7A 雇用保険法 基礎知識と過去問 Tome塾Homeへ
 目的、事務、国庫負担、保険料、受給権の保護、公課の禁止
関連過去問:11-1A11-1C11-1E11-7D12-1A12-1E14-1A14-1B14-1C14-1D16-7A19-7B19-7E20-6B20-6D20-7B22-7A22-7D23-7C23-7E24-7E28-7ア28-7エ29-1B29-1E29-5E令元-7E
 15-2選択22-1選択24-2選択28-1選択H28-3選択
関連条文 目的(1条)、事務(2条)、雇用保険事業(3条)、受給権の保護(11条)、公課の禁止(12条)、
 国庫の負担(66条67条)、保険料(68条)、国庫負担に関する暫定措置








1.目的(1条) 基礎講座 法改正(R02.04.01)
 「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、
 労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、
 労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、
 あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする」
チョッと一言 
 
雇用保険は、
@失業した場合の給付:求職者給付
A雇用の継続が困難となった場合の給付:雇用継続給付
B労働者自ら職業に関する教育訓練を受けた場合の給付:教育訓練給付
C労働者が子を養育するための休業をした場合の給付:育児休業給付
   を行なうことにより、生活及び雇用の安定を図るとともに、
D求職活動を容易にするなどの給付:就職促進給付等によってその就職を促進し、
 あわせて、
E 労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図る:雇用保険二事業を行う。、
1' 雇用保険事業(3条) 法改正(R02.04.01)、法改正(19.4.23施行)
 「雇用保険は、1条の目的を達成するため、失業等給付及び育児休業給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる」
⇒失業等給付とは
 @求職者給付、A就職促進給付、B教育訓練給付 C雇用継続給付
 ここで、育児休業給付は、令和2年の法改正により、雇用継続給付すなわち失業等給付からは独立した給付となった。
12
1A
 雇用保険の目的には、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることも含まれている。(基礎)

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正しい 誤り
22
1

 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について| A |が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の| B |を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の拡大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。(R2改)(基礎)

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28
1

 雇用保険法第1条は、「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の| A |を図るとともに、| B |を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の| C |を図ることを目的とする」と規定している。(R2改)、(22-1選択の類型)
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14
1A
 雇用保険では、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行う失業等給付のほか、失業の有無を問わず労働者の自発的な教育訓練の受講を支援する教育訓練給付、及び労働者が子を養育するための休業をした場合の育児休業給付と、雇用安定、能力開発のいわゆる二事業を行っている。(R2改)(応用)

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正しい 誤り






2.事務(2条)
 「雇用保険は、政府が管掌する」
 「2項 雇用保険の事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる」
⇒実際に都道府県知事が行う事務は施行令1条の通りであり、担当するのは事業所の所在地を管轄する都道府県知事である。
⇒大部分の事務は政府が行うが、厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に、また局長の権限は公共職業安定所長に委任されている。(81条、詳細には事務の管轄(施行規則1条)を参照のこと)
14
1B
 雇用保険は政府が一元的に管掌する制度であり、都道府県知事にその事務の一部を行わせることは許されていない。

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正しい 誤り
受給権の保護等 3.受給権の保護(11条)
 「失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない」
29
1B
 基本手当の受給資格者は、基本手当を受ける権利を契約により譲り渡すことができる。(基礎)

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正しい 誤り
11
1E
 教育訓練給付を受ける権利は、求職者給付を受ける権利と異なり、差し押さえられることがある。(基礎)

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正しい 誤り
23
7C
 教育訓練給付の支給を受ける権利は、他人に譲り渡し、又は担保に供することができない。(11-1Eの 類型)

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正しい 誤り
19
7B
 特例一時金の支給を受ける権利は、債権者が差し押さえることができる。(11-1Eの類型)

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正しい 誤り




















4.公課の禁止(12条)
 「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない」
 ここで、失業等給付とは、10条により
 「失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする」
11
1A
 求職者給付については、生活の最低保障の趣旨にかんがみ非課税の扱いとなっているが、教育訓練給付については、所得税及び住民税の課税対象となる。(基礎)

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正しい 誤り
29
1E
 政府は、基本手当の受給資格者が失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合であっても、当該基本手当として支給された金銭を標準として租税を課することができない。(11-1Aの類型)

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正しい 誤り
16
7A
 現に被保険者である者に対して支給された教育訓練給付及び雇用継続給付は、租税その他の公課の対象とすることができる。(11-1Aの類型)

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正しい 誤り
22
7D
 高年齢雇用継続給付は、賃金の減少分を補うものであり、賃金に準じる性格を有するので、所得税及び住民税の課税対象とされている。(11-1Aの類型)

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正しい 誤り
28
7ア
 租税その他の公課は、常用就職支度手当として支給された金銭を標準として課することができる。( 11-1Aの類型)

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正しい 誤り
12
1E
 雇用保険二事業の一つである雇用安定事業により支給される雇用調整助成金には、租税その他の公課を課すことができる。(応用)

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正しい 誤り


















5.国庫の負担(66条) 法改正(R04.04.01)、法改正(R02.04.01)、法改正(H23.10.01) 法改正(19.4.23施行)
 「国庫は、次に掲げる区分によって、求職者給付(高年齢求職者給付金を除く)及び雇用継続給付(介護休業給付金に限る)、育児休業給付並びに64条(就職支援法事業)に規定ずる職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一部を負担する」
@日雇労働求職者給付金以外の求職者給付(高年齢求職者給付金を除く)については、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める割合
イ .毎会計年度の前々会計年度における労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況及び求職者給付の支給を受けた受給資格者の数の状況が、当該会計年度における求職者給付の支給に支障が生じるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当する場合:当該日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に要する費用の1/4
ロ.イに掲げる場合以外の場合: 当該日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に要する費用の1/40
A日雇労働求職者給付金については、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める割
イ 前号イに掲げる場合:当該日雇労働求職者給付金に要する費用の1/3
ロ 前号ロに掲げる場合:当該日雇労働求職者給付金に要する費用の1/30
B雇用継続給付(介護休業給付金の限る) については、当該雇用継続給付に要する費用の1/8
C育児休業給付については、当該育児休業給付に要する費用の1/8
D64条(就職支援法事業)に規定ずる職業訓練受講給付金の支給については、当該職業訓練受講給付金に要する費用の1/2
広域延長給付
を受ける者に係る求職者給付は、67条による。
 政令で定める基準(施行令5条) 法改正(R04.04.01新規)
 「法66条1項1号イの政令で定める基準は、当該会計年度の前々会計年度において、次の各号のいずれにも該当することとする」
@徴収法12条5項(雇用保険率の弾力的変更)に規定する差額を当該会計年度の前々会計年度末における同項に規定する積立金に加減した額が、同項に規定する失業等給付額等に相当する額未満であること」
⇒年度末積立金の額+差額(徴収保険料額+国庫負担額−給付の額)<給付の額 (つまり、次年度当初の積立金の額が給付の額を下まわる可能性があること減少してしまうこと(弾性値が1未満)
A各月の基本手当の支給を受けた受給資格者の数を平均した数が、70万人以上であること。
r
・求職者給付(高年齢求職者給付金を除く)、雇用継続給付(介護休業給付金の限る)、育児休業給付、職業訓練受講給付金の支給に要する費用については、国庫負担がある。
・@の雇用保険財政の悪化、Aの雇用情勢の悪化いずれにも該当するときは、国庫負担は本来の既定値通りとする。
・逆に、いずれにも該当しないあるいはいずれかにしか該当しない場合は、国庫負担は本来の規定値×1/10とするので、雇用保険料で賄うようにするということ。
・求職者給付でも、高年齢求職者給付金には、国庫負担なし。
・雇用継続給付でも、高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金には、国庫負担なし
・就職促進給付、教育訓練給付には、国庫負担なし
・雇用保険2事業(就職支援法事業として職業訓練受講給付金を除く)には、国庫負担なし
・広域延長給付に係る求職者給付については、一般の求職者給付よりも少し多い(67条)
 日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に対する追加負担(66条2項) 法改正(R04.04.01)
 「前項1号に規定する日雇労働求職者給付金以外の求職者給付については、国庫は、毎会計年度(国庫が同号ロの規定による負担額を負担する会計年度を除く)において、支給した当該求職者給付の総額の4分の3に相当する額が徴収法の規定により徴収した一般保険料の額を超える場合には、同号の規定にかかわらず、当該超過額について、同号の規定による国庫の負担額を加えて国庫の負担が当該会計年度において支給した当該求職者給付の総額の3分の1に相当する額に達する額までを負担する」


・求職者給付(日雇労働、高年齢、広域延長に係る求職者給付を除く)の国庫負担額は、1項では(1/40となる会計年度は除き) 1/4とされているが、
 当該求職者給付の総額×3/4(すなわち保険料によってまかなう額)が徴収した一般保険料の額(ただし、印紙保険料、育児休業給付率、二事業率等を考慮して若干の額を控除)よりも超過(赤字)になる場合は、求職者給付の総額の1/3を上限として、超過額を国庫が追加負担する
⇒追加負担額の上限が1/3ではなく、追加負担額を含めた負担額全額の上限が1/3である。
・この場合の「徴収した一般保険料の額」の詳細は次項による。
国庫負担額が1/40とされる会計年度においては、追加負担はなく、そのまま1/40である。
 「66条3項 法改正(R04.04.01細部の変更) 前項に規定する一般保険料の額は、1号に掲げる額から2号から4号までに掲げる額の合計額を減じた額とする」
@次に掲げる額の合計額(一般保険料徴収額)
イ:徴収法12条により徴収した労災保険と雇用保険の保険関係が成立している事業に係る一般保険料の額のうち雇用保険率(その率が同条5項(弾力的変更。同条10項又は11項の規定により読替えて適用する場合を含む)、8項又は9項の規定により変更されたときは、その変更された率(以下この条及び67条の2において同じ)に応ずる部分の額
ロ:徴収法12条による雇用保険の保険関係のみが成立している事業に係る一般保険料の額
A徴収法により徴収した印紙保険料の額に相当する額に厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める率を乗じて得た額
B一般保険料徴収額から前号に掲げる額(印紙保険料の額に厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める率を乗じて得た額)を減じた額に、1,000分の4の率を雇用保険率で除して得た率(育児休業給付率)を乗じて得た額
C一般保険料徴収額からA号に掲げる額(印紙保険料の額に厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める率を乗じて得た額)を減じた額に、1,000分の3.5の率(建設の事業については、1,000分の4.5の率)を雇用保険率で除して得た率(二事業率)を乗じて得た額」
 「66条4項 徴収法12条8項(二事業率の弾力的変更)により雇用保険率が変更されている場合は、前項C号中「1,000分の3.5」は1,000分の3、「1,000分の4.5」は1,000分の4とし、徴収法12条9項(二事業率の弾力的変更による下げ幅の拡大)により雇用保険率が変更されている場合は、前項C号中「1,000分の3.5」は1,000分の2.5と、「1,000分の4.5」は1,000分の3.5とする」
 日雇労働求職者給付金に対する国庫負担の減額(66条5項法改正(R04.04.01細部の変更) 
 「日雇労働求職者給付金については、国庫は、毎会計年度(国庫が1項2号ロの規定による負担額を負担する会計年度は除く)において、1号に掲げる額が2号に掲げる額を超える場合には、同項2号の規定にかかわらず、同号の規定による国庫の負担額から当該超過額に相当する額を減じた額(その額が当該会計年度において支給した日雇労働求職者給付金の総額の4分の1に相当する額を下回る場合には、その4分の1に相当する額)を負担する」
@次に掲げる額を合計した額
イ:徴収した印紙保険料の額
ロ:イの額に相当する額に、3項2号に掲げる「厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める率」を乗じて得た額からその額に育児休業給付率と二事業率を合算した率を乗じて得た額を減じた額」
A支給した日雇労働求職者給付金の3分の2に相当する額

・日雇労働求職者給付金に対する国庫負負担額は、2項では(1/30となる会計年度は除き) 1/3とされているが、
 徴収した印紙保険料の額(ただし、育児休業給付率、二事業率等を考慮して若干の額を控除)の方が、日雇労働求職者給付金の総額×2/3(すなわち保険料によってまかなう額)よりも大きい(黒字となる)場合は、日雇労働求職者給付金に対する国庫負担額は、黒字分を減じた額とする。ただし、支給された日雇労働求職者給付金の総額の4分の1を下限とし、これを下まわる減額はない。
国庫負担額が1/30とされる会計年度においては、国庫負担の減額はなく、そのまま1/30である。
 「66条6項 法改正(H23.10.01) 政府は、前各項に規定するもののほか、毎年度、予算の範囲内において、64条に規定ずる事業(就職支援法事業)に要する費用(職業訓練受講給付金に関する費用を除く)及び雇用保険事業の事務の執行に要する経費を負担する」
⇒就職支援法事業の財源は、
・認定職業訓練実施奨励金については、予算の範囲内で全額国庫負担
・職業訓練受講給付金については、1/2が労使折半の雇用保険料、残りの1/2は国庫負担(ただし、暫定措置により、当面は1/2の55/100)
雇用保険事業の事務の執行に要する経費
 
66条1項等による給付に対する国庫負担の有無に関わらず、雇用保険事業(たとえば、高年齢求職者給付金、高年齢雇用継続給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用保険2事業)に関する事務の執行に要する費用は、政府が予算の範囲内で(実際には全額)負担する。
 広域延長給付に係る休職者給付に対する国庫負担(67条)法改正(R04.04.01)
 「25条1項(広域延長給付)の措置が決定された場合には、前条1項1号の規定にかかわらず、国庫は、次に掲げる区分によって、広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用の一部を負担する。
 この場合において、同条2項は、以下のようになる。
 すなわち、「国庫は、毎会計年度において、支給した当該求職者給付の総額から広域延長給付に係る求職者給付の総額を控除した額の4分の3に相当する額が、徴収法の規定により徴収した一般保険料の額から広域延長給付に係る求職者給付の総額の3分の2に相当する額を控除した額を超える場合には、同号の規定にかかわらず、当該超過額について、同号の規定による国庫の負担額を加えて、国庫の負担が当該会計年度において支給した当該求職者給付の総額から広域延長給付を受ける者に係る求職者給付の総額を控除した額の3分の1に相当する額に達する額までを負担する」 
@66条1項1号イに掲げる場合:広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用の3分の1
A66条1項1号ロに掲げる場合:広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用の30分の1

@広域延長に係る求職者給付の国庫負担額は、67条1項から
・雇用保険財政の悪化と雇用情勢の悪化いずれにも該当するときは、国庫負担は3分の1。
・逆に、いずれにも該当しないあるいはいずれかにしか該当しない場合は、国庫負担は本来の規定値×1/10=1/30
A66条2項の「日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に対する追加負担」については、67条後段により、
・(求職者給付の総額-広域延長給付に係る求職者給付の総額)×3/4(すなわち、広域延長給付以外の求職者給付の国庫負担1/4を除き保険料によってまかなう額)が(徴収した保険料の額―広域延長給付に係る求職者給付の総額の2/3( 国庫負担1/3を除き保険料によってまかなう額)よりも超過(赤字)になる場合は、 
 求職者給付の総額の1/3を上限として、超過額を国庫が負担する
 新たな国庫繰入制度(67条の2) 法改正(R04.04.0新規)
 「国庫は、毎会計年度において、労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合(雇用保険率が1,000分の15.5(徴収法12条8項(二事業に起因する弾力的変更)の規定により雇用保険率が変更されている場合においては1,000分の15、同条9項(同下げ幅の拡大)の規定により雇用保険率が変更されている場合においては1,000分の14。5)以上である場合その他の政令で定める場合に限る)には、当該会計年度における失業等給付及び64条に規定する職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一部に充てるため、予算で定めるところにより、66条1項、2項及び5項並びに前条の規定により負担する額を超えて、その費用の一部を負担することができる。
 参考:67条の2の新設のねらいについて、厚生労働省は、「今般のコロナ禍における財政運営では、当面の雇用調整助成金等の財源確保及び雇用保険財政の安定のため、雇用保険臨時特例法に基づき、令和3年度補正予算において、失業等給付に対して約 1.7 兆円の国庫負担の繰入が行われた。同法に基づく機動的な国庫の繰入は初めて行われたものであるが、機動的に国庫を繰り入れる制度は、今後における雇用情勢の急激な変動による財政悪化等に備えるための枠組みとしても有効と考えられることから、常設的な仕組みとして雇用保険法に位置づけるべきである」としている。
 政令に定める基準(施行令16条) 法改正(R04.04.0新規)
 「法67条の2の政令で定める場合は、次のとおりとする」
@当該会計年度における雇用保険率が1,000分の15。5(徴収法12条8項(二事業に起因する弾力的変更)の規定により雇用保険率が変更されている場合においては1,000分の15、同条9項(同下げ幅の拡大)の規定により雇用保険率が変更されている場合においては1,000分の14。5)以上である場合
A当該会計年度の前会計年度において、徴収法12条5項に規定する差額を当該会計年度の前会計年度末における同項に規定する積立金に加減した額から同項に規定する教育訓練給付額及び同項に規定する雇用継続給付額を減じた額が、同項に規定する失業等給付額等から教育訓練給付額及び雇用継続給付額を減じた額の二倍に相当する額を超えない場合
B前2号に該当しない場合であつて、当該会計年度において、受給資格者の数の急激な増加及び労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況の急激な悪化が認められる場合

 国庫負担に関する暫定措置
 「附則13条 法改正(R04.04.01)、法改正(19.10.1) 国庫は、66条1項(3号から5号までに規定する部分に限る)の規定による国庫の負担については、当分の間、同項の規定にかかわらず、同項の規定による国庫の負担額の100分の55に相当する額を負担する」  
⇒「国庫負担は原則としてすべて本来値の100分の55とするという」暫定措置の対象が、「66条1項の3号(雇用継続給付(介護休業給付金))、4号(育児休業給付)、5号職業訓練受講給付金)に限定された。
 ただし、介護休業給付金と育児休業給付金については、附則14条の3により、本来値の10/100である。
 「附則14条 法改正(R02.04.01)、法改正(H29.04.01)、法改正(H22.02.03新設) 
 「平成29年度から令和3年度までの各年度においては、66条1項及び67条前段(広域延長給付に対する国庫負担)の規定並びに前条の規定にかかわらず、国庫は、66条1項及び67条前段の規定による国庫の負担額の100分の10に相当する額を負担する」
⇒令和4年度からはこちらに。 
 「附則14条の2 法改正(R02.04.01新規) 国庫は、令和2年度及び令和3年度における66条1項に規定する求職者給付、雇用継続給付及び職業訓練受講給付金並びに67条に規定する求職者給付に要する費用の一部に充てるため、新型コロナウイルス感染症等の影響による経済情勢の変化及び労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合には、前条1項に規定する額のほか、予算で定めるところにより、その費用の一部を負担することができる」
 「同2項 国庫は、令和2年度及び令和3年度における雇用安定事業(新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律に規定する事業並びに同事業を実施する期間において実施する62条1項1号に掲げる事業及び同項6号に掲げる事業(新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するために実施する事業であつて、厚生労働省令で定めるものに限る)に限る)に要する費用のうち、当該雇用安定事業に基づき支給又は助成をする額と16条1項の規定による基本手当の日額の最高額との差及び当該支給又は助成に係る事業主が中小規模の事業者であるか否かの別を考慮して政令で定めるところにより算定した額について負担するものとする」
 「附則14条の3 法改正(R04.04.01新規) 令和4年度から令和6年度までの各年度においては、66条1項(3号及び4号に規定する費用に係る部分に限る)の規定及び附則13条(3号及び4号に規定する費用に係る部分に限る)の規定にかかわらず、国庫は、66条1項(3号及び4号に規定する費用に係る部分に限る)の規定による国庫の負担額の100分の10に相当する額を負担する」
⇒「附則14条 平成29年度から令和3年度までにあった、国庫負担は原則としてすべて本来値の100分の10とする」に代わる規定である
⇒令和4年度から令和6年度までは、3号(雇用継続給付(介護休業給付金))、4号(育児休業給付)のに対する国庫負担は、8分の1の×10/100=1.25%とする。
 「附則14条の4  法改正(R04.04.01新規) 国庫は、令和4年度における失業等給付及び64条に規定する職業訓練受講給付金の支給に要する費用(同年度において特別会計に関する法の規定による繰入れ又は補足を行つた金額がある場合は、当該金額に相当する額を当該費用に加えた額)の一部に充てるため、新型コロナウイルス感染症等の影響による経済情勢の変化及び労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合には、66条1項1号及び2号並びに67条並びに附則13条1項(66条1項5号に規定する費用に係る部分に限る)及び前条1項(66条1項3号に規定する費用に係る部分に限る)に規定する額のほか、予算で定めるところにより、その費用の一部を負担することができる。この場合においては、67条の2の規定は、適用しない」。

 「附則15条 法改正(R04.04.01)、法改正(R02.04.01)、法改正(H29.04.01)、法改正(H23.08.01)、法改正(H22.02.03新設) 
 「雇用保険の国庫負担については、引き続き検討を行い、令和7年4月1日以降できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で附則13条に規定する国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとする」
 雇用保険の国庫負担の一覧はこちらを
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 雇用保険法においては、求職者給付たる| D |並びに雇用継続給付たる高年齢雇用継続基本給付金及び| E |に要する費用については、事務の執行に要する経費を除き、国庫負担の規定から除外されている。(基礎)

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15
2

 雇用保険の費用のうち国庫が負担するのは、原則として、日雇労働求職者給付金以外の求職者給付(高年齢求職者給付金を除く)については、当該求職者給付に要する費用の| D |(ただし政令で定める基準に該当しない場合はその10分の1)、なお、広域延長給付を受ける者に係る求職者給付については、その費用の3分の1(ただし政令で定める基準に該当しない場合はその10分の1)、日雇労働求職者給付金については、当該日雇労働求職者給付金に要する費用の3分の1(ただし政令で定める基準に該当しない場合はその10分の1)、雇用継続給付については、介護休業給付金に限り当該介護給付に要する費用の| E |、育児休業給付金については当該育児休業給付に要する費用の8分の1、職業訓練受講給付金については2分の1である。(R04、R02改) (基礎)

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28
3

 雇用保険法第67条は、「第25条第1項の措置が決定された場合には、前条第1項第1号の規定にかかわらず、国庫は、所定の区分によって、| E |を受ける者に係る求職者給付に要する費用の一部を負担する」と規定する。(R04改)

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20
6B
 一般被保険者の技能習得手当の支給に要する費用については、雇用情勢と財政の悪化状況について政令で定める基準に該当する場合は、原則としてその4分の1が、能力開発事業の一つとして、同事業の予算により負担されている。(R04改)(応用)

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29
5E
 雇用保険法によると、高年齢求職者給付金の支給に要する費用は、国庫の負担の対象とはならない。

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正しい 誤り
24
7E
 雇用保険法においては、国庫は、同法第64条に規定する職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一定割合を負担することとされている。(基礎)

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正しい 誤り
14
1C
 雇用保険の費用は原則として事業主及び被保険者(二事業については原則として事業主のみ)が支払う保険料のみによって賄われるが、失業等給付の保険給付額が労働保険特別会計の雇用勘定の積立金額を超えた場合には、求職者給付及び雇用継続給付に要する費用の一部を国庫が負担する。(H24改、 発展)

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11
1C
 国庫は、求職者給付に要する費用の一部を負担するが、平成7年度に設けられた雇用継続給付に要する費用については負担しない。(基礎)

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正しい 誤り
19
7E
  育児休業給付及び介護休業給付に要する費用については国庫負担はなく、労使が折半して支払う保険料のみによって費用が賄われる。(11-1Cの類型)

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20
7B
 国庫は、求職者給付(高年齢求職者給付金を除く)及び雇用継続給付金(介護休業給付金に限る)並びに育児休業給付金に要する費用の一部を負担するが、そのうち、介護休業給付金と育児休業給付金については、令和4年度から令和6年度までの間は、本来の規定による負担額の100分の10に相当する額とされている。(R04改)

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28
7エ
 国庫は、雇用継続給付に対しては介護休業給付金に限り、当該給付に要する費用の8分の1の額に100分の10を乗じて得た額を負担する。(R02改) (20-7Bの類型)

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その他の
給付

22
7A

 教育訓練給付に要する費用については、原則として、その8分の1を国庫が負担するものとされている。(基礎)

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11
7D
 雇用保険二事業について、原則として国庫はその費用を負担しないが、当該年度における雇用保険二事業に係る歳出が雇用保険二事業分の保険料収入を上回る場合には、国庫はその収支差に相当する額を負担することとされている。(発展)
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事務執行経費 23
7E
 雇用保険事業の事務の執行に要する経費については、国庫が、毎年度、予算の範囲何において負担するものとされている。(基礎)

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7E
 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、就職支援法事業に要する費用(雇用保険法第66条第1項第5号に規定する費用を除く)及び雇用保険事業の事務の執行に要する経費を負担する。(R2改)、(23-7Eの類型)

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6.保険料(68条)
 「雇用保険事業に要する費用に充てるため政府が徴収する保険料については、徴収法の定めるところによる」
 「同2項 法改正(R2.04.01)、法改正(H23.10.01) 前項の保険料のうち、 一般保険料徴収額から当該一般保険料徴収額に育児休業給付率を乗じて得た額及び当該一般保険料徴収額に二事業率を乗じて得た額の合計額を減じた額及び印紙保険料の額に相当する額の合計額は、失業等給付及び就職支援法事業に要する費用に充てるものとし、一般保険料徴収額に育児休業給付率を乗じて得た額は育児休業給付に要する充てるものとし、一般保険料徴収額に二事業率を乗じて得た額は雇用安定事業及び能力開発事業(63条に規定するものに限る。すなわち就職支援法事業を除く))に要する費用に充てるものとする」  
⇒ 
@一般保険料徴収額×育児休業給付率=賃金総額×1,000分の4:この分は、事業主と被保険者が折半して負担し、育児休業給付に充てる。
A一般保険料徴収額×二事業率=賃金総額×1,000分の35(建設の事業の場合は1,000分の4.5):この分は事業主のみが負担し、雇用安定事業と能力開発事業(就職支援法事業を除く)に充てる。   
B一般保険料徴収額―@−A+印紙保険料の額:この分は、事業主と被保険者が折半して負担し、失業等給付及び就職支援法事業に充てる。    
 注:就職支援法事業は能力開発事業の一部であるが、失業等給付と同じ位置づけとし、被保険者からの保険料もあてる。
20
6D
 雇用保険二事業に充てられる分の雇用保険率については、いわゆる弾力条項が設けられておらず、保険収支の状況によってその率が変更されることはない。

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正しい 誤り
14
1D
 雇用保険の料率については、失業予防の観点から、一定規模以上の事業に関していわゆるメリット制が取られており、当該事業における過去3年間の保険料の額と離職者に対する求職者給付の支給額の割合が一定の基準を超え又は一定の基準を下回る場合、事業主が負担する部分の雇用保険率を一定範囲内で引き上げ又は引き下げるものとされている。

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