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 時効、時効特例
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1.時効(102条) 法改正(R02.04.01)、法改正(H19.7.6施行) 厚生年金保険法の場合はこちら
 「年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき
 当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利は、当該日の属する月の翌月以後に到来する当該年金給付の支給に係る18条3項本文(偶数月払)に規定する支払期月の翌月の初日から5年を経過したは、時効によって、消滅する」  
 「2項 前項の時効は、当該年金給付がその全額につき支給を停止されている間は、進行しない」
 「3項 給付を受ける権利叉は当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利については、会計法31条の規定を適用しない」 
 「4項 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する」
 「5項 保険料その他この法律の規定による徴収金についての96条1項(滞納者への督促)の規定による督促は、時効の更新の効力を有する」
 「6項 保険料その他この法律の規定による徴収金については、会計法32条の規定を適用しない」

チョッと補足(国民年金受給権の時効)厚生年金保険法の場合はこちら)
@「年金給付を受ける権利(基本権)」についての消滅時効は5
 その起算点は、その支給すべき事由が生じた日(すなわち基本権が発生した日)
A「当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる給付の支給を受ける権利(すなわち支分権)」についても、消滅時効は5
 その起算点は、当該日(基本権が発生した日)の属する月の翌月以後に到来する当該年金給付の支払期月の翌月の初日。
⇒受給権発生日が2月6日の場合、翌月以降に到来する支払期月は4月。よって、起算日は5月1日
B3項の規定(会計法31条の規定を適用しない)により、基本権、支分権とも、時効の援用(時効消滅を主張)をしない限り、消滅しない。
⇒逆に、その他のものには、会計法31条の適用があることになる。
C保険料・徴収金の徴収権、還付の請求権、死亡一時金を受ける権利の時効は2年。
 脱退一時金についても2年(請求期限)。(附則9条の3の2)
 これらには、会計法31条の規定が適用され、時効の援用をしなくとも、2年がすぎれば、必ず失権する。
 ただし、5項により、滞納者への督促状による督促を行えば、時効更新となる。
D未支給年金の時効はAと同じ。 
E6項の意味
 会計法32条によれは、納入の告知は時効の更新の効力を有することになるが、国民年金では保険料納付の通知は納付書(自主的に納付する場合に使用される様式のようなもの)でなされ、納入告知書は使用されていないので、同条は適用されない。
 一方、厚生年金の場合は、納入告知書の送付は時効更新の効力がある
           基本権と支分権について
基本権 ・年金給付を受ける権利(受給権)のことで、年齢要件を含めた受給資格要件を満足しておれば、法律上当然に発生するものであるが、実務上は、裁定請求しないと、基本権は有効にならないとされている。。 
会計法31条によれば、国は時効消滅の利益を放棄することは許されないとされ、時効消滅を援用(主張⁾しなくても、必ず時効が成立する。
・しかしながら、年金の受給権については、102条3項を設けることにより、国が時効消滅を援用(主張)しない限り、時効とはならないことにした。
 実務上は、基本権発生日から5年を経過する前に裁定請求を行うことができ得なかった旨を「遅延理由申立書」により申し立てることにより、特段のことがない限り、基本権については、援用(時効であることを主張)はしない。
・繰り下げ上限年齢の75歳化に伴う時効の取扱い(詳細はH04,03,29、年管発0329-15)により、
 令和4年4月1日以降に70歳に達する者(65 歳に達した日後に受給権を取得した場合は、当該受給権を取得した日から起算して5年を経過した者)が、80歳に達する日(65 歳に達した日後に受給権を取得した場合は、当該受給権を取得した日から起算して15年を経過した日)までの間に老齢基礎年金の支給繰下げの申出(繰下げの申出があったものとみなされる場合を含む)を行う場合は、申立書の提出を要しない
支分権 ・基本権に基づき支払期月ごとに保険給付を受ける権利
・基本権と同じく、時効消滅を援用(主張)しない限り、時効とはならないが、通常は援用する(つまり、5年より前に支給事由があった年金について受給権(基本権)が認められたとしても、実際には過去5年分しか遡って支給されない)
 ただし、年金記録の訂正にかかわるもの、事務処理誤りと認定されたものに限っては、援用しない。(支分権の時効に関する通達(H24.09.07))
・繰り下げ上限年齢の75歳化に伴う時効の取扱いに伴い、5年超過分についても、支分権の消滅ではなく、繰下げ増額の対象とする。

 死亡一時金の消滅時効
@死亡した日(あるいは死亡したとみなされる日)の翌日から起算して2年で消滅
Aただし、失踪宣告の場合は、通達(H26.03.27年管管発0327第2号)法改正(H26.03.27)によれば、
 「死亡一時金については、死亡とみなされた日(失踪から7年後の日)の翌日から2年を経過した後に請求があったものであっても、失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合には、給付を受ける権利について時効を援用せず、死亡一時金を支給することとする」
⇒失踪してから7年経過した日に死亡したとみなされ、死亡一時金はその翌日から2年で消滅時効としていたところ、今後は、失踪宣告の審判が確定した日の翌日から2年以内に請求があれば、時効を援用しない(時効消滅とはしない)ことに

 時効消滅後の保険料納付(通ちょう(S35.9.21国発48)
 「102条の規定により消滅時効の完成した保険料は、遡って納付又は徴収できない」
⇒保険料の徴収権が消滅すれば、納付義務もなくなる。その場合、どうしても納付したいといっても、受け取ってはくれない。
 徴収金の例:@ 不正利得の徴収(23条)、A国民年金基金解散に伴う責任準備金相当額の徴収(95条の2)
12
2A
 年金給付を受ける権利の消滅時効は、その支給すべき事由が生じた日から5年である。(基礎) (R02改) 
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正しい 誤り
一般16
8D
 厚生年金保険及び国民年金では、年金給付を受ける権利は、給付額全額が支給停止されている場合を除き、2年を経過したときは時効により消滅する。(12-2Aの応用)
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正しい 誤り
14
7E
 年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅し、死亡一時金を受ける権利は、権利を行使することができる時から3年を経過したときに時効によって消滅する。(基礎)(R02改) 
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正しい 誤り
15
2C
 年金給付を受ける権利は、給付額全額が支給停止されている場合を除き、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき、また、死亡一時金はその権利を行使することができる時から3年を経過したとき、それぞれ時効によって消滅する。(14-7Eの類型) (R02改)
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正しい 誤り
27
5E
 年金給付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。 (14-7Eの類型)(R02改)
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正しい 誤り
18
2B
 給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは時効によって消滅する。(14-7Eの応用)(R02改)

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正しい 誤り
支分権の時効
2
7D
 年金給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利については「支払期月の翌月の初日」がいわゆる時効の起算点とされ、各起算点となる日から5年を経過したときに時効によって消滅する。

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正しい 誤り
失踪宣告 30
2A
 失踪宣告を受けた者の死亡一時金の請求期間の取扱いについて、死亡とみなされた日の翌日から2年を経過した後に請求がなされたものであっても、失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合には、給付を受ける権利について時効を援用せず、死亡一時金を支給することとされている。
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正しい 誤り

















12
2C
 保険料その他の徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利、死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。(R02改)、(基礎)
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正しい 誤り
11
9C
 保険料その他国民年金法の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。(R02改)、(12-2Cの類型)
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正しい 誤り
13
5D

 

 毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければならない。なお、納付期限から2年を経過したときは、保険料を徴収する権利は、原則として、時効によって消滅する。(12-2Cの応用)
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正しい 誤り


16
8B
 厚生年金保険及び国民年金では、保険料その他の徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効の更新に該当しない限り、時効によって消滅する。(R02改)、(12-2Cの応用)
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正しい 誤り
20
8A
 保険料その他国民年金法の規定による徴収金については、期限を指定して督促をした場合でも、時効更新の効力は生じない。(R02改)
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正しい 誤り
 時











2.国民年金の時効特例(時効特例法2条) 法改正(H19.7.3新設)
 「厚生労働大臣は、施行日において国民年金法による給付を受ける権利を有する者又は施行日前において当該権利を有していた者(未支給の年金の支給を請求する権利を有する者を含む)について、
 14条(国民年金原簿)の規定により記録した事項の訂正がなされた上で当該給付を受ける権利に係る裁定(裁定の訂正を含む)が行われた場合においては、
 その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる給付の支給を受ける権利について当該裁定の日までに消滅時効が完成した場合においても、当該権利に基づく給付を支払うものとする」
 経過措置(時効特例法附則2条) 法改正(H19.7.3新設)
 「1条の規定は、施行日前に厚生年金保険法28条の規定により記録した事項の訂正がなされた場合における当該訂正に係る保険給付又は給付について準用する」
 時効特例のまとめ
 年金記録が訂正された場合は、従来の消滅時効5年にかかわらず、全期間遡って支給される。
 対象者
@  年金記録の訂正により、年金が増額した者、又は新たに受給資格が発生した者
A  上記の者が死亡した場合は、未支給年金を請求できるその遺族
⇒ あくまでも年金記録の訂正にかかわるものに対する特例であって、単なる裁定請求の遅延などに対する消滅時効は従来と同じ。
 年金給付遅延加算金支給法 法改正(H22.04.30新設)
 趣旨(1条)
 「この法律は、政府が管掌する厚生年金保険事業及び国民年金事業における被保険者等に関する年金記録の管理の不備に起因した様々な問題の重大性及びこれらの問題に緊急に対処する必要性にかんがみ、かつ、公的年金制度に対する国民の信頼を速やかに回復するため、年金記録の訂正がなされた上で厚生年金保険法による保険給付(これに相当する給付を含む)又は国民年金法(これに相当する給付を含む)を受ける権利に係る裁定が行われた場合において適正な年金記録に基づいて裁定が行われたならば支払うこととされた日よりも大幅に遅延して支払われる年金給付等の額について、その現在価値に見合う額となるようにするための加算金の支給に関し必要な事項を定めるものとする」
⇒記録訂正に伴い、時効特例法により5年を超えて遡り給付を受けた場合は、物価上昇相当分を遅延加算金として支払う。 
 給付遅延特別加算金の支給(3条)
 「厚生労働大臣は、国民年金法による給付を受ける権利を有する者又は当該権利を有していた者(未支給の年金の支給を請求する権利を有する者を含む)について、記録した事項の訂正がなされた上で施行日以後に当該給付を受ける権利に係る裁定が行われた場合においては、その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払うものとされる給付(時効特例法2条)の規定により支払うものとされる給付又はこれに相当する給付として政令で定めるものに限る)の全額を基礎として、当該給付を受ける権利を取得した日に当該訂正がなされた後の国民年金法の規定により記録した事項に従った裁定が行われたならば支払われることとされた日から当該給付を支払うこととする日までの間の物価の状況を勘案して政令で定めるところにより算定した額(給付遅延特別加算金)を、当該給付を支払うこととされる者に対し支給する」
⇒施行日(H22.04.30)前に記録訂正によって遡り給付を受けた場合も、請求することにより、準用して支給される。
23
1E
 厚生労働大臣は、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律の施行日における老齢基礎年金について、年金記録の訂正がなされた上で受給権に係る裁定が行われたときは、その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支給を受ける権利について、当該裁定日までに消滅時効が完成した場合においても、当該権利に基づく給付を支払うものとする。
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正しい 誤り
期間の計算 3.期間の計算(103条)
 「この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、この法律に別段の規定がある場合を除くほか、民法の期間の計算に関する規定を準用する」 
⇒「この法律に別段の規定がある場合」とは、被保険者期間の算定(11条)、障害認定日など(障害認定日の起算点は初診日)
⇒民法の期間の計算に関する規定はこちら