人別資産を機構(中退共側)に移換できる。





















4.2 個人型年金に関わる資産の移換等についての規定
 
連合会の業務の特例(74条)
 「国民年金基金連合会は、国民年金法の規定による業務のほか、1条に規定する目的を達成するため、この法律の規定による業務を行う」
. 脱退一時金相当額等又は残余財産の移換(74条の2) 法改正(R04.05.01、1項、2項とも)
 「連合会は、政令で定めるところにより、脱退一時金相当額等又は残余財産(確定給付企業年金法89条6項に規定する残余財産)の移換を受けることができる」 
⇒「脱退一時金相当額等」とは、確定給付企業年金の脱退一時金相当額又は企業年金連合会の規約で定める積立金(確定給付企業年金法の積立金)
⇒「確定給付企業年金法89条6項に規定する残余財産」とは、確定給付企業年金法の規約型企業年金が終了したときに、事業主等が制度終了者に分配する義務のある財産)

 国民年金基金連合会は、
・確定給付企業年金の中途脱退者が確定拠出年金の企業型又は個人型の加入者となったときに、確定給付企業年金法82条の3により脱退一金相当額の移換をうけるほか、
・確定給付企業年金法の規約型企業年金が終了したときは、事業主等はその残余財産を制度終了者に分配する義務があるが、その残余財産の移換を受けることができる。
 「同2項 前項の規定により連合会が脱退一時金相当額等又は残余財産の移換を受けたときは、各個人型年金加入者等が当該確定給付企業年金の実施事業所の事業主に使用された期間その他これに準ずる期間(当該個人型年金加入者が60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る)としてち政令で定めるものは、当該個人型年金加入者等に係る73条の規定により準用する33条1項の通算加入者等期間に算入するものとする」

 脱退一時金相当額等又は残余財産の移換があった場合の運用の指図の特例(74条の3) 法改正(R04.05.01、タイトル及び本文中の脱退一時金相当額等の後に「又は残余財産」を追加) 法改正(H30.05.01新規)
 「25条の2(指定運用方法が提示されている場合の運用の指図の特例)の規定は、前条1項の規定により移換される脱退一時金相当額等又は残余財産がある場合について準用する。
 この場合において、25条の2の3項中「納付される事業主掛金等」とあるのは、「74条の2の1項の規定により移換される脱退一時金相当額等又は残余財産」と読み替えるものよする」

 74条の2により、脱退一金相当額又は残余財産を国民年金基金連合会に移換したが、その後、運用の指図が一定期間なされないままになっている場合でかつ指定運用方法が提示されている場合は、指定運用方法を指図したものとして、運用が行われる。

 確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換(74条の4)法改正(H30.05.01新規)
 「個人型年金に個人別管理資産がある者は、確定給付企業年金の加入者の資格を取得した場合であって、当該確定給付企業年金の規約において、あらかじめ、連合会からその個人別管理資産の移換を受けることができる旨が定められているときは、連合会にその個人別管理資産の移換を申し出ることができる」

 個人型年金に個人別資産を残したまま確定給付の加入者資格を得た場合で、国民年金基金連合会からの移換を受ける旨の規約があるときは、連合会から確定給付企業年金側に資産を移換することができる。













































4.3 個人型・企業型年金の個人別管理資産の移換
 企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換(80条)法改正(H30.05.01、1項、2項一部改、3項追加)
 「次の各号に掲げる者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した場合において、甲企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等に対し、その個人別管理資産の移換を申し出たときは、当該各号に定める者は、当該申出をした者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする」
@乙企業型年金の企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者:乙企業型年金の資産管理機関
A個人型年金加入者又は個人型年金運用指図者:連合会

 企業型あるいは個人型年金の個人別資産がある者が、企業型年金のある会社に就職した場合は、その企業型に移換を申し出ることができる。

 「同2項 前項@に掲げる者(企業型年金の障害給付金の受給権を有する者を除く)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した場合であって、乙企業型年金の企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月を経過してもなお乙企業型年金に個人別管理資産があるときは、乙企業型年金の資産管理機関は、当該個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする」

 企業型のある前の会社を辞めたにもかかわらず、新会社の企業型に移換を申し出せず6か月を経過した場合は、自動的に移換の取り扱いとなる。(ただし、障害給付金の受給権を有する者は除く)

 「同3項 83条1項の規定によりその個人別管理資産が連合会に移換された者(個人型年金に個人別管理資産がある者に限り、個人型年金加入者及び個人型年金運用指図者を除く)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得したときは、連合会は、当該資格を取得した者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする」

 企業型年金加入者が資格喪失したが、6か月以内にどこにも資産を移換しなかったため国民年金基金連合会に自動移換されたが、あらたに企業型年金加入者の資格を取得したときは、連合会からその企業型年金の資産管理機関に資産を移換する。

 企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換があった場合の運用の指図の特例(81条) 法改正(H30.05.01新規)
 「前条1項から3項までの規定により移換される個人別管理資産がある場合における25条の2(指定運用方法が提示されている場合の運用の指図の特例)の規定の適用については、同条3項の未指図個人別管理資産に、猶予期間終了後に80条1項から3項までの規定により移換される個人別管理資産について運用の指図が行われていないものを加えたものとする」

 80条(企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換)によって移換された個人別管理資産で、猶予期間終了後に移換され運用の指図が行われていないものについては、未指図個人別管理資産として扱い、指定運用方法を選択し指図したものとして運用する。

 個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換(82条) 法改正(H30.05.01、旧81条を改正して82条に)
 「企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)が連合会に対し、その個人別管理資産の移換の申出をした場合であって、当該移換の申出と同時に62条1項(個人型年金の加入者となる申出)若しくは64条2項(運用指図者となる申出)による申出をしたときは、又は個人型年金加入者若しくは個人型年金運用指図者であるときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を連合会に移換するものとする」

・企業業型年金の加入者であった者が退職した場合、蓄積されてきた企業型年金の個人別管理資産は、原則として、60歳以降に老齢給付金を受給するまでは、引き出すことはできないので、いずれかに資産を移換して、資産を増み増すか、運用の指図者になって運用を続ける必要がある。
@退職後に個人型年金に加入する場合:運営管理機関を選択しそこを通じて、連合会に対し個人別管理資産の移換の申出と同時に個人型年金の加入者となる申出を行う。
 これにより、その申出者が有していた企業型年金の個人別資産は、企業型年金資産管理機関から連合会に移換される(実際には、連合会が、申出者が選択した個人型年金資産管理機関に委託する)。
 以降は、加入者として掛金を拠出し、資産の積み増しを行う。
A退職後に個人型には加入しない(加入できない)場合:運営管理機関を選択しそこを通じて、連合会に対し、その個人別管理資産の移換の申出と同時に運用指図者となる申出を行う。
 これによっても個人資産は、連合会に移換される。
 以降は、掛金を拠出することはできないが、「運用指図者」として、運営管理機関に指図して移換された個人別管理資産の運用を行う
B上記@、Aあるいはその他の移換手続きいずれも一定期間内に行わない場合は、83条により、自動的に連合会に移換される(自動移換)

 個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換があった場合の運用の指図の特例(82条の2) 法改正(H30.05.01新規)
 「25条の2(指定運用方法が提示されている場合の運用の指図の特例)の規定の適用については、前条1項の規定により移換される個人型年金加入者の個人別管理資産がある場合について準用する。この場合において、未指図個人別管理資産]は、猶予期間が終了する日までに運用の指図が行われていないもの及び同日後に移換される個人別管理資産と読み替えるものとする」

 その他の者の個人別管理資産の移換(83条) 法改正(R04.05.01、本文中54条の4の次に54条の5を追加)、法改正(H30.05.01)
 「企業型年金の資産管理機関は、次に掲げる者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)の個人別管理資産を連合会に移換するものとする」
@当該企業型年金の企業型年金加入者であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して6月以内に、54条の4(確定給付企業年金の加入者となった者の個人別管理資産の移換)、54条の5(企業型年金加入者であった者の個人別管理資産の移換)、80条(企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換)若しくは82条(個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換)又は中小企業退職金共済法31条の3(資産管理運用機関からの移換額の移換)の規定により
 移換されなかったもの(当該企業型年金の企業型年金運用指図者及び次号に掲げる者を除く)
A当該企業型年金が終了した日において、当該企業型年金の企業型年金加入者等であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金が終了した日が属する月の翌月から起算して6月以内に、上記@にあるいずれの規定により移換されなかったもの
チョッと補足「連合会移換者(自動移換者)」
@企業型年金加入者が資格喪失したが、6か月以内に、確定給付企業年金の加入者となったときの個人別管理資産の移換、別の企業型年金加入者となったときの個人別管理資産の移換、個人型年金加入者となったときの個人別管理資産の移換、中小企業退職金共済を契約したときの移換のいずれも行わず、また運用指図者にもならなかった場合は、その者の個人別管理資産は、自動的に国民年金基金連合会に移換される。
  当該企業型年金が、45条により終了したため資格喪失した場合も、同様である。
 
そして、自動移換以後も企業型・個人型年金の加入者にも個人型年金運用指図者にもならずそのままになっている者を連合会移換者(自動移換者)という。
A自動移換者はその間は、当然に運用ができない(手数料が取られるので資産は目減りする)
B何もせずにそのまま放置していると、放置期間は通算加入期間にはならないので、年金の受給が遅れることになりかねない。
C受給資格がある場合は、個人型年金に加入したことがない者であっても、「個人型年金加入者であった者とみなし」て、73条の2により請求する。(実際には、個人型の運営管理機関を選択し、連合会から個人型確定拠出年金に資産を移し替えて、請求する)
 なお、老齢給付金を支給を請求することなく70歳に達したときは、国民年金基金連合会が自動的に裁定して、老齢給付金を支給する(個人型規約110条2項)
D自動移換を避けるためには、加入者資格を喪失してから6か月以内に以下を行うことが必要であるが、6か月が過ぎたあとであっても、これらを行うことはできる。
・個人型年金の加入資格があればこれに加入し、資産を移換し直す。
・企業型年金に加入できた場合、資産を移換し直す。
・個人型年金の加入資格もなく、企業型年金の加入者になる機会もない場合は、運用指図者になる。
・脱退一時金の受給資格がある場合は、これを請求する。
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8E
  企業型年金の加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る)が連合会に対し、その個人別管理資産の移換の申出をした場合であって、当該移換の申出と同時に確定拠出年金法第62条第1項の規定による個人型年金への加入の申出をしたときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を国民年金基金連合会に移換するものとする。(H31改)
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正しい 誤り





















     移     換     先








確定拠出
(企業型)
確定拠出
(個人型)
確定給付
企業年金
企業年金
連合会
中小企業
退職金共済
確定拠出
(企業型)
〇(80条) 〇( 82条) 〇(54条の4) 注1
〇(54条の5
注1
〇(54条の6中小企業退職金共済法31条の3)
確定拠出
(個人型)
〇(80条) ー( 原則として、途中脱退はない) 〇(74条の4) 注1   
 ×
×
確定給付
企業年金
〇(54条54条の2、確定給付企業年金法82条の3) 〇(確定給付企業年金法82条の3) 〇(確定給付企業年金法79条:同一企業グループ間)
〇(確定給付企業年金法81条の2) 1
  ◎(確定給付企業年金法82条の5中小企業退職金共済
法31条の3
)
企業年金
連合会
 ー  
中小企業
退職金共済
〇(54条中小企業退職金共済法17条、退職金共済法31条の4)
 × 〇確定給付企業年金法82条の5
〇(中小企業退職金共済法17条中小企業退職金共済法31条の4)
  〇(中小企業退職金共済法18条)
  注1:規約に移換の受け入れ可能とある場合のみ。